添付一覧
○郵便による不在者投票について
(昭和五〇年一月九日)
(社更第一号)
(各都道府県知事・指定都市市長あて厚生省社会局長・厚生省援護局長通達)
標記については、昭和四九年六月三日に公職選挙法(以下「法」という。)の一部が改正され、在宅等の重度身体障害者にも郵便による投票の途がひらかれることとなつたが、昭和四九年一二月二五日政令第三九四号による同法施行令(以下「令」という。)の一部改正により、郵便による不在者投票制度の対象者等が定められ、昭和五○年一月二○日から当該制度が施行されることとなつたので、貴職におかれては、次の事項に留意のうえ、証明書の交付等につき格段の御配慮をお願いしたい。
記
第一 郵便による不在者投票制度の概要
1 選挙人で身体に重度の障害があるもの(身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者又は戦傷病者特別援護法第二条第一項に規定する戦傷病者であるもので政令で定めるものをいう。)の投票については、政令で定めるところにより、その現在する場所において投票用紙に投票の記載をし、これを郵送する方法により行わせることができるものとされたこと。(法第四九条第二項)
2 郵便による不在者投票をすることができる選挙人は、その登録されている選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対して、当該選挙人が署名(点字によるものを除く。以下3及び4において同じ。)をした文書をもつて郵便投票証明書(法第四九条第二項に規定する選挙人に該当する旨の証明書をいう。)の交付を申請することができるものとされたこと。(令第五九条の三第一項)
3 郵便による不在者投票をすることができる選挙人は、選挙の期日前四日までに、その登録されている選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対して、当該選挙人が署名した文書により、かつ、郵便投票証明書を提示して、投票用紙及び投票用封筒の交付を請求することができるものとされたこと。(令第五九条の四第一項)
4 投票用紙及び投票用封筒の交付を受けた選挙人は、その現在する場所において、投票用紙に自ら当該選挙の候補者一人の氏名を記載し、これを投票用封筒に入れて封をし、投票用封筒の表面に投票の記載の年月日及び場所を記載するとともにその表面に署名をし、更にこれを他の適当な封筒に入れて封をし、その表面に投票が在中する旨を明記して、当該選挙人が登録されている選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対し、その投票の送付を受けた市町村の選挙管理委員会の委員長が令第六○条第二項の規定により選挙人の属する投票区の投票管理者に投票所を閉じる時刻までに送致できるように、郵便をもつて送付しなければならないこととされたこと。(令第五九条の五)
第二 郵便による不在者投票をすることができる者の範囲について
1 郵便による不在者投票をすることができる者は、身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者又は戦傷病者特別援護法第二条第一項に規定する戦傷病者である選挙人のうち次に掲げる者とされたこと。(法第四九条第二項、令第五九条の二)
(1) 身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者については、同法第一五条第四項の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、両下肢、体幹、心臓、じん臓、呼吸器、ぼうこう若しくは直腸若しくは小腸の障害若しくは移動機能の障害(以下「両下肢等の障害」という。)の程度が、両下肢若しくは体幹の障害若しくは移動機能の障害にあつては一級若しくは二級、心臓、じん臓、呼吸器若しくはぼうこう若しくは直腸若しくは小腸の障害(以下「内臓機能の障害」という。)にあつては一級若しくは三級である者として記載されている者又は両下肢等の障害の程度がこれらの障害の程度に該当することにつき身体障害者福祉法施行令第三条に規定する身体障害者手帳交付台帳を備える都道府県知事又は指定都市の長が書面により証明した者
(2) 戦傷病者特別援護法第二条第一項に規定する戦傷病者については、同法第四条の規定により交付を受けた戦傷病者手帳に両下肢等の障害の程度が、両下肢若しくは体幹の障害にあつては恩給法別表第一号表ノ二の特別項症から第二項症まで、内臓機能の障害にあつては同表の特別項症から第三項症までである者として記載されている者又は両下肢等の障害の程度がこれらの障害の程度に該当することにつき戦傷病者特別援護法施行令第五条の規定する戦傷病者手帳交付台帳を備える都道府県知事が書面により証明した者
2 前記1のとおり、郵便による不在者投票制度の対象者は、身体障害者手帳又は戦傷病者手帳(以下「身体障害者手帳等」という。)の交付を受けている者に限られること。
3 二以上の身体上の障害を重複して有する者については、そのうちいずれか一の障害の程度が前記1の(1)又は(2)に掲げる両下肢等の障害の程度に該当するものであること。また、下肢の障害により第二項症に該当する戦傷病者のうち、対象者は両下肢の障害により第二項症に該当する者に限定されるものであること。
第三 両下肢等の障害の程度を証する書面の発給について
1 第二の1のとおり身体障害者手帳等の記載によつては両下肢等の障害の程度が前記第二の1の(1)又は(2)に掲げる両下肢等の障害の程度に該当することが明らかでない場合、例えば原始傷病名で記載されている場合、重複する二以上の障害名が記載されている場合等には、その者に係る身体障害者手帳交付台帳を備える都道府県知事若しくは指定都市の長又はその者に係る戦傷病者手帳交付台帳を備える都道府県知事がその者の両下肢等の障害の程度が前記第二の1の(1)又は(2)に掲げる両下肢等の障害の程度に該当することを書面により証明することとし、その書面により市町村の選挙管理委員会の委員長が認定することとされたので、都道府県知事又は指定都市の長は該当者から申出があつたときは、その者の両下肢等の障害の程度を確認したうえ、証明書を交付されたいこと。
2 両下肢等の障害の程度の証明は、身体障害者手帳交付台帳又は戦傷病者手帳交付台帳その他身体上の障害の程度の認定、身体障害者手帳等の交付に関する書類に基づき、その者の両下肢等の障害の程度を確認して行うものとし、証明する書面の様式は次のとおりとされたいこと。
3 両下肢等の障害の程度を証する書面の発給は、選挙人の申請に基づいて行うものであるが、事務の性質及び制度の趣旨にかんがみ手数料を徴収することはできないものであること。