添付一覧
○老人保健福祉計画について
(平成四年六月三〇日)
(老計第八六号)
(各都道府県知事あて厚生省大臣官房老人保健福祉部長通知)
老人福祉法等の一部を改正する法律(平成二年法律第五八号)の施行に関しては、平成二年八月一日厚生省社第三七七号厚生事務次官依命通知「老人福祉法等の一部を改正する法律の施行について」により通知されたところであるが、今般、市町村老人保健福祉計画及び都道府県老人保健福祉計画について、その作成の趣旨、留意点、内容等について、以下のとおり取りまとめたので、通知する。
貴職においては、御了知の上、都道府県老人保健福祉計画の作成に当たるとともに、市町村老人保健福祉計画の作成に関する市町村(政令指定都市及び東京都の特別区を含む。)の指導を願いたい。
また、市町村への周知徹底について配慮願いたい。
第一 老人保健福祉計画の作成の趣旨
1 わが国の六五歳以上人口割合は、一二・六%(平成三年一○月推計人口)であって、国民の八人に一人が六五歳以上という状況であるが、今後急速に人口の高齢化が進み、二○二○年(平成三二年)には、六五歳以上人口割合が二五・二%に達するものと見込まれ、国民の四人に一人が六五歳以上であるという超高齢社会が到来することとなる。
また、寝たきりや痴呆という介護を要する状態になりやすい後期高齢者(七五歳以上高齢者)の割合についてみれば、現在の五%程度が、二○二○年(平成三二年)には一二%強と、六五歳以上人口の伸びを上回って増加していくものと予測されている。
一方、これらの高齢者を支える状況についてみれば、これまでも高齢者の子との同居率は低下し続けているが、今後も核家族化の進展や女性の社会進出などにより、家庭における家族の介護力の低下傾向は続くものと予想される。
したがって、介護を要する老人の介護サービスのニーズは、今後急速に高まると考えられ、これからの老人保健福祉行政の推進に当たっては、このことを前提として、必要な老人保健福祉サービスを地域において提供できる体制(以下「サービス提供体制」という。)の整備を速やかに図らなければならない。
国においては、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を策定し、平成二年度より、その推進に努めているところであり、地方公共団体においてもサービス提供体制を整備していくことの緊要性を認識し、これに計画的に取り組んでいく必要がある。
今般、市町村及び都道府県において老人保健福祉計画を作成することとしたのは、このような老人保健福祉行政の計画的推進を図るという要請に応えるものである。
2 地域において、サービス提供体制を整備するに当たっては、高齢者が「いつでも、どこでも、だれでも」必要とする保健福祉サービスを利用できるようにすることを目指すべきである。
このため、住民に最も身近な行政主体である市町村が、地域の高齢者のニーズと将来必要な保健福祉サービスの量を明らかにし、保健福祉サービスの現状を踏まえ、将来必要とされるサービス提供体制を計画的に整備することを内容とする計画を作成する必要がある。
また、都道府県は、市町村の区域を包含する広域的な地方公共団体として、広域的な観点から市町村を支援していくべきであり、その際、市町村の規模、地域の特性、技術力の差、施策の取組状況等に応じて、きめ細かな配慮を行うべきであり、このため、広域調整を旨とする都道府県老人保健福祉計画を作成することとしたものである。
第二 老人保健福祉計画の作成上の留意点
1 老人保健計画と老人福祉計画の一体的作成
寝たきりなどの高齢者のニーズは、単一の福祉サービスや保健サービスによって充足される場合は少なく、保健、福祉などの分野をまたがる複数のサービスを適切に組み合わせることによって満たされることが少なくない。これからの老人保健福祉は、保健・医療・福祉の十分な連携を図っていくことが不可欠であると認識し、今後のサービス提供体制を確保していく必要がある。
このことを計画作成段階から担保するために、老人保健計画と老人福祉計画とは、各々根拠法を異にするものではあるが、一体の計画として作成すべきことが法律上特に明記されているところであり、老人保健福祉計画は、一つの計画として作成されなければならない。
2 作成体制
(1) 保健・医療・福祉の連携を確保するため、市町村及び都道府県の行政内部においては、それぞれ、老人保健の担当と老人福祉の担当をはじめとする関係部門が緊密な連携を採って老人保健福祉計画を作成すべきである。
(2) 高齢者の保健福祉対策は、住宅、就労、生涯学習等と関連する分野が広いので、これらの関連分野との連携にも、十分配慮すべきである。
(3) 高齢者の保健福祉の問題は、住民自身の問題であり、老人保健福祉計画の作成に関しては、高齢者のニーズをその基礎とすることはもとより、住民や関係者の意見を踏まえて作成することが必要である。
老人保健福祉計画の作成に当たっては、このような観点から、学識経験者、保健医療福祉関係者が参加する体制を組むとともに、計画作成の過程においては、その他の専門家、関係者等の意見を聞く体制を採るよう配慮する必要がある。
また、アンケート調査、ヒアリング、懇談会等により、高齢者の意見やニーズを十分に把握する必要がある。
3 作成の時期
老人保健福祉計画の作成は、平成五年四月の改正法の施行後速やかに行われるべきであり、基本的には、平成五年度中に作成すべきである。
4 市町村老人保健福祉計画作成のためのニーズの把握
市町村老人保健福祉計画は、地域の寝たきり老人や痴呆性老人などの介護を要する高齢者のニーズなどを踏まえて作成すべきものであり、このため、市町村は、地域の寝たきり老人や痴呆性老人などのニーズを把握しなければならず、必要に応じ、市町村老人保健福祉計画の作成のための調査を行うべきである。
5 都道府県の指導調整
市町村が今後の老人保健福祉行政の主役として、その地域の高齢者のニーズに応じた保健福祉サービスの提供を行っていくための計画が、市町村老人保健福祉計画である。
都道府県は、広域的な見地から都道府県老人保健福祉計画を作成する立場にあり、適切な措置の実施を確保するために市町村老人保健福祉計画の作成に関して必要な技術的助言を行う役割を担っている。
このため、都道府県は、市町村老人保健福祉計画の作成に関する指針を作成するなどして市町村の指導に当たることが望ましく、市町村においては、この都道府県の助言を十分踏まえるものとする。
計画作成過程においても、市町村は、都道府県と十分な調整が必要であり、市町村は、その原案がまとまった段階で都道府県の意見を聞き、これを十分踏まえるものとする。
なお、都道府県老人保健福祉計画において、支援が必要な小規模町村などの援助の方針を盛り込むことが望ましい。
6 他の計画との関係
市町村老人保健福祉計画は、地方自治法に規定する市町村の基本構想に則して定められるべきものである。
老人保健福祉計画は、他の法律の規定による計画であって老人の福祉に関するものと調和を保つよう作成する必要がある。他の法律の規定による計画等には、医療法に基づく医療計画、国民健康保険法に基づく安定化計画等が考えられる。
なお、既に当該自治体で作成されている計画であって老人の保健又は福祉に関するものに必要な追加修正等を加えて、老人保健福祉計画とすることも可能であるし、総合的な計画の一部が老人保健福祉計画に充てられることも差し支えない。
第三 老人保健福祉計画の作成上の基本方針
1 地域における総合的ケアシステムの確立
老人保健福祉計画の内容は、個々の事業に関するものとなっているが、最終的には、住民に対して、保健福祉サービスを総合的に提供することが可能となるシステムを地域においてつくることを目指して作成される必要がある。
