アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○民間事業者による日帰り介護(デイサービス)事業指針及び短期入所生活介護(ショートステイ)事業指針について

(平成九年一二月一七日)

(障障第一八三号・老振第一三九号)

(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生省大臣官房障害保健福祉部長・老人保健福祉局長連名通知)

民間事業者により提供されるシルバーサービス(高齢者向け民間サービス)については、高齢者等の福祉の向上とその健全な育成を図るため、厚生省としても、国及び地方自治体を通じての適切な指導と民間事業者による自主的な取組とがあいまって良質なサービスが提供されるよう努めてきたところである。

民間事業者による在宅介護サービス及び在宅入浴サービス、福祉用具賃貸サービス及び福祉用具販売サービス並びに在宅配食サービスについて行政指導を行う際の指針については、既に「民間事業者による在宅介護サービス及び在宅入浴サービスのガイドラインについて」(昭和六三年九月一六日老福第二七号・社更第一八七号厚生省大臣官房老人保健福祉部長・社会局長通知)、「民間事業者による福祉用具賃貸サービス及び福祉用具販売サービスのガイドラインについて」(平成六年一〇月二一日社援更第二八四号・老福第八〇号厚生省社会・援護局長・老人保健福祉局長通知)及び「民間事業者による在宅配食サービスのガイドライン」(平成八年五月一三日老振第四六号厚生省老人保健福祉局長通知)をもってそれぞれ示しているところであるが、今般、民間事業者による日帰り介護(デイサービス)事業及び短期入所生活介護(ショートステイ)事業についての指針を別紙のとおり定めたので、前記の通知で示した基本的考え方に留意の上、日帰り介護事業又は短期入所生活介護事業を行う民間事業者及びシルバーサービス関係団体に対して適切な指導を行うとともに、貴管下市町村等への周知方取り計らわれたい。

なお、日帰り介護等の在宅福祉サービスを提供する民間事業者が複数存在することは、利用者の利便性を高め、在宅福祉サービスの効率的な実施につながるものであることから、この点にも留意し、適切な運用を図られたい。

別紙

日帰り介護(デイサービス)事業指針

1 基本的事項

(1) 日帰り介護は、高齢者等の自立支援という観点に立って、在宅の要介護者等に対し、日帰り介護施設等において各種のサービスを提供することにより、これらの者の居宅生活の支援、社会的孤立感の解消、心身機能の維持向上等を図るとともに、その家族の身体的・精神的な負担の軽減を図るものであること。なお、家族により介護が行われている場合には、その介護との連携に配慮しつつ行うものであること。

(2) 事業者及びサービス従事者は、高齢者等及びその家族の人格の尊重に万全を期すものとし、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないこと。

2 サービス内容

(1) サービスの内容は、次に掲げるものとし、高齢者等の心身の状態を的確に把握しつつ、利用者の要望に応じて提供すること。

① 生活指導

② 機能訓練

③ 介護サービス

④ 介護方法の指導

⑤ 健康チェック

⑥ 送迎

⑦ 給食サービス

⑧ 入浴サービス

(2) (1)の⑧のサービスについては、日帰り介護施設等の規模、利用者の心身の特性を勘案した上で、必要に応じて実施できるものであること。

(3) (1)の⑦及び⑧のサービスについては、利用者の要望に応じて居宅においても実施できるものであること。この場合においては、「民間事業者による在宅介護サービス及び在宅入浴サービスのガイドラインについて」(昭和六三年九月一六日老福第二七号・社更第一八七号大臣官房老人保健福祉部長・社会局長通知)及び「民間事業者による在宅配食サービスのガイドラインについて」(平成八年五月一三日老振第四六号老人保健福祉局長通知)を遵守すること。

