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○老人保健施設の開設許可申請等について

(昭和六三年二月四日)

(健医老第一〇号)

(各都道府県知事あて厚生省保健医療局老人保健部長通知)

老人保健法(昭和五七年法律第八〇号。以下「法」という。)第四六条の六第一項の規定に基づく老人保健施設の開設許可申請等については、昭和六三年一月一九日厚生省令第二号をもつて公布され同月二〇日から施行された老人保健法施行規則等の一部を改正する省令第一条により老人保健法施行規則(昭和五八年厚生省令第二号。以下「規則」という。)の一部改正が行われ、所要の規定の整備が図られたところであるが、その内容及び実施上の留意事項は左記のとおりであるので、適切な指導監督を行い、実施に際して遺憾のないよう配慮されたい。

第一 開設許可の申請について

一 法第四六条の六第一項の規定に基づく老人保健施設の開設許可申請に際しては、規則第二八条の三第一項の規定に従い、必要事項を記載した申請書を開設地の都道府県知事に提出するものとされたこと。

二 規則第二八条の三第一項の規定により開設許可申請書に記載すべき事項の具体的内容又は留意点は次に示すとおりであるので、記入に際して十分指導され、適切な取扱いをされたいこと。

(一) 法第四六条の六第三項第一号の規定に基づき制定された昭和六三年一月厚生省告示第一号(老人保健施設を開設できる者)による開設者が厚生大臣の認定を要する者であるときは、別途通知する手続きにより指導されたいこと。

(二) 規則第二八条の三第一項第二号にいう名称については、利用者に誤解を与えるおそれのあるものや、病院、診療所、特別養護老人ホームと紛らわしいものを使用することは適当ではないこと。

(三) 規則第二八条の三第一項第三号にいう場所については、開設しようとする老人保健施設の場所の他、当該老人保健施設が基準通知第四の一の(三)にいう分館型老人保健施設である場合は、当該老人保健施設と一体として運営される基準通知第四の一の(三)にいう基本型老人保健施設の場所との地理的及び時間的位置関係をも把握すべきものであること。また、分館型老人保健施設は基本型老人保健施設から、自動車等を利用しておおむね二〇分以内の距離にあることが必要であること。

(四) 同項第四号にいう開設の予定年月は、業務開始予定年月をいうものであること。なお、法第四六条の一五第一項第一号の規定により許可を受けた後、正当な理由無く六月以上その業務を開始しないときは、許可の取消しの対象となるものであること。

(五) 規則第二八条の三第一項第五号は、開設者が医療法人、社会福祉法人等であるときは、定款又は寄付行為の写しを提出させ、また、開設者が地方公共団体であるときは、条例の写しを提出されるものであること。

(六) 同項第六号は、開設者が医師であつて、現に老人保健施設、病院若しくは診療所を開設し、老人保健施設、病院、診療所若しくは特別養護老人ホーム等の社会福祉施設を管理し、又はこれらの施設に勤務する者であるときは、これら施設と当該開設しようとする老人保健施設が同一敷地内にあること等により、管理上支障がない場合にのみ開設を認めるものであるので、その確認を行うこととしたものであること。

(七) 同項第七号は、開設者が医師であつて、同時に他の老人保健施設、病院又は診療所を開設しようとするものであるときは、これら施設と当該開設しようとする老人保健施設が同一敷地内にあること等により、管理上支障がない場合にのみ開設を認めるものであるので、その確認を行うこととしたものであること。

(八) 同項第九号の規定により敷地周囲の見取図を提出させる趣旨は、老人保健施設が入所者及び通所者の療養生活を安全かつ健全に維持できる環境に設置されることを確保するためであること。

(九) 同項第一〇号にいう併設施設の概要とは、併設施設の施設名、ベッド数及び職員の配置状況をいうものであること。

(一〇) 同項第一一号に規定する建物の構造概要及び平面図については、建物の正面図及び各階ごとの平面図を添付させること。

(一一) 同項第一二号に規定する老人保健施設の施設及び設備、人員並びに運営に関する基準(昭和六三年厚生省令第一号。以下「基準省令」という。)第二条第一項各号に掲げる施設及び構造設備の概要については、各室ごとの面積、廊下幅、階段の数等の構造設備について記載させること。

(一二) 規則第二八条の三第一項第一三号は、病院、診療所又は社会福祉施設との併設といつた形で設置される老人保健施設について、既存施設との共用の有無、共用の場合の共用施設の面積等の概要及び利用計画等について記入させるものであること。これにより、例外的に共用を認める場合には、入所者等の処遇に支障が生じないことを把握するものであること。

(一三) 同項第一四号の入所定員のうち短期入所ケアの定員数は再掲させること。老人保健施設デイ・ケアの定員とは、一日当たりのデイ・ケアの予定利用者数をいうものであり、デイ・ケア登録者数をいうものではないこと。

(一四) 同項第一六号にいう主な職員とは、管理者、医師、相談指導員、看護・介護職員の長及び事務長をいうものであること。経歴については、これまでの勤務の経歴は必ず記入させること。なお、管理者は、法第四六条の七の規定により都道府県知事の承認を受けなければならないこと。都道府県知事の承認基準については別紙記載のとおりであるので、これに従い承認を行われたいこと。

