添付一覧
○診療報酬請求書及び診療報酬請求明細書の記載要領について
(昭和三三年一〇月三〇日)
(保険発第一四六号)
(各都道府県民生部(局)保険課(部)・国民健康保険課長あて厚生省保険局医療課長通知)
診療報酬請求書等の様式の改正については、本年十月十三日厚生省令第三十一号「保険医療機関及び保険薬局の療養の給付に関する費用の請求に関する省令」が制定されたところであるが、これが記載要領は左記のとおりであるので、関係者に対して周知徹底に努め、療養の給付に関する費用の請求につき遺憾のないよう特段の指導を煩わしたい。
なお、国民健康保険関係の診療報酬請求書及び同明細書の記載要領については、結核予防法公費負担額につき療養担当者が記載するのほかは同様であるので念のため申し添える。
診療報酬請求書、診療報酬請求明細書等の記載要領
第一 診療報酬請求書に関する事項
一 新たに甲乙欄を右上欄外に設け、甲点数表を採用した保険医療機関に係る診療報酬請求書(以下「請求書」という。)の場合には甲欄を、乙点数表を採用した保険医療機関に係る請求書の場合には乙欄を〇で囲むこととしたこと。
なお、「甲」又は「乙」のみを印刷した様式を用いることは差し支えないこと。
二 新たに医科歯科欄を設け、歯科診療以外の診療に係る請求書の場合は「医科」を、歯科診療に係る請求書の場合は「歯科」を〇で囲むこと。
なお、予め「医科」又は「歯科」のみを印刷した様式を用いることは差し支えないこと。
三 その他の事項に関する記載要領は、従前どおりであること。
第二 診療報酬請求明細書に関する事項
一 診療報酬請求明細書(以下「明細書」という。)の区分は次のとおりであること。
様式第二(一)甲点数表を採用した保険医療機関において療養の給付をうけている被保険者及び被保険者であつた者であつて入院している患者に係る明細書
様式第二(二)甲点数表を採用した保険医療機関において療養の給付をうけている被扶養者であつて入院している患者に係る明細書
様式第二(三)甲点数表を採用した保険医療機関において療養の給付をうけている被保険者及び被保険者であつた者であつて入院している患者以外の患者に係る明細書
様式第二(四)甲点数表を採用した保険医療機関において療養の給付をうけている被扶養者であつて入院している患者以外の患者に係る明細書
様式第三(一)歯科診療であつて被保険者及び被保険者であつた者に係る明細書
様式第三(二)歯科診療であつて被扶養者に係る明細書
様式第四(一)乙点数表を採用した保険医療機関において療養の給付をうけている被保険者及び被保険者であつた者に係る明細書
様式第四(二)乙点数表を採用した保険医療機関において療養の給付をうけている被扶養者に係る明細書
二 甲表用入院分明細書(様式第二(一)及び(二))の記載要領は次のとおりであること。
(1) 保険者名欄、氏名欄、生年欄、職務上外の別欄、診療開始日欄、結核予防法による公費負担額欄、一部負担金額欄の記載要領は、従前どおりであること。
右の点については、「保険医療機関及び保険薬局の療養の給付に関する費用の請求に関する省令の一部改正について」(昭和三十二年七月二十二日保発第六七号各都道府県知事あて保険局長通達)を参考とすること。
(2) 診療担当保険医氏名は、廃止し、開設者氏名を記入し、捺印することとしたこと。
なお、開設者氏名は、請求書記載の開設者氏名と同一のものとし、開設者から費用請求等につき委任を受けている場合には、保険医療機関の管理者の氏名であつて差し支えないこと。
また、捺印については、予め、明細書に保険医療機関の所在地、名称及び開設者の氏名とともに印形を一括印刷している場合には捺印として取り扱うものであること。
また、保険医療機関自体で明細書の調製をしない場合において、記名捺印の労をはぶくため、保険医療機関の所在地、名称及び開設者の氏名及び印のゴム印を作製の上、これを押捺するものについては、前項と同様に取り扱うものであること。
(3) 左側欄外の「昭和 年 月分」の記載は、診療月のみの記載で差し支えないこと。
なお、診療月の翌月以外の月に請求する明細書については、診療年月を記載すること。
(4) 初診欄は、診療時間内の初診の場合は、点数のみを、診療時間外又は深夜の初診の場合は、該当文字を〇で囲むとともに点数を記載すること。
