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○指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について

(平成一二年三月八日)

(老企第四〇号)

(各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生省老人保健福祉局企画課長通知)

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成十二年二月厚生省告示第十九号)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成十二年二月厚生省告示第二十一号)については、本年二月十日に公布されたところであるが、この実施に伴う留意事項は左記のとおりであるので、その取扱いに遺憾のないよう関係者に対し、周知徹底を図られたい。

なお、本通知は、指定居宅サービス介護給付費単位数表(以下「居宅サービス単位数表」という。)のうち短期入所生活介護費から特定施設入所者生活介護費まで、指定施設サービス等介護給付費単位数表(以下「施設サービス単位数表」という。)を対象とするものである。

〔目次〕

第一 届出手続の運用

第二 居宅サービス単位数表及び施設サービス単位数表

1 通則

2 短期入所生活介護費

3 短期入所療養介護費

4 特定施設入居者生活介護費

5 介護福祉施設サービス

6 介護保健施設サービス

7 介護療養施設サービス

第一 届出手続の運用

1 届出の受理

(1) 届出書類の受取り、要件審査、届出の受理及び国保連合会等への通知

「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス及び居宅療養管理指導に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成十二年三月一日老企第三六号厚生省老人保健福祉局企画課長通知。以下「訪問通所サービス通知」という。)第一の1の(1)から(4)までを準用する。

(2) 届出に係る加算等の算定の開始時期

届出に係る加算等については、届出が受理された日が属する月の翌月(届出が受理された日が月の初日である場合は当該月)から算定を開始するものとする。

2 届出事項の公開等

訪問通所サービス通知の第一の2から6までを準用する。

第二 居宅サービス単位数表(短期入所生活介護費から特定施設入居者生活介護費に係る部分に限る。)及び施設サービス単位数表

1 通則

(1) 算定上における端数処理について

訪問通所サービス通知の第二の1の(1)を準用する。

(2) 入所等の日数の数え方について

① 短期入所、入所又は入院の日数については、原則として、入所等した日及び退所等した日の両方を含むものとする。

② ただし、同一敷地内における短期入所生活介護事業所、短期入所療養介護事業所、特定施設又は介護保険施設(以下②及び③において「介護保険施設等」という。)の間で、又は隣接若しくは近接する敷地における介護保険施設等であって相互に職員の兼務や施設の共用等が行われているものの間で、利用者等が一の介護保険施設等から退所等をしたその日に他の介護保険施設等に入所等する場合については、入所等の日は含み、退所等の日は含まれない。したがって、例えば、短期入所生活介護の利用者がそのまま指定介護老人福祉施設に入所したような場合は、入所に切り替えた日については短期入所生活介護費は算定しない。

③ なお、介護保険施設等を退所等したその日に当該介護保険施設等と同一敷地内にある病院若しくは診療所の病床であって医療保険の診療報酬が適用されるもの(以下「医療保険適用病床」という。)又は当該介護保険施設等と隣接若しくは近接する敷地における病院若しくは診療所の医療保険適用病床であって当該介護保険施設等との間で相互に職員の兼務や施設の共用等が行われているもの(以下③において「同一敷地内等の医療保険適用病床」という。)に入院する場合(同一医療機関内の転棟の場合を含む。)は、介護保険施設等においては退所等の日は算定されず、また、同一敷地内等の医療保険適用病床を退院したその日に介護保険施設等に入所等する場合(同一医療機関内の転棟の場合を含む。)は、介護保険施設等においては入所等の日は算定されない。

④ 厚生労働大臣が定める利用者等の数の基準及び看護職員等の員数の基準並びに通所介護費等の算定方法(平成十二年厚生省告示第二十七号。以下「通所介護費等の算定方法」という。)の適用に関する平均利用者数等の算定においては、入所等した日を含み、退所等した日は含まないものとする。

(3) 定員超過利用に該当する場合の所定単位数の算定について

① 短期入所生活介護、短期入所療養介護、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス及び介護療養施設サービスについては、当該事業所又は施設の利用者等の定員を上回る利用者等を入所等させているいわゆる定員超過利用に対し、介護給付費の減額を行うこととし、通所介護費等の算定方法において、定員超過利用の基準及び単位数の算定方法を明らかにしているところであるが、適正なサービスの提供を確保するための規定であり、定員超過利用の未然防止を図るよう努めるものとする。

② この場合の利用者等の数は、一月間(暦月)の利用者等の数の平均を用いる。この場合、一月間の利用者等の数の平均は、当該月の全利用者等の延数を当該月の日数で除して得た数とする。この平均利用者数等の算定に当たっては、小数点以下を切り上げるものとする。

③ 利用者等の数が、通所介護費等の算定方法に規定する定員超過利用の基準に該当することとなった事業所又は施設については、その翌月から定員超過利用が解消されるに至った月まで、利用者等の全員について、所定単位数が通所介護費等の算定方法に規定する算定方法に従って減算され、定員超過利用が解消されるに至った月の翌月から通常の所定単位数が算定される。

④ 都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)においては、指定都市又は中核市の市長。3の(6)ニc、7の(8)⑤を除き、以下同じ。)は、定員超過利用が行われている事業所又は施設に対しては、その解消を行うよう指導すること。当該指導に従わず、定員超過利用が二月以上継続する場合には、特別な事情がある場合を除き、指定又は許可の取消しを検討するものとする。

⑤ 災害、虐待の受入れ等やむを得ない理由による定員超過利用については、当該定員超過利用が開始した月(災害等が生じた時期が月末であって、定員超過利用が翌月まで継続することがやむを得ないと認められる場合は翌月も含む。)の翌月から所定単位数の減算を行うことはせず、やむを得ない理由がないにもかかわらずその翌月まで定員を超過した状態が継続している場合に、災害等が生じた月の翌々月から所定単位数の減算を行うものとする。

(4) 常勤換算方法による職員数の算定方法について

暦月ごとの職員の勤務延時間数を、当該事業所又は施設において常勤の職員が勤務すべき時間で除することによって算定するものとし、小数点第二位以下を切り捨てるものとする。なお、やむを得ない事情により、配置されていた職員数が一時的に一割の範囲内で減少した場合は、一月を超えない期間内に職員が補充されれば、職員数が減少しなかったものとみなすこととする。

(5) 人員基準欠如に該当する場合等の所定単位数の算定について

① 短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス及び介護療養施設サービスについては、当該事業所又は施設の看護師等の配置数が、人員基準上満たすべき員数を下回っているいわゆる人員基準欠如に対し、介護給付費の減額を行うこととし、通所介護費等の算定方法において、人員基準欠如の基準及び単位数の算定方法を明らかにしているところであるが、これは、適正なサービスの提供を確保するための規定であり、人員基準欠如の未然防止を図るよう努めるものとする。

② 人員基準上満たすべき看護師等の員数を算定する際の利用者数等は、当該年度の前年度(毎年四月一日に始まり翌年三月三十一日をもって終わる年度とする。以下同じ。)の平均を用いる(ただし、新規開設又は再開の場合は推定数による。)。この場合、利用者数等の平均は、前年度の全利用者等の延数を当該前年度の日数で除して得た数とする。この平均利用者数等の算定に当たっては、小数点第二位以下を切り上げるものとする。

③ 看護・介護職員の人員基準欠如については、

イ 人員基準上必要とされる員数から一割を超えて減少した場合には、その翌月から人員基準欠如が解消されるに至った月まで、利用者等の全員について所定単位数が通所介護費等の算定方法に規定する算定方法に従って減算され、

ロ 一割の範囲内で減少した場合には、その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月まで、利用者等の全員について所定単位数が通所介護費等の算定方法に規定する算定方法に従って減算される(ただし、翌月の末日において人員基準を満たすに至っている場合を除く。)。

④ 看護・介護職員以外の人員基準欠如については、その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月まで、利用者等の全員について所定単位数が通所介護費等の算定方法に規定する算定方法に従って減算される(ただし、翌月の末日において人員基準を満たすに至っている場合を除く。)。

⑤ 看護・介護職員については、最も低い所定単位数を算定するために必要な員数を満たさない場合にはじめて人員基準欠如となるものであり、最も低い所定単位数を基にして減算を行うものであること(したがって、例えば看護六:一、介護四:一の職員配置に応じた所定単位数を算定していた指定介護療養型医療施設において、看護六:一、介護四:一を満たさなくなったが看護六:一、介護五:一は満たすという状態になった場合は、看護六:一、介護四:一の所定単位数に一〇〇分の七〇を乗じて得た単位数ではなく、看護六:一、介護五:一の所定単位数を算定するものであり、看護六:一、介護六:一を下回ってはじめて人員基準欠如となるものであること)。なお、届け出ていた看護・介護職員の職員配置を満たせなくなった場合には、事業者又は施設は該当することとなった職員配置を速やかに都道府県知事に届け出なければならないこと。また、より低い所定単位数の適用については、③の例によるものとすること。

ただし、ユニット型短期入所療養介護事業所又はユニット型指定介護療養型医療施設については、看護六:一、介護四:一を下回る職員配置は認められていないため、看護六:一、介護五:一、看護六:一、介護六:一の職員配置に応じた所定単位数を定めておらず、職員配置が看護六:一、介護四:一を満たさない場合は人員基準欠如となるものであり、看護六:一、介護四:一の所定単位数に一〇〇分の七〇を乗じて得た単位数を算定する。

⑥ 都道府県知事は、著しい人員基準欠如が継続する場合には、職員の増員、利用定員等の見直し、事業の休止等を指導すること。当該指導に従わない場合には、特別な事情がある場合を除き、指定又は許可の取消しを検討するものとする。

(6) 夜勤体制による減算について

① 短期入所生活介護、短期入所療養介護、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス及び介護療養施設サービスについては、夜勤を行う職員の員数が基準に満たない場合の所定単位数の減算に係る規定(厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成十二年厚生省告示第二十九号。以下「夜勤職員基準」という。))を置いているところであるが、これらの規定は、夜間の安全の確保及び利用者等のニーズに対応し、適正なサービスの提供を確保するための規定であり、夜勤を行う看護職員又は介護職員の員数不足の未然防止を図るよう努めるものとする。

② 夜勤を行う職員の員数が基準に満たない場合の減算については、ある月(暦月)において以下のいずれかの事態が発生した場合に、その翌月において利用者等の全員について、所定単位数が減算されることとする。

イ 夜勤時間帯(午後十時から翌日の午前五時までの時間を含めた連続する一六時間をいい、原則として事業所又は施設ごとに設定するものとする。)において夜勤を行う職員数が夜勤職員基準に定める員数に満たない事態が二日以上連続して発生した場合

ロ 夜勤時間帯において夜勤を行う職員数が夜勤職員基準に定める員数に満たない事態が四日以上発生した場合

③ 夜勤を行う職員の員数の算定における利用者等の数については、(5)②を準用すること。この場合において「小数点第二位以下」とあるのは「小数点以下」と読み替えるものとすること。

④ 都道府県知事は、夜勤を行う職員の不足状態が続く場合には、夜勤を行う職員の確保を指導し、当該指導に従わない場合は、指定の取消しを検討すること。

(7) 新設、増床又は減床の場合の利用者数等について

人員基準欠如及び夜勤を行う職員の員数の算定に関しては、

イ 新設又は増床分のベッドに関して、前年度において一年未満の実績しかない場合(前年度の実績が全くない場合を含む。)の利用者数等は、新設又は増床の時点から六月未満の間は、便宜上、ベッド数の九〇%を利用者数等とし、新設又は増床の時点から六月以上一年未満の間は、直近の六月における全利用者等の延数を六月間の日数で除して得た数とし、新設又は増床の時点から一年以上経過している場合は、直近一年間における全利用者等の延数を一年間の日数で除して得た数とする。

ロ 減床の場合には、減床後の実績が三月以上あるときは、減床後の延利用者数を延日数で除して得た数とする。

ただし、病院又は診療所の医師の人員基準欠如の運用における利用者数等については、医療法の取扱いの例によるものであり、医事担当部局と十分連携を図るものとする。

また、短期入所生活介護及び特定施設入居者生活介護については、イ又はロにより難い合理的な理由がある場合には、他の適切な方法により利用者数を推定するものとする。

(8) 短期入所的な施設サービスの利用について

短期入所サービスについては、その運営に関する基準において「サービスの内容及びその利用期間等について利用申込者の同意を得なければならない」とされており、あらかじめ利用期間(退所日)を定めて入所するものである。よって、あらかじめ退所日を決めて入所する場合(ただし、施設の介護支援専門員と在宅の居宅介護支援事業者が密接な連携を行い、可能な限り対象者が在宅生活を継続できることを主眼として実施される介護福祉施設サービス費及び地域密着型介護福祉施設サービス費の在宅・入所相互利用加算対象者を除く。)、そのサービスは短期入所サービスであり、このようなサービス利用を「施設入所」とみなすことは、短期入所サービスを含む居宅サービスの支給限度基準額を設けた趣旨を没却するため、認められない。

(9) 「認知症高齢者の日常生活自立度」の決定方法について

① 加算の算定要件として「「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」の活用について」(平成五年十月二十六日老健第一三五号厚生省老人保健福祉局長通知)に規定する「認知症高齢者の日常生活自立度」(以下「日常生活自立度」という。)を用いる場合の日常生活自立度の決定に当たっては、医師の判定結果又は主治医意見書(以下この号において「判定結果」という。)を用いるものとする。

② ①の判定結果は、判定した医師名、判定日と共に、居宅サービス計画又は各サービスのサービス計画に記載するものとする。また、主治医意見書とは、「要介護認定等の実施について」(平成二十一年九月三十日老発〇九三〇第五号厚生労働省老健局長通知)に基づき、主治医が記載した同通知中「3主治医の意見の聴取」に規定する「主治医意見書」中「3心身の状態に関する意見 (1)日常生活の自立度等について ・認知症高齢者の日常生活自立度」欄の記載をいうものとする。なお、複数の判定結果がある場合にあっては、最も新しい判定を用いるものとする。