(4) 主として身体障害者を対象として日帰り介護事業を行う場合には、(1)に掲げるサービスに併せ、創作的活動を行うこと。

(5) (1)の⑦のサービスの実施に当たっては、食中毒の発生予防等のため衛生面に十分配慮すること。

3 職員に関する事項

(1) 職員の配置

① 職員については、日帰り介護を行う上で必要な次の職種の職員を適切に配置し、サービスの実施を指揮・監督する管理責任者を定めること。

ア 施設長

イ 生活指導員(社会福祉士その他これに準ずる者)

ウ 看護婦(士)又は准看護婦(士)

エ 介護福祉士又は介護員

オ 調理員

カ 運転手

キ その他サービス提供に必要な者

② 生活指導員、介護福祉士又は介護員のうち少なくとも一名は常勤職員とすること。

③ 調理業務を委託する場合は、調理員を置かないことができること。

(2) 職員の研修

職員に対しては、採用時及び採用後において定期的に、高齢者等の心身の特性、実施するサービスのあり方及び内容、介護に関する知識及び技術、作業手順等について研修を行うこと。

(3) 職員の衛生管理

① 事業者は、職員の心身の健康に留意し、職員の疾病の早期発見及び健康状態の把握のために、採用時及び採用後において定期的に健康診断を行うこと。

② 事業者は、職員の清潔の保持及び健康状態について常時確認する体制を整えること。

③ サービス従事者には、清潔で活動しやすい衣服を着用させること。

4 施設設備等

(1) サービスの提供に当たっては、次の設備を設けること。ただし、他の施設の設備を利用することにより施設の効果的な利用ができる等の場合であって、利用者に対するサービスの提供に支障がない場合にはこの限りではないこと。

① 事務室

② 相談室

③ 食堂

④ 浴室

⑤ 機能訓練室

⑥ 介護者教室

⑦ 休養室

⑧ 便所

⑨ 厨房

⑩ その他サービスを提供する上で必要な施設設備

(2) (1)に掲げる設備の基準は次のとおりとすること。

① 相談室

遮へい物を設置することや会話内容の漏洩を防ぐ配慮をすることなどにより、利用者及びその家族等が安心して相談ができるものとすること。

② 浴室

身体の不自由な者が入浴するのに適したものとすること。

③ 食堂

食堂で食事をすることができる利用者のために十分な広さを有すること。

④ 厨房

食器、調理器具等を消毒する設備、食器、食品等を清潔に保管する設備並びに防虫及び防鼠の設備を設けること。

⑤ 機能訓練室

機能訓練を行うために十分な広さを有し、必要な機械・器具を備えること。

⑥ 便所

ブザー又はこれに変わる設備を設けるとともに、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。

(3) 建物の配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等利用者の保健衛生及び防災について十分考慮すること。

