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○国民の祝日「敬老の日」の設定について

(昭和四一年六月二五日)

(社老第八二号)

(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省社会局長通知)

標記については、本日付事務次官通知をもつて通知されたところであるが、「敬老の日」の意義と今後の老人福祉施策の重要性にかんがみ、次の事項に留意のうえ、(管下市町村に対しその周知徹底を図るとともに)「敬老の日」の目的達成に努められたい。

1 「敬老の日」制定の経過

老人福祉法の制定に当たつて、その第五条に規定された「老人の日」は、その起源を「としよりの日」に求めることができるのであるが、これは昭和二二、二三年頃から一部市町村において行なわれてきたものを昭和二六年に全国社会福祉協議会が国民的行事として行なうこととし、以来十数年にわたつて全国的に行なわれてきたものである。

さらに、昭和三八年老人福祉法の制定に当たつては、老人福祉思想の啓蒙普及と老人福祉の増進を目的としてその第五条に「老人の日」として規定されることとなつたものである。

一方、「老人の日」を国民の祝日に加えようという世論は、かねてから強かつたのであるが、今般これに応えて「老人の日」が「敬老の日」と改められて国民の祝日に加えられることとなつたものである。

2 「敬老の日」の趣旨

「敬老の日」は、国民の祝日に関する法律第二条に定められているように、多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日であり、また、老人福祉法第五条に定められているように、ひろく国民が老人の福祉についての関心と理解を深め、かつ、老人が自らの生活の向上に努める意欲を高める日である。

したがつて、すでに十数年にわたりひろく国民的行事として行なわれてきた「老人の日」の趣旨と全く同様のものであり、老人に精神的な安定と自覚を与えるとともに一般国民に対しても自らの老後に対する自覚を与え、かつ、国民の老人に対する正しい理解を持たせる等老人福祉思想の啓蒙普及に資するところが少なくないものと考えられる。

3 「敬老の日」の行事

地方公共団体及び民間関係団体においては、従来とも「老人の日」及び「老人福祉週間」において、各種の行事を行なつてきたところであり、その効果については、きわめて顕著なものがあつたのであるが、今回老人福祉法の一部改正に伴つて、国及び地方公共団体は、「敬老の日」においてその日にふさわしい行事が実施されるように努めなければならないものとされるにいたつた。したがつて、中央においても必要な行事を行なう予定であるが、各都道府県においても必要な予算措置を講じ、管下市町村及び民間関係団体とも協力して、積極的に行事を実施するよう努められたい。

なお、教育委員会と連絡のうえ、学校教育、社会教育の分野においても「敬老の日」及び「老人福祉週間」において、その趣旨の周知徹底を図るとともに、その日にふさわしい行事を行なうよう努められたい。

4 老人福祉施策の拡充強化

近年における老人問題の重要性にかんがみ、都道府県においては従来とも鋭意その対策に当たつてきたところであるが、「敬老の日」の設定を契機としてさらにいつそう老人福祉施策の拡充強化に努められたい。