アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○保健所における精神保健業務中の訪問指導について

(昭和六一年五月一五日)

(健医発第六一八号)

(各都道府県知事・各政令市市長・各特別区区長あて厚生省保健医療局長通知)

保健所にあっては、「保健所における精神衛生業務運営要領」(昭和四一年二月一一日衛発第七六号)により、地域における第一線の行政機関として、精神保健諸活動の中心となり、関係諸機関との緊密な連絡協調のもとに精神障害者の早期発見、早期治療の促進及び精神障害者の社会適応を援助するための活動として、相談及び訪問指導を積極的に実施してきたところである。

今般、昭和六一年四月一日から社会保険診療報酬改定により、別添資料に示すように、精神科訪問看護・指導料が新設され、精神科医療機関の医師が入院中の患者以外の精神障害者である患者又はその家族等の了解を得て、当該医療機関の保健婦又は看護婦等を訪問させ、患者又は家族等に対して看護又は社会復帰指導等療養上必要な指導を行った場合に、精神科医療機関は、保険請求ができることとなった。

ついては保健所においても、精神障害者の継続的な通院医療の重要性に鑑み、医療機関による訪問看護・指導の実施にあわせて、医療機関と緊密な連携のもとに別添「精神科通院医療中断者保健サービス事業実施要領」により保健所の訪問指導を推進し、在宅医療等の一層の促進を図ることとしたので、その円滑な実施について、遺憾のないようご配意願いたい。

別添

精神科通院医療中断者保健サービス事業実施要領

一 目的

精神科通院医療中断者保健サービス事業は、通院医療を継続する必要があるにもかかわらず、定期的な受診・服薬を行うことができない精神障害者(以下「医療中断者」という。)に対し、精神保健相談員及び保健婦等保健所職員による訪問指導を実施することにより、在宅医療の一層の推進を図るとともに社会復帰の促進を図ることを目的とする。

二 実施保健所

精神科医療機関から、直接、又は当該精神科医療機関の管轄の保健所を経由して、「医療中断者」に対する訪問指導の依頼を受けた保健所とする。

三 訪問指導対象者

本事業の対象者は、次の要件に該当する者とする。

(一) 精神科医療機関において、訪問看護又は訪問指導を要すると認めた「医療中断者」であること。

(二) 当該医療機関から職員を派遣することが困難な者であること。

(三) 当該医療機関により、保健所職員の訪問について、「医療中断者」又はその家族等の了解が得られた者であること。

四 本事業の実施方法

「医療中断者」に対する訪問指導は、次により実施するものとする。

(一) 保健所は、文書(別紙様式)により、又、緊急を要する場合には電話により、精神科医療機関からの訪問指導の依頼を受け付けること。

(二) 当該保健所は、当該保健所の管轄区域以外に居住している訪問指導対象者については、その管轄保健所に対して速やかに訪問指導の依頼を行うこと。

なお、当該保健所は、訪問指導の依頼を行う場合、精神科医療機関からの依頼文書等を併せて送付すること。

(三) 精神科医療機関から、直接、又は当該医療機関の管轄の保健所を経由して、訪問指導の依頼を受けた保健所は、速やかに当該医療機関の主治医等と連絡をとり、訪問指導に必要な情報の収集に当たること。

(四) 「医療中断者」を訪問した精神保健相談員及び保健婦等保健所職員は、定期的な受診の勧奨、服薬継続の重要性等について本人又は家族等に指導を行い、治療の継続を図ること。

また、訪問に際しては、生活指導、職業に関する指導、家族間や職場等環境の調整に関する援助等を併せ行うこと。

(五) 訪問指導に関する記録等の整備保管については、「保健所における精神保健業務運営要領」(昭和四一年二月一一日衛発第七六号)により行うこと。

五 訪問指導実施上の留意事項

(一) 精神保健相談員及び保健婦等保健所職員は、「医療中断者」又は家族等の了解のもとに訪問指導を行うものであり、本事業の実施に当たつては「医療中断者」の秘密保持に最大限の配慮を払うこととする。

(二) 精神保健相談員及び保健婦等保健所職員は、訪問指導実施にあたつては、主治医等の医学的指導のもとにこれを行い、訪問した事項について、その都度速やかに、主治医等に報告する等、精神科医療機関と十分連携を図ることとする。

別紙様式

別添資料

精神科訪問看護・指導料 二○○点

注 入院中の患者以外の精神障害者である患者又はその家族等に対して、当該患者を診察した精神科を標榜する保険医療機関の保健婦、看護婦等を訪問させて、看護又は療養上必要な指導を行わせた場合に、週一回を限度として算定する。

(昭和六一年三月一五日厚生省告示第三五号の抜すい)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

精神科訪問看護・指導料

(一) 今回新設された精神科訪問看護・指導料は、精神科を標榜している保険医療機関において精神科を担当している医師が、精神障害者たる入院中以外の患者又はその家族等の了解を得て、当該保険医療機関の保健婦、看護婦等を訪問させ、患者又は家族等に対して看護・社会復帰指導等を行つた場合に算定するものであること。

(二) 精神科訪問看護・指導料の算定は、週一回を限度とすること。

(三) 医師は、保健婦、看護婦等に対して行つた指示内容の要点を診療録に記載すること。

(四) 保健婦、看護婦等は、医師の指示に基づき行つた指導の内容の要点を記録にとどめておくこと。

(五) 保険医療機関は、精神科訪問看護・指導の実施に当たつては、保健所の実施する訪問指導事業との連携に十分配慮すること。

(昭和六一年三月一五日保険発第一八号厚生省保険局医療課長、厚生省保険局歯科医療管理官連名通知の抜すい)