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○公益信託に係る厚生大臣権限の都道府県知事への委任及び厚生大臣の所管に属する益法人の設立及び監督に関する規則の改正等について
(平成四年五月二〇日)
(厚生省総第二六五号)
(各都道府県知事あて厚生大臣官房長通知)
公益法人及び公益信託に係る主務官庁の権限委任に関する制度の改正並びにこれを契機とする厚生大臣の所管に属する公益法人及び公益信託の規制に係る規則の見直し等に伴い、今般別添一のとおり所要の法令の改廃が行われたところであるが、その概要は左記のとおりであるので、その趣旨を御了知の上、事務処理に遺憾のないよう配意されたい。
記
一 公益信託に係る権限委任について
(1) 公益法人に係る主務官庁の権限の委任等に関する政令(平成四年政令第一六一号。以下「公益法人委任政令」という。)及び公益信託に係る主務官庁の権限の委任に関する政令(平成四年政令第一六二号。以下「公益信託委任政令」という。)が制定され、本年五月二〇日から施行することとされた。これらの政令の制定の趣旨及び内容については、本年五月一三日付けで公益法人等指導連絡会議議長である総理府次長から既に通知されたところである。厚生省関係では、公益信託であってその受益の範囲が一の都道府県の区域内に限られるものについての厚生大臣の権限が、当該都道府県の知事に委任されることとなったことが実質的な改正である。なお、公益法人に関しては、その行う事業が一の都道府県の区域内に限られるものに関する厚生大臣の権限は当該都道府県の知事に委任することとされているが、この取扱いは従来と同様である。
(2) 公益信託制度は大正一一年、信託法(大正一一年法律第六二号)の制定により発足したが、公益信託が実際に設立され普及し始めたのは、昭和五二年以降のことであり、現在でも必ずしも社会的に広く認識され利活用が図られているとはいい難い状況である。しかし、実質的には、民法(明治二九年法律第八九号)上の財団法人による各種助成事業と同様の公益活動を展開できるにもかかわらず、その事務を受託者が行うことから、事務手続や維持経費が軽易であること、比較的少額でも設立が可能であること等の利点があり、今後その役割が高まっていくと考えられる。そのため、公益信託の審査等に当たっては、公益信託の特色をいかすという観点に立ち、従来主として想定されてきた幅広く助成対象を定める方法だけでなく、寄付者の意向及び地域の事情によっては、重点的かつ継続的な配分を通じて助成効果を高める方法などを含め、同制度の積極的な利用・普及を図り、住民福祉の向上に役立てられるよう御配慮願いたい。
(3) 以上のほか、公益信託の引受許可審査及び指導監督に当たっては、別添二として添えた昭和五三年九月四日付けの当職通知で示した引受許可審査等の基準を参照され、公益信託の運営の適正に努められたい。
二 厚生大臣の所管に属する公益法人の設立及び監督に関する規則の改正等について
許可認可等臨時措置令(昭和一九年勅令第三五一号。以下「措置令」という。)及び厚生省関係認可等特例(昭和一九年勅令第三七号。以下「特例」という。)については、許可認可等臨時措置令等を廃止する政令(平成四年政令第一六八号。以下「廃止政令」という。)によって、厚生省関係許可認可等臨時措置令施行規則(昭和二二年厚生省令第六号。以下「措置令施行規則」という。)については、厚生省関係許可認可等臨時措置令施行規則を廃止する省令(平成四年厚生省令第三一号。以下「廃止省令」という。)によって本年五月二〇日をもって廃止された。また、厚生大臣の所管に属する公益法人の設立及び監督に関する規則(昭和四八年厚生省令第四七号。以下「公益法人省令」という。)及び厚生大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則(昭和五三年厚生省令第六〇号。以下「公益信託省令」という。)については、それぞれ厚生大臣の所管に属する公益法人の設立及び監督に関する規則の一部を改正する省令(平成四年厚生省令第三二号)及び厚生大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則の一部を改正する省令(平成四年厚生省令第三三号)によって改正された。これらの法令の改正も同日に施行することとしているが、これらの法令の廃止及び改正の概要は以下のとおりである。
(1) 措置令及び特例並びに措置令施行規則の廃止関係
行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律(平成三年法律第七九号)によって許可認可等臨時措置法(昭和一八年法律第七六号)が廃止されたことに伴い、同法の委任勅令である措置令及び特例が廃止政令によって廃止され、措置令の廃止に伴い、同令の委任省令である措置令施行規則が廃止省令によって廃止された。従来、措置令及び措置令施行規則に基づいて行われていた公益法人及び公益信託に係る権限の整理は、今後は公益法人委任政令及び公益信託委任政令に基づいて行われることとした。特例は既に実効性を喪失している法令であるので、その廃止により現在実施されている事務に実質的な変更は生じないものである。
(2) 公益法人省令の一部改正関係
今回の改正を契機として、厚生大臣の所管に属する公益法人の業務及び財産の状況を検査する際に職員が携帯すべき身分を示す証票について、その様式を定める等の改正を行うものである。
(3) 公益信託省令の一部改正関係
公益信託委任政令の制定により、本年五月二〇日から厚生大臣の所管に属する公益信託のうち、その受益の範囲が一の都道府県の区域内に限られるものについては、その引受けの許可等の権限が当該都道府県の知事に委任されることとなることに伴い、そのことを公益法人に係る規定と同様の表現により明確にするなど、所要の改正を行うものである。
別添一・二 略
は、当該様式中の教示に関する文言が整備されたが、処分の通知書の様式の定められていないものについても教示制度の設けられた趣旨にかんがみ、当該処分が書面でなされる場合においては、当該書面に附記する等により、原則として書面で行なうこととされたいこと。