特に、福祉サービスについては、平成五年四月以降、施設サービス及び在宅サービスともに市町村が提供主体となることから、施設サービスと在宅サービスを一元的にとらえ、ニーズに応じて連続的にサービスを提供できる体制をつくり、利用者は施設入所と在宅生活を柔軟に選択できる、具体的には、施設と在宅の往復も可能となるようにするべきである。
2 在宅ケアの推進
サービス提供体制の整備に当たっては、できる限り高齢者が寝たきりにならないようにするとともに、高齢者が寝たきりなどの介護を要する状態になっても、できる限り住み慣れた地域や家庭で住み続けられるよう、在宅の要介護老人に対する保健福祉サービスの充実に重点を置くべきである。
特に、在宅の要介護老人に対する保健福祉サービスの整備は、本格的に着手されてからまだ歴史が浅いことから、特別養護老人ホーム等の施設サービスに比べて立ち遅れが見られる状況であり、老人保健福祉計画の作成に当たっては、在宅の要介護老人に対する保健福祉サービスの充実に特に留意することが必要である。
3 利用し易い保健福祉サービス及び医療との連携
(1) サービス提供体制の整備が図られても、保健福祉サービスは、住民によく知られ、利用されるものでなければ、老人保健福祉計画の目的は達成されない。
特に、要介護老人とその家族にとっては、情報を得ること、保健福祉サービスの利用手続を行うことなどに多くの困難を抱えているので、保健福祉サービスに関する情報提供体制、相談体制の確保は重要である。
保健福祉サービスの量の拡充を図る観点に立って必要な配慮を行うことは当然であるが、併せて、利用者の視点に立って、どのようにすれば利用者にとって適切なサービスが容易に利用できるようになるかについて創意工夫を重ねるとともに、在宅介護支援センターの積極的活用など相談体制の整備を図ることが必要である。
(2) 要介護老人が総合的、継続的な在宅療養を行っていくためには、市町村の保健福祉サービスと医療機関の有機的な連携の強化は極めて重要である。
これらの高齢者の多くが、かかりつけの医師を持ち、高齢者本人及びその家族の療養上の相談を主治医に対して行っている実態に鑑み、市町村が高齢者に対し、必要な保健福祉サービスの提供を図っていく上で、医療機関からの情報の提供をはじめとする様々な協力を得る必要があり、この観点から地域医師会との連携の強化を図ることが望ましい。
4 寝たきり老人・痴呆性老人対策の推進
(1) 寝たきり老人にとっては、ADL(日常生活能力)の向上がQOL(生活の質)の向上に結びつくものであり、予防や早期リハビリテーションはもちろん、生活リハビリテーションも重要な役割を果たすものである。このため、平成二年度からの「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の重要な柱として位置付けている「寝たきり老人ゼロ作戦」においても、寝たきりは予防可能であり、かつ、寝たきりは起こせるという観点から施策の推進を図っているところである。
老人保健福祉計画の作成に当たっては常に、寝たきりは防止できるものであり、そのための施策を充実すべきことを念頭に置くとともに、介護サービスの提供に際しても、医療との連携の重要性を十分に認識しつつ、「寝たきりゼロ」を目指すことに十分配慮すべきである。
(2) 痴呆性老人については、現状において、その把握についても困難が大きく、対策の体系化も、早くから確立してきた寝たきり老人対策に比べて十分なものになっていない。
このため、老人保健福祉計画の作成に当たっては、特に痴呆性老人対策の推進についても、特段の配慮を行う必要がある。
この際、家族からの相談に応ずる体制の整備及び急を要する場合における入院・入所の体制の整備が重要である。
こうした観点を踏まえ、都道府県においては、老人保健及び老人福祉とともに精神保健等他の施策を通じた総合的な取組みが進むよう、保健、医療、福祉各分野のネットワーク化を目指すとともに、市町村老人保健福祉計画における相談からサービス提供に至るまでの各レベルの対策の体系化について、必要な指導を行われたい。
5 地域性を踏まえた計画
市町村の人口規模、高齢化等の度合には、大きな差異があり、保健福祉サービスの社会資源も様々であり、産業構造や地域住民の意識等も全国一律でないことは、自明のことである。
市町村老人保健福祉計画の作成に当たっては、地域にふさわしい計画づくりを行うことが極めて重要なことである。
都道府県においても、都道府県の福祉事務所及び保健所における地域の実情に応じたきめ細かな支援の下で、多様性を持った計画づくりが可能となるよう配慮されたい。
第四 老人保健福祉計画の内容
1 計画期間
市町村老人保健福祉計画を基礎として都道府県老人保健福祉計画が作成されることを考慮すれば、各都道府県内で市町村老人保健福祉計画の期間は、統一されることが望ましい。また、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」と老人保健事業第三次計画がいずれも平成一一年度までとなっていることを考慮すれば、今回作成する老人保健福祉計画の期間に関しては、中間時点で見直しを行うことを含め、平成一一年度までとすることが望ましい。
2 老人保健福祉圏域の設定
都道府県老人保健福祉計画は、市町村老人保健福祉計画の達成に資するため、各市町村を通じる広域的な見地から、老人福祉施設及び老人保健施設の整備量の目標量等を定めるものである。
このため、都道府県は、都道府県老人保健福祉計画において老人保健福祉圏域を設定するものとされている。
老人保健福祉圏域は、保健・医療・福祉の連携を図る観点から、基本的には、当該都道府県の医療計画で規定している二次医療圏と合致させることが望ましい。
二次医療圏の圏域を老人保健福祉圏域とすることで老人保健福祉計画上支障が生ずる場合には、広域市町村圏等を踏まえ、適切な圏域を設定して差し支えない。
3 計画に盛り込むべき事項
老人保健福祉計画には、以下の事項を盛り込むことが必要である。
(1) 高齢者等の現状
計画期間満了時における需要側の状況を予測する基礎とするため、高齢者の人数、世帯の状況、要介護老人の人数、在宅・在宅以外の別などの現状を盛り込む必要がある。
その際、寝たきり老人の把握については、平成三年一一月一八日老健第一○二―二号老人保健福祉部長通知「障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準」を、痴呆性老人の把握については、平成四年二月二五日老計第二九号・老健第一四号老人福祉計画課長・老人保健課長通知「老人保健福祉計画策定に当たっての痴呆性老人の把握方法等について」を参照されたい。
(2) サービス提供の現状等
老人保健福祉計画には、ホームヘルプサービス、機能訓練、特別養護老人ホーム、老人保健施設などのサービス提供の現状を把握し、評価した上、現状の概要及び問題点等を盛り込む必要がある。
その際、公的サービスについてはもちろん、福祉公社等住民参加型福祉サービス、各種ボランティア活動、民間シルバーサービス等の活動があればこれについても併せて明らかにすることが望ましい。これにより、地域の保健福祉水準が明らかになる。
なお、計画の目標年度におけるサービスの提供能力の量(以下「サービスの目標量」という。)から現状のサービス提供量を差し引いたものが、計画期間中に拡充すべき量となるものであることに留意する必要がある。
(3) 目標年度における高齢者等の状況
