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○国民健康保険保険給付の取扱いについて

(昭和三五年五月二日)

(保険発第五三号の二各都道府県民生部(局)長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知)

福岡県民生部長から別紙1のとおり照会があり、それに対して別紙2のとおり回答したから了知されたい。

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〔別紙1〕

(昭和三五年四月二日 三五保発第七八四号)

(厚生省保険局国民健康保険課長あて 福岡県民生部長照会)

国民健康保険法第三十六条の規定による療養の給付を行うに当って、左記のとおり疑義を生じましたので、折返し御教示を賜わりたくお願いします。

1 被保険者が、道路交通取締法(昭和二十二年法律第百三十号)第九条第一項又は第九条の二第一項の規定による免許若しくは許可を受けないで、自動車又は原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転して、事故を生ぜしめ、被保険者自身が負傷した場合においては次のいずれにより取扱うべきか。

(イ) 法令に定められた運転の資格を持たない(無免許、無許可。)で、自動車等を運転し事故を起し負傷したことについては、当該関係法令においては違法と認められるが、そのことにより保険給付(療養の給付)に関しては、故意による負傷とは認め難く従つて因果関係は生じないものと解して療養の給付は行うべきである。

(ロ) 法令に定められた運転の資格を持たない(無免許無許可)で、自動車等を運転して事故を起し、負傷したことについて、運転免許又は運転許可を受けないで運転することは当然事故を起し、負傷する等のことを予測されるものと解されるから国民健康保険法第六十条の規定に基く故意の負傷と認め、療養の給付は行うべきでない。

(附記)

なお、このことについては、健康保険法第六十条にも同様の規定があり、保険局健康保険課編、社会保険法規研究会発行の「健康保険法の解釈と運用」の同条の解説(八百七十三頁)によれば(無許可で所持していた拳銃の掃除をしようとして負傷したとき、鉄道線路を通行し、列車のため負傷したとき等は犯罪行為により保険事故を生じたものと解されている)とあるので、無免許運転は事故発生の原因であるから法で禁止されていることを禁を犯し、敢えて行つた行為は自己の故意の犯罪行為によるものとして保険給付を制限すべきであると解されるがどうか。

〔別紙2〕

(昭和三五年五月二日 保険発第五三号)

(福岡県民生部長あて 厚生省保険局国民健康保険課長回答)

昭和三十五年四月二日三五保発第七八四号をもつて照会のあつた標記については、法第六十条の規定により自己の犯罪行為によるものとして保険給付を行なわないものである。