③ 医師の判定が無い場合(主治医意見書を用いることについて同意が得られていない場合を含む。)にあっては、「要介護認定等の実施について」に基づき、認定調査員が記入した同通知中「2(4)認定調査員」に規定する「認定調査票」の「認定調査票(基本調査)」7の「認知症高齢者の日常生活自立度」欄の記載を用いるものとする。

(10) 栄養管理について

短期入所生活介護、短期入所療養介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び介護療養型医療施設においては、常勤の管理栄養士又は栄養士が、各利用者の年齢等に応じて適切な栄養量及び内容の食事提供を行う体制を整備し、各利用者の栄養状態にあった栄養管理を行うこと。

2 短期入所生活介護費

(1) 指定短期入所生活介護費を算定するための基準について

指定短期入所生活介護費は、厚生労働大臣が定める施設基準(平成二十四年厚生労働省告示第九十七号。以下「施設基準」という。)第十三号に規定する基準に従い、以下の通り、算定すること。

イ 施設基準第十三号イに規定する指定短期入所生活介護費

短期入所生活介護が、ユニットに属さない居室(定員が一人のものに限る。)(「従来型個室」という。)の利用者に対して行われるものであること。

ロ 施設基準第十三号ロに規定する指定短期入所生活介護費

短期入所生活介護が、ユニットに属さない居室(定員が二人以上のものに限る。)(「多床室」という。)の利用者に対して行われるものであること。

ハ 施設基準第十三号ハに規定する指定短期入所生活介護費

短期入所生活介護が、ユニットに属する居室(ユニットに属さない居室を改修した居室であって、居室を隔てる壁について、天井との間に一定の隙間が生じているものを除く。)(「ユニット型個室」という。)の利用者に対して行われるものであること。

ニ 施設基準第十三号ニに規定する指定短期入所生活介護費

短期入所生活介護が、ユニットに属する居室(ユニットに属さない居室を改修した居室であって、居室を隔てる壁について、天井との間に一定の隙間が生じているものに限る。)(「ユニット型準個室」という。)の利用者に対して行われるものであること。

(2) やむを得ない措置による定員の超過

利用者数が利用定員を超える場合は、原則として定員超過利用による減算の対象となり、所定単位数の一〇〇分の七〇を乗じて得た単位数を算定することとなるが、老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第十条の四第一項第三号の規定による市町村が行った措置(又は同法第十一条第一項第二号の規定による市町村が行った措置(特別養護老人ホームの空床利用の場合のみ))によりやむを得ず利用定員を超える場合は、利用定員に一〇〇分の一〇五を乗じて得た数(利用定員が四〇人を超える場合にあっては、利用定員に二を加えて得た数)までは減算が行われないものであること(通所介護費等の算定方法第三号イ)。なお、この取扱いは、あくまでも一時的かつ特例的なものであることから、速やかに定員超過利用を解消する必要があること。

(3) 併設事業所について

① 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十七号。以下「居宅サービス基準」という。)第百二十一条第四項に規定する併設事業所については、併設型短期入所生活介護費が算定される(施設基準第十二号ロ(1))が、ここでいう併設事業所とは、特別養護老人ホーム等と同一敷地内又は隣接する敷地において、サービスの提供、夜勤を行う職員の配置等が特別養護老人ホーム等と一体的に行われている短期入所生活介護事業所を指すものであること。

② 併設事業所における所定単位数の算定(職員の配置数の算定)並びに人員基準欠如・夜勤を行う職員数による所定単位数の減算については、本体施設と一体的に行うものであること。より具体的には、

イ 指定介護老人福祉施設(地域密着型介護老人福祉施設を含む。以下(3)並びに(6)から(8)までにおいて同じ。)の併設事業所の場合は、指定介護老人福祉施設の入所者数と短期入所生活介護の利用者数を合算した上で、職員の配置数の算定及び夜勤を行う介護職員又は看護職員の配置数を算定すること。したがって、例えば、前年度の平均入所者数七〇人の指定介護老人福祉施設に前年度の平均利用者数二〇人の短期入所生活介護事業所が併設されている場合は、併設型短期入所生活介護費(Ⅰ)(三:一の人員配置に対応するもの)を算定するために必要な介護職員又は看護職員は合計で三〇人であり、必要な夜勤を行う職員の数は四人であること。

ロ 指定介護老人福祉施設以外の施設の併設事業所の場合は、職員の配置数の算定に係る「端数の切り上げ」を一体的に行うこととなるが、夜勤を行う職員の配置数については、それぞれについて必要となる数の合計数となること。

③ 併設事業所における看護職員配置については、指定介護老人福祉施設として必要な看護職員の数の算定根拠となる「入所者数」には、短期入所生活介護の利用者数は含めない。すなわち、必要な看護職員数の算定については、指定介護老人福祉施設と、併設する短期入所生活介護事業所のそれぞれについて、区別して行うものとする。例えば、指定介護老人福祉施設の入所者数が五〇人、併設する短期入所生活介護の利用者が一〇人である場合、当該指定介護老人福祉施設に配置すべき看護職員の数は、入所者五〇人以下の場合の基準が適用され、常勤換算で二人以上となり、当該短期入所生活介護事業所については、看護職員の配置は義務ではない。なお、併設の指定短期入所生活介護事業所の定員が二〇人以上の場合には、短期入所生活介護事業所において看護職員を一名以上常勤で配置しなければならないことに留意する。

(4) 特別養護老人ホームの空床利用について

① 所定単位数の算定(配置すべき職員数の算定)並びに定員超過利用、人員基準欠如及び夜勤を行う職員数による所定単位数の減算は、常に本体施設である特別養護老人ホームと一体的に行われるものであること。

② 注1の規定による施設基準及び夜勤職員基準を満たす旨の届出については、本体施設である特別養護老人ホームについてそれに相当する届出が行われていれば、注11と同様の趣旨により、短期入所生活介護について行う必要がないこと。

(5) ユニットにおける職員に係る減算について

5の(4)を準用する。

(6) 機能訓練指導員の加算について

注3の機能訓練指導員に係る加算については、専ら当該業務に従事する常勤の機能訓練指導員が配置されることがその要件であることから、併設の通所介護事業所の機能訓練指導員を兼務している者については、たとえ常勤の職員であったとしても加算の算定要件は満たさないことに留意すること。ただし、利用者数(指定介護老人福祉施設に併設される短期入所生活介護事業所又は空床利用型の短期入所生活介護事業所においてはその本体施設の入所者数を含む。)が一〇〇人を超える場合であって、別に専ら当該業務に従事する常勤の機能訓練指導員が配置されているときは、その他の機能訓練指導員については、「常勤換算方法で利用者の数を一〇〇で除した数以上」という基準を満たす限りにおいて、併設の通所介護事業所の機能訓練指導員を兼務して差し支えないこと。例えば、入所者数一〇〇人の指定介護老人福祉施設に併設される利用者数二〇人の短期入所生活介護事業所において、二人の常勤の機能訓練指導員がいて、そのうちの一人が指定介護老人福祉施設及び指定短期入所生活介護事業所の常勤専従の機能訓練指導員である場合であっては、もう一人の機能訓練指導員は、勤務時間の五分の一だけ指定介護老人福祉施設及び短期入所生活介護事業所の機能訓練指導員の業務に従事し、その他の時間は併設の通所介護事業所の機能訓練指導員の業務に従事するときは、通所介護、短期入所生活介護及び介護福祉施設サービスの機能訓練指導員に係る加算の全てが算定可能となる。

(7) 看護体制加算について

① 併設事業所について

併設事業所における看護体制加算の算定に当たっては、本体施設における看護職員の配置とは別に、必要な看護職員の配置を行う必要がある。具体的には、以下のとおりとする。

イ 看護体制加算(Ⅰ)については、本体施設における看護師の配置にかかわらず、指定短期入所生活介護事業所として別に一名以上の常勤の看護師の配置を行った場合に算定が可能である。

ロ 看護体制加算(Ⅱ)については、本体施設における看護職員の配置にかかわらず、看護職員の指定短期入所生活介護事業所(特別養護老人ホームの空床利用の場合を除く。)における勤務時間を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数(一週間に勤務すべき時間数が三二時間を下回る場合は三二時間を基本とする。)で除した数が、利用者の数が二五又はその端数を増すごとに一以上となる場合に算定が可能である。

② 特別養護老人ホームの空床利用について

特別養護老人ホームの空床を利用して指定短期入所生活介護を行う場合にあっては、看護体制加算の算定は本体施設である特別養護老人ホームと一体的に行うものとすること。具体的には以下のとおりとする。

イ 看護体制加算(Ⅰ)については、本体施設に常勤の看護師を一名配置している場合は、空床利用の指定短期入所生活介護についても、算定が可能である。

ロ 看護体制加算(Ⅱ)については、指定介護老人福祉施設の入所者数と空床利用の指定短期入所生活介護の利用者数を合算した数が二五又はその端数を増すごとに一以上、かつ、当該合算した数を指定介護老人福祉施設の「入所者の数」とした場合に必要となる看護職員の数に一を加えた数以上の看護職員を配置している場合に算定可能となる。

③ なお、①②のいずれの場合であっても、看護体制加算(Ⅰ)及び看護体制加算(Ⅱ)を同時に算定することは可能であること。この場合にあっては、看護体制加算(Ⅰ)において加算の対象となる常勤の看護師についても、看護体制加算(Ⅱ)における看護職員の配置数の計算に含めることが可能である。

(8) 夜勤職員配置加算について

① 夜勤を行う職員の数は、一日平均夜勤職員数とする。一日平均夜勤職員数は、暦月ごとに夜勤時間帯(午後十時から翌日の午前五時までの時間を含めた連続する一六時間をいう。)における延夜勤時間数を、当該月の日数に一六を乗じて得た数で除することによって算定し、小数点第三位以下は切り捨てるものとする。

② 指定介護老人福祉施設の併設事業所である場合又は特別養護老人ホームの空床において指定短期入所生活介護を行う場合にあっては、指定短期入所生活介護の利用者数と本体施設である指定介護老人福祉施設の入所者数を合算した人数を指定介護老人福祉施設の「入所者の数」とした場合に必要となる夜勤職員の数を一以上上回って配置した場合に、加算を行う。

③ ユニット型指定短期入所生活介護事業所にあっては、増配した夜勤職員については、必ずしも特定のユニットに配置する必要はないものとすること。

(9) 認知症行動・心理症状緊急対応加算について

① 「認知症の行動・心理症状」とは、認知症による認知機能の障害に伴う、妄想・幻覚・興奮・暴言等の症状を指すものである。

② 本加算は、利用者に「認知症の行動・心理症状」が認められ、緊急に短期入所生活介護が必要であると医師が判断した場合であって、介護支援専門員、受け入れ事業所の職員と連携し、利用者又は家族の同意の上、指定短期入所生活介護の利用を開始した場合に算定することができる。本加算は医師が判断した当該日又はその次の日に利用を開始した場合に限り算定できるものとする。

この際、短期入所生活介護ではなく、医療機関における対応が必要であると判断される場合にあっては、速やかに適当な医療機関の紹介、情報提供を行うことにより、適切な医療が受けられるように取り計らう必要がある。

③ 次に掲げる者が、直接、短期入所生活介護の利用を開始した場合には、当該加算は算定できないものであること。

a 病院又は診療所に入院中の者

b 介護保険施設又は地域密着型介護老人福祉施設に入院中又は入所中の者

c 認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、特定施設入居者生活介護、短期入所生活介護、短期入所療養介護、短期利用共同生活介護、短期利用特定施設入居者生活介護及び地域密着型短期利用特定施設入居者生活介護を利用中の者

④ 判断を行った医師は診療録等に症状、判断の内容等を記録しておくこと。また、事業所も判断を行った医師名、日付及び利用開始に当たっての留意事項等を介護サービス計画書に記録しておくこと。

⑤ 七日を限度として算定することとあるのは、本加算が「認知症の行動・心理症状」が認められる利用者を受け入れる際の初期の手間を評価したものであるためであり、利用開始後八日目以降の短期入所生活介護の利用の継続を妨げるものではないことに留意すること。

(10) 若年性認知症利用者受入加算について

受け入れた若年性認知症利用者ごとに個別に担当者を定め、その者を中心に、当該利用者の特性やニーズに応じたサービス提供を行うこと。

(11) 療養食加算について

① 療養食の加算については、利用者の病状等に応じて、主治の医師より利用者に対し疾患治療の直接手段として発行された食事せんに基づき、厚生労働大臣が定める利用者等(平成二十四年厚生労働省告示第九十五号。以下「九十五号告示」という。)に示された療養食が提供された場合に算定すること。なお、当該加算を行う場合は、療養食の献立表が作成されている必要があること。

② 加算の対象となる療養食は、疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事箋に基づいて提供される利用者の年齢、病状等に対応した栄養量及び内容を有する治療食(糖尿病食、腎臓病食、肝臓病食、胃潰瘍食(流動食は除く。)、貧血食、膵臓病食、脂質異常症食、痛風食及び特別な場合の検査食をいうものであること。

③ 前記の療養食の摂取の方法については、経口又は経管の別を問わないこと。

④ 減塩食療法等について

心臓疾患等に対して減塩食療法を行う場合は、腎臓病食に準じて取り扱うことができるものであるが、高血圧症に対して減塩食療法を行う場合は、加算の対象とはならないこと。

また、腎臓病食に準じて取り扱うことができる心臓疾患等の減塩食については、総量六・〇g未満の減塩食をいうこと。

⑤ 肝臓病食について

肝臓病食とは、肝庇護食、肝炎食、肝硬変食、閉鎖性黄疸食(胆石症及び胆嚢炎による閉鎖性黄疸の場合を含む。)等をいうこと。

⑥ 胃潰瘍食について

十二指腸潰瘍の場合も胃潰瘍食として取り扱って差し支えないこと。手術前後に与える高カロリー食は加算の対象としないが、侵襲の大きな消化管手術の術後において胃潰瘍食に準ずる食事を提供する場合は、療養食の加算が認められること。また、クローン病、潰瘍性大腸炎等により腸管の機能が低下している入所者等に対する低残さ食については、療養食として取り扱って差し支えないこと。

