添付一覧
○寡婦年金受給者の離籍による取扱の疑義照会について
(昭和三〇年三月三一日)
(渋保給発第一〇二号)
(厚生省厚生年金保険課長あて渋谷社会保険出張所長照会)
標記の取り扱いについては、昭和二十五年七月十日保文発第一、六〇一号通ちようにより取扱い致しておりますがこの場合において
(1) 民法第七百二十八条第二項による「意思表示」をした場合であつても同通ちようの取扱に変更はないか(旧法関係)
(2) 前記の「意思表示」をしないで前記通ちように示された「例」と同様に、事実上離籍している場合には、厚生年金保険法第六十三条第一項第四号の失権事由に該当するか。(新法関係)
(参考)この場合原籍に復帰した寡婦の氏名は、戸籍上も復籍しているが同時に行つた子供(一八歳未満)は、元の氏名のままで寡婦と同居している。
(3) (1)の場合の加給金の取扱如何
なお「寡婦」の年金受給者が離籍した場合について旧法の受給者と新法の受給者との取扱上の相違点を概略御教示願いたい。
(昭和三〇年四月一二日 保文発第三、四四一号)
(渋谷社会保険出張書長あて 厚生省厚生年金保険課長回答)
昭和三十年三月三十一日渋保給発第一〇二号をもつて照会された標記の件については、左記のとおり回答する。
記
(1) 旧法による寡婦年金は、被保険者又は被保険者であつた者が死亡した場合に、死亡した者の寡婦及び遺児の生活を保障する趣旨のものである。従つて、姻族関係の終了は、例示の通ちようの取扱になんらの影響も及ぼさない。
(2) 法律上「離縁」とは、養子縁組の解消をいうのであり、民法第七百二十八条第二項による意思表示は、これに含まれない。従つて、厚生年金保険法第六十三条第一項第四号の失権事由には該当しない。
(3) 旧法第四十七条の四には「第二十六条の六第一項第二号に規定する子在るときは・・・・・・・・」と規定されているので、寡婦年金受給者とその加給金の対象となつている子とが生計を異にするに至つても、なお加給金を支給するものと解される。
なお、旧法による寡婦年金の受給者及び新法による遺族年金の受給者である妻に対する取扱は、離籍の事実によつて差異を生ずることはない。ただし、(3)に注意すること。