なお、初診時基本診療料に含まれる簡単な診療行為については、それらを行つた場合においても記入の要はないこと。
(5) 前段|削除
使用薬剤の薬価が六〇円を超える場合には、使用単位及び点数はもちろん、その薬名及び使用量を摘要欄等に記入すること。
(6) 前段|削除
使用薬剤の薬価が六〇円を超える場合には、注射回数及び点数のほか、使用薬剤の名称、濃度、使用量等を摘要欄等に記入すること。
なお、使用薬剤の名称については、別表(一)による略称を参照のこと。
(7) 検査欄は、検査名、各検査の回数及び点数を記入すること。検査にあたつて薬剤を施用した場合は、その薬剤ごとに薬名、使用量及び点数を記入すること。
(8) レントゲン欄は、写真診断のみの場合は、写真の種類、回数及び点数を、撮影と診断と併せて行つた場合は、その部位、種類、使用フイルムの大きさ、回数及び点数を記入すること。
なお、造影剤を使用した場合は、その造影剤名、用量、回数及び点数を記入すること。
(9) 処置及び手術欄は、処置及び手術名、回数、点数を記入すること。処置及び手術にあたつて麻酔を行つた場合は麻酔の項に、麻酔の種類、回数及び点数を、特定治療材料を使用した場合は材料の項に使用材料の名称及び点数を、特定麻酔剤又は特定薬剤を使用した場合は薬剤の項にその薬名、使用量及び点数を記入すること。
(10) その他欄は、理学療法、精神病特殊療法等を行つた場合に記入すること。
(11) 入院欄は、病院・診療所別、基準給食・普通給食・給食設備無しの別、基準看護の種類別、基準寝具設備の有無別に、該当文字を〇で囲むこと。
また、当該保険医療機関に入院した日を記入し(当該診療月の一日が、既に入院後三月経過後である場合は省略して差し支えない)、入院期間に応じた所定点数、日数及び点数を記入すること。
その他の加算の項は、インキユベーター、鉄の肺等を使用した場合等特別の加算のある場合に、その加算事由とともに記入すること。
(12) 従来一部の患者にかかる明細書の摘要欄に記載されていた病状については、原則としてその病状の記載は必要としないものであること。
(13) その他の点は、従前どおり記載すること。
三 甲表用外来者分明細書(様式第二(三)及び(四))の記載要領は、次に掲げるもののほか、甲表用入院分明細書(本人)及び甲表用入院分明細書(家族)の記載要領と同一であること。
(1) 再診欄は、診療時間内、診療時間外、深夜別にそれぞれ回数と点数を記入すること。
なお、電話による等実際の再診を行わなかつた場合の内訳回数は、摘要欄に再掲すること。
(2) 往診欄は、該当文字を〇で囲むとともに、その回数及び点数を記入すること。
四 削除
五 乙表用明細書(様式第四(一)及び(二)の記載要領は、甲表用明細書の記載要領(1)から(3)まで及び(12)に関する事項のほかは、次のものを除き従前どおりとすること。
(1) 注射欄は、使用薬剤の購入価格が一五円以下の場合は、薬名、用量等の記載は必要でないこと。使用薬剤の購入価格が一五円を超える場合に記載する薬名については、別表(一)による略称を参照のこと。
(2) 投薬欄は、使用薬剤の購入価格が一五円を超えて三〇円までのものについては、主剤のみを記載して差し支えないものであること。
(3) 処方せんを交付した場合については「その他」の欄に記入すべき事項は従前どおりであるが摘要欄に処方内容を記入する必要はないものとすること。
第三 調剤報酬請求書及び調剤報酬請求明細書に関する事項
調剤報酬請求書は、従前どおりであり、調剤報酬請求明細書は、調剤担当保険薬剤師氏名を開設者氏名に改め、捺印させることとしたほかは従前どおりであること。
第四 経過措置
一 改正前の様式第一号による請求書は、当分の間、使用して差し支えないこと。この場合においては、「甲」又は「乙」の表示及び「医科」又は「歯科」の表示は、省略して差し支えないこと。
二 改正前の様式第二号(一)及び(二)による明細書は、乙点数表を採用している保険医療機関にあつては、当分の間、使用して差し支えないこと。この場合においては、療法開始年月日の記載は不要であるが、診療担当保険医氏名欄には開設者氏名を記入し、かつ、捺印をする必要があること。
三 改正前の様式第四号による調剤報酬請求明細書は、当分の間使用して差し支えないが、この場合においては、調剤担当保険薬剤師氏名欄には開設者氏名を記入し、かつ、捺印をする必要があること。
