添付一覧
○セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する規程
(平成13年1月6日)
(厚生労働省訓令第14号)
人事院規則10―10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)第4条の規定に基づき、厚生労働省におけるセクシュアル・ハラスメントの防止等に関する規程を次のように定める。
セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する規程
(目的)
第1条 この規程は、人事院規則10―10に定めるもののほか、職員がその能率を十分発揮できるような勤務環境を確保することを目的として、セクシュアル・ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにセクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) セクシュアル・ハラスメント 他の者を不快にさせる職場における性的な言動(性的な関心や欲求に基づく言動をいい、性別により役割を分担すべきとする意識又は性的指向若しくは性自認に関する偏見に基づく言動も含まれる。以下同じ。)及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動
(2) セクシュアル・ハラスメントの防止及び排除 セクシュアル・ハラスメントが行われることを未然に防ぐとともに、セクシュアル・ハラスメントが現に行われている場合にその行為を制止し、及びその状態を解消すること
(3) セクシュアル・ハラスメントに起因する問題 セクシュアル・ハラスメントのため職員の勤務環境が害されること及びセクシュアル・ハラスメントへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けること
(不利益取扱いの禁止)
第3条 職員は、セクシュアル・ハラスメントを行った職員に対する拒否、セクシュアル・ハラスメントに対する苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他セクシュアル・ハラスメントに関し正当な対応をしたことのためにいかなる不利益も受けない。
(職員の注意すべき事項)
第4条 職員は、別紙1のセクシュアル・ハラスメントをなくすために職員が認識すべき事項についての指針に従い、セクシュアル・ハラスメントをなくすために努力しなければならない。
(監督者の責務)
第5条 職員を監督する地位にある者(以下「監督者」という。)は、良好な勤務環境を確保するため、次の各号に掲げる事項に注意してセクシュアル・ハラスメントの防止及び排除に努めなければならない。
(1) 日常の執務を通じた指導等により、セクシュアル・ハラスメントに関し、監督する職員の注意を喚起し、セクシュアル・ハラスメントに関する認識を深めさせること。
(2) セクシュアル・ハラスメントが職場に生じていないか、又は生じるおそれがないか、監督する職員の言動に十分な注意を払い、勤務環境を害する言動を見逃さないようにすること。
(3) セクシュアル・ハラスメントに対する苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他セクシュアル・ハラスメントに対する職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けていないか、又はそのおそれがないか、監督する職員の言動に十分な注意を払い、勤務環境を害する言動を見逃さないようにすること。
(4) セクシュアル・ハラスメントに対する苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他セクシュアル・ハラスメントに対する職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けることがないようにしなければならないこと。
(5) 職員からセクシュアル・ハラスメントに関する苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)があった場合には、真摯にかつ迅速に対応すること。
2 監督者は、セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。
(研修等)
第6条 内部部局の長(各局長並びに大臣官房の課の長を言う。)等は、セクシュアル・ハラスメントの防止及び排除を図るため、職員に対し、必要な研修等を実施するものとする。
2 内部部局の長等は、新たに職員となった者に対しては、セクシュアル・ハラスメントに関する基本的な事項について理解させるために、また、新たに監督者となった職員に対しては、セクシュアル・ハラスメントの防止等に関し求められる役割について理解させるために、研修等を実施する。
(苦情相談の申出)
第7条 職員は、別紙2の機関に設置する相談窓口の相談員に対し、苦情相談を行うことができる。
(苦情相談への対応)
第8条 相談員は、苦情相談に係る問題の事実関係の確認、当該苦情相談に係る当事者に対する指導及び助言並びに当事者間のあっせん等を自ら行い、当該問題を迅速に解決するよう努めるものとする。
2 相談員は、苦情相談への対応に当たっては、関係者のプライバシー、名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
(再発防止)
