記

一、二、御見込ノ通リ但シ「左記一」後段ノ労働争議等ニヨリ被保険者ノ動静ヲ事業主カ知悉スルコト能ハサル場合ト雖モ労務ニ服スルコト能ハサリシ期間ニ対スル証明ハ之ヲ拒ミ得サルモノトス

保険給付ニ関スル件

(昭和六年七月一五日　健発第一二八号)

(社会局保険部長あて　埼玉県知事照会)

首題ノ件ニ関シ左ニ列記シタル場合ニ於テ健康保険法施行規則第五十七条第二項第一号及第二号ノ規定ニ依ル医師又ハ歯科医師ノ意見書及事業主ノ証明書添附不能ノ事由ニ因リ保険給付ヲ為スコトヲ得サルモノトセハ事実労務不能ノ状態ニ在リタル被保険者ノ権利ヲ阻止シ立法ノ本旨ニ副ハサル嫌アルヲ以テ如斯場合ニ在リテハ請求書ニ其ノ事由ヲ記載シタル書面ヲ添附セシメ医師、事業主其ノ他ノ関係者ニ就キ又ハ医師ノ診療報告ニ基キ厳密調査ヲ遂ケタル結果或期間労務不能ノ事実ヲ確認シ得タル者ニ対シテハ傷病手当金ノ支給ヲ為スヲ妥当ト認メ候得共新例ニ属スル儀ニ付一応御意見承知致度此段及照会候也

追テ本件ニ関シテハ差懸リ処理ヲ要スル儀有之候条至急何分ノ御回示相煩度申添へ候

記

一　事業主所在不明トナリ又ハ労働争議ニ依リ罷業継続中事業主ニ於テ被保険者ノ動静ヲ知悉スルコト能ハサル理由ニ依リ証明ヲ拒ミ労務不能期間ニ関スル証明書添附不能ノ場合

二　診療ヲ受ケタル医師又ハ歯科医師ノ死亡後ニ於テ傷病手当金ノ請求ヲ為スニ際シ労務不能期間ニ関スル其ノ医師ノ意見書ヲ添附スルコト能ハサル場合