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○老人保健法による老人医療事務の指導監査の実施方針について

(平成五年三月二二日)

(老企第七二号)

(各都道府県知事あて厚生省老人保健福祉局長通知)

老人医療事務の指導監査については、「老人保健法による老人医療事務の指導監査の実施について」(平成五年三月二二日老企第七一号)等により示しているところであるが、今般、別紙のとおり、老人医療事務の指導監査の実施方針を定めたので、効果的な指導監査の実施について特段の配慮を願いたい。

なお、「老人保健法による老人医療事務の指導監査の実施方針について」(平成元年三月二九日老企第六三号)は、平成五年三月三一日限りで廃止する。

別紙

老人医療事務指導監査の実施方針

第一 基本方針

老人医療費の公平な負担を目的とする老人保健制度の適正かつ安定的な運営を図るため、老人医療費を適正なものとしていくことが重要な課題となっている。

老人医療事務の指導監査については、このような要請に応え、老人医療事務の適正かつ効率的な実施を図ることを目的として、医療費の動向分析、医療費適正化対策の推進等に重点を置いて計画的に実施すること。

なお、都道府県の実情に応じ必要な事項がある場合には、これを追加して重点事項を設定すること。

第二 指導監査の重点事項

1 老人医療費の動向把握及び分析

市町村毎に医療費の動向についてその基礎資料を作成し、常時把握、分析を行い、その結果に基づき医療費の適正化に努めるよう指導すること。このため、市町村毎に入院、入院外、歯科別の受診率、一件当たり日数及び一日当たり診療費等の状況、必要に応じ疾病分類別、診療行為別、医療機関種類別等の統計資料を作成し、県平均、他市町村と比較するなど分析を行うよう指導すること。

2 保健事業及び在宅福祉事業担当部門との積極的な連携

(1) 一人当たり診療費が高い市町村及び対前年度比の伸び率が高い市町村等に対しては、老人医療費の動向分析の結果等を活用して老人保健事業及び在宅福祉事業の実施状況との関連について検討を行い、必要に応じ老人保健事業及び在宅福祉事業担当部門との連携を図り、老人保健事業及び在宅福祉事業の実施を積極的に推進するよう指導すること。

(2) また、レセプト点検等により受給者の受診状況等を分析した結果、重複受診者、多受診者及び長期入院者等に対する指導方針を高齢者サービス調整チームにおいて検討を必要とする場合は高齢者サービス調整チームの活用を積極的に行うよう指導すること。

3 老人医療費適正化対策

(1) 診療(調剤)報酬(施設療養費等)明細書(レセプト)の点検調査等の充実強化レセプト点検調査については、受給者資格及び請求点数等の審査にとどまらず、縦覧点検等点検調査実施率の向上及び迅速な過誤依頼等事務処理の充実強化を図るため、実施体制を確立すること。このため、レセプト点検等の共同電算処理を推進することにより、縦覧点検の充実強化を図るとともに、医療事務経験者等の雇い上げ等による投薬料、検査料等の専門的、重点的点検調査の充実に努めるよう強力に指導すること。この場合において、過誤調整依頼結果等の把握に努め、レセプト点検調査の適正な実施の確保を図ること。

(2) 交通事故等第三者行為に係る求償事務の促進

医療給付発生原因に関するレセプト点検調査の強化、担当職員の第三者行為求償実務能力の向上、消防署等地域官署との連絡の強化のほか、都道府県国民健康保険団体連合会等関係機関との連携強化等により第三者求償事務の促進を図るよう指導すること。

(3) 医療受給者健康指導事業(医療費通知)の充実強化

全市町村において、全受給者を対象に最低年三回以上の通知を実施することを目標として、実施回数の増を指導するとともに、通知内容の充実を図るよう指導すること。このため、特に被用者保険加入の受給者に係る通知内容の実施が不十分な市町村に対しては、都道府県国民健康保険団体連合会等の共同電算処理による促進を指導すること。

(4) 重複受診者等に対する健康教育、訪問指導等の充実強化

レセプト点検調査の結果等から得られた諸資料を活用して、重複受診者及び多受診者を把握し、保健指導、受給者教育が必要と認められる者については、保健事業担当者との連携のもとに保健婦等による訪問指導等を積極的に実施するよう指導すること。

(5) 看護料等医療費(現金給付)の適正な支給

看護料等の現金給付については、申請書、医師の証明書等添付書類の審査、レセプト等との突合等の強化を図り、その適正な支給に努めるよう指導すること。

特に看護料の承認に当たっては、看護の形態、付添者の資格等の審査事務を的確に行うよう指導すること。

(6) 広報活動の充実

老人保健制度の周知のみならず、各市町村における老人医療費の実態、その動向分析結果等について、受給者及び住民の関心を高めるよう、老人医療に関する広報活動を積極的に実施するよう指導すること。