アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○国民年金法等による年金の額の改定に関する政令の一部を改正する政令等の施行について

(平成六年三月一八日)

(庁保発第五号)

(各都道府県知事あて社会保険庁運営部長通知)

国民年金法等による年金の額の改定に関する政令の一部を改正する政令(平成六年政令第五十七号。以下「スライド政令」という。)は、平成六年三月十八日に別添1のとおり公布され、これに伴い、国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令の一部を改正する政令(平成六年政令第五十八号。以下「経過政令」という。)が、同日をもって別添2のとおり公布されたので通知する。

今回の改正は、平成五年平均の全国消費者物価指数が、平成四年に比して、一・三%上昇したことに伴い、平成六年四月から国民年金及び厚生年金保険の年金額等の引き上げを行うものであり、その要旨は次のとおりであるので、これが実施に当たっては、改正内容の周知徹底を図り遺憾のないよう取り扱われたい。

なお、この通知においては、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)を「国年法」と、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)を「厚年法」と、国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下「法律第三十四号」という。)による改正前の国民年金法を「旧国年法」と、法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法を「旧厚年法」と、法律第三十四号による改正前の船員保険法を「旧船保法」と、船員保険法の一部を改正する法律(昭和三十七年法律第五十八号)を「昭和三十七年船保改正法」と、国民年金法等の一部を改正する法律(平成元年法律第八十六号)を「平成元年改正法」と、それぞれ略称する。

第一 国民年金の年金額等の引き上げに関する事項

1 国年法の拠出年金関係

(1) 老齢基礎年金等の額について

老齢基礎年金、障害等級が二級の障害基礎年金及び遺族基礎年金の額を、七三万七三〇〇円から七四万七三〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第一条) 。

(2) 加算額について

ア 振替加算の額の算出に用いる二一万二五〇〇円を二一万五四〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第一条)。

イ 障害基礎年金及び遺族基礎年金の加算額を、七万八〇〇円から七万一八〇〇円に、二一万二五〇〇円から二一万五四〇〇円にそれぞれ引き上げることとされたこと(スライド政令第一条)。

2 旧国年法の拠出年金関係

(1) 老齢年金等の額について

老齢年金、通算老齢年金及び寡婦年金の額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと。

また、老齢年金の最高限度額を、七三万七三〇〇円から七四万七三〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第二条)。

(2) 障害年金等の額について

障害等級が二級の障害年金、母子年金、準母子年金及び遺児年金の額を、七三万七三〇〇円から七四万七三〇〇円に、また、五年年金及び再開五年年金の額を三八万一三〇〇円から三八万六四〇〇円にそれぞれ引き上げることとされたこと(スライド政令第二条)。

(3) 加算額について

ア 他制度から遺族年金等を受けることができる者がないときに加算される母子年金、準母子年金の加算額を、二一万二五〇〇円から二一万五四〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第二条)。

イ 障害年金、母子年金、準母子年金及び遺児年金の加算額を、七万八〇〇円から七万一八〇〇円に、二一万二五〇〇円から二一万五四〇〇円にそれぞれ引き上げることとされたこと(スライド政令第二条)。

(4) 老齢年金の額の特例について

旧国年法第七十七条又は第七十八条の規定により、同法別表に定める程度の障害の状態にある六五歳以上七〇歳未満の者に支給される老齢年金又は七〇歳以上の者に支給される老齢年金の最低保障額を、老齢福祉年金の額の引き上げに準じて、三七万七三〇〇円から三八万二四〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第二条)。

(5) その他

付加年金の額については、従来どおりスライド政令の適用がないこと。

3 老齢福祉年金関係

(1) 老齢福祉年金の額について

老齢福祉年金の額を、三七万七三〇〇円から三八万二四〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第二条)。

(2) 老齢福祉年金の一部の支給を停止する場合の停止額について

老齢福祉年金の受給権者の扶養義務者等の所得により、老齢福祉年金の一部の支給を停止する場合の停止額が、七万一七〇〇円から七万五一〇〇円に改められたこと(経過政令第五十二条)。

第二 厚生年金保険の年金額等の引き上げに関する事項

1 厚年法の年金たる保険給付関係

(1) 厚年法の年金たる保険給付の額について

年金たる保険給付の額の算出に用いる平均標準報酬月額の一〇〇〇分の七・五に被保険者期間の月数を乗じて得る額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと。