⑦ 貧血食の対象者となる入所者等について

療養食として提供される貧血食の対象となる入所者等は、血中ヘモグロビン濃度が一〇g/dl以下であり、その原因が鉄分の欠乏に由来する者であること。

⑧ 高度肥満症に対する食事療法について

高度肥満症(肥満度が+七〇%以上又はBMI(Body Mass Index)が三五以上)に対して食事療法を行う場合は、脂質異常症食に準じて取り扱うことができること。

⑨ 特別な場合の検査食について

特別な場合の検査食とは、潜血食をいう他、大腸X線検査・大腸内視鏡検査のために特に残さの少ない調理済食品を使用した場合は、「特別な場合の検査食」として取り扱って差し支えないこと。

⑩ 脂質異常症食の対象となる入所者等について

療養食として提供される脂質異常症食の対象となる入所者等は、空腹時定常状態におけるLDL―コレステロール値が一四〇mg/dl以上である者又はHDL―コレステロール値が四〇mg/dl未満若しくは血清中性脂肪値が一五〇mg/dl以上である者であること。

(12) 在宅中重度者受入加算について

ア この加算は、その居宅において訪問看護の提供を受けていた利用者が、指定短期入所生活介護を利用する場合であって、指定短期入所生活介護事業者が、当該利用者の利用していた訪問看護事業所から派遣された看護職員により当該利用者の健康上の管理等を行わせた場合に対象となる。この場合の健康上の管理等に関する医師の指示は、指定短期入所生活介護事業所の配置医師が行うものとする。

イ 在宅中重度者受入加算を算定するに当たっては、あらかじめ居宅サービス計画に位置づけた上で行うこととなるが、特に初めてこのサービスを行う場合においては、サービス担当者会議を開催するなどサービス内容や連携体制等についてよく打合せを行った上で実施することが望ましい。

ウ 指定短期入所生活介護事業所は、当該利用者に関する必要な情報を主治医、訪問看護事業所、サービス担当者会議、居宅介護支援事業所等を通じてあらかじめ入手し適切なサービスを行うよう努めなければならない。

エ 指定短期入所生活介護事業所は、在宅中重度受入加算に係る業務について訪問看護事業所と委託契約を締結し、利用者の健康上の管理等の実施に必要な費用を訪問看護事業所に支払うこととする。

オ 健康上の管理等の実施上必要となる衛生材料、医薬品等の費用は短期入所生活介護事業所が負担するものとする。なお、医薬品等が、医療保険の算定対象となる場合は、適正な診療報酬を請求すること。「特別養護老人ホーム等における療養の給付(医療)の取扱について」(平成十四年三月十一日保医発第〇三一一〇〇二号を参照)

(13) 緊急短期入所加算について

① 緊急短期入所体制確保加算

ア 緊急短期入所体制確保加算は、緊急に指定短期入所生活介護を受ける必要がある者を受け入れるために利用定員の一〇〇分の五に相当する空床を確保している事業所(指定居宅サービス基準第百二十一条第二項に規定する事業所を除く。以下同じ。)の利用者全員に対し加算する。

イ 一〇〇分の五に相当する空床を確保するとは、各月ごとに利用定員の一〇〇分の五に相当する空床(以下「緊急利用枠」という。)を確保するということであり、一日当たりの利用定員の五%に当該月の営業日数を乗じて得た数とする(端数切り上げ)。例えば、利用定員二〇人の事業所の場合においては、二〇×五%×三〇日(四月の場合)=三〇となる。なお、当該指定短期入所生活介護事業所に係る指定短期入所生活介護事業者が介護予防短期入所生活介護事業者の指定を併せて受け一体的に事業を実施している場合は、指定介護予防短期入所生活介護にかかる利用定員も合算して算出すること。

ウ 短期入所生活介護の利用者は数日間連続利用することが一般的であり、当該利用者を円滑に受け入れる必要があることにかんがみ、一月の間(暦月)においては、緊急利用枠は同一ベッドとすること(例えば、四月において緊急利用枠が三〇の場合、毎日、同じベッドを緊急利用枠とすること)。なお、イにより算出した緊急利用枠の数が、毎日一床を確保するための数に満たない端数の場合や、毎日一床を確保するための数を超えて端数が生じる場合は、当該端数分について、連続する期間の同一ベッドを緊急利用枠とすること(例えば四月において緊急利用枠が一五の場合、一五日間連続して同一ベッドを緊急利用枠とすること。また、緊急利用枠が四〇の場合、三〇日間連続する同一ベッドと一〇日間連続する同一ベッドを緊急利用枠とすること)。また、緊急利用枠の数が、毎日一床を確保するための数に満たない事業所の場合は、毎日一床を確保するために必要な数を上限として、緊急利用枠とすることができる。

エ 前三月における稼働率が一〇〇分の九〇以上であることが必要であるが、前三月における実績は各月で満たす必要はなく、三月平均で差し支えない。

当該要件は、当該加算に該当するものとして届出を行う際に満たしていればよく、その後も維持しなければならないものではない。ただし、当該加算を算定しなくなった後に再度当該加算を算定しようとする場合は、当該要件を満たす必要がある。なお、当該指定短期入所生活介護事業所に係る指定短期入所生活介護事業者が介護予防短期入所生活介護事業者の指定を併せて受け一体的に事業を実施している場合は、指定介護予防短期入所生活介護にかかる利用者も合算して算出すること。

なお、ここでいう利用延人数については、入所した日及び退所した日の両方を含むものとする。

オ 緊急利用枠を確保していることについて、事業所内の見やすい場所に掲示するとともに、指定居宅介護支援事業所や近隣の他事業所との情報共有に努め、緊急的な利用ニーズに対応する事業所であることを明確化すること。また、緊急利用者の受入促進及び空床の有効活用を図る観点から、当該事業所のホームページの活用、地域包括支援センターへの情報提供その他適切な方法により、月一回程度、空床情報を公表するよう努めること。

② 緊急短期入所受入加算

ア 緊急短期入所受入加算は、緊急短期入所体制確保加算を算定している事業所で、緊急利用枠に緊急利用者を受け入れたときに、当該緊急利用者のみ加算する。

イ 「緊急利用者」とは、介護を行う者が疾病にかかっていることその他やむを得ない理由により居宅で介護を受けることができない、かつ、居宅サービス計画において当該日に利用することが計画されていない者をいう。なお、新規の利用者に限られるものではなく、既に当該事業所で緊急短期入所受入加算の算定実績のある利用者も算定対象となるものである。

ウ あらかじめ、担当する指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員が緊急の必要性及び利用を認めていること。ただし、やむを得ない事情により、事後に介護支援専門員により当該サービス提供が必要であったと判断された場合には、加算の算定は可能である。

エ 本加算は、緊急利用枠以外の空床が既に利用されていることを要件としているが、例えば、緊急利用枠以外の空床はあるが、緊急利用者の希望する利用日数の関係又は男女部屋の関係から当該空床を利用することができないなど、やむを得ない事情がある場合には緊急利用枠の利用が可能であり、当該加算を算定できるものとする。

オ 緊急利用した者に関する利用の理由、期間、緊急受入れ後の対応などの事項を記録しておくこと。また、緊急利用者にかかる変更前後の居宅サービス計画を保存するなどして、適正な緊急利用に努めること。

カ 既に緊急利用者を受け入れているために緊急の利用を希望している者を受け入れることが困難な場合は、利用希望者に対し、別の事業所を紹介するなど適切な対応を行うこと。

キ 本加算の算定対象期間は原則として七日以内とし、その間に緊急受入れ後に適切な介護を受けられるための方策について、担当する指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員と密接な連携を行い、相談すること。ただし、利用者の介護を行う家族等の疾病が当初の予想を超えて長期間に及んだことにより在宅への復帰が困難となったこと等やむを得ない事情により、七日以内に適切な方策が立てられない場合には、その状況を記録した上で一四日を限度に引き続き加算を算定することができる。その場合であっても、利用者負担軽減に配慮する観点から、機械的に加算算定を継続するのではなく、随時、適切なアセスメントによる代替手段の確保等について、十分に検討すること。

③ その他

緊急短期入所体制確保加算の算定を開始した月以降において、連続する三月間に緊急短期入所受入加算の算定実績が無い場合には、続く三月間は緊急短期入所体制確保加算及び緊急短期入所受入加算は算定できない。なお、実績については毎月記録するものとし、所定の実績がない場合については、直ちに第一の2の届け出を提出しなければならない。

(14) サービス提供体制強化加算について

① 職員の割合の算出に当たっては、常勤換算方法により算出した前年度(三月を除く。)の平均を用いることとする。なお、この場合の介護職員に係る常勤換算にあっては、利用者・入所者への介護業務(計画作成等介護を行うに当たって必要な業務は含まれるが、請求事務等介護に関わらない業務を除く。)に従事している時間を用いても差し支えない。

ただし、前年度の実績が六月に満たない事業所(新たに事業を開始し、又は再開した事業所を含む。)については、届出日の属する月の前三月について、常勤換算方法により算出した平均を用いることとする。したがって、新たに事業を開始し、又は再開した事業者については、四月目以降届出が可能となるものであること。

なお、介護福祉士については、各月の前月の末日時点で資格を取得している者とすること。

② 前号ただし書の場合にあっては、届出を行った月以降においても、直近三月間の職員の割合につき、毎月継続的に所定の割合を維持しなければならない。なお、その割合については、毎月記録するものとし、所定の割合を下回った場合については、直ちに訪問通所サービス通知第一の5の届出を提出しなければならない。

③ 勤続年数とは、各月の前月の末日時点における勤続年数をいうものとする。具体的には、平成二十一年四月における勤続年数三年以上の者とは、平成二十一年三月三十一日時点で勤続年数が三年以上である者をいう。

④ 勤続年数の算定に当たっては、当該事業所における勤務年数に加え、同一法人の経営する他の介護サービス事業所、病院、社会福祉施設等においてサービスを利用者に直接提供する職員として勤務した年数を含めることができるものとする。

⑤ 指定短期入所生活介護を利用者に直接提供する職員とは、生活相談員、介護職員、看護職員及び機能訓練指導員として勤務を行う職員を指すものとする。

⑥ 同一の事業所において指定介護予防短期入所生活介護を一体的に行っている場合においては、本加算の計算も一体的に行うこととする。

(15) 介護職員処遇改善加算について

介護職員処遇改善加算は、平成二十三年度まで実施されていた介護職員処遇改善交付金による賃金改善の効果を継続する観点から、当該交付金を円滑に介護報酬に移行することを目的とし平成二十六年度までの間に限り創設したものである。その内容については、別途通知(「介護職員処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」)を参照すること。

3 短期入所療養介護費

(1) 介護老人保健施設における短期入所療養介護

① 介護老人保健施設短期入所療養介護費を算定するための基準について

この場合の短期入所療養介護は、介護老人保健施設の空きベッドを利用して行われるものであることから、所定単位数の算定(職員の配置数の算定)、定員超過利用・人員基準欠如(介護支援専門員に係るものを除く。)・夜勤体制による所定単位数の減算及び認知症ケア加算については、介護老人保健施設の本体部分と常に一体的な取扱いが行われるものであること。したがって、認知症ケア加算については、6の(10)を、また、緊急時施設療養費については、6の(26)を準用すること。また、注14により、施設基準及び夜勤職員の基準を満たす旨の届出並びに認知症ケア加算の届出については、本体施設である介護老人保健施設について行われていれば、短期入所療養介護については行う必要がないこと。

ただし、特定介護老人保健施設短期入所療養介護費を算定した場合は、認知症ケア加算について算定できない。

② 介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅰ)の介護老人保健施設短期入所療養介護費(ii)又は(iv)を算定する介護老人保健施設における短期入所療養介護について

イ 所定単位数の算定区分について

当該介護老人保健施設における短期入所療養介護について、適用すべき所定単位数の算定区分については、月の末日において、それぞれの算定区分に係る施設基準を満たさない場合は、当該施設基準を満たさなくなった月の翌々月に変更の届出を行い、当該月から、介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅰ)の介護老人保健施設短期入所療養介護費(i)若しくは(iii)又はユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅰ)のユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(i)若しくは(iii)を算定することとなる。(ただし、翌月の末日において当該施設基準を満たしている場合を除く。)

ロ 当該介護老人保健施設における短期入所療養介護に係る施設基準について

a 施設基準第十七号イ(2)(一)の基準における理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士(以下3において「理学療法士等」という。)の適切な配置とは、理学療法士等と医師、看護職員、支援相談員、栄養士、介護支援専門員等が協力して在宅復帰に向けた施設サービス計画を策定できる体制を整備していることをいう。

b 施設基準第十七号イ(2)(二)の基準における在宅とは、自宅その他自宅に類する住まいである有料老人ホーム、認知症高齢者グループホーム及びサービス付き高齢者向け住宅等を含むものである。なお、当該施設から退所した入所者の総数には、短期入所療養介護の利用者は含まない。

c 施設基準第十七号イ(2)(三)の基準において、三〇・四を当該施設の入所者の平均在所日数で除して得た数については、小数点第三位以下は切り上げることとし、短期入所療養介護の利用者を含まないものとする。また、平均在所日数については、直近三月間の数値を用いて、以下の式により計算すること。

