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○地方公益法人に対する都道府県知事の許可、認可等の事務について

(昭和四九年一二月二七日)

(総管第五四八号・蔵文第五九八号・国総第一一五号・厚生省総第三九七号・総第一〇六三号・四九産第九二五四号・労働省発総第二〇号・文発第八二号・自治文第二一六号各都道府県知事あて総理府総務副長官、大蔵・文部・厚生・農林・通商産業・労働・建設・自治事務次官通知)

許可認可等臨時措置令(昭和一九年勅令第三五一号)並びに同令に基づいて定められた総理府及び各省の許可認可等臨時措置令施行規則の定めるところにより、都道府県知事に主務大臣の権限が委譲されている公益法人(以下「地方公益法人」という。)の許可、認可等の事務については、今後左記によりその事務処理を行い遺憾なきを期せられたい。

なお、指導監督の立場にある現職の地方公務員が地方公益法人の役員を兼任することは必ずしも適当でない場合もあるので、今後は漸次かかる兼職を抑制するよう配慮されたい。

第一 地方公益法人の設立許可等審査基準

地方公益法人の設立許可及び定款又は寄附行為の変更の認可の基準は、少なくとも次の各項の趣旨に添うようにしなければならない。

一 目的

地方公益法人は、積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とするものでなければならない。したがつて、次のようなものは設立を許可しないものとすること。

ア 同窓会、同好会等構成員相互の親睦、連絡、意見交換等を主たる目的とするもの

イ 特定団体の構成員又は特定職域の者のみを対象とする福利厚生、相互救済等を主たる目的とするもの

ウ 後援会等特定個人の精神的又は経済的支援を目的とするもの

二 事業

(1) 地方公益法人の事業(附随的に行う収益を目的とする事業を除く。)は、次の事項のすべてに適合していなければならない。

ア 当該法人の設立目的に照らし、適切な内容の事業であること。

イ 事業内容が、定款又は寄附行為上具体的に明確にされていること。

ウ 営利企業として行うのが適当と認められる性格、又は内容の事業を主とするものでないこと。

(2) 設立目的を達成するため、附随的に収益を目的とする事業を行う場合にあつては、当該事業は、次の事項のすべてに適合していなければならない。

ア その規模が本来の公益事業に比べて過大でないこと。

イ 公益法人としての社会的信用を傷つけるような内容の事業でないこと。

ウ その他、本来の公益事業に支障を及ぼすおそれのない事業であること。

三 名称

地方公益法人の名称は、その法人の目的及び実態を適切に表現した社会通念上妥当なものでなければならない。したがつて、次のような名称は適当でない。

ア 国又は地方公共団体の機関等と誤認させるおそれのある名称

イ 既存の法人又はその附属機関と誤認させるおそれのある名称

ウ その他当該法人の目的及び事業の及ぶ範囲等とかけはなれた名称

四 資産及び会計

地方公益法人は、設立目的を達成するため、健全な事業活動を継続するに必要な確固とした財政的基礎を有しなければならない。したがつて、その資産及び会計については、少なくとも次の事項に適合していなければならない。

ア 財団法人にあつては、設立当初の寄附財産の運用によつて生ずる収入及び恒常的な賛助金等により、設立目的の達成に必要な事業活動が遂行できること。

イ 社団法人にあつては、会費及び財産の運用によつて生ずる収入等により、設立目的の達成に必要な事業活動が遂行できること。

ウ 価値の変動の激しい財産、客観的評価が困難な財産等価値の不安定な財産又は過大な負担付財産が法人財産の相当部分を占めていないこと。

五 機関

地方公益法人の機関は、当該法人の健全、かつ継続的な管理運営を可能とするようなものでなければならない。したがつて、その機関は、少なくとも次の事項に適合していなければならない。

