添付一覧
○老人保健施設入所者に係る老人診療報酬点数表の運用について
(昭和六三年三月二二日)
(健医老老第一九号)
(各都道府県老人保健主管部(局)老人保健主管課(部)長あて厚生省保健医療局老人保健部老人保健課長通知)
標記については、昭和六三年三月一九日付健医老第三三号老人保健部長通知「老人診療報酬点数表の一部改正等について」等で通知されたところであるが、その運用に当たつては、老人保健施設主管部局と連絡を密にするとともに、特に左記の点につき御了知の上、関係機関に対する周知徹底を図られたい。
記
一 老人保健施設入所者に係る往診又は通院(対診)について
老人保健施設入所者に係る往診又は通院(対診)の取扱いについては、別紙一のとおりであること。
二 老人保健施設に併設される保険医療機関の把握について
老人保健施設に併設される保険医療機関の認定については、別紙二のとおり当職より老人保健施設主管部(局)長あて通知したところであり、当該認定があつた場合には、老人保健施設主管部局より老人医療主管部局に連絡されることとなるので、当該連絡を受けた場合は、速やかにその旨管下市町村及び審査機関に通知されたいこと。
別紙一
老人保健施設入所者に係る往診及び通院(対診)について
老人保健施設入所者に係る医師たる保険医の往診又は保険医療機関(医科に限る。)への通院については、次のように取り扱うこと。
一 基本的考え方
(一) 老人保健施設は常勤医師が配置されるので、比較的安定している病状に対する医療については施設で対応できることから、入所者の傷病等からみて必要な場合には往診、通院を認めるが、みだりに往診を求めたり通院をさせることは認められないものであること。
(二) 老人保健施設が、老人保健施設入所者の診療のため保険医の往診を求めたり、保険医療機関へ通院させる場合は、施設の医師と保険医とが協力して入所者の診療に当たるべきであること。
二 老人保健施設の入所者である旨の文書の交付
(一) 老人保健施設の入所者を保険医療機関等へ通院させる場合には、別記様式の文書を交付し、入所者の健康手帳にこの文書を添えて受診させること。
(二) 保険医療機関等においては、老人保健施設が交付した文書により、老人保健施設の入所者であることを確かめなければならないこと。
三 情報提供
施設医師と保険医とが協力して入所者の診療に当るためには、相互の情報提供が十分なされることが必要であることから、老人保健施設の施設及び設備、人員並びに運営に関する基準(昭和六三年一月厚生省令第一号)及び老人保健法の規定による医療及び特定療養費に係る療養の取扱い及び担当に関する基準(昭和五八年一月厚生省告示第一四号)において次のように規定したものであること。
(一) 老人保健施設の医師は、入所者のために往診を求め、又は入所者を病院若しくは診療所に通院させる場合には、当該病院又は診療所の医師に対し、診療状況に関する情報の提供を行うこと。
(二) 医師である保険医は、施設入所者を診療する場合には、当該老人保健施設の医師から当該老人保健施設の診療状況に関する情報の提供を受けるものとし、その情報により適切な診療を行わなければならないこと。
(三) 医師である保険医は、施設入所者を診療した場合には、当該老人保健施設の医師に対し当該施設入所者の療養上必要な情報提供を行わなければならないこと。
(四) 老人保健施設の医師は、入所者が往診を受け、又は入所者が通院した病院若しくは診療所の医師から当該入所者の療養上必要な情報の提供を受けるものとし、その情報により適切な診療を行わなければならないこと。
四 老人診療報酬(老人保健法の規定による医療に要する費用の額の算定に関する基準(昭和五八年一月厚生省告示第一五号))上の措置
(一) 保険医が老人保健施設の入所者を往診・通院により診療した場合、老人保健施設の医師への入所者の療養に関する情報の提供について施設療養情報提供料を設けたこと。
(二) したがつて、老人保健施設で対応できる医療行為については、保険医からの情報提供により施設の医師が対応することとなるので、当該医療行為に係る保険請求は認められないこと。
なお、老人保健施設で通常行えない医療行為については保健請求が認められるものであること。
(三) 老人保健施設に併設して設置されている保険医療機関等における保険請求は、それ以外の保険医療機関等と異なる取扱いとすること。
五 診療報酬請求の取扱いについて
老人保健施設入所者に係る診療報酬請求の明細書に、老人保健施設入所者である旨及び併設保険医療機関である旨を記載すること。
六 歯科医療について
老人保健施設の入所者に対する歯科診療の適切な提供については、協力歯科医院等からの歯科医の往診又は協力歯科医院等への通院により確保されるものであること。なお、歯科医療については、医科の場合のような往診、通院についての施設療養と保険診療の調整の措置は採られていないこと。
七 処方せんの取扱いについて
① 老人保健施設の医師は、保険医療機関における保険医ではないので保険薬局における薬剤又は治療材料の支給を目的とする処方せんを交付できないこと。
② 老人保健施設入所者を往診・通院により診療した保険医は、保険薬局における薬剤又は治療材料の支給を目的とする処方せんを交付してはならないこと。
但し、悪性新生物に罹患している患者に対し、抗悪性腫瘍剤を投与する場合はこの限りではないこと。
別紙二 略
別記様式