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○高血圧の治療指針、精神科の治療指針及び歯槽膿漏症の治療指針の改正及び制定について

(昭和三六年一〇月二七日)

(保険発第九二号)

(各都道府県民生部(局)保険課(部)・各都道府県民生部(局)国民健康保険課(部)長あて厚生省医療課長通知)

注 昭和四二年七月一七日保発第二六号による内容現在

標記のことについては、昭和三十六年十月二十八日厚生省告示第三百七十二号をもつて性病等の治療方針、治療基準及び治療方法(昭和三十二年四月厚生省告示第百二十五号)の一部を改正する告示が別紙のとおり公布され、本年十一月一日から施行されることとなり、同時に保険医療機関及び保険医療担当規則の一部を改正する省令並びに保険医及び保険薬剤師の使用医薬品の購入価額の一部を改正する告示及び慢性疾患並びに特定の薬剤、治療材料等及びその価額の一部を改正する告示が昭和三十六年十月二十八日厚生省令第四十五号並びに厚生省告示第三百七十三号及び第三百七十四号をもつてそれぞれ別紙のとおり公布され、本年十一月一日から施行されることとなつたので、次の事項につき十分留意のうえ支障のないよう努められたい。

1 今回の「高血圧の治療指針」及び「精神科の治療指針」の改正要点並びに新たに制定された「歯槽膿漏症の治療指針」の要旨はそれぞれ別紙のとおりであること。

2 今回の三治療指針の改正及び制定に伴い、新たに保険医、保険薬剤師の使用医療品に加えられた新薬は、前記のとおり薬価基準に追加収載されたが、これと同時に既収載関係薬剤で購入価額に変動を生じているものについては、その収載価額を改めたこと。なお、各治療指針に新規収載された薬剤については、一般名と販売名との対照表を別紙に掲げたので参考とされたいこと。

3 「精神科の治療指針」の改正に伴う注意事項

(1) 「精神科の治療指針」という名称は、「精神科領域で行なわれる治療の治療指針」の意であつて、この指針中に掲げられている治療を行なうに当つては、たとえ精神科を標榜していない保険医の場合にあつてもこの治療指針によるべきは当然であること。

(2) 新たに追加されたレクリエーシヨン療法については、他の作業療法同様入院時基本診療料又は入院料に含まれるものであつて、別個に算定することは認められないものであること。

(3) 指針では新たに精神療法の章に「集団療法」が加えられているが、本療法については、甲点数表の区分「一五五」精神療法、乙点数表にあつては、昭和二十七年四月三十日保険発第一一九号で精神病知能検査の準用算定を認めている精神療法に該当しないものであること。従つて、この「集団療法」については別個に診療報酬算定はできないものであること。

(4) 甲点数表により診療報酬を算定する場合、昭和三十四年六月十八日保険発第九一号通知により特殊薬物療法として経口投与された薬剤の薬剤料については、投薬料の算定方法によらず、第七部第二節の薬剤料の算定方法によることになつているが、この取扱いは改正指針の「特殊療法」の「Ⅵ特殊薬物療法」の章に掲げられている特殊薬物療法としての経口投与薬剤に限つて適用されるものであつて、同一薬剤であつても指針にいう特殊薬物療法としての使用でない場合及び「Ⅶ精神科領域で用いられるその他の薬物」、「Ⅷ抗てんかん剤」「Ⅸアルコール中毒の抗酒剤療法」の章に述べられている薬物療法に用いた薬剤については適用されないものであること。(これらの内服薬については投薬料の算定方法により算定する。)

4 「歯槽膿漏症の治療指針」の制定に伴う注意事項

(1) 歯槽膿漏症の診断は、病勢の進行程度により、一度より四度までの四段階に区分してすること。

(2) 歯槽膿漏症の初期と歯齦(縁)炎との鑑別診断は困難であるが、診断のため歯石除去を行なうことにより短時日に治癒するものは歯齦(縁)炎として取扱い、しからざるものを歯槽膿漏症として取扱うこととすること。

なお、この際の歯石除去にあたつて、一顎を三分割して行なうこと、又は処置のために必要に応じてテラ・コートリル軟膏、ヒノポロン及びプレステロン歯科用軟膏等を使用することは差し支えない。

(3)・(4) 削除(昭42・7・17保発第26号により)

(5) 昭和三十三年十一月十八日保険発第一五五号による「歯槽膿漏症に対する取扱いについて」の通達は廃止する。

高血圧の治療指針の改正要点

1 最近までの医学の進歩にともない、新しい降圧剤を収載して「第三章薬物療法」を全面的に改正した。新たに追加された薬剤は次の如くである。

(※は 薬価基準新収載品目)