(a) (i)に掲げる数÷(ii)に掲げる数

(i) 当該施設における直近三月間の入所者延日数

(ii) (当該施設における当該三月間の新規入所者数+当該施設における当該三月間の新規退所者数)÷2

(b) (a)において入所者とは、毎日二十四時現在当該施設に入所中の者をいい、当該施設に入所してその日のうちに退所又は死亡した者を含むものである。

(c) (a)において新規入所者数とは、当該三月間に新たに当該施設に入所した者(以下、「新規入所者」という。)の数をいう。当該三月以前から当該施設に入所していた者は、新規入所者数には算入しない。当該施設を退所後、当該施設に再入所した者は、新規入所者として取り扱う。

(d) (a)において、新規退所者数とは、当該三月間に当該施設から退所した者の数をいう。当該施設において死亡した者及び医療機関へ退所した者は、新規退所者に含むものである。

d 施設基準第十七号イ(2)(四)の基準における入所者の割合については、以下の(a)に掲げる数を(b)に掲げる数で除して算出すること。

(a) 当該施設における直近三月間の入所者ごとの要介護四若しくは要介護五に該当する入所者延日数、喀痰吸引を必要とする入所者延日数又は経管栄養を必要とする入所者延日数

(b) 当該施設における直近三月間の入所者延日数

e 入所者が在宅へ退所するに当たっては、当該入所者及びその家族に対して、退所後の居宅サービスその他の保健医療サービス又は福祉サービスについて指導を行うこと。

f 本人家族に対する指導の内容は次のようなものであること。

(a) 食事、入浴、健康管理等在宅療養に関する指導

(b) 退所する者の運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う体位変換、起座又は離床訓練、起立訓練、食事訓練、排泄訓練の指導

(c) 家屋の改善の指導

(d) 退所する者の介助方法に関する指導

g 当該基本施設サービス費を算定した場合は、算定根拠等の関係書類を整備しておくこと。

③ 介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅱ)若しくは介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅲ)又はユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅱ)若しくはユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅲ)を算定する介護老人保健施設(以下この号において「介護療養型老人保健施設」という。)における短期入所療養介護について

イ 所定単位数の算定区分について

介護療養型老人保健施設における短期入所療養介護について、適用すべき所定単位数の算定区分については、それぞれの算定区分に係る施設基準を満たさない場合は、当該施設基準を満たさなくなった事実が発生した月の翌月に変更の届出を行い、当該月から、介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅰ)の介護老人保健施設短期入所療養介護費(i)若しくは(iii)又はユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅰ)のユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(i)若しくは(iii)を算定することとなる。

ロ 介護療養型老人保健施設における短期入所療養介護に係る施設基準及び夜勤職員基準について

a 一般病床、療養病床若しくは老人性認知症疾患療養病棟を有する病院又は一般病床若しくは療養病床を有する診療所の開設者が、当該病院の一般病床、療養病床若しくは老人性認知症疾患療養病棟又は当該診療所の一般病床若しくは療養病床を平成十八年七月一日から平成三十年三月三十一日までの間に転換を行って開設した介護老人保健施設であること。

b 施設基準第十七号イ(3)(二)の基準については、月の末日における該当者の割合によることとし、算定月の前三月において当該割合の平均値が当該基準に適合していること。また、当該基準において、「著しい精神症状、周辺症状若しくは重篤な身体疾患が見られ専門医療を必要とする認知症高齢者」とあるのは、日常生活自立度のランクMに該当する者をいうものであること。

c 施設基準第十七号イ(4)(二)の基準については、月の末日における該当者の割合によることとし、算定月の前三月において当該割合の平均値が当該基準に適合していること。また、当該基準において、「著しい精神症状、周辺症状若しくは重篤な身体疾患が見られ専門医療を必要とする認知症高齢者」とあるのは、日常生活自立度のランクⅣ又はMに該当する者をいうものであること。

d 介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅱ)又はユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅱ)を算定する介護療養型老人保健施設における短期入所療養介護については、夜勤を行う看護職員の数は、利用者及び当該介護老人保健施設の入所者の合計数を四一で除して得た数以上とすること。

また、夜勤を行う看護職員は、一日平均夜勤看護職員数とすることとする。一日平均夜勤看護職員数は、暦月ごとに夜勤時間帯(午後十時から翌日の午前五時までの時間を含めた連続する一六時間をいう。)における延夜勤時間数を、当該月の日数に一六を乗じて得た数で除することによって算定し、小数点第三位以下は切り捨てるものとする。なお、夜勤職員の減算方法については、1(6)②によるものであるが、夜勤を行う看護職員に係る一日平均夜勤看護職員数が以下のいずれかに該当する月においては、当該規定にかかわらず、利用者及び当該介護療養型老人保健施設の入所者の全員について、所定単位数が減算される。

(a) 前月において一日平均夜勤看護職員数が、夜勤職員基準により確保されるべき員数から一割を超えて不足していたこと。

(b) 一日平均夜勤看護職員数が、夜勤職員基準により確保されるべき員数から一割の範囲内で不足している状況が過去三月間(暦月)継続していたこと。

e 介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅲ)又はユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅲ)を算定する指定短期入所療養介護事業所については、当該事業所の看護職員又は病院、診療所若しくは訪問看護ステーションとの連携により、夜間看護のオンコール体制を整備し、必要な場合には当該事業所からの緊急の呼出に応じて出勤すること。なお、病院、診療所又は訪問看護ステーションと連携する場合にあっては、連携する病院、診療所又は訪問看護ステーションをあらかじめ定めておくこととする。

ハ 特別療養費について

特別療養費は、利用者に対して、日常的に必要な医療行為を行った場合等に算定できるものである。その内容については、別途通知するところによるものとする。

ニ 療養体制維持特別加算について

療養体制維持特別加算は、介護療養型老人保健施設の定員のうち、転換前に四:一の介護職員配置を施設基準上の要件とする介護療養施設サービス費を算定する指定介護療養型医療施設又は医療保険の療養病棟入院基本料1の施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟であったもの(平成二十二年四月一日以前に転換した場合にあっては、医療保険の療養病棟入院基本料におけるいわゆる二〇:一配置病棟であったもの)の占める割合が二分の一以上である場合に、転換前の療養体制を維持しつつ、質の高いケアを提供するための介護職員の配置を評価することとする。

なお、当該加算は平成三十年三月三十一日までの間に限り、算定できるものとし、その後の加算の在り方については、当該介護療養型老人保健施設の介護ニーズや、当該加算の算定状況等の実態を把握し、検討を行うこととする。

(2) 夜勤職員配置加算について

夜勤を行う職員の数は、一日平均夜勤職員数とする。一日平均夜勤職員数は、暦月ごとに夜勤時間帯(午後十時から翌日の午前五時までの時間を含めた連続する一六時間をいう。)における延夜勤時間数を、当該月の日数に一六を乗じて得た数で除することによって算定し、小数点第三位以下は切り捨てるものとする。

(3) リハビリテーション機能強化加算について

① 介護老人保健施設における短期入所療養介護においてリハビリテーション機能強化加算を算定する場合は、実用的な日常生活における諸活動の自立性の向上のために、利用者の状態像に応じ、利用者に必要な理学療法、作業療法又は言語聴覚療法を適時適切に提供できる体制が整備されていること。

② 理学療法又は作業療法については、実用歩行訓練・活動向上訓練・運動療法等を組み合わせて利用者の状態像に応じて行うことが必要であり、言語聴覚療法については、失語症、構音障害、難聴に伴う聴覚・言語機能の障害又は人工内耳埋込術後等の言語聴覚機能に障害を持つ利用者に対して言語機能又は聴覚機能に係る活動向上訓練を行うことが必要である。

当該訓練により向上させた諸活動の能力については、常に看護師等により日常生活での実行状況に生かされるよう働きかけが行われることが必要である。

③ 理学療法、作業療法又は言語聴覚療法は、利用者の実用的な在宅生活における諸活動の自立性の向上のため、訓練の専用施設外においても訓練を行うことができる。

なお、言語聴覚療法を行う場合は、車椅子・歩行器・杖等を使用する患者が容易に出入り可能であり、遮音等に配慮された部屋等を確保することが望ましい。

④ 理学療法、作業療法又は言語聴覚療法を行うに当たっては、医師、看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等が共同してリハビリテーション実施計画を作成し、これに基づいて行った個別リハビリテーションの効果、実施方法等について評価等を行う。なお、短期入所療養介護においては、リハビリテーション実施計画に相当する内容を短期入所療養介護計画の中に記載する場合は、その記載をもってリハビリテーション実施計画の作成に代えることができるものとすること。

⑤ 医師等リハビリテーション従事者は、理学療法、作業療法又は言語聴覚療法を行う場合は、開始時に利用者に対してリハビリテーション実施計画の内容を説明し、記録する。

⑥ リハビリテーションに関する記録(実施時間、訓練内容、担当者等)は患者毎に保管され、常に当該事業所のリハビリテーション従事者により閲覧が可能であるようにすること。

(4) 個別リハビリテーション実施加算について

当該加算は、利用者に対して個別リハビリテーションを二〇分以上実施した場合に算定するものである。

(5) 重度療養管理加算について

① 重度療養管理加算は、要介護四又は要介護五に該当する者であって別に厚生労働大臣の定める状態(九十五号告示)にある利用者に対して、計画的な医学的管理を継続的に行い、指定短期入所療養介護を行った場合に、所定単位数を加算する。当該加算を算定する場合にあっては、当該医学的管理の内容等を診療録に記載しておくこと。

② 重度療養管理加算を算定できる利用者は、次のいずれかについて、当該状態が一定の期間や頻度で継続している者であること。

なお、請求明細書の摘要欄に該当する状態(九十五号告示第十六号のイからリまで)を記載することとする。なお、複数の状態に該当する場合は主たる状態のみを記載すること。

ア 九十五号告示第十六号イの「常時頻回の喀痰吸引を実施している状態」とは、当該月において一日当たり八回(夜間を含め約三時間に一回程度)以上実施している日が二〇日を超える場合をいうものであること。

イ 九十五号告示第十六号ロの「呼吸障害等により人工呼吸器を使用している状態」については、当該月において一週間以上人工呼吸又は間歇的陽圧呼吸を行っていること。

ウ 九十五号告示第十六号ハの「中心静脈注射を実施している状態」については、中心静脈注射により薬剤の投与をされている利用者又は中心静脈栄養以外に栄養維持が困難な利用者であること。

エ 九十五号告示第十六号ニの「人工腎臓を実施しており、かつ、重篤な合併症を有する状態」については、人工腎臓を各週二日以上実施しているものであり、かつ、左記に掲げるいずれかの合併症をもつものであること。

a 透析中に頻回の検査、処置を必要とするインスリン注射を行っている糖尿病

b 常時低血圧(収縮期血圧が九〇mmHg以下)

c 透析アミロイド症で手根管症候群や運動機能障害を呈するもの

d 出血性消化器病変を有するもの

e 骨折を伴う二次性副甲状腺機能亢進症のもの

f うっ血性心不全(NYHAⅢ度以上)のもの

オ 九十五号告示第十六号ホの「重篤な心機能障害、呼吸障害等により常時モニター測定を実施している状態」については、持続性心室性頻拍や心室細動等の重症不整脈発作を繰り返す状態、収縮期血圧九〇mmHg以下が持続する状態、又は、酸素吸入を行っても動脈血酸素飽和度九〇%以下の状態で常時、心電図、血圧、動脈血酸素飽和度のいずれかを含むモニタリングを行っていること。

カ 九十五号告示第十六号ヘの「膀胱または直腸の機能障害の程度が身体障害者福祉法施行規則(昭和二十五年厚生省令第十五号)別表第五号に掲げる身体障害者障害程度等級表の四級以上に該当し、かつ、ストーマの処置を実施している状態」については、当該利用者に対して、皮膚の炎症等に対するケアを行った場合に算定できるものであること。

キ 九十五号告示第十六号トの「経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われている状態」については、経口摂取が困難で経腸栄養以外に栄養維持が困難な利用者に対して、経腸栄養を行った場合に算定できるものであること。

ク 九十五号告示第十六号チの「褥瘡に対する治療を実施している状態」については、以下の分類で第三度以上に該当し、かつ、当該褥瘡に対して必要な処置を行った場合に限る。

第一度:皮膚の発赤が持続している部分があり、圧迫を取り除いても消失しない(皮膚の損傷はない)

第二度:皮膚層の部分的喪失(びらん、水疱、浅いくぼみとして表れるもの)

第三度:皮膚層がなくなり潰瘍が皮下組織にまで及ぶ。深いくぼみとして表れ、隣接組織まで及んでいることもあれば、及んでいないこともある

第四度:皮膚層と皮下組織が失われ、筋肉や骨が露出している

ケ 九十五号告示第十六号リの「気管切開が行われている状態」については、気管切開が行われている利用者について、気管切開の医学的管理を行った場合に算定できるものであること。

(6) 病院又は診療所における短期入所療養介護

療養病床(医療法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第百四十一号)附則第二条第三項第五号に規定する経過的旧療養型病床群を含む。以下同じ。)を有する病院、病床を有する診療所、老人性認知症疾患療養病棟を有する病院における短期入所療養介護

イ 指定介護療養型医療施設の病床であって、介護療養施設サービスが行われるもの(以下「介護保険適用病床」という。)における短期入所療養介護については、所定単位数の算定(職員の配置数の算定)並びに定員超過利用、夜勤体制及び療養環境による所定単位数の減算及び加算については、本体施設と常に一体的な取扱いが行われるものであり、7の(1)、(3)から(7)まで、(9)及び(13)を準用すること。この場合、7の(9)の準用に際しては「医師及び介護支援専門員」とあるのは、「医師」と読み替えるものとする。

