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○寡婦年金受給者の疑義について

寡婦(鰥夫)、遺児年金受給者の疑義について

(昭和二四年二月 久保業第六八号)

(厚生省厚生年金保険課長あて 久留米社会保険出張所長照会)

標記の件に関して厚生年金保険法第二十六条ノ六第一号に規定する寡婦の意義並びにその受給権の失権について、左記事項の点に聊か疑義があるので、至急何分の御教示を仰ぎたい。

1 法第二十六条ノ六第一号に規定する寡婦とは、被保険者の死亡当時五〇歳以上の寡婦を要件としているが、満一六歳以上の子を有しておる場合においても本号に該当する寡婦と解すべきや、若しくは五〇歳以上の孤独の寡婦のみを指すものと解すべきや、尚、前者の場合においても寡婦年金が支給され得るものとせば、法第四十六条第三号の規定によつて受給権を失権する者と著しく均衡を失し矛盾を生ずるが如何。

2 寡婦(鰥夫)、遺児年金受給者自体が満一六歳以上の者と養子縁組したるときは、法第四十六条第二号に該当しないので寡婦年金を支給してよろしいか、若しくは同条第三号に規定する「子又ハ孫ガ十六歳ニ達シタルトキ」に該当するものと解すべきや。

例えば、孤独なる寡婦が家の後継者として満一六歳以上の者を養子した場合如何。

(昭和二四年二月二五日 保文発第三三三号)

(久留米社会保険出張所長あて 厚生省厚生年金保険課長回答)

久保業第六八号を以て照会があつた標記の権については、左記の通り回答する。

1 法第二十六条ノ六第一項第一号に規定する寡婦は、子の有無に関係がない。従つて、孤独の寡婦のみを指すものでないことは勿論である。

法第四十六条第三号の規定によつて、失権する者との均衡については、

(1) 法第二十六条ノ六第一項第二号に該当する寡婦年金受給者は、子が一六歳に達したときには失権するが、それは、子が一六歳に達すれば、その寡婦は法第二十六条ノ六第一項第二号に該当しなくなるから失権するのであつて、法第四十六条第三号によつて失権するのではない。

(2) 寡婦年金を支給する配偶者の範囲を、

(イ) 五〇歳以上の者

(ロ) 五〇歳未満の者で一六歳未満の子又は不具廃疾の子のあるもの(一六歳未満の子がある期間)

(ハ) 不具廃疾者

とした主な理由は、(イ)、(ハ)は稼働が困難であり、(ロ)は一六歳未満の子がある期間は稼働を著しく制限されるからである。

法の趣旨は、以上の通りであるから、均衡を失し、矛盾があるとは考えられない。

2 寡婦年金受給者が養子縁組によつて養親となつた場合は、養子縁組によつて養子となつたのではないから、法第四十六条第二号に該当しない。

「子又ハ孫ガ十六歳ニ達シタルトキ」に該当するかどうかについては、寡婦年金受給者が一六歳以上の者を養子にしても第四十六条第三号に該当しない。