第五 その他
一 捺印洩れの明細書の措置について
捺印のない明細書については、支払基金において請求書記載の件数、点数、一部負担金額等と照合のうえ、保険医療機関の単なる捺印洩れであることが明確であると認めた場合には、支払基金において単なる捺印洩れであり、正規の明細書と変らない旨の証明を一定の方式により行うこととし、この証明を行つた場合は、捺印のある正規の明細書と同様に取り扱うこととしたから、特に留意のうえ、各保険者に対し周知徹底を図ること。
二 保険者名の略称について
保険者名の略称については、目下統一的取扱を検討中であり、おつて指示した場合には保険者名の略称を用いて差し支えないこととしていること。
別表(一)
注射薬略称表
薬名 |
略称 |
薬名 |
略称 |
アクリフラビン注射液 |
アクリフ |
塩酸エフェドリン注射液 |
エフエド |
アセトスルファミン注射液 |
アセトS |
塩酸エメチン注射液 |
エメチン |
アミノコルジン注射液 |
アミノコ |
塩酸ジフェンヒドラミン注射液 |
ジフエン |
アミノフィリン注射液 |
アミノフ |
塩酸テトラカイン注射液 |
テトラカ |
アルゼノベンゾールナトリウム |
ars |
塩酸トロパコカイン(注射用) |
トロパ |
安息香酸エストラジオール注射液 |
エストラ |
塩酸パパベリン注射液 |
塩パパ |
安息香酸エストラジオール水性懸濁注射液 |
エストラSol |
塩酸ピリドキシン注射液 |
B6 |
安息香酸ナトリウムカフェイン注射液 |
アンナカ |
塩酸プロカイン注射液 |
塩プロ |
安息香酸ナトリウムカフェイン硫酸アトロピン注射液 |
アンナカアト |
塩酸ロベリン注射液 |
ロベリン |
イソニコチン酸ヒドラジド注射液 |
I.NH |
オキシテトラサイクリン筋注用 |
OTC |
インシュリン注射液 |
Ins |
オキシトシン注射液 |
オキシト |
L―メチオニン注射液 |
L.メチオ |
果糖注射液 |
果 |
塩化アセチルコリン(注射用) |
アセコリ |
キニーネカフェイン注射液 |
キニーネカ |
塩化カルシウム注射液 |
塩カル |
キノヨジン注射液 |
キノヨジ |
塩化ツボクラリン注射液 |
ツボクラ |
強ヨード化油 |
強ヨード |
塩化ナトリウム注射液 |
塩ナト |
筋注用エリスロマイシン |
EM |
塩化アポモルヒネ |
アポモヒ |
グルコン酸カルシウム注射液 |
グルカル |
塩酸エピレナミン注射液 |
エピレナ |
グロビン亜鉛インシュリン注射液 |
グロens |
クロラムフェニコール筋注用 |
CP |
臭化カルシウム注射液 |
ブロカ |
結晶ペニシリン |
PC |
臭化カルシウムブドウ糖注射液 |
プロカG |
結晶ペニシリンG |
PC―G |
臭化テトラエチルアンモニウム注射液 |
臭テト |
血清性性腺刺戟ホルモン |
血ホル |
重類酸ナトリウム注射液 |
重ソ |
懸濁水性プロカインペニシリン |
PC―Sol |
酒石酸エルゴタミン注射液 |
エルゴタ |
懸濁バイシリン |
BC―Sol |
硝酸ストリキニーネ注射液 |
硝スト |
酢酸コルチゾン水性懸濁注射液 |
Cot |
静注用グルコヘプトン酸エリスロマイシン |
E・M静 |
酢酸ヒドロコルチゾン水性懸濁注射液 |
H.Cot |
静注用ロイコマイシン |
L・M |
サリチル酸カルシウム |
サリカ |
診断用クエン酸ナトリウム液 |
診チト |
サリチル酸カルシウムブドウ糖注射液 |
サリカG |
スチボフェン注射液 |
スチボフ |
サリチル酸ナトリウム注射液 |
サリソ |
ストレプトマイシン |
S・M(ストマイ) |
サリチル酸ナトリウム臭化カルシウムブドウ糖注射液 |
ザルブロ |
スルファジアジン注射液 |
ジアジン |
サリチル酸ナトリウムブドウ糖注射液 |
サリソG |
スルファメラジン注射液 |
メラジン |
サントニン注射液 |
サント |
生理食塩液 |
生食 |
シアノユバラミン注射液 |
B12 |
胎盤性性腺刺戟ホルモン |
胎ホル |
ジエチルスチルベストロール注射液 |
スチルベ |
チオペンタールナトリウム |
チオペン |
次サリチル酸ビスマス注射液 |
サリビス |
チオ硫酸ナトリウム注射液 |