ロ 医療保険適用病床における短期入所療養介護についても、夜勤体制による加算及び減算並びに療養環境による減算については、介護保険適用病床における短期入所療養介護の場合と同様に行うものとする。また、適用すべき所定単位数(人員配置)については、人員配置の算定上、配置されている看護職員を適宜介護職員とみなすことにより、最も有利な所定単位数を適用することとする。例えば、六〇床の病棟で、看護職員が一二人、介護職員が一三人配置されていて、診療報酬上、看護職員五:一(一二人以上)、介護職員五:一(一二人以上)の点数を算定している場合については、看護職員のうち二人を介護職員とみなすことにより、短期入所療養介護については看護職員六:一(一〇人以上)、介護職員四:一(一五人以上)に応じた所定単位数が適用されるものであること。なお、7の(1)、(3)から(7)まで、(9)及び(13)は、医療保険適用病床の短期入所療養介護についても準用する。この場合、7の(9)の準用に際しては「医師及び介護支援専門員」とあるのは、「医師」と読み替えるものとする。

ハ 医師は、短期入所療養介護に係る医療行為を行った場合には、その旨を診療録に記載すること。当該診療録については、医療保険における診療録と分ける必要はないが、短期入所療養介護に係る記載部分に下線を引くか枠で囲む等により明確に分けられるようにすること。また、診療録の備考の欄に、介護保険の保険者の番号、利用者の被保険者証の番号、要介護状態区分及び要介護認定の有効期限を記載すること。なお、これらの取扱いについては、介護保険の訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導及び通所リハビリテーションについても同様であること。なお、当該医療機関において、当該利用者に対して基本的に短期入所療養介護以外の医療を行わない場合の診療録の記載については介護療養施設サービスの場合と同様とし、7(2)を準用するものとする。

ニ 病院である短期入所療養介護事業所の人員基準欠如による所定単位数の減算の基準は、通所介護費等の算定方法第四号ロ(2)において規定しているところであるが、具体的な取扱いは以下のとおりであること。

a 看護職員又は介護職員の員数が居宅サービス基準に定める員数を満たさない場合は、他の職種の配置数とは関係なく、病院療養病床短期入所療養介護費の(Ⅲ)、病院療養病床経過型短期入所療養介護費の(Ⅱ)、ユニット型病院療養病床短期入所療養介護費、ユニット型病院療養病床経過型短期入所療養介護費若しくは特定病院療養病床短期入所療養介護費又は認知症疾患型短期入所療養介護費にあっては、当該事業所の区分に応じ、認知症疾患型短期入所療養介護費の(Ⅰ)、(Ⅳ)若しくは(Ⅴ)、認知症疾患型経過型短期入所療養介護費、特定認知症疾患型短期入所療養介護費若しくはユニット型認知症疾患型短期入所療養介護費の(Ⅰ)若しくは(Ⅱ)の所定単位数に一〇〇分の七〇を乗じて得た単位数が算定される。

b 短期入所療養介護を行う病棟において、看護・介護職員の員数については居宅サービス基準に定める員数を満たすが、看護師の員数の看護職員の必要数に対する割合(以下「正看比率」という。)が二割未満である場合は、病院療養病床短期入所療養介護費の(Ⅲ)、病院療養病床経過型短期入所療養介護費の(Ⅱ)、ユニット型病院療養病床短期入所療養介護費、ユニット型病院療養病床経過型短期入所療養介護費若しくは特定病院療養病床短期入所療養介護費又は認知症疾患型短期入所療養介護費にあっては、当該事業所の区分に応じ、認知症疾患型短期入所療養介護費の(Ⅰ)、(Ⅳ)若しくは(Ⅴ)、認知症疾患型経過型短期入所療養介護費、特定認知症疾患型短期入所療養介護費若しくはユニット型認知症疾患型短期入所療養介護費の(Ⅰ)若しくは(Ⅱ)に一〇〇分の九〇を乗じて得た単位数が算定される。

c 厚生労働大臣が定める利用者等の数の基準及び看護職員等の員数の基準並びに通所介護費等の算定方法の規定に基づき厚生労働大臣が定める地域(平成十二年厚生省告示第二十八号)各号に掲げる地域(以下次のd及び7の(8)において「僻地」という。)に所在する病院であって、短期入所療養介護を行う病棟における看護・介護職員の員数については居宅サービス基準に定める員数を満たし、正看比率も二割以上であるが、医師の員数が居宅サービス基準に定める員数の六割未満であるもの(医師の確保に関する計画を都道府県知事に届け出たものに限る。)においては、各類型の短期入所療養介護費又は特定病院療養病床短期入所療養介護費若しくは特定認知症疾患型短期入所療養介護費のうち、看護・介護職員の配置に応じた所定単位数から一二単位を控除して得た単位数が算定される。

d 僻地に所在する病院であって医師の確保に関する計画を都道府県知事に届け出ていない病院又は僻地以外に所在する病院であって、短期入所療養介護を行う病棟における看護・介護職員の員数については居宅サービス基準に定める員数を満たしている(正看比率は問わない)が、医師の員数が居宅サービス基準に定める員数の六割未満であるものにおいては、病院療養病床短期入所療養介護費の(Ⅲ)、病院療養病床経過型短期入所療養介護費の(Ⅱ)、ユニット型病院療養病床短期入所療養介護費、ユニット型病院療養病床経過型短期入所療養介護費若しくは特定病院療養病床短期入所療養介護費又は認知症疾患型短期入所療養介護費にあっては、当該事業所の区分に応じ、認知症疾患型短期入所療養介護費の(Ⅰ)、(Ⅳ)若しくは(Ⅴ)、認知症疾患型経過型短期入所療養介護費、特定認知症疾患型短期入所療養介護費若しくはユニット型認知症疾患型短期入所療養介護費の(Ⅰ)若しくは(Ⅱ)の所定単位数に一〇〇分の九〇を乗じて得た単位数が算定される。

e なお、医師の配置について、人員基準欠如による所定単位数の減算が適用される場合は、医療法施行規則(昭和二十三年厚生省令第五十号)第四十九条の規定が適用される病院に係る減算は適用されない。

ホ 特定診療費については、別途通知するところによるものとすること。

ヘ 施設基準及び夜勤職員基準を満たす旨の届出並びに夜間勤務等看護(Ⅰ)から(Ⅳ)までを算定するための届出については、本体施設である介護療養型医療施設について行われていれば、短期入所療養介護については行う必要がないこと。

ト 病院療養病床経過型短期入所療養介護費若しくはユニット型病院療養病床経過型短期入所療養介護費又は認知症疾患型経過型短期入所療養介護費については、平成二十四年三月三十一日において、当該短期入所療養介護費を算定している場合に限り算定できるものである。

(7) 指定短期入所療養介護費を算定するための基準について

イ 指定短期入所療養介護費は、施設基準第二十三号に規定する基準に従い、以下の通り、算定すること。

a 施設基準第二十三号イに規定する指定短期入所療養介護費 短期入所療養介護が、ユニットに属さない療養室又は病室(以下「療養室等」という。)(定員が一人のものに限る。)(「従来型個室」という。)の利用者に対して行われるものであること。

b 施設基準第二十三号ロに規定する指定短期入所療養介護費 短期入所療養介護が、ユニットに属さない療養室等(定員が二人以上のものに限る。)(「多床室」という。)の利用者に対して行われるものであること。

c 施設基準第二十三号ハに規定する指定短期入所療養介護費 短期入所療養介護が、ユニットに属する療養室等(介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十号。以下「介護老人保健施設基準」という。)第四十一条第二項第一号イ(3)(i)又は指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十一号。以下「指定介護療養型医療施設基準」という。)第三十九条第二項第一号イ(3)(i)、第四十条第二項第一号イ(3)(i)若しくは第四十一条第二項第一号イ(3)(i)を満たすものに限る。)(「ユニット型個室」という。)の利用者に対して行われるものであること。

d 施設基準第二十三号ニに規定する指定短期入所療養介護費 短期入所療養介護が、ユニットに属する療養室等(介護老人保健施設基準第四十一条第二項第一号イ(3)(ii)又は指定介護療養型医療施設基準第三十九条第二項第一号イ(3)(ii)、第四十条第二項第一号イ(3)(ii)若しくは第四十一条第二項第一号イ(3)(ii)(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(平成十七年厚生労働省令第百三十九号。以下「指定居宅サービス基準改正省令」という。)附則第五条第一項又は第七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)を満たすものに限るものとし、介護老人保健施設基準第四十一条第二項第一号イ(3)(i)又は指定介護療養型医療施設基準第三十九条第二項第一号イ(3)(i)、第四十条第二項第一号イ(3)(i)若しくは第四十一条第二項第一号イ(3)(i)を満たすものを除く。)の利用者に対して行われるものであること。

ロ ユニットに属する療養室等であって、各類型の短期入所療養介護費の注1による届出がなされているものについては、ユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費、ユニット型病院療養病床短期入所療養介護費、ユニット型病院療養病床経過型短期入所療養介護費、ユニット型診療所短期入所療養介護費又はユニット型認知症疾患型短期入所療養介護費を算定するものとすること。

(8) 特定介護老人保健施設短期入所療養介護費、特定病院療養病床短期入所療養介護費、特定診療所短期入所療養介護費、特定認知症対応型短期入所療養介護費について

① 利用対象者は、在宅において生活しており、当該サービスを提供するに当たり常時看護職員による観察を必要とする難病等を有する重度者又はがん末期の利用者を想定している。

② 所要時間による区分については、現に要した時間ではなく、短期入所療養介護計画に位置づけられた内容の短期入所療養介護を行うための標準的な時間によることとされたところであり、単に、当日のサービス進行状況や利用者の家族の出迎え等の都合で、当該利用者が通常の時間を超えて事業所にいる場合は、短期入所療養介護のサービスが提供されているとは認められないものであること。したがって、この場合は当初計画に位置づけられた所要時間に応じた所定単位数が算定されるものであること(このような家族等の出迎え等までの間の「預かり」サービスについては、利用者から別途利用料を徴収して差し支えない。)。また、ここでいう短期入所療養介護を行うのに要する時間には、送迎に要する時間は含まれないものであること。

これに対して、短期入所療養介護計画上、六時間以上八時間未満の短期入所療養介護を予定していたが、当日の利用者の心身の状況から、五時間の短期入所療養介護を行った場合には、六時間以上八時間未満の短期入所療養介護の単位数を算定できる。

(9) ユニットにおける職員に係る減算について

5の(4)を準用する。

(10) 認知症行動・心理症状緊急対応加算について

2の(9)を準用する。

(11) 緊急短期入所受入加算について

① 本加算は、介護を行う者が疾病にかかっていることその他やむを得ない理由により短期入所が必要となった場合であって、かつ、居宅サービス計画において当該日に短期入所を利用することが計画されていない居宅要介護者に対して、居宅サービス計画を担当する居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、その必要性を認め緊急に短期入所療養介護が行われた場合に算定できる。

② やむを得ない事情により、当該介護支援専門員との事前の連携が図れない場合に、利用者又は家族の同意の上、短期入所療養介護事業所により緊急に短期入所療養介護が行われた場合であって、事後に当該介護支援専門員によって、当該サービス提供が必要であったと判断された場合についても、当該加算を算定できる。

③ 七日を限度として算定することとあるのは、本加算が、緊急に居宅サービス計画の変更を必要とした利用者を受け入れる際の初期の手間を評価したものであるためであり、利用開始後八日目以降の短期入所療養介護の利用の継続を妨げるものではないことに留意すること。また、緊急に受入れを行った事業所については、当該利用者が速やかに居宅における生活に復帰できるよう、居宅介護支援事業者と密接な連携を行い、相談すること。

④ 緊急利用した者に関する利用の理由、期間、緊急受入れ後の対応などの事項を記録しておくこと。また、緊急利用者にかかる変更前後の居宅介護サービス計画を保存するなどして、適正な緊急利用に努めること。

⑤ 認知症行動・心理症状緊急対応加算を算定した場合には、当該加算は算定できないものであること。

⑥ 緊急受入に対応するため、居宅介護支援事業所や近隣の他事業所との情報共有に努め、緊急的な利用ニーズの調整を行うための窓口を明確化すること。また、空床の有効活用を図る観点から、情報公表システム、当該事業所のホームページ又は地域包括支援センターへの情報提供等により、空床情報を公表するよう努めること。

(12) 若年性認知症利用者受入加算について

2の(10)を準用する。

(13) 療養食加算について

2の(11)を準用する。

(14) サービス提供体制強化加算について

① 2の(14)①から④まで及び⑥を準用する。

② 指定短期入所療養介護を利用者に直接提供する職員とは、看護職員、介護職員、支援相談員、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚上として勤務を行う職員を指すものとする。

(15) 介護職員処遇改善加算について

2(15)を準用する。

4 特定施設入居者生活介護費

(1) その他の居宅サービスの利用について

特定施設入居者生活介護を受けている者の入居中の居宅サービスの利用については、特定施設入居者生活介護費を算定した月において、その他の居宅サービスに係る介護給付費(居宅療養管理指導費を除く。)は算定しないものであること(外泊の期間中を除く。)。ただし、特定施設入居者生活介護の提供に必要がある場合に、当該事業者の費用負担により、その利用者に対してその他の居宅サービスを利用させることは差し支えないものであること。例えば、入居している月の当初は特定施設入居者生活介護を算定し、引き続き入居しているにも関わらず、月の途中から特定施設入居者生活介護に代えて居宅サービスを算定するようなサービス利用は、居宅サービスの支給限度基準額を設けた趣旨を没却するため、認められない。なお、入居者の外泊の期間中は特定施設入居者生活介護は算定できない。

また、当該事業者が、入居者に対して提供すべき介護サービス(特定施設入居者生活介護の一環として行われるもの)の業務の一部を、当該特定施設の従業者により行わず、外部事業者に委託している場合(例えば、機能訓練を外部の理学療法士等(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師をいう。以下4において同じ。)に委託している場合等。)には、当該事業者が外部事業者に対して委託した業務の委託費を支払うことにより、その利用者に対して当該サービスを利用させることができる。この場合には、当該事業者は業務の管理及び指揮命令を行えることが必要である。

