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○社会保険医療担当者の監査について

(昭和二八年六月一〇日)

(保発第四六号)

(各都道府県知事あて厚生省保険局長通知)

さきに「昭和二十八年度における社会保険診療担当者の指導監査について」(四月二十日保発第三一号)をもつて通知したとおり、社会保険診療担当者の指導監査は暫定方針により取扱つてきたところであるが、その後二回にわたり第十一回中央社会保険医療協議会の小委員会を開催し、種々検討を重ねた結果、改めて別紙「社会保険医療担当者監査要綱」が答申され、そのまま厚生大臣の決定をみたので、今後監査は本要綱に準拠して実施するよう格別の御配意を煩わしたい。

なお、監査の実施に際しては、監査官をして常に懇切丁寧を旨とせしめ、結果の判断、意見の表明等は公平なる態度をもつて当らしめるよう留意し、円滑適正な運用を期せられたい。

〔別紙〕

社会保険医療担当者監査要綱

1 目的

医療担当者につき、その診療内容及び診療報酬の請求状況を監査して診療方針を徹底せしめ保険診療の適正を図るにある。

2 方針

監査を行うに当つては、医療担当者の指導に留意すること。

3 監査期間

監査は、随時行うものとするが、便宜上次のようにその期間を分ける。

第一期  自四月  至九月

第二期  自十月  至三月

4 被監査医療担当者せん❜❜衡の標準

(一) 診療内容に不正又は不当があつたことを疑うに足りる理由があつて、監査を行う必要があると認められるもの。

(二) 診療報酬の請求に不正又は不当があつたことを疑うに足りる理由があつて、監査を行う必要があると認められるもの。

5 監査の方法

(一) 原則として監査を行う月前少くとも二か月分の診療報酬請求書(健保、船保、当該医療担当者が診療を行つたもの。)について書面監査を行い、監査前予め患者につき実地調査をすることを建前とすること。(この場合患者の聴取書、始末書その他必要な書類を作成すること。)

(二) 監査はつとめて診療に支障のない日時を選び監査実施の日時、場所等をあらかじめ被監査医療担当者に通知すること。

(三) 被監査医療担当者については、別紙様式1により「社会保険医療担当者監査調査書」を作成すること。なお前記調査書の作成に当つては監査の結果に基きそれぞれその内容及び事例の事実を明確に記載し公正妥当なる判断に資すること。

6 監査後の処置

(一) 行政上の措置

行政上の措置については、指定取消(又は契約解除)の処分と、戒告及び注意の措置との三種とし、事案の軽重に従い次の標準によつて行うこと。

(1) 指定取消(又は契約解除)

都道府県知事は、保険医又は保険者の指定する者が左の何れか一つに該当するときは、当該都道府県社会保険医療協議会に諮問して、その指定を取消し又は契約解除(又は一部解除)を行うこと。但し処分決定前当局に内議(医療担当者監査調査書(写)及び関係資料(写)を添えること。)すること。なお、(ハ)(ニ)の何れか一つに該当するものについては、一定期限経過後再指定を行うことが出来る。なお、この場合は内議の際その旨附記すること。

(イ) 故意に不正又は不当な診療を行つたもの

(ロ) 故意に不正又は不当な報酬請求を行つたもの

(ハ) 重大なる過失により不正又は不当な診療をしばしば行つたもの

(ニ) 重大なる過失により不正又は不当な報酬請求をしばしば行つたもの

(2) 戒告

都道府県知事は、保険医又は保険者の指定する者が左の何れか一つに該当するときは、当該都道府県医療協議会に諮問して、戒告の措置をなすこと。

(イ) 重大なる過失により不正又は不当な診療を行つたもの

(ロ) 重大なる過失により不正又は不当な請求を行つたもの

(ハ) 軽微なる過失により不正又は不当な診療をしばしば行つたもの

(ニ) 軽微なる過失により不正又は不当な請求をしばしば行つたもの

(3) 注意

都道府県知事は、保険医又は保険者の指定する者が左の何れか一つに該当するときは、当該都道府県社会保険医療協議会に諮問して注意の措置をなすこと。

(イ) 軽微なる過失により不正又は不当な診療を行つたもの

(ロ) 軽微なる過失により不正又は不当な請求を行つたもの

(二) 弁明

都道府県知事は、保険医、保険者の指定する者の事故が指定取消又は契約解除に該当するおそれあると認めた場合は、監査修了後、被監査医療担当者に対して弁明の機会を与えなければならないこと。なお、この場合においてあらかじめ、書面をもつて弁明をなすべき日時、場所及び事故と認められる事項の概要を通知しなければならないこと。

(三) 経済上の措置

(1) 不正又は不当の診療及び報酬請求により報酬金額の過誤払があつたときは、保険者をして当該都道府県の社会保険診療報酬支払基金(以下「基金」という。)に連絡させ、審査委員会の意見を聴かしめ当該医療担当者から過誤払の額を返還させるよう措置すること。

(2) 不正又は不当の診療及び報酬請求があつたが未だ報酬金額の支払が済まないときは、保険者をして基金に連絡させ、審査委員会の意見を聴かしめ当該医療担当者に支払うべき報酬金額からこれを控除させるよう措置すること。

7 その他

(一) 監査は、当該都道府県保険課所属の技官(技官のいないところは基金の審査委員である衛生関係部(局)の所属技官等を委嘱すること。)及び事務官をして担当せしめること。なお、都道府県において行う以外に当局と共同で監査を行うことがあること。

(二) 監査実施の前後を通じ都道府県医師会又は同歯科医師会に充分連絡し、その協力を求めると共に特に監査時においては立合の申込をなし、また立合者には意見を述べる機会を与えること。なお、当局と共同で行う監査については、予め、当局から日本医師会、日本歯科医師会に連絡し、都道府県医師会又は同歯科医師会に対する場合と同様の措置を講ずること。

8 所要経費

配布予算をもつて賄うこと。

9 報告

監査及び処分(措置)決定後その結果を監査の影響と共に別紙様式2により第一期分については十月末日までに、第二期分については、三月末日までにそれぞれ当局に報告のこと。なお、止むを得ない事由によつて監査を行わないときはそのてん❜❜末を報告のこと。

10 国民健康保険の療養担当者の監査は、この要綱に準じて行うこと。但し、監査後の措置については、都道府県知事は、その状況を当該保険者に通知し、適切な措置を講じさせること。

なお、療養担当者が行政上の措置中(1)の各号に該当し、その契約を解除することを至当と認めるときは、その実状を当局に報告すること。

(様式1)

(様式2)

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