ただし、当該算定の基礎となった被保険者期間の全部が平成元年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成二年一月以降の期間であるときを除く。)は、報酬比例部分の改定率が九・七%とされ、当該期間の全部が平成二年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成三年一月以降の期間であるときを除く。)は、報酬比例部分の改定率が六・四%とされ、当該期間の全部が平成三年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成四年一月以降の期間であるときを除く。)は報酬比例部分の改定率が三・〇%とされ、当該期間の全部が平成四年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成五年一月以降の期間であるときを除く。)は報酬比例部分の改定率が一・三%とされ、当該期間の全部が平成五年一月以降の期間であるときは、スライド政令の適用がないこと(スライド政令第三条)。

(2) 老齢厚生年金の年金額について

ア 特別支給の老齢厚生年金の年金額及び老齢厚生年金の経過的加算額の算出に用いる、月当たりの単価である一三八八円に生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額に被保険者期間の月数を乗じて得る額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと(スライド政令第三条)。

イ 加給年金額を、七万八〇〇円から七万一八〇〇円に、二一万二五〇〇円から二一万五四〇〇円にそれぞれ引き上げることとされたこと。

また、加給年金額の特別加算額を、三万一二〇〇円から三万一六〇〇円に、六万二四〇〇円から六万三三〇〇円に、九万三七〇〇円から九万四九〇〇円に、一二万四九〇〇円から一二万六六〇〇円に、一五万六一〇〇円から一五万八二〇〇円にそれぞれ引き上げることとされたこと(スライド政令第三条)。

(3) 障害厚生年金について

ア 障害等級が三級の障害厚生年金の最低保障額を、五五万二九〇〇円から五六万四〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第三条)。

イ 加給年金額を、二一万二五〇〇円から二一万五四〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第三条)。

(4) 遺族厚生年金について

中高齢寡婦加算の額を、五五万二九〇〇円から五六万四〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第三条)。

(5) 沖縄の特別措置による特例加算額について

沖縄の復帰に伴う特別措置により短縮された老齢厚生年金の受給資格期間を満たした者であって、厚生年金保険の被保険者期間が一五年に満たないものに係る老齢厚生年金の額の増額を図る特別措置により加算される特例加算額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと(スライド政令第三条)。

2 旧厚年法の年金たる保険給付関係

(1) 基本年金額について

年金たる保険給付の基本年金額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと。

ただし、基本年金額の計算の基礎となった被保険者期間の全部が平成元年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成二年一月以降の期間であるときを除く。)は、報酬比例部分の改定率が九・七%とされ、当該期間の全部が平成二年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成三年一月以降の期間であるときを除く。)は、報酬比例部分の改定率が六・四%とされ、当該期間の全部が平成三年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成四年一月以降の期間であるときを除く。)は報酬比例部分の改定率が三・〇%とされ、当該期間の全部が平成四年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成五年一月以降の期間であるときを除く。)は報酬比例部分の改定率が一・三%とされ、当該期間の全部が平成五年一月以降の期間であるときは、スライド政令の適用がないこと(スライド政令第四条)。

(2) 障害年金等の最低保障額について

障害年金及び遺族年金の最低保障額を、七三万七三〇〇円から七四万七三〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第四条)。

(3) 従前の例による年金たる保険給付の額について

ア 旧厚年法附則第十六条第一項の規定により支給される従前の遺族年金、寡婦年金、かん夫年金又は遺児年金の例による保険給付の額(従前の加給金又は増額金に相当する給付の額を除く。)を、七三万七三〇〇円から七四万七三〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第四条)。

イ 旧厚年法附則第十六条第一項の規定により支給される従前の遺族年金、寡婦年金、かん夫年金又は遺児年金の例による保険給付を選択した者に係る他の年金給付の併給限度額を、一〇万七八〇〇円から一〇万八二〇〇円に引き上げることとされたこと(経過政令第九十四条)。

(4) 通算老齢年金の額の特例について

沖縄の厚生年金保険法による被保険者であった者に支給する通算老齢年金の額について、特例措置として年齢に応じ年金額の加算が行われる場合の加算される額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと(スライド政令第四条)。

(5) 加給年金額及び寡婦加算額について

加給年金額を、七万八〇〇円から七万一八〇〇円に、二一万二五〇〇円から二一万五四〇〇円にそれぞれ引き上げることとされたこと。

また、寡婦加算の額を、一四万一七〇〇円から一四万三六〇〇円に、二四万八〇〇〇円から二五万一三〇〇円にそれぞれ引き上げることとされたこと(スライド政令第四条)。

(6) 沖縄の特別措置による特例加算額について

沖縄の復帰に伴う特別措置により短縮された老齢年金の受給資格期間を満たした者であって、厚生年金保険の被保険者期間が一五年に満たないものに係る老齢年金の額の増額を図る特別措置により加算される特例加算額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと(スライド政令第三条)。