老人保健福祉計画には、目標年度における寝たきり老人等の高齢者等の状況を盛り込む必要がある。
その際、基本的には、現在の寝たきり老人数等を当該市町村の年齢階層別の伸びで伸ばして推計することが適当と考えられる。
なお、将来人口の推計に当たっては、平成四年四月一四日老計第五五号・老健第八九号老人福祉計画課長・老人保健課長通知「市町村将来人口の推計について」を参照されたい。
(4) サービスの目標量等
(1) サービスの種類及び参酌すべき標準
市町村老人保健福祉計画には、目標年度における市町村のサービスの目標量を掲げる必要がある。掲げるべきサービスの種類及び目標量設定に当たって老人福祉法第二○条の八第三項及び老人保健法第四六条の一八第三項の規定に基づく「参酌すべき標準」は、以下のとおりである。
(在宅福祉サービス)
ア ホームヘルプサービス
ホームヘルプサービスを必要とする在宅の要介護老人(寝たきり老人及び介護を要する痴呆性老人をいう。)に対するホームヘルプサービスの量は、週三回から六回とし、ホームヘルプサービスを必要とする在宅の虚弱老人に対するホームヘルプサービスの量は、週一回から二回とすることを標準とする。(年間総延利用回数)
イ デイサービス
デイサービスを必要とする在宅の要介護老人に対するデイサービスの量は、週二回から三回とし、デイサービスを必要とする在宅の虚弱老人に対するデイサービスの量は、週一回から二回とすることを標準とする。(年間総延利用回数)
ウ ショートステイ
ショートステイを必要とする在宅の要介護老人に対するショートステイの量は、年間六回とし、ショートステイを必要とする在宅の虚弱老人に対するショートステイの量は、年間一回から二回とすることを標準とする。(年間総延利用回数)
(老人保健サービス及び老人訪問看護サービス)
ア 機能訓練
機能訓練を必要とする在宅の脳卒中後遺症を有する者等に対する機能訓練の量は、おおむね六月程度の間において週二回とすることを標準とする。(年間総延利用回数)
イ 訪問指導
(ア) 訪問指導
市町村の訪問指導を必要とする在宅の寝たきり老人及び虚弱老人に対する訪問指導の量は、年六回から一二回とし、訪問口腔指導又は訪問栄養指導を必要とする在宅の寝たきり老人及び虚弱老人に対する訪問口腔指導及び訪問栄養指導の量は、年間各一回とすることを標準とする。(年間総延利用回数)
(イ) 痴呆性老人訪問指導
市町村の訪問指導を必要とする在宅の痴呆性老人に対する訪問指導の量は、年間三回とすることを標準とする。(年間総延利用回数)
ウ 老人訪問看護
老人訪問看護を必要とする住宅の要介護老人及び虚弱老人に対する老人訪問看護の量は、週一回から二回とすることを標準とする。(年間総延利用回数)
(健康教育、健康相談、健康診査)
ア 老人保健法に基づく健康教育
人口一万人以上三万人未満の市町村においては、重点健康教育を含めて健康教育の回数を年間六○回とし、その他の市町村においては、これを基に人口規模を勘案した回数とすることを標準とする。(年間開催回数)
イ 老人保健法に基づく健康相談
人口一万人以上三万人未満の市町村においては、重点健康相談を含めて健康相談の回数を年間一八○回とし、その他の市町村においては、これを基に人口規模を勘案した回数とすることを標準とする。(年間開催回数)
ウ 老人保健法に基づく健康診査
当該市町村の健康診査を必要とする者が健康診査を受けられるようにすることを標準とする。(受診率)
(施設サービス)
ア 特別養護老人ホーム
目標年度における当該市町村の六五歳以上人口の一%強の数とすることを標準とする。(入所者数)
イ 老人保健施設
目標年度における当該市町村の六五歳以上人口の一%強の数とすることを標準とする。(入所者数)
ウ ケアハウス
目標年度における当該市町村の六五歳以上人口の○・五%程度の数とすることを標準とする。(入所者数)
エ 養護老人ホーム及び養護委託
現状程度の数とすることを標準とする。(入所者数又は委託者数)
(2) サービスの目標量算定に当たっての留意事項
サービスの目標量を算定するに当たっては、保健福祉サービスを総合的に提供することによって、高齢者のニーズを満たすために必要なサービスの総量を確保することを念頭に置くとともに、以下の事項に留意されたい。
ア 在宅の高齢者に対する保健福祉サービスの各項目に掲げた数値であって幅のあるものについて市町村が数値を定めるに当たっては、地域の要介護老人の障害の程度、家庭における介護力の状況等の地域の実情を十分勘案する必要がある。
なお、サービスの必要性を勘案するに当たって、家庭の介護力については、核家族化の進展や女性の社会進出等により、今後家庭の介護力は、基本的には低下していくものと考えられることから、家庭の介護力を過大に評価することのないよう十分留意されたい。
イ ホームヘルプサービスとデイサービス等のように、互いに代替的である保健福祉サービスについては、一方を増加させ、その分他方を減少させることは差し支えない。
また、医療機関や老人保健施設のデイケアの実施の程度により、デイサービスの目標量を増減させることも、差し支えない。
ウ 虚弱老人については、保健福祉サービスの必要性が流動的であり、また各種の保健福祉サービスのうち一部のみを必要とする場合も少なくないので、調査により把握された利用意向、地域の実情を踏まえ、適宜調整することは差し支えない。
エ 在宅の高齢者に対する保健福祉サービスの必要性は、サービスの供給状況、サービスが住民に知られている度合等によって変動するものであるので、目標量を算定する上でのサービスを必要とする割合(必要度)を定めるに当たっては、ニーズ調査により把握された利用意向を基礎とすることを原則とするとともに、当該都道府県内他市町村の必要度の水準及び全国のサービスの実施割合を勘案すべきである。
なお、利用意向は、サービスが住民に知られている度合等に応じて変動するので、当該市町村の必要度が過小になることを防ぐため、専門職種によるニーズの判定等信頼できる基礎データがあれば、これによることが望ましい。
また、全国のサービスの実施割合を勘案するに当たっては、老人保健・福祉マップ等の資料を活用されたい。
4 サービスの提供体制の確保策
(1) 老人保健福祉計画には、目標年度における保健福祉サービスの目標量を掲げるだけでなく、その達成のためのサービス提供体制の確保策を明らかにする必要がある。
(2) 市町村老人保健福祉計画においては、デイサービスセンターや特別養護老人ホーム、老人保健施設、ケアハウス、在宅介護支援センターなどの施設の整備及びホームヘルパーや保健婦などの人材の確保策等を盛り込む必要がある。
サービス利用を容易にする方策も盛り込むことが望ましい。
なお、特別養護老人ホームなどは広域的な施設であり、その整備方針に関しては、都道府県との調整が必要である。また、単独での整備が難しい市町村にあっては、一部事務組合の活用や共同して社会福祉法人の設立を援助するなどの工夫を行うことが望ましい。
(3) 都道府県老人保健福祉計画においては、老人保健福祉圏域ごとの市町村の状況を基礎とし、都道府県の福祉事務所、保健所を関与させながら、広域的な視点から調整を行い、都道府県としての施設整備方針を盛り込む必要がある。
また、市町村における人材確保を支援するために、ホームヘルパーの段階別研修、老人訪問看護に従事する看護婦の養成研修などの施策等を盛り込むことが望ましい。
5 保健福祉の環境整備
老人保健福祉計画には、保健福祉サービスを円滑に提供していくために必要な事項を明らかにしておく必要がある。
(1) 保健・医療・福祉の連携
