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○年金福祉事業団の設立について

(昭和三七年三月二八日)

(厚生省発保第七五号)

(各都道府県知事あて厚生事務次官通知)

 年金福祉事業団法、同法施行令及び同法施行規則は、それぞれ昭和三十六年十一月一日法律第百八十号、同年十二月十九日政令第四百十四号及び昭和三十七年三月五日厚生省令第八号をもつて公布施行され、同法によつて昭和三十六年十一月二十五日設立された年金福祉事業団(以下「事業団」という。)は、すでにその業務の一部を開始しているところであるが、事業団設立の主たる目的は、厚生年金保険、船員保険及び国民年金の被保険者、被保険者であつた者又は受給権者(以下「被保険者等」という。)の福祉の増進に必要な施設の設置又は整備を促進するための融資を行なうことにあるものであつて、その運営の成否は、今後におけるこれら年金事業の発展に重大な関係を有するものであるから、特に左記事項に留意のうえ、ひろく事業団設立の趣旨の周知徹底とその業務の円滑な運営に何分の御協力を得たく、命によつて通知する。

第一 一般的事項

一 事業団は、従来行なわれていた厚生年金保険積立金の還元融資及び国民年金積立金の特別融資のうち、地方公共団体以外のものを相手方とする融資が、その方法として地方公共団体からの転貸方式をとつていたことによつて種々の制約を受けていたことに鑑み、これらの相手方に対する融資を直接に行ない、もつて還元融資及び特別融資のより適切な運営を図る趣旨から、その実施にあたる特殊法人として設立されたものであつて、これにより、融資の相手方は中小企業、被保険者の組織する団体等をも含めて、その範囲を拡大し、また融資の対象となる施設についても被保険者等の福祉の増進に必要と認められる各種の施設が新たに加えられることとなつたものであること。

二 事業団の行なう融資は、もとより年金事業の一環として、その適正な運営に資することを目的として行なわれるものであるから、年金事業の関係行政庁との密接な連絡のもとに実施されるものであること。

 第二 組織に関する事項

一 事業団は、事務所を東京都におくものであること。

二 役員として理事長一人、理事三人及び監事一人をおき、理事長及び監事は厚生大臣が任命し、理事は理事長が厚生大臣の認可を受けて任命するものであること。

 第三 業務に関する事項

一 事業団が行なう業務は、厚生大臣の認可を受けた業務方法書(別添)により実施されるものであること。

二 事業団の主たる業務は、次のとおりであること。

(1) 次の者に対し、厚生年金保険、船員保険又は国民年金の被保険者等の福祉を増進するため必要な老人福祉施設その他の施設で政令で定めるものの設置又は整備に要する資金の貸付けを行なうこと。

イ 厚生年金保険の適用事業所の事業主又は船員保険の船舶所有者

ロ イの事業主又は船舶所有者である事業者で組織された事業協同組合その他の法人又はこれらの法人の連合体である法人で政令(別添)で定めるもの

ハ 被保険者等である者で組織された農業協同組合、その他の法人又はこれらの法人の連合体である法人で政令で定めるもの

ニ イからハまでのほか、被保険者等の福祉の増進に必要な業務を行なう法人で政令で定めるもの

(2) (1)の業務は、貸付けの決定を除き、銀行その他の金融機関(以下「受託金融機関」という。別添)に委託して行なわれるものであること。

(3) 貸付資金の使途は、新築資金、増改築資金、設備備品購入資金及び土地取得資金であること。

(4) 貸付利率は、年利六分五厘とするが、社会福祉事業については三年間無利子とし、償還期限は二十五年以内であること。

 第四 その他の事項

一 融資の申請は、受託金融機関を窓口として行なわれるものであるが、受託金融機関は、所定の借入申込書類の写しを都道府県知事に送付することとされているので、都道府県知事は、この写しに当該申請に対する意見を添えて厚生省に進達されたいこと。なお、この場合の取扱いの詳細については別途通知されるものであること。

二 融資を受けた者については、融資された資金が、その使途にしたがつて正当に使用され、施設の完成後は当該施設が融資の目的に合致して運営されるよう必要な指導を願いたいこと。