(4) 設備・器具類の安全衛生管理

利用者の皮膚に直接接するタオル等の用品類は、安全・清潔なものを使用すること。

5 サービス実施に関する事項

(1) サービス実施方法

① サービスの実施方法を手引として定め、サービス従事者に徹底すること。

② 手引には次の事項を盛り込むこと。

ア サービス利用者及び家族に対するサービス内容の説明

イ サービス実施の基準及びサービス実施に係る医療法制(禁止事項)遵守に関すること。

ウ 看護婦(士)又は准看護婦(士)による利用者の健康状態の定期的な観察

エ 生活指導員による利用者の居宅における生活環境等の把握

オ 生活指導員、看護婦(士)又は准看護婦(士)及び介護福祉士又は介護員によるサービス内容の検討及び決定

カ 個々のサービスについての具体的作業手順、留意事項等

キ 利用者に異常があった場合の対応

ク 利用者に対して提供したサービス内容等についての記録の整備と保管

(2) 医療との連携

嘱託医又は協力医療機関を確保するとともに、利用者の主治医を確認し、主治医との連携を確保すること。

(3) 相談・援助機能の充実

利用者及び家族の相談に幅広く対応するとともに、必要な情報提供に努めること。

6 契約に関する事項

(1) 契約の内容等

① サービスの開始前に、次の事項を盛り込んだ契約書を取り交わすこと。また、その際、内容及び手順について事前に説明を行うこと。

ア サービス実施主体名及び代表者氏名

イ 利用者氏名等

ウ サービス内容及び料金

エ サービス実施主体の免責事由

オ 契約事項の変更

② 利用者募集の際、誇大広告等により利用者に不当に期待を抱かせたり、それによって損害を与えることのないようにすること。

(2) 料金等

① 料金は、サービス提供に要する費用に応じた適切な額とすること。

② サービス内容に対応した料金体系を用意し、明示すること。

③ サービスの提供が公的サービスの委託を受けたものである場合には、その旨を明示すること。

(3) 苦情処理、損害賠償

① 事業者は、自らサービスを提供するとの立場にあることから、利用者の苦情に対し迅速かつ円滑な解決を図るため、窓口を置く等利用者等の利便に配慮してその苦情処理に努めるものとすること。

② 事業者は、利用者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、利用者に対しての損害賠償を速やかに行うものとすること。

7 その他

日帰り介護事業を実施している事業者が、既存施設を活用する等し、拠点となる日帰り介護施設等から事業の実施に必要な職員を派遣して事業を行う場合には、次により行うこと。

(1) サービス内容

サービス内容は、2の(1)のサービスのうち生活指導、介護サービス及び健康チェックの実施を必須とし、他のサービスについては必要に応じて実施できるものであること。

(2) 職員の配置

短期入所生活介護(ショートステイ)事業指針

職員については、(1)のサービスの実施に必要な職種の職員を適切に配置すること。

1 基本的事項

(1) 短期入所生活介護は、高齢者等の自立支援という観点に立って、在宅の要介護者等を一時的に施設に入所させることにより、これらの者の居宅生活の支援、心身機能の維持向上等を図るとともに、その家族の身体的、精神的な負担の軽減を図るものであること。なお、家族により介護が行われている場合には、その介護との連携に配慮し行うものであること。

(2) 事業者及びサービス従事者は、高齢者等及びその家族の人格の尊重に万全を期すものとし、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないこと。

2 職員に関する事項

(1) 職員の配置

① 職員については、短期入所生活介護を行う上で必要な次の職種の職員を適切に配置し、サービスの実施を指揮・監督する管理責任者を定めること。この場合、併設施設でのサービス提供等に支障がない場合には、当該併設施設の職員が兼務できるものであること。

ア 施設長

イ 医師

ウ 生活指導員(社会福祉士その他これに準ずる者)

エ 看護婦(士)又は准看護婦(士)

オ 介護福祉士又は介護員

カ 調理員

キ その他サービス提供に必要な者

② 医師は嘱託とすることができること。

③ 生活指導員、看護婦(士)又は准看護婦(士)及び介護福祉士又は介護員(以下「直接処遇職員」という)は、日中及び夜間を通じて利用者に対するサービス提供に必要な員数を確保すること。

④ 直接処遇職員は常勤を原則とするが、利用者に対するサービスの提供に支障がない場合には、非常勤職員を充てることができること。

⑤ 調理業務を委託する場合は、調理員を置かないことができること。

(2) 職員の研修

職員に対しては、採用時及び採用後において定期的に、高齢者等の心身の特性、実施するサービスのあり方及び内容、介護に関する知識及び技術、作業手順等について研修を行うこと。

(3) 職員の衛生管理

① 事業者は、職員の心身の健康に留意し、職員の疾病の早期発見及び健康状態の把握のために、採用時及び採用後において定期的に健康診断を行うこと。

② 事業者は、職員の清潔の保持及び健康状態について常時確認する体制を整えること。

③ サービス従事者には、清潔で活動しやすい衣服を着用させること。

3 施設設備等

(1) 短期入所生活介護を行う施設には、次の設備を設けること。ただし、他の施設の設備を利用することにより施設の効果的な利用ができる場合であって、利用者に対するサービスの提供に支障がない場合にはこの限りではないこと。