ハイポ |
Gストロファンチン注射液 |
ストロフ |
注射用アモバルビタールナトリウム |
アモバル |
ジメルカプロール注射液 |
メリカプ |
注射用エリスロマイシン |
E・M |
注射用塩酸オキソフェナルシン |
マファ |
複合油性ペニシリン |
P・C―複 |
注射用蒸溜水 |
Aq |
ブドウ糖注射液 |
G |
注射用パラアミノサリチル酸ナトリウム |
PAS |
プレドニソロン注射液 |
ソロン |
注射用フェノバルビタールナトリウム |
フェノバル |
プロカインペニシリン加バイシリン |
B・C―綜 |
注射用ペントバルビタールナトリウム |
ペンバル |
プロゲステロン注射液 |
プロゲス |
注射用メチルヘキサビタールナトリウム |
ヘキサビ |
プロゲステロン水性懸濁注射液 |
プロゲスSol |
DL―メチオニン注射液 |
DL―メチオ |
プロタミン亜鉛インシュリン注射液 |
プロIns |
テストステロン水性懸濁注射液 |
テスホル |
プロピオン酸テストステロン水性懸濁注射液 |
プロテスホル |
テトラサイクリン筋注用 |
T・C |
ペンテトラゾール注射液 |
ペンテト |
ニコチン酸アミド注射液 |
ニコアミ |
ペントバルビタールナトリウム注射液 |
ペンバル |
ネオアルゼノベンゾール |
ネオアル |
ホモスルファミン注射液 |
ホモスル |
脳下垂体後葉注射液 |
後葉 |
マイシリン |
M・C |
バイオマイシン |
V・M |
マーサリルテオフィリン注射液 |
マーサリ |
ビタミンB1注射液 |
B1 |
マレイン酸エルゴメトリン注射液 |
エルゴメ |
ビタミンB2注射液 |
B2 |
ミオアルゼノベンゾール |
ミオアル |
ビタミンC注射液 |
C |
無定形ペニシリン |
P・C |
ピラビタール注射液 |
ピラビタ |
メチル硫酸ネオスチグミン |
ネオスチ |
フェノールスルホフタレイン注射液 |
フェノスル |
メナジオン重亜硫酸ナトリウム注射液 |
K |
複合水性ペニシリン |
P・C複 |
メフェネシン注射液 |
メフェネ |
輸血用クエン酸ナトリウム注射液 |
輸チト |
ウインタミン |
ウインタ |
油性ピリミジンペニシリン |
P・C.ピリミ |
エルスチン |
エルス |
油性プロカインペニシリン |
P・Coil |
カルヂノン |
カルヂ |
ヨード化油 |
ヨード |
強力ネオミノファーゲンC |
強ミノC |
硫酸マグネシウム注射液 |
硫ク |
グロンサン注 |
グロサ |
硫酸マグネシウムブドウ糖注射液 |
硫クG |
コータミン |
コータ |
硫酸アトロピン注射液 |
硫アト |
サイアジン注射液 |
サイア |
リンゲル液 |
R |
ザルソグレラン |
ザルグレ |
(麻薬) アトロピンモルヒネ注射液 |
アトモヒ |
サルフアジン |
サルフ |
アヘンアルカロイドアトロヒン注射液 |
オピアト |
スギウロン |
スギウ |
アヘンアルカロイドスコポラミン注射液 |
オピスコ |
ダンケルン |
ダンケ |
塩酸アヘンアルカロイド注射液 |
オピアル |
ヂギダミン |
ヂキタ |
複方ヒドロオキシコデノイン注射液 |
複ヒコデノン |
トロムボゲン注 |
トロムボ |
複方ヒドロオキシコデインアトロピン注 |
ヒコアト |
ナイトロミン |
ナイトロ |
アークレミン注射薬 |
アークレ |
ネオヒポトニン注 |
ネオヒポ |
アデロキシンカルシウム注 |
アデカル |
ネオクイリンM注 |
ネオフイM |
アロピラザルブロ |
アロザル |
ネオレスタシコーワ注 |
ネオレス |
イスウルクス注 |
イスウル |
ネオロートポン |
ネオポン |
イルガピリン注 |
イルガピ |
ビタカンフアー |
ビタカン |
フジカンフエナール |
フジカン |
マスチゲンB12注 |
マスチB12 |
フストジル注射液 |
フスト |
ミノファーゲンC |
ミノC |
プレホルモン |
プレホル |
メトブロミン注射液 |
メトブロ |
ヘサチラミン |
ヘサチラ |
レスタミンカルシウムコーワ注 |
レスカル |
ポリタミン注射液 |
ポリタ |
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