(一五) 同項第一七号にいう運営の方針とは、施設の運営、処遇における理念等であること。

(一六) 同項第一八号にいう管理規程とは、次に掲げる事項を内容とする規程であること。

ア 施設の目的及び運営の方針

イ 職員の定数、職種及び職務内容

ウ 入所者等の定員

エ 入所者等に対する施設療養その他のサービスの内容

オ 入所者等の守るべき規律

カ 非常災害対策

キ その他施設の管理に関する重要事項

(一七) 同項第一九号にいう職員の勤務の体制とは職員の組織図及び勤務時間割表(ローテーション)を、勤務形態とは常勤、非常勤、兼務の別を示したものをいうものであること。

(一八) 同項第二〇号にいう業務予定表とは、施設における一週間の定型的な業務の予定(スケジュール)を記載したものであること。

(一九) 同項第二一号にいう協力病院との契約内容とは、老人保健施設の入所者の病状が急変した際の受療やベッドの確保の状況等について記載したものであること。

(二〇) 同項第二二号にいう利用料の内容は、利用料徴収の対象となる各費目及びその額が明示されたものであること。

(二一) 同項第二三号は、老人保健施設が地域の協力と理解の下に運営が行われるようするため、開設に当たつて市町村からの意見書を添付するものとしたものであること。

三 開設許可に当たつては、基準省令に照らしての申請書類の審査のほか、現地検査が必要であること。

四 法第四六条の六第三項第一号の規定により、次の場合には、許可を与えることができないものであること。

(ア) 当該老人保健施設を開設しようとする者が、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人その他厚生大臣が定める者でないとき

(イ) 基準省令を満たさないと認められるとき

第二 変更の許可について

一 法第四六条の六第二項の規定による都道府県知事の変更許可を受けなければならない事項が次のとおり定められたこと。

ア 敷地の面積及び平面図

イ 建物の構造概要及び平面図

ウ 基準省令第二条第一項各号に掲げる施設及び構造設備の概要

エ 基準省令第二条第一項各号に掲げる施設の共用の有無及び共用の場合の利用計画

オ 入所定員及び各療養室の定員(入所定員又は療養室の定員を減少させようとするときを除く。)

カ 医師、看護婦、介護職員その他の従業者の定員

キ 協力病院を変更するとき

二 変更許可申請書に記載すべき変更事項については、変更の内容が明確に把握できることとなるよう記入に際して十分指導されたいこと。また、必要に応じて変更内容の関係書類を提出させる等確認に慎重に期されたいこと。

三 変更許可の手続きは、申請書類審査の他、一のア、イ、ウ、エの変更の場合に当たつては、現地検査を行う等開設許可の手続きに準じて行われたいこと。

四 なお、変更の内容が基準省令を満たすことが出来ないと認められる場合には、都道府県知事は法第四六条の六第三項の規定により許可を与えることが出来ないものであること。

第三 変更の届出について

一 法第四六条の一〇の規定による都道府県知事へ変更の届出を行わなければならない事項が次のとおり定められたこと。

ア 開設者の住所又は氏名(法人であるときはその名称又は主たる事務所の所在地。)

イ 名称

ウ 開設者が法人であるときの定款、寄付行為又は条例

エ 開設者が医師であつて、新たに他の老人保健施設、病院若しくは診療所を開設し、休止し、若しくは廃止しようとするとき、他の老人保健施設、病院、診療所若しくは特別養護老人ホーム等の社会福祉施設を管理し若しくは管理することをやめ、又はこれらの施設に勤務し、若しくは勤務することをやめようとするときはその旨

オ 併設施設の概要

カ 入所定員及び各療養室の定員並びに老人保健施設デイ・ケアの定員(入所定員又は療養室の定員を減少させようとするときに限る。)

キ 管理者その他の主な職員の氏名又は管理者の住所

ク 管理規程

ケ 利用料の内容

コ 協力病院の名称及び診療科名並びに協力病院との契約の内容(協力病院を変えるときを除く。)

二 一のアに規定する事項のうち、単なる氏名(法人であるときは名称)の変更でなく、開設者が変更される場合は新たな許可が必要となるので留意すること。

三 変更の届出に記載すべき変更事項については、変更の内容が明確に把握できることとなるよう記入に際して十分指導されたいこと。また、必要に応じて変更内容の関係書類を提出させる等確認に慎重を期されたいこと。

第四 事前審査の取扱いについて

一 開設許可手続きを支障なく進めるために、予め開設許可申請者から計画段階での事前協議を受け付け、計画内容を十分聴取し、老人保健施設の施設及び設備、人員並びに運営に関する基準等に適合するよう指導、助言を行われたいこと。

二 事前審査の段階においては、次の点に留意されたいこと。

(一) 老人保健施設は各地域における寝たきり等要介護老人数、特別養護老人ホームの入所定員、病院の病床数等を踏まえて見込まれるその地域の需要を考慮し、適正に配置されることが必要なので、その旨十分に指導されたいこと。

(二) 開設者の適格性、用地、併設施設との共用、地域との調整、資金計画等について十分検討されたいこと。なお、開設者が昭和六三年厚生省告示第一号(老人保健施設を開設できる者)第八号に該当する者であるときは、許可申請前に厚生大臣の認定を受けていることが必要であるので、事前に認定手続きを行うよう指導されたいこと。

(三) 関係主管部局と必要な調整を図ること。

(四) 設置所在地の市町村との連携が確保されるよう開設者を指導されたいこと。

第五 様式について

法第四六条の一一第一項の規定による質問又は立入検査を行う場合、職員が携帯すべき身分証明証の様式が様式第三号の二として定められたこと。

別紙