第9条 内部部局の長等は、セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、再発防止に向けて、職員の意識啓発、研修その他必要な措置を講ずるものとする。
(実施の細則)
第10条 この規程の実施に関し必要な事項は、大臣官房人事課長が別に定める。
附 則
この規程は、平成13年1月6日から施行する。
附 則 (平成13年3月30日厚生労働省訓第96号)
この規程は、平成13年4月1日から施行する。
附 則 (平成14年3月29日厚生労働省訓第34号)
この規程は、平成14年4月1日から施行する。
附 則 (平成15年6月30日厚生労働省訓第40号)
この規程は、平成15年7月1日から施行する。
附 則 (平成15年9月29日厚生労働省訓第55号)
この規程は、平成15年10月1日から施行する。
附 則 (平成16年3月30日厚生労働省訓第96号)
この規程は、平成16年4月1日から施行する。
附 則 (平成19年3月30日厚生労働省訓第10号)
この規程は、平成19年4月1日から施行する。
附 則 (平成20年9月30日厚生労働省訓第11号)
この規程は、平成20年10月1日から施行する。
附 則 (平成21年12月25日厚生労働省訓第38号)
この訓令は、平成22年1月1日から施行する。
附 則 (平成22年3月31日厚生労働省訓第18号)
この訓令は、平成22年4月1日から施行する。
附 則 (平成27年9月30日厚生労働省訓第34号)
この訓令は、平成27年10月1日から施行する。
附 則 (平成28年6月21日厚生労働省訓第53号)
この訓令は、平成28年6月21日から施行する。
附 則 (平成28年12月28日厚生労働省訓第74号)
この訓令は、平成29年1月1日から施行する。
附 則 (平成29年7月11日厚生労働省訓第38号)
この訓令は、平成29年7月11日から施行する。
別紙1
セクシュアル・ハラスメントをなくすために職員が認識すべき事項についての指針
第1 セクシュアル・ハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項
1 意識の重要性
セクシュアル・ハラスメントをしないようにするためには、職員の一人一人が、次の事項の重要性について十分認識しなければならない。
一 お互いの人格を尊重しあうこと。
二 お互いが大切なパートナーであるという意識を持つこと。
三 相手を性的な関心の対象としてのみ見る意識をなくすこと。
四 女性を劣った性として見る意識をなくすこと。
2 基本的な心構え
職員は、セクシュアル・ハラスメントに関する次の事項について十分認識しなければならない。
一 性に関する言動に対する受け止め方には、個人間で差があり、セクシュアル・ハラスメントに当たるか否かについては、相手の判断が重要であること。
具体的には、次の点に注意する必要がある。
(1) 親しさを表すつもりの言動であったとしても、本人の意図とは関係なく相手を不快にさせてしまう場合があること。
(2) 不快に感じるか否かには個人差があること。
(3) この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測をしないこと。
(4) 相手との良好な人間関係ができていると勝手な思い込みをしないこと。
二 相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないこと。
三 セクシュアル・ハラスメントであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないこと。
セクシュアル・ハラスメントを受けた者が、職場の人間関係等を考え、拒否することができないなど、相手からいつも明確な意思表示があるとは限らないことを十分認識する必要がある。
四 職場におけるセクシュアル・ハラスメントにだけ注意するのでは不十分であること。
例えば、職場の人間関係がそのまま持続する歓迎会の酒席のような場において、職員が他の職員にセクシュアル・ハラスメントを行うことは、職場の人間関係を損ない勤務環境を害するおそれがあることから、勤務時間外におけるセクシュアル・ハラスメントについても十分注意する必要がある。
五 職員間のセクシュアル・ハラスメントにだけ注意するのでは不十分であること。
行政サービスの相手方など職員がその職務に従事する際に接することとなる職員以外の者及び委託契約又は派遣契約により同じ職場で勤務する者との関係にも注意しなければならない。
3 セクシュアル・ハラスメントになり得る言動
セクシュアル・ハラスメントになり得る言動として、例えば次のようなものがある。
一 職場内外で起きやすいもの
(1) 性的な内容の発言関係
ア 性的な関心、欲求に基づくもの
① スリーサイズを聞くなど身体的特徴を話題にすること。
② 聞くに耐えない卑猥な冗談を交わすこと。
③ 体調が悪そうな女性に「今日は生理日か」、「もう更年期か」などと言うこと。
④ 性的な経験や性生活について質問すること。
⑤ 性的な噂を立てたり、性的なからかいの対象とすること。
イ 性別により差別しようとする意識等に基づくもの
① 「男のくせに根性がない」、「女には仕事を任せられない」、「女性は職場の花でありさえすればいい」などと発言すること。
② 「男の子、女の子」、「僕、坊や、お嬢さん」、「おじさん、おばさん」などと人格を認めないような呼び方をすること。
③ 性的指向や性自認をからかいやいじめの対象とすること。
(2) 性的な行動関係
ア 性的な関心、欲求に基づくもの