保健・医療・福祉の連携については、従来から推進しているところであり、このため、市町村高齢者サービス調整チームの設置等を実施しているところであるが、平成四年四月からの訪問看護ステーションの創設などもあり、今後一層、保健・医療・福祉の連携強化を図る必要がある。
このような視点から、老人保健福祉計画においては、高齢者サービス調整チームの運営方針、適当な場合の組織再編や統合を含めた老人福祉担当と老人保健担当の連携方針、国民健康保険等の直営診療施設の事業を含めた保健施設事業と老人保健福祉サービスとの連携方針、老人訪問看護事業との連携方針、痴呆性老人対策促進のための保健所・老人性痴呆疾患センター等との連携方針、市町村健康づくり推進協議会の活用方針、住宅リフォーム促進等のための住宅建築担当等との連携方針を含め連携調整の方針を盛り込む必要がある。
(2) 関係団体との連携
市町村の老人保健福祉の推進に当たっては、地域のあらゆる社会資源の参加を求め、地域全体でこれに当たる必要があり、保健・医療・福祉団体、ボランティア団体、民間シルバーサービス事業者等との連携協力に関する事項を盛り込むことが望ましい。
(3) ボランティア等民間団体への支援
潤いのある地域社会をつくるためには、ボランティア等の自主性に基づく諸活動は好ましく、これらの活動への支援を積極的に行うべきである。その際、地域福祉基金の活用は極めて有効である。
これらの事項についても、老人保健福祉計画に盛り込むことが望ましい。
6 高齢者の生きがい対策の推進
今後、高齢者人口は増大するが、その中に占める要介護老人はごく一部であり、高齢者の大部分は健康で自立している状況にある。高齢化社会で国民が生きがいをもち安心して暮らしていくためには、それらの大多数の高齢者の生きがいの確保が必要である。
このような観点から、老人保健福祉計画においては、要介護老人対策だけではなく、高齢者の生きがいづくりの現状と今後の方針についても盛り込む必要がある。
7 その他
(1) 高齢者の住みやすいまちづくり
高齢者が真に暮らし易い地域社会を形成するためには、まちづくりにおいても高齢化対応という視点を確立する必要があり、老人保健福祉計画においては、高齢者を念頭においたまちづくり事業についても、可能であれば盛り込むことが望ましい。
(2) 在宅介護支援施策
要介護老人の在宅生活を支援するための措置は、3の(4)で掲げた保健福祉サービスのみでないことはいうまでもない。
要介護老人が引き続き住み慣れた地域や家庭で暮らしていくためには、住宅リフォーム、電動ベッドや車いす等の介護機器等の給付等、訪問食事サービス等の日常生活支援が有効であることは明らかである。老人保健福祉計画において、これらの事業について盛り込むことが望ましい。
(3) 単独事業
地方公共団体が地域の特性に応じて実施する単独事業についても、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」において支援することとしており、老人保健福祉計画において、これらについて盛り込むことが望ましい。
第五 老人保健福祉計画作成後の留意事項
1 提出
老人保健福祉計画は、作成後速やかに、市町村は都道府県知事に、都道府県は厚生大臣に提出しなければならない。
2 公表
老人保健福祉計画は、作成後速やかに公表することとする。
その際、計画について出された意見については、見直しの際に考慮するものとする。
3 実施状況の点検と見直し
老人保健福祉計画は、その実施状況を毎年点検することが望ましい。
また、計画の実施状況、高齢者をめぐる状況の変化に対応し、計画の妥当性を評価するため、期間の中間点前後において見直しを行うことが適当である。
第六 市町村老人保健福祉計画作成指針及び都道府県老人保健福祉計画作成指針
実務上の便宜に供するため、別紙1及び別紙2のとおり市町村老人保健福祉計画作成指針及び都道府県老人保健福祉計画作成指針を取りまとめたので、参考とされたい。
別紙1
市町村老人保健福祉計画作成指針
第一 庁内の作成体制
1 老人福祉担当課(係)及び老人保健担当課(係)が中心となり、国民健康保険担当課(係)や精神保健担当課(係)等老人の保健及び福祉に関係するその他の民生担当課(係)及び保健衛生担当課(係)と緊密に連携を採れる体制を整備すること。
この場合、高齢者サービス調整チームの活用についても考慮すること。
2 市町村が福祉事務所又は保健所を設置している場合には、この体制にこれらを積極的に参加関与させることを基本として、作成体制を組織すること。
3 企画・統計担当課部局、財政担当課部局、住宅担当課部局、就労担当課部局、生涯学習担当課部局等関連する課部局との連携に努めること。
第二 作成の時期
平成五年度中の計画決定を目途にスケジュールを定めること。
第三 手続
1 都道府県の指導指針等を勘案しながら、当該市町村で必要な基礎作業を行うこと。
2 学識経験者、地元医師会をはじめとする保険医療関係者、社会福祉協議会等の福祉関係者の積極的な参加を求める計画作成委員会の設置又はこれに準ずる体制づくりに努めること。
3 計画の作成過程においては、その他の専門家、関係者等の意見も極力聞くよう配慮すること。
4 計画作成への地域の高齢者等の意見を反映させるため、アンケート調査やヒアリングの実施、懇談会の開催等を、適宜必要に応じて、行うよう配慮すること。
5 サービスの目標量の原案その他主要部分の原案について都道府県の意見を聞くことをはじめ、方針策定から計画決定に至るまでの間において、都道府県と十分調整すること。
その際、市町村をまたがる広域施設に係る整備方針については、都道府県(福祉事務所・保健所)が関与しつつ、関係市町村の協議の場を設ける等して検討することが望ましいこと。
6 作成後速やかに都道府県知事に提出するとともに、適宜の方法で公表すること。
7 計画決定に当たって市町村議会の議を経ることは要しないこと。
ただし、議を経ることを妨げるものではないこと。
8 市町村は、計画の実施状況を毎年定期的に点検すること。
また、計画の実施状況、高齢者をめぐる状況の変化に対応し、計画の妥当性を評価するため、計画の中間点前後において見直しを行うことが適当であること。
第四 計画に盛り込むべき事項
1 計画期間
計画には、計画の目標年度を盛り込むこと。
2 高齢者等の現状
(1) 計画には、高齢者等の現状を盛り込むこと。盛り込むべき事項を例示すれば、以下のとおりであること。この他、当該市町村の判断により、それぞれの実情に応じた事項を盛り込むことは、差し支えないこと。
その際、国勢調査、住民基本台帳、行政資料等の各種の関係調査資料等の収集整理し、計画に盛り込むべき事項の状況を把握すること。
① 人口構造
ア 総人口
イ 四○歳以上人口
ウ 六五歳以上人口
エ 七○歳以上人口
オ 七五歳以上人口 等
② 高齢者のいる世帯の状況
ア 高齢者単独の世帯の数(いわゆるひとり暮らし老人世帯数)
イ 高齢者夫婦世帯の数(夫婦のいずれかが六五歳以上である世帯数)
ウ 高齢者同居世帯の数(ア及びイの世帯以外の世帯であって高齢者のいる世帯数) 等
③ 要援護老人の状況
要援護老人の状況については、在宅の者(ケアハウス及びその他の軽費老人ホームの入所者を含む。)及び在宅以外の者について、その区分及び寝たきり・痴呆等の類型別に整理すること。
ア 要援護老人
要援護老人とは、要介護老人及び虚弱老人をいうこと。
要介護老人とは、寝たきり老人及び要介護の痴呆性老人をいうこと。
イ 寝たきり老人
寝たきり老人とは、平成三年一一月一八日老健第一○二―二号老人保健福祉部長通知「障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準」のランクB又はCに該当する高齢者であること。