自律神経遮断剤    ペントリニウム

メカミラミン

ペントメチルピペリジン

グアネチジン ※

カンヒジニウム化合物

ブレチリウムトシレート ※

ベンゾチアジアジン  クロロチアジド

系剤         ヒドロクロロチアジド

ベンチルヒドロクロロチアジド ※

ベンゾチアジド ※

トリクロルメチアジド ※

チクロペンチアジド ※

五-クロロ-二・四ジスルフアミルトルエ

ン ※

クロルベンゾールスルホンアミド ※

クロルタリドン ※

ヒドロフルメチアジド

ベンドロフルメチアジド

ラウオルフイア剤   十-メトキシデセルピジン ※

その他

ジヒドロエルゴツト  ジヒドロエルゴコルニン ※             

アルカロイド     ジヒドロエルゴクリスチン ※            

ジヒドロエルゴクリプチン ※            

グルタミルコリン

2 降圧剤の併用は旧指針では試験的段階にあるとされているが、単独療法で降圧効果不十分の際、病状に応じ作用機序の異なる降圧剤の適当な組合せを選び二種以上併用することは有利とされている。

「精神科の治療指針」改正要点

1 指針の名が「精神病の治療指針」から「精神科の治療指針」に改められた。

2 「特殊薬物療法」の章の全面改正

(イ) 精神運動興奮状態に用いる薬剤としてレセルピン、クロルプロマジン、パカタール以外に次のものを追加した。(※印は薬価基準新収載医薬品)

プロマジン プロクロルペラジン パーフエナジン

アセチルプロマジン メトプロマジン レボメプロマジン トリプルプロマジン※ フルフエナジン※ チオプロペラジン プロチベンジル※ クロルプロチキセン※ テトラペナジン※

(ロ) これらのものの標準的使用量が増量され、標準的使用期間が延長されたが、実態は既に改正の如く使用されている面が多い。

(ハ) 抗うつ剤が追加された。(全部新規)

イミノジベンチール系剤 イミプラミン、アミトリプチリン、ヘマトポルフイリン

ヒドラジン系剤     フエニプラジン、フエネルジン、ナイアラマイド、イソカルボキザジド

3 「精神科領域で用いられるその他の薬物」の章の新設

(イ) 精神神経症に対するベンツヒドロール系化合物、トランキライザーの使用

(ロ) 精神賦活剤(中枢刺激剤) ピプラドロール、メチルフエニデード、ジメチルアミノエタノール、カフイロン、フエニルイソヒダントイン、アザサイクロノール(抗幻覚剤)

(ハ) 神経症に対するクロルジアゼポキサイドの使用

(ニ) ナルコレプシーの治療薬 ピプラドロール、メチルフエニデート、カフイロン、カフエイン、フエニルイソヒダントイン、イミプラミン

4 「抗てんかん剤」の章の新設 新規薬品 メタルビタール、フエネトライド、ギヤボブ

5 「精神療法」として支持説得療法、集団療法を追加

6 「作業療法」としてレクリエーション療法を追加

歯槽膿漏症の治療指針の要点

1 指針の新設にいたる経過 歯槽膿漏症は病因、病理、症状が複雑であり、従つてその分類、治療法等も医学の進歩とともにますます複雑な高度なものとなつた。そこで古い不適正な診療効率のよくない療法等を改め、新しい医学の進歩をとりいれるため、日本歯科医学会に諮問を行ない、昭和三十四年三月同学会より「歯槽膿漏症の療法」として答申を得たので、これを慎重に検討のうえ「歯槽膿漏症の治療指針」を作成した。

2 指針の概要

(1) この指針の中で一貫して強調されていることは次の三点である。

(Ⅰ) 診断を確実にし、適切な療法を行なうとともに、特に早期発見、早期治療が効果的であり、大切であること。

(Ⅱ) 患者には熱心、かつ懇切に本症の本態と治ゆの困難性を説明し、予後の良否は患者の自覚と家庭療法の適否により左右されることが多いことを指摘し、積極的に協力させること。

(Ⅲ) 本症の治療には、合理的な局所療法こそ最大の要素であり、これなくしては本症の治ゆは望めないこと。

(2) この指針の内容

(Ⅰ) 歯槽膿漏症の診断

診断にあたつては、三大徴候(盲のうの形成、盲のうよりの排膿、歯の弛緩動揺)に留意すること。また、X線による診断は極めて有力な手段であること。

局所原因と全身原因を考慮すること。

(Ⅱ) 歯槽膿漏症の予後

(Ⅲ) 歯槽膿漏症の治療

ア 保存療法(歯石除去、盲のう貼薬療法、盲のう掻爬療法)

イ 外科療法(歯齦切除術、歯齦剥離掻爬術)

ウ 負担軽減療法(咬交調整法、固定法)