① 事務室

② 居室

③ 食堂

④ 浴室

⑤ 機能訓練室

⑥ 洗面所

⑦ 便所

⑧ 医務室

⑨ 看護・介護員室(サービスステーション)

⑩ 調理室

⑪ 洗濯室又は洗濯場

⑫ 汚物処理室

⑬ その他サービスを提供する上で必要な施設設備

(2) 前記に掲げる設備の基準は次のとおり

① 居室

ア 一室の定員は四人以下とすること。

イ 利用者一人当たりの床面積は八m2以上とすること。

ウ 寝台又はこれに代わる設備を備えること。

エ ナースコールを設けること。

オ 一室を二人以上の者で使用させる場合にあっては、プライバシーの保護に十分配慮した設備とすること。

カ 室内に収納設備等を設ける場合は、介護、車いすの使用、緊急時の対応等に支障のないよう配慮すること。

② 食堂

食堂で食事をすることができる利用者のために十分な広さを有すること。

③ 浴室

身体の不自由な者が入浴するのに適したものとすること。

④ 機能訓練室

機能訓練を行うために十分な広さを有し、必要な機械・器具を備えること。

⑤ 便所

ブザー又はこれに変わる設備を設けるとともに、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。

⑥ 調理室

食器、調理器具等を消毒する設備、食器、食品等を清潔に保管する設備並びに防虫及び防鼠の設備を設けること。

(3) 建物は、建築基準法(昭和二五年法律第二〇一号)第二条第九号の二に規定する耐火建築物又は同条第九号の三に規定する準耐火建築物とするとともに、建物の配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等利用者の保健衛生及び防災について十分考慮すること。

(4) 設備・器具類の安全衛生管理

利用者の皮膚に直接接するタオル等の用品類は、安全・清潔なものを使用すること。

4 サービス実施に関する事項

(1) サービス実施方法

① サービスの実施方法を手引として定め、サービス従事者に徹底すること。

② 手引には次の事項を盛り込むこと。

ア サービス利用者及び家族に対するサービス内容の説明

イ サービス実施の基準並びにサービス実施に係る医師の関与及び医療法制(禁止事項)遵守に関すること。

ウ 医師、看護婦(士)又は准看護婦(士)による利用者の健康状態の定期的な観察

エ 生活指導員による利用者の居宅における生活環境等の把握

オ 直接処遇職員によるサービス内容の検討及び決定

カ 個々のサービスについての具体的作業手順、留意事項等

キ 利用者に異常があった場合の対応

ク 利用者に対して提供したサービス内容等についての記録の整備と保管

(2) 食事の提供

食事については、食中毒の発生予防等のため、衛生面に十分配慮して提供すること。

(3) 医療との連携

協力医療機関を確保するとともに、利用者の主治医を確認し、主治医との連携を確保すること。

(4) 相談・援助機能の充実

利用者及び家族の相談に幅広く対応するとともに、必要な情報提供に努めること。

5 契約に関する事項

(1) 契約の内容等

① サービスの開始前に、次の事項を盛り込んだ契約書を取り交わすこと。また、その際、内容及び手順について事前に説明を行うこと。

ア サービス実施主体名及び代表者氏名

イ 利用者氏名等

ウ サービス内容及び料金

エ サービス実施主体の免責事由

オ 契約事項の変更

② 利用者募集の際、誇大広告等により利用者に不当に期待を抱かせたり、それによって損害を与えることのないようにすること。

(2) 料金等

① 料金は、サービス提供に要する費用に応じた適切な額とすること。

② サービス内容に対応した料金体系を用意し、明示すること。

③ サービスの提供が公的サービスの委託を受けたものである場合には、その旨を明示すること。

(3) 苦情処理、損害賠償

① 事業者は、自らサービスを提供するとの立場にあることから、利用者の苦情に対し迅速かつ円滑な解決を図るため、窓口を置く等利用者等の利便に配慮してその苦情処理に努めるものとすること。

② 事業者は、利用者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、利用者に対しての損害賠償を速やかに行うものとすること。