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○特定施設入所者生活介護事業者が受領する介護保険の給付対象外の介護サービス費用について

(平成一二年三月三〇日)

(老企第五二号)

(各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生省老人保健福祉局企画課長通知)

特定施設入所者生活介護事業者については、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成一一年厚生省令第三七号。以下「居宅サービス基準」という。)第一八二条第三項において、利用料のほか、介護保険の給付対象外の介護サービス費用として、同項第一号に掲げる費用を受領することができることとされているが、その具体的な取り扱いは左記のとおりであるので、御了知の上、管下市町村、関係団体、関係機関等にその周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないようにされたい。

1 利用料の範囲

特定施設入所者生活介護は、看護・介護職員等により、適時、適切に介護サービスが包括的に提供されるべきものであるので、その介護報酬は、個々の利用者ごとに設定されるものではなく、要介護度状態区分又は要支援の区分に応じて一律とし、居宅サービス基準の規定により標準的に配置される職員の人件費等を基礎として定めているものである。したがって、これらの職員により提供されるサービスについては、介護保険の給付対象となっているものであり、利用料の他に別途費用を受領することはできないものである。

2 保険給付対象外の介護サービス費用を受領できる場合

特定施設入所者生活介護事業者が、介護保険の給付対象となる特定施設入所者生活介護に要する費用とは別に介護サービスに係る費用(居宅サービス基準第一八二条第三項第一号)を受領できる場合は次の(1)及び(2)に限られるものである。なお、この場合の人員数の算定方法は、居宅サービス基準によるものとし、その具体的な取扱いは平成一一年九月一七日老企第二五号当職通知及び平成一二年三月八日老企第四〇号当職通知によるものである。また、これらの費用については、全額が利用者の負担となるものであり、あらかじめ、利用者又はその家族に対して、当該サービスの内容、費用及び人員配置状況について十分に説明を行い、利用者の同意を得ることが必要である。

(1) 人員配置が手厚い場合の介護サービス利用料

要介護者等の人数に応じて看護・介護職員の人数が次の①又は②のいずれかの要件を満たす場合に、人員配置が手厚い場合の介護サービス利用料を受領できるものとする。

この人員配置が手厚い場合の介護サービス利用料については、看護・介護職員の配置に必要となる費用から適切に算出された額とし、当該介護サービス利用料を一時金として受領する場合には、開設後の経過年数に応じた要介護発生率、介護必要期間、職員配置等を勘案した合理的な積算方法によることが必要である。

なお、人員配置が手厚い場合の介護サービス利用料と介護保険の利用者負担分の合計額について、重度の要介護者になるほど安くなるような料金設定を行うことは、結果として、軽度の要介護者等が利用しにくくなり、重度の要介護者のみの入所が誘導されることとなるため、適切ではないことに留意されたい。

① 要介護者等が三〇人以上の場合

看護・介護職員の人数が、常勤換算方法で、要介護者等の数(前年度の平均値)が二・五又はその端数を増すごとに一人以上であること。

② 要介護者等が三〇人未満の場合

看護・介護職員の人数が、居宅サービス基準に基づき算出された人数に二人を加えた人数以上であること。

(2) 個別的な選択による介護サービス利用料

あらかじめ特定施設入所者生活介護として包括的かつ標準的に行うものとして定めた介護サービスとは別に、利用者の特別な希望により行われる個別的な介護サービスについては、その利用料を受領できるものとする。ただし、当該介護サービス利用料を受領する介護サービスは、本来特定施設入所者生活介護として包括的に行うべき介護サービスとは明らかに異なり、次の①から③までのように個別性の強いものに限定される必要がある。

なお、看護・介護職員が当該サービスを行った場合は、居宅サービス基準上の看護・介護職員の人数の算定において、当該看護・介護職員の勤務時間から当該サービスに要した時間を除外して算定(常勤換算)することとする。

① 個別的な外出介助

利用者の特別な希望により、個別に行われる買い物、旅行等の外出介助(当該特定施設の行事、機能訓練、健康管理の一環として行われるものは除く。)及び当該特定施設が定めた協力医療機関等以外の通院又は入退院の際の介助等に要する費用。

② 個別的な買い物等の代行

利用者の特別な希望により、当該特定施設において通常想定している範囲の店舗以外の店舗に係る買い物等の代行に要する費用。

③ 標準的な回数を超えた入浴を行った場合の介助

利用者の特別な希望により、当該特定施設が定めた標準的な入浴回数を超えた回数(当該特定施設が定めた標準的な入浴回数が一週間に三回である場合には四回以上。ただし、居宅サービス基準第一八五条第二項の規定により一週間に二回以上の入浴が必要であり、これを下回る回数を標準的な入浴回数とすることはできない。)の入浴の介助に要する費用。

3 軽費老人ホームに係る取扱い

軽費老人ホームについては、「軽費老人ホームの設置及び運営について」(昭和四七年二月二六日社老第一七号厚生省社会局長通知)及び「軽費老人ホームの設置及び運営について」(同年三月二九日社老第二四号老人福祉課長通知)により利用料等の徴収について取扱いを示しているところであり、この取扱いを基本とするが、軽費老人ホームにおいて特定施設入所者生活介護事業者としての指定を受け、さらに前記2の料金の負担を求めようとする場合には、事務費の助成との調整等が必要であることから、事前に都道府県を通じて当局計画課に連絡することとされたい。