ただし、この計画上は、当面、便宜、特別養護老人ホームに入所中の高齢者、老人保健施設に入所中の高齢者、医療機関に六月以上入院している高齢者も寝たきり老人とするものとすること。
ウ 痴呆性老人
痴呆性老人とは、一旦正常に発達した知能が後天的な脳の器質障害により持続的に低下している状態の老人であること。
(注) 要介護の痴呆性老人を要介護老人というものであり、痴呆性老人のすべてが要介護老人に該当するものではない。
エ 虚弱老人
虚弱老人とは、心身の障害又は疾病等により、移動、入浴等の基本的な日常生活動作について、必ずしも介助を要する状態ではないが、一人で行うには困難が伴い又は相当時間がかかるものとすること。
なお、このことは、全体数把握のためのものであって、ホームヘルプサービス、デイサービス等のサービスの適用に当たっては、個別に判断されるべきものであること。
また、ひとり暮らし老人であることをもって直ちに要援護老人とする必要はない。ひとり暮らし老人であってかつ虚弱である者を、虚弱老人とすれば足りること。
④ 高齢者の受診状況や疾病構造
ア 病院及び診療所に入院中の高齢者の数
イ 六か月以上入院中の高齢者の数
ウ 高齢者の主要疾病分類
エ 受診率等医療費の三要素
(以上については、当該市町村の国民健康保険のデータを活用することにより推計できるものであり、老人保健福祉担当と国民健康保険担当とが連携協力の上、データ収集・分析を行うこと。)
⑤ 高齢者のいる世帯の住居の状況
持ち家、公営住宅、公社・公団の賃貸住宅、民間の借家、給与住宅、間借り及びその他に分類したそれぞれの数等
(以上については、総務庁統計局又は各都道府県より市町村へ送付される国勢調査の市町村別の集計を用いることができること。)
⑥ 高齢者の就業の状況
高齢者の年齢階級別の就業割合等
(以上については、総務庁統計局又は各都道府県より市町村へ送付される国勢調査の市町村別の集計を用いることができること。)
⑦ その他
(2) 当該市町村における高齢者全体の状況、寝たきり老人や痴呆性老人等の状況、介護者の状況等を把握するための調査の企画し、実施し、その状況を把握すること。その際、別添の調査票の例示等を参考とし、当該市町村の実情を勘案しつつ検討すること。
なお、比較的最近において、計画の基礎として十分用いることができる内容及び方法の調査等が行われている場合にあっては、重ねて調査する必要はないものであること。
調査の企画及び実施に関しては、以下の点に留意すべきこと。
① 高齢者全体に係る調査については、抽出で差し支えないこと。
この場合の抽出の割合は、なるべく高い方が望ましいこと。
なお、分析の必要上、最低限一、○○○件程度以上の回答が得られることが適当であり、このため対象者数は、二、○○○人から数千人以上とすることが適当である。したがって、高齢者数がこれに満たない市町村においては、できる限り悉皆調査とするよう配慮すること。
② 高齢者全体に係る調査は、高齢者全体について、その生活・活動状況、心身の状況、保健福祉サービスを知っている度合、保健福祉サービスに対するニーズの状況等を把握することを目的とするものであること。
③ 要介護老人に係る調査については、悉皆で行うことを原則とすること。
ただし、痴呆性老人及びそのうちの介護を要する痴呆性老人の数の把握については、平成四年二月二五日老計第二九号・老健第一四号老人福祉計画課長・老人保健課長通知「老人保健福祉計画策定に当たっての痴呆性老人の把握方法等について」による推計を用いて差し支えないこと。
また、痴呆性老人のニーズの把握については、既に把握している痴呆性老人について行うことで差し支えないこと。
なお、特別養護老人ホーム及び老人保健施設に入所中の者及び医療機関に六月以上入院している高齢者については、その人数の把握に止めても差し支えないこと。
④ 要介護老人に係る調査は、要介護老人について、その生活状況、心身の状況、住居の状況、保健福祉サービスを知っている度合、保健福祉サービスの利用の状況、保健福祉サービスの利用の意向及びその程度等、介護者の状況等を把握することを目的とするものであること。
⑤ 保健福祉サービスは、市町村が提供するホームヘルプサービス等に限定せず、できる限り、市町村の単独事業、福祉公社等住民参加型サービス、ボランティア、民間シルバーサービス等のサービスを盛り込むことが望ましいこと。
⑥ いずれの調査の実施及び利用に関して、対象者の協力が得られるよう十分配慮するとともに、対象者のプライバシーの尊重については、十分留意すること。
⑦ 調査の実施に関しては、保健婦及びソーシャルワーカー等福祉業務従事職員が、それぞれの分野での役割分担を行いながら、調査業務管理の中心となり、その他関係職員(ホームヘルパー、在宅介護支援センター職員及び訪問看護婦を含む。)、民生委員等の協力を得て行うこと。この場合において、これら関係者の協議会等を設け、調査の趣旨目的、内容、方法等について十分検討するとともに関係者間の周知を図るなどの調査実施体制を組むことが望ましいこと。
また、在宅の要介護老人に関する情報については、かかりつけ医師が把握している事例が多いことに鑑み、調査の実施に関しては、地元医師会の積極的な協力を求めることが望ましいこと。
3 サービス提供の現状等
(1) 計画には、保健福祉サービス等の状況について把握の上、その概要及び問題点を含む評価を盛り込むこと。
盛り込むべき保健福祉サービス等は、次のとおりであること。
① 在宅福祉サービス等
ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイ、日常生活用具給付等事業、在宅リフォーム援助等について、か所数や所在等の運営(受託)主体の状況、事業規模、ホームヘルパー数等
なお、運営(受託)主体の状況については、市町村の直営はもちろん、市町村が事業を委託している社会福祉協議会、福祉公社等住民参加型サービス、民間シルバーサービス事業者、農業協同組合等についても、できる限り盛り込むこと。
② 老人保健サービス等
ア 老人保健法に基づく健康教育、健康相談、健康診査、機能訓練、訪問指導の実施回数、対象人数、委託状況等
(都道府県保健所の訪問指導及び国民健康保険の保健施設事業の健康教育、健康診査等の実施状況も併せ盛り込むことが望ましいこと。)
イ これらの事業を行う場所(市町村保健センター、保健所、国民健康保険の健康管理センター等)
③ 施設サービス
ア 特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、養護受託者、ケアハウス、その他の軽費老人ホームについて、か所数や所在等の運営(受託)主体の状況、定員数、当該市町村の入所者数等
なお、当該市町村に所在する有料老人ホームについて、その運営主体、定員、類型の状況もできる限り盛り込むことが望ましいこと。
イ 老人保健施設について、か所数や所在等の運営(受託)主体の状況、定員数、当該市町村の入所者の数等
④ 在宅医療サービス
可能な限り、老人訪問看護ステーションのか所数や所在等の運営主体の状況、デイケア、訪問看護又は訪問リハビリテーションを実施する医療機関や老人保健施設のか所数や所在等の運営主体の状況、老人保健施設のショートステイの状況を盛り込むことが望ましいこと。この場合、医療機関からの早期の適切な情報提供の確保とその活用についても盛り込むことが望ましいこと。
⑤ 相談サービス等
ア 要介護老人及びその家族の相談に応ずる、市町村の窓口の体制、在宅介護支援センター等の状況