① ヌードポスター等を職場に貼ること。
② 雑誌等の卑猥な写真・記事等をわざと見せたり、読んだりすること。
③ 身体を執拗に眺め回すこと。
④ 食事やデートにしつこく誘うこと。
⑤ 性的な内容の電話をかけたり、性的な内容の手紙・Eメールを送ること。
⑥ 身体に不必要に接触すること。
⑦ 浴室や更衣室等をのぞき見すること。
イ 性別により差別しようとする意識等に基づくもの
女性であるというだけで職場でお茶くみ、掃除、私用等を強要すること。
二 主に職場外において起こるもの
ア 性的な関心、欲求に基づくもの
性的な関係を強要すること。
イ 性別により差別しようとする意識等に基づくもの
① カラオケでのデュエットを強要すること。
② 酒席で、上司の側に座席を指定したり、お酌やチークダンス等を強要すること。
4 懲戒処分
セクシュアル・ハラスメントの態様等によっては信用失墜行為、国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当して、懲戒処分に付されることがある。
第2 職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために認識すべき事項
勤務環境はその構成員である職員の協力の下に形成される部分が大きいことから、セクシュアル・ハラスメントにより勤務環境が害されることを防ぐため、職員は、次の事項について、積極的に意を用いるように努めなければならない。
1 職場内のセクシュアル・ハラスメントについて問題提起する職員をいわゆるトラブルメーカーと見たり、セクシュアル・ハラスメントに関する問題を当事者間の個人的な問題として片づけないこと。
職場におけるミーティングを活用することなどにより解決することができる問題については、問題提起を契機として、良好な勤務環境の確保のために皆で取り組むことを日頃から心がけることが必要である。
2 職場からセクシュアル・ハラスメントに関する問題の加害者や被害者を出さないようにするために、周囲に対する気配りをし、必要な行動をとること。
具体的には、次の事項について十分留意して必要な行動をとる必要がある。
一 セクシュアル・ハラスメントが見受けられる場合は、職場の同僚として注意を促すこと。
セクシュアル・ハラスメントを契機として、勤務環境に重大な悪影響が生じたりしないうちに、機会をとらえて職場の同僚として注意を促すなどの対応をとることが必要である。
二 被害を受けていることを見聞きした場合には、声をかけて相談に乗ること。
被害者は、「恥ずかしい」、「トラブルメーカーとのレッテルを貼られたくない」などとの考えから、他の人に対する相談をためらうことがある。被害を深刻にしないように、気が付いたことがあれば、声をかけて気軽に相談に乗ることも大切である。
3 職場においてセクシュアル・ハラスメントがある場合には、第三者として気持ちよく勤務できる環境づくりをする上で、上司等に相談するなどの方法をとることをためらわないこと。
第3 セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合において職員に望まれる事項
1 基本的な心構え
職員は、セクシュアル・ハラスメントを受けた場合にその被害を深刻にしないために、次の事項について認識しておくことが望まれる。
一 一人で我慢しているだけでは、問題は解決しないこと。
セクシュアル・ハラスメントを無視したり、受け流したりしているだけでは、必ずしも状況は改善されないということをまず認識することが大切である。
二 セクシュアル・ハラスメントに対する行動をためらわないこと。
「トラブルメーカーというレッテルを貼られたくない」、「恥ずかしい」などと考えがちだが、被害を深刻なものにしない、他に被害者をつくらない、さらにはセクシュアル・ハラスメントをなくすことは自分だけの問題ではなく良い勤務環境の形成に重要であるとの考えに立って、勇気を出して行動することが求められる。
2 セクシュアル・ハラスメントによる被害を受けたと思うときに望まれる対応
職員はセクシュアル・ハラスメントを受けた場合、次のような行動をとるよう努めることが望まれる。
一 嫌なことは相手に対して明確に意思表示をすること。
セクシュアル・ハラスメントに対しては毅然とした態度をとること、すなわち、はっきりと自分の意思を相手に伝えることが重要である。直接相手に言いにくい場合には、手紙等の手段をとるという方法もある。
二 信頼できる人に相談すること。
まず、職場の同僚や知人等身近な信頼できる人に相談することが大切である。各職場内において解決することが困難な場合には、内部又は外部の相談機関に相談する方法を考える。なお、相談するに当たっては、セクシュアル・ハラスメントが発生した日時、内容等について記録しておくことが望ましい。
別紙2
大臣官房人事課
大臣官房総務課
大臣官房会計課
大臣官房地方課
大臣官房国際課
大臣官房厚生科学課
医政局
健康局
医薬・生活衛生局
労働基準局
職業安定局
雇用環境・均等局
子ども家庭局
社会・援護局
老健局
保険局
年金局
人材開発統括官
政策統括官
各検疫所
各国立ハンセン病療養所
国立医薬品食品衛生研究所
国立保健医療科学院
国立社会保障・人口問題研究所
国立感染症研究所
各国立児童自立支援施設
国立障害者リハビリテーションセンター
各地方厚生局(四国厚生支局を除く。)
四国厚生支局
各都道府県労働局(各労働基準監督署及び各公共職業安定所を除く。)
各労働基準監督署
各公共職業安定所
中央労働委員会事務局(中央労働委員会事務局地方事務所を除く。)
中央労働委員会事務局地方事務所