ア 理事の数は、当該法人の実態からみて多すぎないこと。

イ 理事、監事等の任期は長すぎないこと。

ウ 理事及び評議員の構成は、理事及び評議員の総数の相当部分が、同一親族で占められていないこと等適正な運営に支障のないものであること。

エ 社団法人の総会又は財団法人の理事会は、社員又は理事の多数の意思が適正に反映されるように会議の成立要件及び議決要件が定められていること。

第二 地方公益法人の提出書類の範囲及び提出期限

都道府県規則等により提出を義務づける書類の範囲及び提出期限は、次のとおりとする。

一 設立許可申請書の添付書類

(1) 設立趣意書

(2) 定款又は寄附行為

(3) 財産となるべきものの種類及び総額を記載した書類

(4) 財産の権利及び価格を証する書類

(5) 当該年度及び翌年度の事業計画書

(6)  〃     〃 の収支予算書

(7) 設立者及び役員となるべき者の住所、氏名、略歴を記載した書類及び役員就任承諾書

(8) 社員名簿(社団の場合のみ)

(9) 創立総会議事録等設立を証する書類

(10) 現に目的とする事業を行つているときは、その概要及び収支決算書

(11) 行政庁の許可、認可等を要する事業があるときは、これを証する書類

(12) 代表者又は代理人を定めたときは、その権限を証する書類

二 定款又は寄附行為の変更認可申請書の添付書類

(1) 定款又は寄附行為の変更案

(2) 定款又は寄附行為を変更する理由を記載した書類

(3) 定款又は寄附行為に定める変更の手続を経たことを証する書類

三 事業報告等の提出書類

(1) 事業年度終了後に提出する書類

(ア) 事業概要報告書

(イ) 収支決算書

(ウ) 当該年度末の財産目録

(エ) 当該年度末の社員名簿及び当該年度末の異動状況報告書(社団の場合のみ)

(2) 翌年度の事業に関し提出する書類

(ア) 事業計画書

(イ) 収支予算書

四 残余財産処分許可申請書の添付書類

(1) 残余財産処分に関する決議録

(2) 残余財産処分の方法及びその理由に関する書類

(3) 処分すべき財産の種類及び価格を証する書類

五 書類の提出期限

(1) 法人設立登記の届出……………………………「遅滞なく」

(2) 登記事項の変更の届出…………………………「遅滞なく」

(3) 監事異動の届出(新任退任を含む。)…………「遅滞なく」

(4) 年度終了後に提出する書類……「事業年度終了後三月以内」

第三 地方公益法人管理台帳

地方公益法人の実態は握のための管理台帳を作成し、当該台帳には、次の事項を記載しなければならない。

ア 名称 イ 事務所 ウ 目的及び事業 エ 設立許可年月日及び番号並びに条件 オ 設立登記年月日 カ 資産 キ 社員数 ク 理事及び監事の定数並びに任期 ケ 理事及び監事の氏名  コ 事業及び会計報告事項 サ 解散及び清算事項 シ 主務官庁(共管省庁を含む。)名 ス その他必要事項

第四 地方公益法人の指導監督の強化

次の事項について特に留意し、検査を行うなど常に地方公益法人の実態は握に努め、適切な助言、指導を行わなければならない。

一 役員の任免手続及び理事会等の運営が適切であるか否か

二 定款又は寄附行為に掲げている公益事業の実施が適切であるか否か

三 収支予算又は決算についての理事会又は総会の承認、財産目録の作成、監事の監査の実施等財務処理が適切であるか否か

四 報告及び届出が確実に行われているか否か

第五 主務大臣に対する報告

一 設立の許可及び解散

設立の許可を行つたとき又は解散したときは、遅滞なく次の事項を主務大臣に報告しなければならない。

(1) 設立の許可を行つたとき

ア 名称 イ 社団、財団の別 ウ 事務所 エ 目的 オ 事業内容 カ 設立許可年月日 キ 規模(社員数、収支予算額) ク 担当部課名

(2) 解散したとき

ア 名称 イ 社団、財団の別 ウ 事務所 エ 解散理由 オ 解散年月日

二 諸規程

地方公益法人の設立許可及び指導監督に関する規則、設立許可審査基準等関係規程を制定、改正又は廃止したときは、遅滞なくその旨を主務大臣に報告しなければならない。

三 その他

現存する公益法人について、新たに管理台帳を作成したときは、一の(1)に掲げる事項を主務大臣に報告しなければならない。