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○船員保険法第五十三条第一項第一号の船舶内にある場合の傷病手当金の支給について
(昭和三四年五月八日)
(三四保険発第五〇五号)
(厚生省保険局船員保険課長あて茨城県民生労働部保険課長照会)
標記の件につき左記のとおり疑義がありますので何分の御教示を賜わりたくお願いします。
記
一 請求事案の概要
1 船舶名及び船舶所有者氏名
日魯漁業(北洋さけ、ます漁業)旭光丸船団所属独航船第七清共丸(北茨城市平湯町九三番地)田所寅吉
2 傷病船員の氏名及び職種
小笠原 清 甲板員
昭和八年七月十四日生
3 昭和三十三年六月十日独航船第七清共丸が操業中前記船員は投網される網の纏絡を防止するため網さばきに従事していたが、その間に受傷したものにして作業終了後船内備付の塗布薬を施したのみで放置していたがその後十九日に至り頻りに疼痛を訴えるので、翌二十日母船たる軌光丸の船医石沢整の診療を受け、爾来漁期終了まで同船診療所に入所し療養していたものである。
右について本年六月六日にいたりこの間の傷病手当金を支給されたいとして証拠書類を添えて請求書の提出があった(法の不知による請求遅延と思料される)
二 疑義の点
本案件の傷病手当金に関しては船舶内にあるときのものなるため船員保険法第五十三条第一項第一号該当により支給すべきでないと解すべきが妥当とも考えられるが、本条の規定はその船舶の乗組員として該船舶内にあるときの保険給付に関し適用されるものにして本事案の如く他の船舶の診療所に入所した場合は該当しない(昭和二十五年三月十三日保文発第五五〇号「在港船舶内の診療について」通達の趣旨よりも斯く解釈するのが妥当)と解すべきものとも思料されるが如何。
船員保険法第五十三条第一項第一号の船舶内にある場合の傷病手当金の支給について
(昭和三四年五月一九日 保文発第三七九三号)
(茨城県民生労働部保険課長あて厚生省保険局
船員保険課長回答)
五月八日三四保険発第五〇五号をもって照会のあった標記について、船員保険法第五十三条第一項第一号に規定する船舶には、船員として乗り組む船舶は勿論、他の全ての船舶も含まれると解すべきである。