イ アの相談窓口と、高齢者総合相談センター、保健所、老人性痴呆疾患センター、介護実習・普及センター等との連携の状況
ウ アの相談窓口と、サービス提供機関との定期協議等の連携の状況
⑥ 民間の福祉活動等
社会福祉協議会、福祉公社等住民参加型サービス、福祉ボランティア、民間シルバーサービス事業者、農業協同組合、生活協同組合、老人クラブ等の福祉活動等の状況
(2) 評価は、現在のニーズに応じて、サービス提供量が十分か否か、保健福祉サービスが効率的に提供されているか、保健福祉サービスが周知されているか、保健・医療・福祉の連携が図られているか等の観点に則して検討し、その概要を盛り込むこと。
盛り込むべき事項を例示すれば、次のとおりであること。
① 利用者一人当たりホームヘルプサービス利用頻度、ホームヘルパー一人当たり月間訪問世帯数、ホームヘルプサービスの利用待機者の状況等を踏まえたホームヘルプ事業の評価
② 利用者一人当たりショートステイ利用頻度、ベッドの利用率(延利用日数/(365日×ベッド数))、ショートステイの利用待機者の状況等を踏まえたショートステイ事業の評価
③ 利用者一人当たりデイサービスセンター利用頻度、デイサービスセンター一か所当たり登録者数・一日当たり利用者数等を踏まえたデイサービス事業の評価
④ 特別養護老人ホーム、老人保健施設、ケアハウス等の施設入所者数と対象老人数の比率等を踏まえた施設サービスの量の評価
⑤ 高齢者サービス調整チームの開催状況及び内容の評価
⑥ その他
4 目標年度における高齢者等の状況
計画には、目標年度における要介護老人等の高齢者等の状況を盛り込むこと。
盛り込むべき項目は、以下のとおりであること。
(1) 計画の目標年度における推計人口
① 総人口
② 四○歳以上人口
③ 六五歳以上人口
④ 七○歳以上人口
⑤ 七五歳以上人口 等
なお、将来人口の推計に当たっては、平成四年四月一四日老計第五五号・老健第八九号老人福祉計画課長・老人保健課長通知「市町村将来人口の推計について」を参考とされたいこと。
(2) 計画の目標年度における要援護老人の推計数
寝たきり老人、痴呆性老人及びそのうちの要介護の痴呆性老人、並びに虚弱老人について、その区分に応じた、計画の目標年度における人数、在宅又は在宅以外の別等
なお、この計画上は、寝たきり老人である痴呆性老人は、寝たきり老人として整理すること。
要援護老人の状況の予測に当たっては、現状の在宅及び在宅以外の要援護老人数を当該市町村の人口の年齢階層別の伸びで伸ばし、これを目標年度において予測される在宅及び在宅以外の割合に分けることとなること。
(3) その他
5 サービスの目標量等
(1) 計画には、目標年度におけるサービスの目標量を盛り込むこと。
(2) サービスの目標量の設定のための算式等は、以下のとおりであること。
(在宅福祉サービス)
① ホームヘルプサービス
次のア及びイを合算した数
ア =(目標年度の在宅の要介護老人数(寝たきり老人及び要介護の痴呆性老人をいう。))×(週3回から6回までのうち当該市町村が定める数)×(52週)×(要介護老人のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
イ =(目標年度の在宅の虚弱老人数)×(週1回又は2回のうち当該市町村が定める数)×(52週)×(虚弱老人のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
② デイサービス
次のア及びイを合算した数
ア =(目標年度の在宅の要介護老人数)×(週2回又は3回のうち当該市町村が定める数)×(52週)×(要介護老人のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
イ =(目標年度の在宅の虚弱老人数)×(週1回又は2回のうち当該市町村が定める数)×(52週)×(虚弱老人のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
③ ショートステイ
次のア及びイを合算した数
ア =(目標年度の在宅の要介護老人数)×(年6回)×(要介護老人のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
イ =(目標年度の在宅の虚弱老人数)×(年1回又は2回のうち当該市町村が定める数)×(虚弱老人のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
(老人保健サービス及び老人訪問看護サービス)
① 機能訓練=(目標年度の65歳以上人口)×(0.032(機能訓練対象者数の割合))×(週2回)×(26週)×(機能訓練対象者のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
(可能であれば40歳から64歳についても算出して盛り込むことが望ましいこと。この場合の回数は、(目標年度の40歳から64歳までの人口)×(0.004(機能訓練対象者数の割合))×(週2回)×(26週)×(機能訓練対象者のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)であること。)
② 訪問指導
次のア及びイの区分に応じたそれぞれの数
ア 訪問指導
次の(ア)及び(イ)を合算した数
(ア) 訪問指導=(目標年度の在宅の寝たきり老人及び虚弱老人の合算数)×(年6回から12回までのうち当該市町村が定める数)×(寝たきり老人又は虚弱老人のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
(イ) 訪問口腔指導及び訪問栄養指導=(目標年度の在宅の寝たきり老人及び虚弱老人の合算数)×(年各1回)×(寝たきり老人又は虚弱老人の訪問口腔衛生指導又は訪問栄養指導の必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
イ 痴呆性老人訪問指導=(目標年度の在宅の痴呆性老人数)×(0.372(市町村の訪問指導の対象となり得る者(平成4年4月13日老健第86号老人保健福祉部長通知「保健事業実施要領の第7訪問指導」を参照されたい。)の割合))×(年3回)×(痴呆性老人のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
③ 老人訪問看護=(目標年度の在宅の要介護老人及び虚弱老人の合算数)×(週1回又は2回のうち当該市町村が定める数)×(52週)×(要介護老人又は虚弱老人のサービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)
(健康教育、健康相談、健康診査)
① 老人保健法に基づく健康教育=人口一万人以上三万人未満の市町村においては、重点健康教育を含めて健康教育の回数を年間六○回とし、その他の市町村においては、これを基に人口規模を勘案した回数
② 老人保健法に基づく健康相談=人口一万人以上三万人未満の市町村においては、重点健康相談を含めて健康相談の回数を年間一八○回とし、その他の市町村においては、これを基に人口規模を勘案した回数
③ 老人保健法に基づく健康診査=(目標年度における健康診査受診者目標数)÷(目標年度における健康診査受診の対象となり得る者)
(施設サービス)
① 特別養護老人ホーム=(目標年度の65歳以上人口)×(1%強の割合であって当該市町村が定める割合)
② 老人保健施設=(目標年度の65歳以上人口)×(1%強の割合であって当該市町村が定める割合)
