添付一覧
○創傷被覆・保護材の承認申請に係る取扱いについて
(平成一三年一月二三日)
(医薬審発第四九号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局審査管理課長通知)
人又は動物の組織又は細胞を利用していない創傷被覆・保護材の承認申請に際し添付すべき臨床試験の試験成績に関する資料の取扱いについては、平成一一年七月九日医薬審第一〇四三号審査管理課長通知「医療用具の承認申請に際し留意すべき事項について」の別紙一「クラスⅢに該当する医療用具のうち、原則として臨床試験の試験成績に関する資料の提出が必要な医療用具の例」中に例示され、新医療用具に該当する創傷被覆・保護材は、原則として臨床試験の試験成績に関する資料の提出が必要な医療用具とされているところである。今般、創傷被覆・保護材の承認申請に際しては、下記により取り扱うこととしたので、御了知の上、貴管下関係業者に対し、周知徹底方御配慮願いたい。
なお、本通知の写しを財団法人医療機器センター理事長、日本医療機器関係団体協議会会長、在日米国商工会議所医療機器小委員会委員長及び欧州ビジネス協会協議会医療機器委員会委員長あて送付することとしている。
記
一 創傷被覆・保護材の既承認医療用具との同等性を確認する手法は、一般化されていなかったため、臨床試験により申請品目の有効性、安全性を確認することが必要とされる場合もあった。今般、比較的浅い創傷を対象とする創傷被覆・保護材については、下記四に示す資料により既承認医療用具との比較を行い、同等性を確認することができれば、臨床試験を実施せずとも評価可能と考えられることから、臨床試験を実施せずとも評価できる範囲の考え方を示すこととした。
二 「性能、使用目的、効能又は効果」欄の記載
創傷被覆・保護材は、その対象とする主な創傷の種類に応じて大きく以下の四区分に分類される。申請品目が以下のどの分類に該当するのかを「性能、使用目的、効能又は効果」の項に明示すること。
区分 |
対象とする主な創傷の種類 |
A |
真皮までの創傷(表皮を超え、真皮層に至る創傷) |
B |
皮下脂肪組織までの創傷(真皮層を超え、皮下脂肪組織に至る創傷) |
C |
筋・骨に至る創傷(皮下脂肪組織を超え、筋肉、腱、骨等に至る創傷) |
D |
(Ⅱ度~)Ⅲ度熱傷 |
三 臨床試験の試験成績に関する資料の取扱い
(一) 二の区分A又はBの創傷被覆・保護材であり、既承認医療用具との同等性が認められる場合は、臨床試験の試験成績に関する資料の添付を要しない。
(二) 二の区分A又はBの創傷被覆・保護材であり抗菌性能を有する場合は、含有する抗菌成分が既承認医療用具に含有される抗菌成分と同一であり、その溶出性を含めた抗菌効果が既承認医療用具と同等と認められ、抗菌効果以外についても既承認医療用具との同等性が認められる場合には臨床試験の試験成績の添付を要しない。
四 既承認医療用具との同等性を示す資料
既承認医療用具との同等性は、次の(一)生物学的安全性に関する資料、(二)物理学的同等性に関する資料、(三)使用目的等の比較資料によりその同等性を示すこと。
(一) 次の①又は②の資料
① 材料又は最終製品について、ガイドラインに従って実施された生物学的安全性の試験成績
② 使用成分及び材料が既承認品目と同一であることが確認できる資料
(二) 以下に示す性能特性項目についての既承認品目との比較試験成績。ただし、合理的理由により省略できる項目については、その理由を付すことにより試験成績の提出を省略することができる。
・粘着特性
・吸水特性(吸水量、吸水速度、膨潤率等)
・水蒸気透過性
・酸素透過性
・抗菌性(抗菌成分を含む場合で、既承認品と抗菌成分が同一であり、その溶出特性が同等であること)
・その他(個々の医療用具ごとに個別の性能特性がある場合にはその項目)
(三) 次の項目についての既承認医療用具との比較
・形状、構造及び寸法
・使用目的又は効能効果
・操作方法又は使用方法
五 臨床試験の試験成績に関する資料の取扱い上の留意点
三の場合であっても、四の(一)の材料又は最終製品についてその安全性が説明できない創傷被覆・保護材を申請する場合には、その安全性を補完するため、臨床試験の試験成績に関する資料の添付を要する場合がある。
六 その他
本通知に則り、臨床試験を実施せずとも同等性を確認することができる品目の申請区分は、原則として改良医療用具とすること。
七 通知の改正
平成一一年七月九日医薬審第一〇七三号審査管理課長通知「医療用具の承認申請に際し留意すべき事項について」
(一) 別紙一の二の「創傷被覆・保護材」を「創傷被覆・保護材(平成一三年一月二三日医薬審発第四九号審査管理課長通知「創傷被覆・保護材の承認申請に係る取扱いについて」参照)」に改める。
(二) 別紙一の五の「セラミックス製」を「セラミックス製(平成一二年三月二八日医薬審第五二六号審査管理課長通知「整形インプラント製品の承認申請に係る取扱いについて」(以下「医薬審第五二六号通知」という。)参照)」に改め、「吸収性材料を用いたもの」を「吸収性材料を用いたもの(医薬審第五二六号通知参照)」に改める。