(2) 個別機能訓練加算について

① 個別機能訓練加算は、理学療法士等が個別機能訓練計画に基づき、計画的に行った機能訓練(以下「個別機能訓練」という。)について算定する。

② 個別機能訓練加算に係る機能訓練は、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を一名以上配置して行うものであること。

③ 個別機能訓練を行うに当たっては、機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者毎にその目標、実施方法等を内容とする個別機能訓練計画を作成し、これに基づいて行った個別機能訓練の効果、実施方法等について評価等を行う。なお、特定施設入居者生活介護においては、個別機能訓練計画に相当する内容を特定施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって個別機能訓練計画の作成に替えることができるものとすること。

④ 個別機能訓練を行う場合は、開始時及びその三月ごとに一回以上利用者に対して個別機能訓練計画の内容を説明し、記録する。

⑤ 個別機能訓練に関する記録(実施時間、訓練内容、担当者等)は、利用者ごとに保管され、常に当該特定施設の個別機能訓練の従事者により閲覧が可能であるようにすること。

(3) 夜間看護体制加算について

注5の夜間看護体制加算の取扱いについては、以下のとおりとすること。

「二四時間連絡できる体制」とは、特定施設内で勤務することを要するものではなく、夜間においても施設から連絡でき、必要な場合には特定施設からの緊急の呼出に応じて出勤する体制をいうものである。具体的には、

① 特定施設において、管理者を中心として、介護職員及び看護職員による協議の上、夜間における連絡・対応体制(オンコール体制)に関する取り決め(指針やマニュアル等)の整備がなされていること。

② 管理者を中心として、介護職員及び看護職員による協議の上、看護職員不在時の介護職員による利用者の観察項目の標準化(どのようなことが観察されれば看護職員に連絡するか)がなされていること。

③ 特定施設内研修等を通じ、介護職員及び看護職員に対して、②の取り決めが周知されていること。

④ 特定施設の看護職員とオンコール対応の看護職員が異なる場合には、電話やFAX等により利用者の状態に関する引継を行うとともに、オンコール体制終了時にも同様の引継を行うこと。

といった体制を整備することを想定している。

(4) 医療機関連携加算について

① 本加算は、協力医療機関又は利用者の主治医(以下この号において「協力医療機関等」という。)に情報を提供した日(以下この号において「情報提供日」という。)前三〇日以内において、特定施設入居者生活介護を算定した日が一四日未満である場合には、算定できないものとする。

② 協力医療機関等には、歯科医師を含むものとする。

③ 当該加算を算定するに当たっては、あらかじめ、指定特定施設入居者生活介護事業者と協力医療機関等で、情報提供の期間及び利用者の健康の状況の著しい変化の有無等の提供する情報の内容についても定めておくこと。なお、必要に応じてこれら以外の情報を提供することを妨げるものではない。

④ 看護職員は、前回の情報提供日から次回の情報提供日までの間において、居宅サービス基準第百八十六条に基づき、利用者ごとに健康の状況について随時記録すること。

⑤ 協力医療機関等への情報提供は、面談によるほか、文書(FAXを含む。)又は電子メールにより行うことも可能とするが、協力医療機関等に情報を提供した場合においては、協力医療機関の医師又は利用者の主治医から、署名あるいはそれに代わる方法により受領の確認を得ること。この場合において、複数の利用者の情報を同時に提供した場合には、一括して受領の確認を得ても差し支えない。

(5) 短期利用特定施設入居者生活介護費について

短期利用特定施設入居者生活介護については、施設基準第二十五号に規定する基準を満たす特定施設において算定できるものである。

同号イの要件は、施設に求められる要件であるので、新たに特定施設を開設する場合に、他の特定施設において三年以上の経験を有する者が配置されていたとしても、当該施設として三年以上の期間が経過しなければ、短期利用特定施設入居者生活介護費を算定することはできないものである。

特定施設の入居定員に占める入居者の割合については、届出日の属する月の前三月のそれぞれの末日時点の割合の平均について算出すること。また、届出を行った月以降においても、毎月において直近三月間の入居者の割合がそれぞれ一〇〇分の八〇以上であることが必要である。当該割合については、毎月記録するものとし、一〇〇分の八〇を下回った場合については、直ちに訪問通所サービス通知第一の5の届出を提出しなければならない。

権利金その他の金品の受領禁止の規定に関しては、短期利用特定施設入居者生活介護を受ける入居者のみならず、当該特定施設の入居者に対しても、適用されるものである。

(6) 看取り介護加算について

① 看取り介護加算は、医師が、一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した利用者について、その旨を本人又はその家族に対して説明し、その後の療養方針についての合意を得た場合において、医師、看護職員、介護職員等が共同して、随時本人又はその家族に対して十分な説明を行い、療養及び介護に関する合意を得た上で、その人らしさを尊重した看取りができるよう支援することを主眼として設けたものである。

② 看取り介護加算は、九十五号告示第二十四号に定める基準に適合する看取り介護を受けた利用者が死亡した場合に、死亡日を含めて三〇日を上限として、特定施設において行った看取り介護を評価するものである。

死亡前に自宅へ戻ったり、医療機関へ入院したりした後、自宅や入院先で死亡した場合でも算定可能であるが、その際には、当該特定施設において看取り介護を直接行っていない退居した日の翌日から死亡日までの間は、算定することができない。(したがって、退居した日の翌日から死亡日までの期間が三〇日以上あった場合には、看取り介護加算を算定することはできない。)

③ 特定施設を退居等した月と死亡した月が異なる場合でも算定可能であるが、看取り介護加算は死亡月にまとめて算定することから、利用者側にとっては、施設に入居していない月についても自己負担を請求されることになるため、利用者が退居等する際、退居等の翌月に亡くなった場合に、前月分の看取り介護加算に係る一部負担の請求を行う場合があることを説明し、文書にて同意を得ておくことが必要である。

④ 特定施設は、退居等の後も、継続して利用者の家族への指導や医療機関に対する情報提供等を行うことが必要であり、利用者の家族、入院先の医療機関等との継続的な関わりの中で、利用者の死亡を確認することができる。

なお、情報の共有を円滑に行う観点から、施設が入院する医療機関等に利用者の状態を尋ねたときに、当該医療機関等が施設に対して本人の状態を伝えることについて、退居等の際、本人又は家族に対して説明をし、文書にて同意を得ておくことが必要である。

⑤ 本人又はその家族に対する随時の説明に係る同意については、口頭で同意を得た場合は、介護記録にその説明日時、内容等を記載するとともに、同意を得た旨を記載しておくことが必要である。

また、本人が十分に判断をできる状態になく、かつ、家族に連絡しても来てもらえないような場合も、医師、看護職員、介護職員等が利用者の状態等に応じて随時、利用者に対する看取り介護について相談し、共同して看取り介護を行っていると認められる場合には、看取り介護加算の算定は可能である。

この場合には、適切な看取り介護が行われていることが担保されるよう、介護記録に職員間の相談日時、内容等を記載するとともに、本人の状態や、家族と連絡を取ったにもかかわらず来てもらえなかった旨を記載しておくことが必要である。

なお、家族が利用者の看取りについてともに考えることは極めて重要であり、施設は、可能な限り家族の意思を確認しながら介護を進める必要がある。

(7) 外部サービス利用型特定施設入居者生活介護費について

① 報酬の算定及び支払方法について

外部サービス利用型特定施設入居者生活介護費は、基本サービス部分(当該外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護事業者が自ら行う特定施設サービス計画の作成、利用者の安否の確認、利用者の生活相談等に相当する部分)及び各サービス部分(当該事業者が委託する指定居宅サービス事業者(以下「受託居宅サービス事業者」という。)が提供する居宅サービス部分)からなり、イ及びロの単位数を合算したものに特定施設入居者生活介護の一単位の単価を乗じて得た額が一括して外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護事業者に支払われる。

介護職員が居宅サービス基準に定める員数を満たさない場合の介護報酬の減算は、イの基本サービス部分についてのみ適用されることとなる。

なお、外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護事業者においては、居宅サービス基準上、看護職員の配置は義務付けられていない。

イ 基本サービス部分は一日につき八六単位とする。

ロ 各サービス部分については、特定施設サービス計画に基づき受託居宅サービス事業者が各利用者に提供したサービスの実績に応じて算定される。

また、各サービス部分の対象サービス及び単位数については、厚生労働大臣が定める外部サービス利用型特定施設入居者生活介護費及び外部サービス利用型介護予防特定施設入居者生活介護費に係るサービスの種類及び当該サービスの単位数並びに限度単位数(平成十八年厚生労働省告示第百六十五号)の定めるところにより、当該告示で定める単位数を上限として算定する。なお、当該告示に定める各サービスの報酬に係る算定方法については、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成十一年厚生省告示第十九号)に定める各サービスの報酬に係る算定方法と同趣旨となるが、次の点については取扱が大きく異なるので、留意されたい。

ア 訪問介護について

・訪問介護に係る報酬額については、一五分ごとの算定となっていること。

・介護福祉士又は介護職員初任者研修課程修了者によるサービス提供に限り、算定すること。

イ 訪問看護

・保健師、看護師又は理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士によるサービス提供に限り算定すること。

② 受託居宅サービス事業者への委託料について

外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護事業者が受託居宅サービス事業者に支払う委託料は、個々の委託契約に基づくものである。

③ 障害者等支援加算について

「知的障害又は精神障害を有する者」とは、具体的には以下の障害等を有する者を指すものである。

a 「療育手帳制度について」(昭和四十九年九月二十七日付厚生省発児第一五六号厚生事務次官通知)第五の2の規定により療育手帳の交付を受けた者

b 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)第四十五条第二項の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者

c 医師により、a又はbと同等の症状を有するものと診断された者

(8) 介護職員処遇改善加算について

2(15)を準用する。

5 介護福祉施設サービス

(1) 所定単位数を算定するための施設基準について

介護福祉施設サービス費の所定単位数を算定するためには、介護職員及び看護職員の員数が所定の員数以上配置されることのほか、介護支援専門員について、人員基準欠如の状態にないことが必要であること(施設基準第四十八号)。

(2) 介護福祉施設サービス費を算定するための基準について

介護福祉施設サービス費は、施設基準第四十九号に規定する基準に従い、以下の通り、算定すること。

イ 施設基準第四十九号イに規定する介護福祉施設サービス費

介護福祉施設サービスが、ユニットに属さない居室(定員が一人のものに限る。)(「従来型個室」という。)の入所者に対して行われるものであること。

ロ 施設基準第四十九号ロに規定する介護福祉施設サービス費

介護福祉施設サービスが、平成二十四年四月一日において現に存する介護老人福祉施設(同日において建築中のものを含み、同日後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)において、ユニットに属さない居室(定員が二人以上のものに限る。)の入所者に対して行われるものであること。

ハ 施設基準第四十九号ハに規定する介護福祉施設サービス費

介護福祉施設サービスが、ユニットに属さない居室(定員が二人以上であるものに限る。)の入所者に対して行われるもの(ロに該当するものを除く。)であること。

ニ 施設基準第四十九号ニに規定する介護福祉施設サービス費

介護福祉施設サービスが、ユニットに属する居室(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十二年厚生省令第三十九号。以下「指定介護老人福祉施設基準」という。)第四十条第一項第一号イ(3)(i)(指定居宅サービス基準改正省令附則第三条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)を満たすものに限る。)(「ユニット型個室」という。)の入居者に対して行われるものであること。

ホ 施設基準第四十九号ホに規定する介護福祉施設サービス費

介護福祉施設サービスが、ユニットに属する居室(指定介護老人福祉施設基準第四十条第一項第一号イ(3)(ii)を満たすものに限るものとし、同(i)(指定居宅サービス基準改正省令附則第三条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)を満たすものを除く。)(「ユニット型準個室」という。)の入居者に対して行われるものであること。

(3) やむを得ない措置等による定員の超過

原則として入所者数(空床利用型の短期入所生活介護の利用者数を含む。)が入所定員を超える場合は、定員超過利用による減算の対象となり、所定単位数の一〇〇分の七〇を乗じて得た単位数を算定することとなるが、①及び②の場合においては、入所定員に一〇〇分の一〇五を乗じて得た数(入所定員が四〇人を超える場合にあっては、利用定員に二を加えて得た数)まで、③の場合にあっては、入所定員に一〇〇分の一〇五を乗じて得た数までは減算が行われないものであること(通所介護費等の算定方法第十二号イ)。なお、この取扱いは、あくまでも一時的かつ特例的なものであることから、速やかに定員超過利用を解消する必要があること。

① 老人福祉法第十一条第一項第二号の規定による市町村が行った措置による入所(同法第十条の四第一項第三号の規定による市町村が行った措置により当該指定介護老人福祉施設において空床利用型の短期入所生活介護の利用が行われる場合を含む。)によりやむを得ず入所定員を超える場合

② 当該施設の入所者であったものが、指定介護老人福祉施設基準第十九条の規定による入院をしていた場合に、当初の予定より早期に施設への再入所が可能となったときであって、その時点で当該施設が満床だった場合(当初の再入所予定日までの間に限る。)

③ 近い将来、指定介護老人福祉施設本体に入所することが見込まれる者がその家族が急遽入院したことにより在宅における生活を継続することが困難となった場合など、その事情を勘案して施設に入所をすることが適当と認められる者が、指定介護老人福祉施設(当該施設が満床である場合に限る。)に入所し、併設される指定短期入所生活介護事業所の空床を利用して指定介護福祉施設サービスを受けることにより、介護老人福祉施設の入所定員を超過する場合