③ ケアハウス=(目標年度の65歳以上人口)×(0.5%程度の割合であって当該市町村が定める割合)
④ 養護老人ホーム及び養護委託=現状程度の数であって、当該市町村が定める数
(3) サービスの目標量を算定するに当たっては、保健福祉サービスを総合的に提供することによって、高齢者のニーズを満たすために必要なサービスの総量を確保することを念頭に置くとともに、次の事項に留意すること。
① 在宅の高齢者に対する保健福祉サービスの各項目に掲げた数値であって幅のあるもの(例えば、ホームヘルプサービスにあっては、「週三回から六回まで」)について市町村が数値を定めるに当たっては、地域の要介護老人の障害の程度、家庭における介護力の状況等の地域の実情を十分勘案する必要があること。
なお、サービスの必要性を勘案するに当たって、家庭の介護力については、核家族化の進展や女性の社会進出等により、今後家庭の介護力は基本的には低下していくものと考えられることから、家庭の介護力を過大に評価することのないよう十分留意すること。
② ホームヘルプサービスとデイサービス等のように、互いに代替的である保健福祉サービスについては、一方を増加させ、その分他方を減少させることは差し支えないこと。
また、医療機関や老人保健施設のデイケアの実施の程度により、デイサービスの目標量を増減させることも、差し支えないこと。
③ 虚弱老人については、保健福祉サービスの必要性が流動的であり、また各種の保健福祉サービスのうち一部のみを必要とする場合も少なくないので、調査により把握された利用意向、地域の実情を踏まえ、適宜調整することは差し支えないこと。
④ 在宅の高齢者に対する保健福祉サービスの必要性は、サービスの供給状況、サービスが住民に知られている度合等によって変動するものであるので、目標量を算定する上でのサービスを必要とする割合(サービスの必要性を勘案して当該市町村が定める割合)を定めるに当たっては、ニーズ調査により把握された利用意向を基礎とすることを原則とするとともに、当該都道府県内他市町村の必要度の水準及び全国のサービスの実施割合を勘案すべきこと。
なお、利用意向は、サービスが住民に知られている度合等に応じて変動するので、当該市町村の必要度が過小になることを防ぐため、専門職種によるニーズの判定等信頼できる基礎データがあれば、これによることが望ましいこと。
また、全国のサービスの実施割合を勘案するに当たっては、老人保健・福祉マップ等の資料を活用されたいこと。
6 サービス提供体制の確保策
計画には、目標年度における以下の(1)から(3)までに掲げる事項を盛り込むこと。
(1) サービスを提供する施設の確保
以下の施設について、できる限り整備の方針を盛り込むこと。
この際、地域バランスを考慮するとともに、広域施設に関して、小規模町村は、一部事務組合の活用、社会福祉法人の共同設立援助、既存施設の共同広域利用等の工夫を行うべきものであること。
① デイサービスセンター
概ね中学校区程度に一か所の整備を目標とすること。
② ショートステイの実施施設及びベッド数
広域施設であるので、人口が数万人以下の市町村にあっては、共同利用、管外施設利用等の目標で差し支えないこと。
③ 在宅介護支援センター
概ね中学校区程度に一か所の整備を目標とすること。
④ 特別養護老人ホーム
広域施設であるので、人口が数万人以下の市町村にあっては、共同利用、管外施設利用等の目標で差し支えないこと。
⑤ 老人保健施設
広域施設であるので、人口が数万人以下の市町村にあっては、共同利用、管外施設利用等の目標で差し支えないこと。
⑥ 養護老人ホーム
広域施設であるので、人口が数万人以下の市町村にあっては、共同利用、管外施設利用等の目標で差し支えないこと。
⑦ ケアハウス
高齢者の住宅事情、希望の状況等を勘案して、共同利用、管外施設利用等の目標で差し支えないこと。
⑧ 市町村保健センター
国民健康保険の健康管理センター
ケアハウス以外の軽費老人ホーム
高齢者生活福祉センター
シルバーハウジング等の高齢者住宅 等
(2) サービスを提供する人材の確保
以下の職種について、できる限り確保の方針を盛り込むこと。
① ホームヘルパー
地域の実情に応じて、多様な供給形態及び雇用形態を活用しつつ、確保すべきおおよその人数を掲げること。
② 保健婦等
老人保健事業等を行うに当たって確保すべき保健婦のおおよその人数を掲げること。
また、保健婦以外の保健医療職種についても、その確保の方針を盛り込むことが望ましいこと。
③ 在宅介護支援センターの職員
④ 老人福祉施設、老人保健施設等の職員
(3) サービス利用を容易にする方策
計画には、サービス利用を容易にするための方策を盛り込むこと。
盛り込む内容を例示すれば、概ね次のとおりであること。
① 相談窓口の充実
各種保健福祉に関する住民からの相談に応ずる第一次の窓口の設定
相談窓口とサービス提供機関との定期協議等の連携の推進方策
② 広報の充実
住民に対して保健福祉サービスの内容等について情報提供するためのパンフレット、広報誌の発行、市町村広報紙の利用方針等
③ 手続の簡素化
利用券方式、総合利用券方式等の導入
各種申請書類の簡素化
在宅介護支援センターへのサービス調整権限の賦与等
④ 住民組織の活用
老人クラブ等への広報、老人クラブ等による広報等
⑤ 医療機関及び老人保健施設からの情報提供の活用
7 保健福祉の環境整備
計画には、保健福祉サービスを円滑に提供していくために、保健・医療・福祉の連携、関係団体との連携、ボランティア等民間団体への支援等についても、盛り込むこと。
盛り込むべき項目は、以下のとおりであること。
(1) 保健・医療・福祉の連携
① 高齢者サービス調整チームの運営方針
② 老人福祉担当係課部局(当該市町村の福祉事務所を含む。)及び老人保健担当係課部局(当該市町村の保健所を含む。)の連携(適当な場合の組織再編や統合を含む。)に関する方針
③ 国民健康保険保健施設事業担当係課部局と老人保健福祉担当係課部局との定期的協議の実施等の連携に関する方針
④ 老人訪問看護事業との連携方針
⑤ 痴呆性老人対策促進のための保健所、老人性痴呆疾患センター、精神科を有する病院等関係専門機関や家族の会等との連携に関する方針
⑥ 市町村健康づくり推進協議会の活用方針
⑦ 高齢者が住みやすい住居の確保のための住宅リフォーム促進、高齢者住宅の確保等のための老人保健福祉係課部局と住宅建築担当係課部局との協議、建築業者との協議などの連携に関する方針 等
(2) 関係団体との連携
医師会、社会福祉協議会、福祉公社等住民参加型住宅福祉サービス提供組織、福祉ボランティア団体、民間シルバーサービス事業者、福祉活動を行う農業協同組合、福祉活動を行う生活協同組合、老人クラブ、福祉活動を行う婦人組織、福祉活動を行う自治組織、福祉活動を行う企業ボランティア、家族の会等との連携に関する事項
(3) ボランティア等民間団体への支援
地域福祉基金助成事業の運用方針等(2)の団体の支援に関する事項
8 高齢者の生きがい対策の推進
計画には、高齢者の生きがいづくりに関する以下の事項についての現状と今後の方針について、可能な限り盛り込むこと。
(1) 老人クラブ、退職サラリーマン組織等の助長
(2) 老人大学、高齢者講座、高齢者作品展、高齢者スポーツ大会等の開催、明るい長寿社会づくり推進機構との連携
(3) 高齢者の就労促進
(4) 老人福祉センター等の活動の場の確保 等
9 その他
(1) 高齢者の住みやすいまちづくり
計画には、高齢者を念頭においたまちづくり事業について、可能な限り盛り込むこと。
(2) 在宅介護支援施策