3 旧船保法の年金たる保険給付関係

(1) 基本年金額について

ア 年金たる保険給付(障害年金及び遺族年金については、職務外の事由によるものに限る。)の基本年金額相当部分の額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと。

ただし、基本年金額相当部分の計算の基礎となった被保険者期間の全部が平成元年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成二年一月以降の期間であるときを除く。)は、報酬比例部分の改定率が九・七%とされ、当該期間の全部が平成二年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成三年一月以降の期間であるときを除く。)は、報酬比例部分の改定率が六・四%とされ、当該期間の全部が平成三年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成四年一月以降の期間であるときを除く。) は報酬比例部分の改定率が三・〇%とされ、当該期間の全部が平成四年一月以降の期間であるとき(被保険者期間の全部が平成五年一月以降の期間であるときを除く。)は報酬比例部分の改定率が一・三%とされ、当該期間の全部が平成五年一月以降の期間であるときは、報酬比例部分の改定は行わないこととされたこと(スライド政令第五条)。

イ 職務上の事由による障害年金受給権者が職務外の事由により死亡したことにより支給される遺族年金の基本年金額相当部分についても、アに準じて引き上げることとされたこと(スライド政令第五条)。

ウ 職務上の事由による障害年金又は遺族年金の額については、いわゆる災害補償に相当する部分以外の部分の額についても、アに準じて引き上げることとされたこと(スライド政令第六条)。

(2) 障害年金等の最低保障額について

障害年金及び遺族年金の最低保障額を、七三万七三〇〇円から七四万七三〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第五条及び第六条)。

(3) 旧陸軍共済組合等の組合員期間を有する者の年金額について

旧陸軍共済組合等の組合員であった期間を船員保険の被保険者であった期間とみなして支給される通算老齢年金及び遺族年金の額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと(スライド政令第五条)。

(4) 従前の例による年金たる保険給付の額について

ア 昭和三十七年船保改正法附則第三項の規定により支給される従前の寡婦年金、かん夫年金又は遺児年金の例による保険給付の額(加給金及び増額金を除く。)を、七三万七三〇〇円から七四万七三〇〇円に引き上げることとされたこと(スライド政令第五条)。

イ 昭和三十七年船保改正法附則第三項の規定により支給される従前の寡婦年金、かん夫年金又は遺児年金の例による保険給付を選択した者に係る他の年金たる保険給付の併給限度額を、一〇万七八〇〇円から一〇万八二〇〇円に引き上げることとされたこと(経過政令第百十七条)。

(5) 通算老齢年金の額の特例について

沖縄の厚生年金保険法による被保険者であった者の当該期間が旧船保法による被保険者期間とみなされる者に支給される通算老齢年金の額については、特例措置として年齢に応じ年金額の加算が行われる場合があるが、この加算される額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと(スライド政令第五条)。

(6) 加給金及び寡婦加算額について

ア 職務上の事由による障害年金受給権者が職務外の事由により死亡したことにより支給される遺族年金の額に加算される旧船保法第五十条ノ三ノ三に規定する額(以下「加給金等」という。)の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと。

なお、職務上の事由により死亡した場合に支給される遺族年金の額に加算される加給金等については、スライド政令の適用がないこと。

イ アに掲げる以外の加給金等及び寡婦加算の額を、七万八〇〇円から七万一八〇〇円に、一四万一七〇〇円から一四万三六〇〇円に、二一万二五〇〇円から二一万五四〇〇円に、二四万八〇〇〇円から二五万一三〇〇円に、四二万五〇〇〇円から四三万八〇〇円に、四九万五八〇〇円から五〇万二六〇〇円にそれぞれ引き上げることとされたこと(スライド政令第五条及び第六条)。

(7) 沖縄の特別措置による特例加算額について

沖縄の復帰に伴う特別措置により短縮された老齢年金の受給資格期間を満たした者であって、厚生年金保険の被保険者期間が一五年に満たないものに係る老齢年金の額の増額を図る特別措置により加算される特例加算額の改定率を、一〇・七%から一二・二%に引き上げることとされたこと(スライド政令第三条)。

別添1・2 略