(4) ユニットにおける職員に係る減算について

ユニットにおける職員の員数が、ユニットにおける職員の基準に満たない場合の減算については、ある月(暦月)において基準に満たない状況が発生した場合に、その翌々月から基準に満たない状況が解消されるに至った月まで、入所者全員について、所定単位数が減算されることとする(ただし、翌月の末日において基準を満たすに至っている場合を除く。)。

(5) 身体拘束廃止未実施減算について

身体拘束廃止未実施減算については、施設において身体拘束等が行われていた場合ではなく、指定介護老人福祉施設基準第十一条第五項の記録(同条第四項に規定する身体拘束等を行う場合の記録)を行っていない場合に、入所者全員について所定単位数から減算することとなる。具体的には、記録を行っていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月から三月後に改善計画に基づく改善状況を都道府県知事に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、入所者全員について所定単位数から減算することとする。

(6) 日常生活継続支援加算について

① 注5の日常生活継続支援加算は、重度の要介護状態の者や認知症の入所者が多くを占める施設において、介護福祉士資格を有する職員を手厚く配置することにより、可能な限り個人の尊厳を保持しつつ日常生活を継続することができるよう支援することを評価するものである。

② 「日常生活に支障をきたすおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症の入所者」とあるのは、日常生活自立度のランクⅢ、Ⅳ又はMに該当する者をいう。

③ 要介護四又は五の者の割合、日常生活に支障をきたすおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症の入所者の割合及び社会福祉上及び介護福祉上法施行規則(昭和六十二年厚生省令第四十九号)第一条各号に掲げる行為を必要とする者の占める割合については、届出日の属する月の前三月のそれぞれの末日時点の割合の平均について算出すること。また、届出を行った月以降においても、毎月において直近三月間のこれらの割合がそれぞれ所定の割合以上であることが必要である。これらの割合については、毎月記録するものとし、所定の割合を下回った場合については、直ちに訪問通所サービス通知第一の5の届出を提出しなければならない。

④ 当該加算の算定を行うために必要となる介護福祉士の員数を算出する際の入所者数については、第二の1(5)②を準用すること。また、介護福祉士の員数については、届出日の属する月の前三月間における員数の平均を、常勤換算方法を用いて算出した値が、必要な人数を満たすものでなければならない。さらに、届出を行った月以降においても、毎月において直近三月間の介護福祉士の員数が必要な員数を満たしていることが必要であり、必要な人数を満たさなくなった場合は、直ちに訪問通所サービス通知第一の5の届出を提出しなければならない。

なお、介護福祉士については、各月の前月の末日時点で資格を取得している者とすること。

⑤ 当該加算を算定する場合にあっては、タのサービス提供体制強化加算は算定できない。

(7) 看護体制加算について

① 指定短期入所生活介護の事業所を併設している場合は、指定短期入所生活介護事業所とは別に、必要な数の看護職員を配置する必要がある。具体的には、2(7)①のとおりとすること。

② 特別養護老人ホームの空床を利用して指定短期入所生活介護を行っている場合にあっては、指定介護老人福祉施設の入所者と指定短期入所生活介護の利用者を合算したものを「入所者数」として取り扱い、一体的に加算を行うこと。具体的には、2(7)②のとおりとすること。

③ 看護体制加算(Ⅰ)イ及び看護体制加算(Ⅱ)イ又は看護体制加算(Ⅰ)ロ及び看護体制加算(Ⅱ)ロは、それぞれ同時に算定することが可能である。この場合にあっては、看護体制加算(Ⅰ)イ又はロにおいて加算の対象となる常勤の看護師についても、看護体制加算(Ⅱ)イ又はロにおける看護職員の配置数の計算に含めることが可能である。

④ 「二四時間連絡できる体制」とは、施設内で勤務することを要するものではなく、夜間においても施設から連絡でき、必要な場合には施設からの緊急の呼出に応じて出勤する体制をいうものである。具体的には、

イ 管理者を中心として、介護職員及び看護職員による協議の上、夜間における連絡・対応体制(オンコール体制)に関する取り決め(指針やマニュアル等)の整備がなされていること。

ロ 管理者を中心として、介護職員及び看護職員による協議の上、看護職員不在時の介護職員による入所者の観察項目の標準化(どのようなことが観察されれば看護職員に連絡するか)がなされていること。

ハ 施設内研修等を通じ、看護・介護職員に対して、イ及びロの内容が周知されていること。

ニ 施設の看護職員とオンコール対応の看護職員が異なる場合には、電話やFAX等により入所者の状態に関する引継を行うとともに、オンコール体制終了時にも同様の引継を行うこと。

といった体制を整備することを想定している。

(8) 夜勤職員配置加算について

① 夜勤を行う職員の数は、一日平均夜勤職員数とする。一日平均夜勤職員数は、暦月ごとに夜勤時間帯(午後十時から翌日の午前五時までの時間を含めた連続する一六時間をいう。)における延夜勤時間数を、当該月の日数に一六を乗じて得た数で除することによって算定し、小数点第三位以下は切り捨てるものとする。

② 指定短期入所生活介護の事業所を併設している場合又は特別養護老人ホームの空床において指定短期入所生活介護を行っている場合にあっては、指定短期入所生活介護の利用者数と指定介護老人福祉施設の入所者数を合算した人数を指定介護老人福祉施設の「入所者の数」とした場合に必要となる夜勤職員の数を一以上上回って配置した場合に、加算を行う。

③ ユニット型指定介護老人福祉施設にあっては、増配した夜勤職員については、必ずしも特定のユニットに配置する必要はないものとすること。

(9) 準ユニットケア加算について

注8の準ユニットケア加算は、施設基準第五十三号において準用する第四十四号において定める基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出た場合に算定されるが、その取扱いについては、以下のとおりとすること。なお、施設の一部のみで準ユニットケア加算の要件を満たす場合、当該要件を満たす部分に入所する者についてのみ準ユニットケア加算を算定して差し支えない。

イ 「プライバシーの確保に配慮した個室的なしつらえ」とは、可動でないもので隔てることまでを要するものではないが、視線が遮断されることを前提とする。建具による仕切りは認めるが、家具やカーテンによる仕切りでは不可とする。また、天井から隙間が空いていることは認める。

ロ 一人当たりの面積基準については、四人部屋に中廊下を設けて居室を仕切るなど様々な工夫が考えられることから、仕切られた空間についての一人当たり面積基準は設けず、多床室全体として一人当たりの面積基準を満たしていれば足りることとする。

(10) 若年性認知症入所者受入加算について

2の(10)を準用する。

(11) 個別機能訓練加算について

4の(2)を準用する。

(12) 精神科を担当する医師に係る加算について

① 注12に規定する「認知症(法第五条の二に規定する認知症をいう。以下同じ。)である入所者」とは、次のいずれかに該当する者とすること。

イ 医師が認知症と診断した者

ロ なお、旧措置入所者にあっては、前記イにかかわらず、従来の「老人福祉法による特別養護老人ホームにおける認知症老人等介護加算制度について」(平成六年九月三十日老計第一三一号)における認知症老人介護加算の対象者に該当している場合は、医師の診断は必要としない。

② 精神科を担当する医師に係る加算を算定しようとする施設は、常に、認知症である入所者の数を的確に把握する必要があること。

③ 注12において「精神科を担当する医師」とあるのは、精神科を標ぼうしている医療機関において精神科を担当している医師を指すものであることが原則であるが、過去に相当期間、精神科を担当する医師であった場合や精神保健指定医の指定を受けているなど、その専門性が担保されていると判断できる場合は算定できる。

④ 精神科を担当する医師について、注11による常勤の医師に係る加算が算定されている場合は、注12の規定にかかわらず、精神科を担当する医師に係る加算は算定されないものであること。

⑤ 健康管理を担当する指定介護老人福祉施設の配置医師(嘱託医)が一名であり、当該医師が精神科を担当する医師も兼ねる場合は、配置医師として勤務する回数のうち月四回(一回あたりの勤務時間三~四時間程度)までは加算の算定の基礎としないものであること。(例えば、月六回配置医師として勤務している精神科を担当する医師の場合:六回:四回=二回となるので、当該費用を算定できることになる。)

⑥ 入所者に対し療養指導を行った記録等を残しておくこと。

(13) 障害者生活支援員に係る加算について

① 注13の「視覚障害者等」については、九十五号告示第四十九号において準用する第三十六号において「視覚、聴覚若しくは言語機能に重度の障害のある者又は重度の知的障害者」としたところであるが、より具体的には以下の者が該当するものであること。

イ 視覚障害者

身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第十五条第四項の規定により交付を受けた身体障害者手帳(以下「身体障害者手帳」という。)の障害の程度が一級又は二級若しくは、これに準ずる視覚障害の状態にあり、日常生活におけるコミュニケーションや移動等に支障があると認められる視覚障害を有する者

ロ 聴覚障害者

身体障害者手帳の障害の程度が二級又はこれに準ずる聴覚障害の状態にあり、日常生活におけるコミュニケーションに支障があると認められる聴覚障害を有する者

ハ 言語機能障害者

身体障害者手帳の障害の程度が三級又はこれに準ずる言語機能障害等の状態にあり、日常生活におけるコミュニケーションに支障があると認められる言語機能障害を有する者

ニ 知的障害者

「療育手帳制度について」(昭和四十八年九月二十七日付厚生省発児第一五六号各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生事務次官通知)第五の2の規定により交付を受けた療育手帳の障害の程度が「療育手帳制度の実施について」(昭和四十八年九月二十七日児発第七二五号各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省児童家庭局長通知)(以下「局長通知」という。)の第三に規定するA(重度)の障害を有する者又は知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)第十二条の規定に基づき各都道府県・指定都市が設置する知的障害者更生相談所において障害の程度が、局長通知の第三に規定する重度の障害を有する者

② 注13の「入所者の数が一五以上」という障害者生活支援員に係る加算の算定要件は、視覚障害者、聴覚障害者、言語機能障害者及び知的障害者の合計数が一五人以上であれば満たされるものであること。この場合の障害者生活支援員の配置については、それぞれの障害に対応できる専門性を有する者が配置されていることが望ましいが、例えば、視覚障害に対応できる常勤専従の障害者生活支援員に加えて、聴覚障害、言語機能障害及び知的障害に対応できる非常勤職員の配置又は他の職種が兼務することにより、適切な生活の支援を行うことができれば、当該加算の要件を満たすものとする。

③ 知的障害を有する者に対する障害者生活支援員の要件(九十五号告示第五十号において準用する第三十七号ハ)としては、知的障害者福祉法に規定する知的障害者福祉司の資格を有する者のほか、同法第十九条第一項に規定する知的障害者援護施設における指導員、看護師等で入所者の処遇実務経験五年以上の者とする。

(14) 入所者が入院し、又は外泊したときの費用の算定について

① 注14により入院又は外泊時の費用の算定について、入院又は外泊の期間は初日及び最終日は含まないので、連続して七泊の入院又は外泊を行う場合は、六日と計算されること。

(例)

入院又は外泊期間:三月一日~三月八日(八日間)

三月一日 入院又は外泊の開始………所定単位数を算定

三月二日~三月七日(六日間)………一日につき二四六単位を算定可

三月八日 入院又は外泊の終了………所定単位数を算定

② 入所者の入院又は外泊の期間中にそのまま退所した場合は、退所した日の外泊時の費用は算定できる。

また、入所者の外泊の期間中にそのまま併設医療機関に入院した場合には、入院日以降については外泊時の費用は算定できない。

③ 入所者の入院又は外泊の期間中で、かつ、入院又は外泊時の費用の算定期間中にあっては、当該入所者が使用していたベッドを他のサービスに利用することなく空けておくことが原則であるが、当該入所者の同意があれば、そのベッドを短期入所生活介護に活用することは可能であること。ただし、この場合に、入院又は外泊時の費用は算定できないこと。

④ 入院又は外泊時の取扱い

イ 入院又は外泊時の費用の算定にあたって、一回の入院又は外泊で月をまたがる場合は、最大で連続一三泊(一二日分)まで入院又は外泊時の費用の算定が可能であること。

(例) 月をまたがる入院の場合

入院期間:一月二十五日~三月八日

一月二十五日入院………所定単位数を算定

一月二十六日~一月三十一日(六日間)………一日につき二四六単位を算定可

二月一日~二月六日(六日間)………一日につき二四六単位を算定可

二月七日~三月七日………費用算定不可

三月八日退院………所定単位数を算定

ロ 「外泊」には、入所者の親戚の家における宿泊、子供又はその家族と旅行に行く場合の宿泊等も含むものであること。

ハ 外泊の期間中は、当該入所者については、居宅介護サービス費は算定されないものであること。

ニ 「入院」の場合、必要に応じて、入退院の手続きや家族等への連絡調整、情報提供などの業務にあたること。

(15) 初期加算について

① 入所者については、指定介護老人福祉施設へ入所した当初には、施設での生活に慣れるために様々な支援を必要とすることから、入所日から三〇日間に限って、一日につき三〇単位を加算すること。

② 「入所日から三〇日間」中に外泊を行った場合、当該外泊を行っている間は、初期加算を算定できないこと。

③ 当該施設における過去の入所及び短期入所生活介護との関係

初期加算は、当該入所者が過去三月間(ただし、日常生活自立度のランクⅢ、Ⅳ又はMに該当する者の場合は過去一月間とする。)の間に、当該指定介護老人福祉施設に入所したことがない場合に限り算定できることとする。

なお、当該指定介護老人福祉施設の併設又は空床利用の短期入所生活介護(単独型の場合であっても1の(2)の②に該当する場合を含む。)を利用していた者が日を空けることなく引き続き当該施設に入所した場合(短期入所から退所した翌日に当該施設に入所した場合を含む。)については、初期加算は入所直前の短期入所生活介護の利用日数を三〇日から控除して得た日数に限り算定するものとする。