計画には、高齢者の在宅介護支援施策について、可能な限り盛り込むこと。
① 高齢者住宅の斡旋、建築等
② 高齢者の住宅リフォームの促進
③ 電動ベッドや車椅子等の介護機器等の給付等事業
④ 訪問食事サービス等の日常生活支援事業
(3) 単独事業
計画には、市町村が地域の特性に応じて実施する単独事業についても、可能な限り盛り込むこと。
別添
別紙2
都道府県老人保健福祉計画作成指針
第一 庁内の作成体制
1 老人福祉担当課(係)及び老人保健担当課(係)が中心となり、国民健康保険担当課(係)や精神保健担当課(係)等老人の保健及び福祉に関係するその他の民生担当課(係)及び保健衛生担当課(係)と緊密に連携を採れる体制を整備すること。
この場合、高齢者サービス総合調整推進会議の活用についても考慮すること。
2 各圏域ごとの計画作成に係る調整等については、当該圏域の福祉事務所及び保健所に行わせる等都道府県の福祉事務所及び保健所を積極的に関与させることを基本として、作成体制を組織すること。
3 企画・統計担当課部局、財政担当課部局、住宅担当課部局、就労担当課部局、生涯学習担当課部局等関連する課部局との連携に努めること。
第二 作成の時期
平成五年度中の計画決定を目途にスケジュールを定めること。
第三 手続
1 当該都道府県内部で必要な基礎作業を行うこと。
2 学識経験者、地元医師会をはじめとする保健医療関係者、社会福祉協議会等の福祉関係者の積極的な参加を求める計画作成委員会の設置又はこれに準ずる体制づくりに努めること。
3 計画の作成過程においては、その他の専門家、関係者等の意見も極力聞くよう配慮すること。
4 計画作成に当たっては、地域の高齢者等の意見の反映に留意すること。
5 計画作成に当たっては、市町村老人保健福祉計画を十分踏まえること。
6 都道府県の計画決定に至るまでの間において、管下市町村の状況のヒアリング、広域施設に関する関係市町村との協議の場の設定など、圏域内・市町村間の調整を十分行うこと。
7 作成後速やかに厚生大臣に提出するとともに、適宜の方法で公表すること。
8 計画決定に当たって都道府県議会の議を経ることは要しないこと。
ただし、議を経ることを妨げるものでないこと。
9 都道府県は、計画の実施状況を毎年定期的に点検すること。
また、計画の実施状況、高齢者をめぐる状況の変化に対応し、計画の妥当性を評価するため、計画の中間点前後において見直しを行うことが適当であること。
第四 計画に盛り込むべき事項
1 計画期間
計画には、計画の目標年度を盛り込むこと。
2 老人保健福祉圏域の設定等
(1) 老人保健福祉圏域の設定
計画においては、市町村老人保健福祉計画の達成に資するため、各市町村を通じる広域的な見地から、老人福祉施設及び老人保健施設の整備量の目標量等を定めることとされており、このため、都道府県が老人保健福祉圏域を設定するものであること。
老人保健福祉圏域は、保健・医療・福祉の連携を図る観点から、極力、当該都道府県の医療計画で規定している二次医療圏に合致させる方向で調整し、基本的には、これと合致させることが望ましいこと。
この場合において、二次医療圏の圏域を老人保健福祉圏域とすることで支障が生ずる場合には、広域市町村圏等を踏まえ、適切な圏域を設定して差し支えないものであること。
(2) 老人保健福祉圏域ごとの調整
特別養護老人ホーム、老人保健施設等の整備の目標量等について、老人保健福祉圏域ごとに調整すること。この場合、都道府県の福祉事務所及び保健所の関与の下で、圏域内の市町村等の協議の場を設置し、計画作成についての関係者間の情報交換、広域施設の共同利用等に関する協議を行うことが望ましいこと。
(3) 老人保健福祉圏域ごとに盛り込むべき事項
計画は、老人保健福祉圏域ごとに別々に作成する必要はなく、また、計画のうちすべての項目を老人保健福祉圏域ごとに定める必要はないこと。
ただし、(2)の趣旨に基づき、以下に掲げる項目については、都道府県の区域全体で整理するとともに、老人保健福祉圏域ごとに整理し、計画に盛り込むべきであること。
① 高齢者等の現状及びサービス提供の現状等
② 特別養護老人ホーム、老人保健施設等の広域施設の整備目標等の老人保健福祉圏域ごとに調整が必要な事項
3 高齢者等の現状
(1) 計画には、高齢者等の現状を盛り込むこと。盛り込むべき事項を例示すれば、次のとおりであること。この他、当該都道府県の判断により、それぞれの実情に応じた事項を盛り込むことは、差し支えないこと。
その際、国勢調査、住民基本台帳、行政資料等の各種の関係調査資料等の収集整理し、計画に盛り込むべき事項の状況を把握すること。
① 人口構造
② 高齢者のいる世帯の状況
③ 要援護老人の状況
④ 高齢者の受診状況や疾病構造
⑤ 高齢者のいる世帯の住居の状況
⑥ 高齢者の就業の状況
⑦ その他
(2) 市町村老人保健福祉計画作成の支援上必要な場合等においては、その範囲内で、老人保健福祉圏域ごと、市町村ごとの高齢者の状況、要介護老人等の状況、介護者の状況等を把握するための調査を実施すること。
4 サービス提供の現状等
計画には、保健福祉サービス等の状況について把握の上、その概要及び問題点を含む評価を盛り込むこと。
盛り込むべき保健福祉サービス等を例示すれば、次のとおりであること。
また、この他、当該都道府県の判断により、それぞれの実情に応じた事項を盛り込むことは、差し支えないこと。
(1) 在宅福祉サービス等
ホームヘルプサービス、老人デイサービス、ショートステイ、日常生活用具給付等事業、住宅リフォーム援助等
(2) 老人保健サービス等
健康教育、健康相談、健康診査、機能訓練、訪問指導等
(3) 施設サービス等
特別養護老人ホーム、老人保健施設、養護老人ホーム、養護委託、ケアハウス等
(4) 在宅医療サービス
老人訪問看護、デイケア、訪問看護又は訪問リハビリを実施する医療機関及び老人保健施設、老人保健施設のショートステイ等
(5) 相談サービス等
高齢者総合相談センター、保健所、老人性痴呆疾患センター、介護実習・普及センター、行政の窓口の体制、在宅介護支援センター等の状況、及びこれらの相談窓口とサービス提供機関との連携の状況
(6) 民間の福祉活動等
5 目標年度における高齢者等の状況
計画には、目標年度における要援護老人等の高齢者等の状況を盛り込むこと。
6 サービス提供体制の確保策
計画には、目標年度における当該都道府県内のサービスの目標量の総量を把握の上、これを提供するために必要とされる以下の(1)から(3)までに掲げる事項を盛り込むこと。
(1) サービスを提供する施設の確保
以下の施設について、老人保健福祉圏域等の地域バランスを考慮して、整備の考え方を盛り込むこと。
なお、広域施設に関しては、一部事務組合の活用、社会福祉法人の共同設立援助、既存施設の共同広域利用等の配慮を行うべきものであること。
① デイサービスセンター
② ショートステイの実施施設及びベッド数
広域施設である観点を踏まえること。
③ 在宅介護支援センター
④ 特別養護老人ホーム
広域施設である観点を踏まえること。
⑤ 老人保健施設
広域施設である観点を踏まえること。
⑥ 養護老人ホーム
広域施設である観点を踏まえること。
⑦ ケアハウス
広域施設である観点を踏まえること。
⑧ 高齢者生活福祉センター
過疎等の地域を有する圏域について、整備する場合に盛り込むこと。
(2) なお、以下の施設及び組織についても、整備の方向性について、できる限り計画に盛り込むことが望ましいこと。
(施設)
① ケアハウス以外の経費老人ホーム
② 介護実習・普及センター
③ シルバーハウジング等の高齢者住宅