エ 全身療法(食餌療法、ビタミン療法、ホルモン療法)

オ 後療法

(Ⅳ) 別表(以上の各項について一覧表として整理したもの。)

(3) 歯槽膿漏症の治療に新に追加した薬剤は保存療法に際して使用されるP―パロチンゾルである。

Ⅰ 精神科治療指針関係剤

 

一般名

販売名

会社名

薬価基準収載

フエノチアジン系

プロマジン

セーバミン

万有製薬

メベジン

パカタール

田辺製薬

プロクロルペラジン

ノバミン

塩野義

パソトミン

吉富製薬

 

パーフェナジン

トリラホン

塩野義

トリオミン

山之内

ピーゼットシー

吉富製薬

アセチルプロマジン

プレジシル

三共

レポメプロマジン

ヒルナミン

塩野義

トリフルプロマジン

ベスプリン

昭和薬品化工

フルフェナジン

アナテンゾール

フルメジン

吉富製薬

セビノール

塩野義

チオプロペラジン

セフアルミン

プロチベンジル

チモバン

日本新薬

クロルプロチキセン

トラキラン

エーザイ

レセルピン系

テトラベナジン

ルビゲン

レギュリン

武田薬品

イミプラミン

トフラニール

藤沢薬工

アミトリプチリン

トリプタノール

万有製薬

ヘマトボルフィリン

ヘリオダイン

第一製薬

ヒドラジン系

フェニプラジン

カトロン

中外製薬

フエネルジン

ナルデル

小野薬工

ナイアラマイド

ナイヤマイド

台糖ファイザー

イソカルボキサジド

エナーザー

武田薬品日本新薬

その他

ピプラドロール

ピプラドロール

塩野義

メチルフェデート

リタリン

チバ製品

ジメチルアミノエタノール

イーゾン

大日本製薬

ジメノール

鳥居薬品

レクレイン

吉富製薬

カフイロン

カフィロン

山之内

フエニルイソヒダントイン

マイアミン

大日本製薬

セントラミン

吉富製薬

アザサイクロール

フレンケル

塩野義

クロルジアゼポキサイド

コントール

武田薬工

バランス

山之内

抗てんかん剤

フエノバルビタール

フェノバルビタール

藤永製薬

リナーセン

第一製薬

メチルフエノバルビタール

プロミナール

吉富製薬

メタルビタール

ゲモニール

大日本製薬

フエニルエチルーヘキ

 

 

 

サヒドロピリミジンダイオン

マイソリン

ジフエニルヒダントイン

アレビアチン

エチルフェニルヒダントイン

アクセノン

トリメチルオキサゾリ

ミノアレビアチン

ジンダイオン

 

 

 

フエナセチルウレア

フエナセマイド

フェニルアセルチル尿素

帝国化学産業

フエネトライド

トリヌライド

小玉商事

アセタゾールアジド

ダイアモックス

武田薬品

ギヤボブ

カミベタール

小野薬品

Ⅱ 高血圧治療指針関係剤

 

一般名

販売名

会社名

薬価基準収載

ラウオルフィアセルペンチーナ剤

一〇メトキシデセルピジン

デカルセンピン錠

中外製薬

新収載

自律神経遮断

ペントリニウム

アンソライセン

大日本製薬

既収載

メカミラミン

メバジン

明治製薬

ペントメチルピペリジン

パロライセン

大日本製薬

カンヒジニウム化合物

カンヒドニウムRS

田辺製薬

ブレチリウムトシレート

ダレンチン

中外製薬

新収載

ベンゾ

チアジ

アジン

グアネチジン

イスメリン

チバ製品

クロロチアジド

クロトライド

万有製薬

既収載

ヒドロクロロチアジド

エンドレックス

武田薬品

ダイクロトライド

日本メルク万有

ベンチルヒドロクロロチアジド

ベハイド

杏林製薬

新収載

ベンソチアジド

レグロン

山之内

フォーベン

台糖ファイザー

 

トリクロルメチアジド

フルイトラン

塩野義

チクロペンチアジド

ナビドレックス

チバ製品

5―クロロ―2・4ヂスルフアミルトルエン

ジウレックス

エーザイ

既収載

クロルベンゾールスルホンアミド

サルトロン

第一製薬

クロルタリンドン

ハイグロトン

藤沢薬工

ヒドロフルメチアジド

ロンチル

三共

ベンドロフルメチアジド

センチル

その他

 

 

 

 

 

ジヒドロエルゴユルニン

 

ヒデルギン

新収載

ジヒドロエルゴクリスチン

ジヒドロエルゴクリプチン

 

 

 

 

 

ペンタエリスリトール

ハセスロール

塩野義

既収載

テトラニトレート

アミコリン酸

武田薬品

グルタミルコリン

グルシン注

武田薬品