④ 三〇日を超える病院又は診療所への入院後に再入所した場合は、③にかかわらず、初期加算が算定されるものであること。

(16) 退所時等相談援助加算について

① 退所前訪問相談援助加算・退所後訪問相談援助加算

イ 退所前訪問相談援助加算については、入所期間が一月を超えると見込まれる入所者の退所に先立って、入所者が退所後生活する居宅を訪問して退所後の居宅サービス等について相談援助を行った場合に、入所中一回に限り算定するものであるが、入所後早期に退所に向けた訪問相談援助の必要があると認められる場合については、二回の訪問相談援助について加算が行われるものであること。

この場合にあっては、一回目の訪問相談援助は退所を念頭においた施設サービス計画の策定に当たって行われるものであり、二回目の訪問相談援助は退所後在宅又は社会福祉施設等における生活に向けた最終調整を目的として行われるものであること。

ロ 退所後訪問相談援助加算については、入所者の退所後三〇日以内に入所者の居宅を訪問して相談援助を行った場合に、一回に限り算定するものである。

ハ 退所前訪問相談援助加算は退所日に算定し、退所後訪問相談援助加算は訪問日に算定するものであること。

ニ 退所前訪問相談援助加算及び退所後訪問相談援助加算は、次の場合には、算定できないものであること。

a 退所して病院又は診療所へ入院する場合

b 退所して他の介護保険施設へ入院又は入所する場合

c 死亡退所の場合

ホ 退所前訪問相談援助及び退所後訪問相談援助は、介護支援専門員、生活相談員、看護職員、機能訓練指導員又は医師が協力して行うこと。

ヘ 退所前訪問相談援助及び退所後訪問相談援助は、入所者及びその家族等のいずれにも行うこと。

ト 退所前訪問相談援助及び退所後訪問相談援助を行った場合は、相談援助を行った日及び相談援助の内容の要点に関する記録を行うこと。

② 退所時相談援助加算

イ 退所時相談援助の内容は、次のようなものであること。

a 食事、入浴、健康管理等在宅又は社会福祉施設等における生活に関する相談援助

b 退所する者の運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う各種訓練等に関する相談援助

c 家屋の改善に関する相談援助

d 退所する者の介助方法に関する相談援助

ロ ①のニからトまでは、退所時相談援助加算について準用する。

ハ 入所者に係る居宅サービスに必要な情報提供については、老人福祉法第二十条の七の二に規定する老人介護支援センターに替え、法第百十五条の四十六第一項に規定する地域包括支援センターに対して行った場合についても、算定できるものとする。

③ 退所前連携加算

イ 退所前連携加算については、入所期間が一月を超える入所者の退所に先立って、指定居宅介護支援事業者の介護支援専門員と連携し、退所後の居宅における居宅サービスの利用上必要な調整を行った場合に、入所者一人につき一回に限り退所日に加算を行うものであること。

ロ 退所前連携を行った場合は、連携を行った日及び連携の内容の要点に関する記録を行うこと。

ハ ①のニ及びホは、退所前連携加算について準用する。

ニ 在宅・入所相互利用加算の対象となる入所者について退所前連携加算を算定する場合には、最初に在宅期間に移るときにのみ算定できるものとする。

(17) 従来型個室に入所していた者の取扱いについて

注15に規定する措置については、介護福祉施設サービスを受ける者であって、平成十七年九月三十日以前に従来型個室に入所し、平成十七年十月一日以後に当該従来型個室を退所するまでの間、継続して当該従来型個室へ入所しており、併せて、当該期間中に、特別な居室の提供を受けた事に伴う特別な室料を払っていないものが対象となること。ただし、当該者が、当該従来型個室を一旦退所した後、再度、当該従来型個室に入所して介護福祉施設サービスを受ける場合にあっては、注15に規定する措置の対象とはならないこと。

(18) 栄養マネジメント加算について

① 栄養ケア・マネジメントは、入所者毎に行われるケアマネジメントの一環として行われることに留意すること。

また、栄養ケア・マネジメントは、低栄養状態のリスクにかかわらず、原則として入所者全員に対して実施すべきものであること。

② 施設に常勤の管理栄養上を一名以上配置して行うものであること。なお、調理業務の委託先にのみ管理栄養士が配置されている場合は、当該加算を算定できないこと。

③ 常勤の管理栄養士が、同一敷地内の複数の介護保険施設又は地域密着型介護老人福祉施設の栄養ケア・マネジメントを行う場合は、当該管理栄養士が所属する施設のみ算定できること。

ただし、サテライト型施設を有する介護保険施設(以下この号において「本体施設」という。)にあっては、次の取扱いとする。

イ 本体施設に常勤の管理栄養士を一名配置している場合(本体施設の入所者数とサテライト型施設(一施設に限る。)の入所者数の合計数に対して配置すべき栄養士の員数が一未満である場合に限る。)であって、当該管理栄養士が当該サテライト型施設に兼務し、適切に栄養ケア・マネジメントを行っているときは、当該サテライト型施設においても算定できることとする。

ロ 本体施設に常勤の管理栄養士を二名以上配置している場合であって、当該管理栄養士がサテライト型施設に兼務し、適切に栄養ケア・マネジメントを行っているときは、当該サテライト施設(一施設に限る。)においても算定できることとする。

④ 栄養ケア・マネジメントについては、以下のイからトまでに掲げるとおり、実施すること。

イ 入所者毎の低栄養状態のリスクを、施設入所時に把握すること(以下「栄養スクリーニング」という。)。

ロ 栄養スクリーニングを踏まえ、入所者毎の解決すべき課題を把握すること(以下「栄養アセスメント」という。)。

ハ 栄養アセスメントを踏まえ、施設長の管理のもと、医師、管理栄養士、歯科医師、看護職員、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、入所者毎に、栄養補給に関する事項(栄養補給量、補給方法等)、栄養食事相談に関する事項(食事に関する内容の説明等)、解決すべき事項に対し関連職種が共同して取り組むべき事項等を記載した栄養ケア計画を作成すること。また、作成した栄養ケア計画については、栄養ケア・マネジメントの対象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、介護福祉施設サービスにおいては、栄養ケア計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって栄養ケア計画の作成に代えることができるものとすること。

ニ 栄養ケア計画に基づき、入所者毎に栄養ケア・マネジメントを実施するとともに、栄養ケア計画に実施上の問題(栄養補給方法の変更の必要性、関連職種が共同して取り組むべき事項の見直しの必要性等)があれば直ちに当該計画を修正すること。

ホ 入所者毎の栄養状態に応じて、定期的に、入所者の生活機能の状況を検討し、栄養状態のモニタリングを行うこと。その際、栄養スクリーニング時に把握した入所者毎の低栄養状態のリスクのレベルに応じ、それぞれのモニタリング間隔を設定し、入所者毎の栄養ケア計画に記載すること。当該モニタリング間隔の設定に当たっては、低栄養状態のリスクの高い者及び栄養補給方法の変更の必要性がある者(経管栄養法から経口栄養法への変更等)については、概ね二週間毎、低栄養状態のリスクが低い者については、概ね三月毎に行うこと。なお、低栄養状態のリスクが低い者も含め、少なくとも月一回、体重を測定するなど、入所者の栄養状態の把握を行うこと。

ヘ 入所者毎に、概ね三月を目途として、低栄養状態のリスクについて、栄養スクリーニングを実施し、栄養ケア計画の見直しを行うこと。

ト 指定介護老人福祉施設基準第八条に規定するサービスの提供の記録において利用者ごとの栄養ケア計画に従い管理栄養士が利用者の栄養状態を定期的に記録する場合は、当該記録とは別に栄養マネジメント加算の算定のために利用者の栄養状態を定期的に記録する必要はないものとすること。

⑤ 栄養ケア計画を作成し、入所者又はその家族に説明し、その同意を得られた日から栄養マネジメント加算は算定を開始するものとすること。

⑥ 栄養ケア・マネジメントを実施している場合には、個別の高齢者の栄養状態に着目した栄養管理が行われるため、検食簿、喫食調査結果、入所者の入退所簿及び食料品消費日計等の食事関係書類(食事せん及び献立表を除く。)、入所者年齢構成表及び給与栄養目標量に関する帳票は、作成する必要がないこと。

(19) 経口移行加算について

① 経口移行加算のうち経管栄養から経口栄養に移行しようとする者に係るものについては、次に掲げるイからハまでの通り、実施するものとすること。

イ 現に経管により食事を摂取している者であって、経口による食事の摂取を進めるための栄養管理が必要であるとして、医師の指示を受けた者を対象とすること。医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、言語聴覚士、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、経口による食事の摂取を進めるための栄養管理の方法等を示した経口移行計画を作成すること(ただし、栄養マネジメント加算を算定している入所者にあっては、栄養ケア計画と一体のものとして作成すること。)。また、当該計画については、栄養管理の対象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、介護福祉施設サービスにおいては、経口移行計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって経口移行計画の作成に代えることができるものとすること。

ロ 当該計画に基づき、栄養管理を実施すること。経口移行加算の算定期間は、経口からの食事の摂取が可能となり経管による食事の摂取を終了した日までの期間とするが、その期間は入所者又はその家族の同意を得た日から起算して、一八〇日以内の期間に限るものとし、それを超えた場合においては、原則として当該加算は算定しないこと。

ハ 経口による食事の摂取を進めるための栄養管理が、入所者又はその家族の同意を得られた日から起算して、一八〇日を超えて実施される場合でも、経口による食事の摂取が一部可能なものであって、医師の指示に基づき、継続して経口による食事の摂取を進めるための栄養管理が必要とされる場合にあっては、引き続き当該加算を算定できるものとすること。ただし、この場合において、医師の指示は概ね二週間毎に受けるものとすること。

② 経管栄養法から経口栄養法への移行は、場合によっては、誤嚥性肺炎の危険も生じうることから、次のイからハまでについて確認した上で実施すること。

イ 全身状態が安定していること(血圧、呼吸、体温が安定しており、現疾患の病態が安定していること。)。

ロ 刺激しなくても覚醒を保っていられること。

ハ 嚥下反射が見られること(唾液嚥下や口腔、咽頭への刺激による喉頭挙上が認められること。)。

ニ 咽頭内容物を吸引した後は唾液を嚥下しても「むせ」がないこと。

③ 経口移行加算を一八〇日間にわたり算定した後、経口摂取に移行できなかった場合に、期間を空けて再度経口摂取に移行するための栄養管理を実施した場合は、当該加算は算定できないものとすること。

(20) 経口維持加算について

① 経口維持加算のうち、著しい摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる者に係るものについて

イ 経口維持加算のうち、経管栄養は行われていないが、著しい摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる者(経口維持加算(Ⅰ))及び摂食機能障害を有し誤嚥が認められる者(経口維持加算(Ⅱ))に係るものについては、次に掲げるaからdまでの通り、実施するものとすること。

a 経口維持加算(Ⅰ)については、現に経口により食事を摂取している者であって、著しい摂食機能障害を有し、造影撮影(医科診療報酬点数表中「造影剤使用撮影」をいう。以下同じ。)又は内視鏡検査(医科診療報酬点数表中「喉頭ファイバースコピー」をいう。以下同じ。)により誤嚥が認められる(喉頭侵入が認められる場合を含む。)ことから、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要であるものとして、医師又は歯科医師の指示を受けたものを対象とすること。ただし、歯科医師が指示を行う場合にあっては、当該指示を受ける管理栄養士等が、対象となる入所者に対する療養のために必要な栄養の指導を行うに当たり、主治の医師の指導を受けている場合に限る(以下同じ。)。

経口維持加算(Ⅱ)については、現に経口により食事を摂取している者であって、摂食機能障害を有し、水飲みテスト(「氷砕片飲み込み検査」、「食物テスト(food test)」、「改訂水飲みテスト」などを含む。以下同じ。)、頸部聴診法等により誤嚥が認められることから、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要であるものとして、医師又は歯科医師の指示を受けたものを対象とすること。

b 医師、歯科医師、管理栄養士、看護職員、言語聴覚士、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理の方法等を示した経口維持計画を作成すること(ただし、栄養マネジメント加算を算定している入所者にあっては、栄養ケア計画と一体のものとして作成すること。)。また、当該計画については、栄養管理の対象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、介護福祉施設サービスにおいては、経口維持計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって経口維持計画の作成に代えることができるものとすること。

c 当該経口維持計画に基づき、栄養管理を実施すること。「特別な栄養管理」とは、入所者の誤嚥を防止しつつ、継続して経口による食事の摂取を進めるための食物形態、摂食方法等における適切な配慮のことをいう。経口維持加算(Ⅰ)及び経口維持加算(Ⅱ)の算定期間は、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な栄養管理により、当該入所者に誤嚥が認められなくなったと医師又は歯科医師が判断した日までの期間とするが、その期間は入所者又はその家族の同意を得られた日から起算して一八〇日以内の期間に限るものとし、それを超えた場合においては、原則として当該加算は算定しないこと。

d 入所者又はその家族の同意を得られた日から起算して一八〇日を超えた場合でも、引き続き、

(a) 経口維持加算(Ⅰ)の対象者については、造影撮影又は内視鏡検査により、引き続き、誤嚥が認められ(喉頭侵入が認められる場合を含む。)、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な栄養管理が必要であるものとして医師又は歯科医師の指示がなされ、また、当該特別な栄養管理を継続することについての入所者の同意が得られた場合

(b) 経口維持加算(Ⅱ)の対象者にあっては、水飲みテスト、頸部聴診法等により引き続き、誤嚥が認められ、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要であるものとして、医師又は歯科医師の指示がなされ、また、当該特別な栄養管理を継続することについての入所者の同意が得られた場合

にあっては、引き続き当該加算を算定できるものとすること。

ただし、(a)又は(b)における医師又は歯科医師の指示は、概ね一月毎に受けるものとすること。

ロ 管理体制とは、食事の中止、十分な排痰、医師又は歯科医師への報告等が迅速に行われる体制とすること。