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○老人世帯向公営住宅の建設等について

(昭和三九年四月一日)

(厚生省社発第一六六号・建設省住発第九二号)

(各都道府県知事あて厚生省社会局長・建設省住宅局長連名通知)

老人の心身の健康の保持と生活の安定に必要な措置を講じ、老人の福祉を図るため、昨年老人福祉法が制定されたことは、御承知のとおりである。

この法の趣旨にかんがみ、また、老人は高齢に伴う種々の不利な条件にあるため、特に著しく住宅に困窮している実情であり、住宅についての特別の施策が必要であることを考慮して、このたび、老人世帯向公営住宅を建設することとし、別紙のとおり実施要領を定めたので、貴管下事業主体にもこの旨周知徹底させ、積極的にその実施を図るよう格段の御配意を煩わしたい。

なお、昭和三九年度分については、昭和三九年度公営住宅建設内定戸数の範囲内において実施するものとし、建設希望のある向きは、実施計画書提出の際、他の特定目的住宅と同様の処理をされたく申し添える。

(別紙)

老人世帯向公営住宅建設等実施要領

老人世帯で住宅に困窮しているものを優先的に入居させる公営住宅(以下「老人世帯向公営住宅」という。)の建設等は、この実施要領に定めるところにより行なう。

第一 建設

1 種別

老人世帯向公営住宅は、第一種公営住宅及び第二種公営住宅とする。

2 基準

老人世帯向公営住宅の規模、構造等は、公営住宅建設基準によるほか、その建設にあたっては、老人の福祉が増進されるよう特に次の事項について考慮するものとする。

(1) 老人の生活に適するような良好な立地条件を考慮して建設すること。

(2) 老人世帯向住宅のみの団地とすることを避ける等一般世帯と社会的融合が行なわれるよう配意すること。

(3) 平家又は共同住宅の一階部分に限ること。

(4) 設計にあたっては、できる限り、老人の生活に適するよう配意すること。

(5) 団地内には、できる限り、庭園その他老人の余暇の利用に適する施設を設けること。

第二 入居

1 老人世帯

老人世帯向公営住宅の優先入居の対象となる老人世帯は、六〇歳以上の者及びその民法上の親族で次の各号の一に該当する者のみからなる世帯とする。

(1) 配偶者

(2) 一八歳未満の児童

(3) 重度又は中度の身体障害者若しくは精神薄弱等の精神的欠陥を有する者

(4) おおむね六〇歳以上の者

2 選考

老人世帯向公営住宅の入居者の選考に際しては、公営住宅の入居者資格を有し、かつ、公営住宅法施行令第六条の各号の一に該当する者の老人世帯(養護老人ホーム又は特別養護老人ホームに収容すべき者の世帯を除く。)を住宅困窮度が著しく高いものとして優先的に取り扱うものとし、この場合において、老人の年齢、扶養義務者の状況、家庭の事情等を参酌して選考するものとする。

3 証明等

老人世帯向公営住宅への入居の申込みをしたものが前二項の基準に該当することについては、福祉事務所長又は民生委員が証明するものとする。この場合において、他の世帯と別居して老人世帯向公営住宅に入居しようとするものについては、別居によるほか老人の福祉が得られないものであるかどうかを調査し、別居の必要性の有無を認定しなければならない。

第三 相互連繋

(1) 事業主体の住宅主管部局は、老人福祉主管部局と緊密な連繋を保ち、老人世帯の実情にそうように、老人世帯向公営住宅の建設、管理を行なうものとする。

都道府県知事又は市町村長は、公営住宅に入居している者が老人福祉施設に収容すべきものとなった場合は、当該施設に収容するよう努めなければならない。

(2) 都道府県の住宅主管部局は、翌年度の公営住宅建設計画を建設省住宅局長あてに提出するに際して、老人福祉主管部局及び市町村と十分協議し、当該計画のうち老人世帯向公営住宅に充当するものについて、事業主体(都道府県営分については建設地を含む。)及び種別戸数を明記するものとする。