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○健康保険組合の平成七年度予算の編成について

(平成六年一一月二四日)

(保険発第一六七号)

(各都道府県民生主管部(局)保険主管課(部)長あて厚生省保険局保険課長通知)

標記については、昭和三十五年十一月四日保発第六六号をもって保険局長から通知された予算編成基準によるほか、次により編成することとしたので、御了知の上、貴都道府県知事が監督する健康保険組合に対しその旨通知し、遺憾のないよう指導されたい。

なお、健康保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五十六号)の施行に伴い、健康保険組合事業運営基準が改正されたところであり、この改正の趣旨を踏まえ、積極的な健康管理事業等の保健事業の充実に努めるよう併せて指導されたい。

第一 予算編成の重点について

平成七年度の予算編成に当たっては次の事項に重点をおき、事業の充実・強化に努めるとともに、健全な事業運営が図られるよう健康保険組合(以下「組合」という。)の実情に即して適正な予算を編成すること。

なお、中期財政運営については、引き続き各組合は導入に努めるとともに、導入する組合あるいは既に導入している組合においては、平成四年十二月二日付保険発第一六〇号通知を踏まえ予算を編成すること。

1 保険料率について

保険料率については、組合財政の安定化を図り円滑な事業運営を行う観点から、最近の医療費及び被保険者数・標準報酬の状況はもとより、今後の社会情勢や医療費の動向等最近の組合財政を取り巻く状況等を踏まえ、事業内容全般について必要な見直しを行う等、今後の組合財政等を勘案した適正な保険料率を設定すること。

なお、その際、一部負担還元金や附加給付についても、給付と負担の公平の観点等を踏まえつつ、各組合において適切な見直しの検討を行うこと。

2 保健事業等について

(1) 保健事業については、健康の保持増進のための健康教育・健康相談・健康診査等の事業を積極的に実施するとともに、専門スタッフを活用した保健指導や健康づくり、被扶養者の健康診査の受診率の向上、がん検診の内容の充実及び歯科検診の実施に特に配慮すること。また、社会的関心が高まっているエイズや骨粗しょう症の予防についても、普及・啓発をはじめ積極的な事業に取り組むこと。

なお、保健事業の実施に当たっては、職場環境、年齢構成及び疾病状況等の実態把握や健康診査等の結果の整備を行うとともに、実施後においては、その分析・評価を行い、より効果的な事業の実施に努めること。

(2) 老人医療費の適正化等に資するため、老人の健康に関する実態の把握及びこれに基づく相談・助言あるいは在宅介護事業等を積極的に実施すること。

なお、この場合においては、市町村との連携にも配慮すること。

(3) 共同事業の実施についても積極的に検討を行うこと。

3 事務処理体制について

円滑な事業運営の基盤となる事務局の事務処理体制については、保健事業及び医療費適正化の事業を積極的かつ効率的に実施するため、その充実・強化を行うこと。

また、保険給付の決定及び経理事務の処理体制については、不正防止の観点から、その見直しを行うこと。

第二 予算の積算について

1 事務費

事務費の国庫負担金収入の被保険者一人当たり月額は、単一組合にあっては二三円とし、その他の組合にあっては三三円とすること。

2 国庫補助金収入

国庫補助金収入のうち拠出金負担助成金については、見込額を算出し計上すること。

なお、助成金見込額の算出に必要な算出方式及び諸率については、別途連絡をするものであること。

3 保険給付費の推計

(1) 法定給付費推計表(予算編成基準の別添(3)の別表(5)―1)について

平成七年度の保険給付費の見込みについては、被保険者一人当たり年額の過去三年間(平成四年三月から平成七年二月)の実績により算出することとしているが、予算編成時にけおる実績が、平成四年三月から平成六年九月までであるので、平成六年十月から平成七年二月までの実績見込については、法定給付費推計表により推計すること。

その推計方法は、次のとおりであること。

① 療養給付費及び家族療養費について

ア 「(a)三月~九月分金額」欄には、「平成三年三月から同年九月までの診療・調剤報酬分の実績総額」を「平均被保険者数」で除して得た額を記入すること。

イ 「(b)十月~二月分金額」欄には、「平成三年十月から平成四年二月までの診療・調剤報酬分の実績総額」を「平均被保険者数」で除して得た額を記入すること。

ウ 「(c)三月~九月分金額」欄には、「平成四年三月の診療・調剤報酬分の実績総額」に「一・〇二五」(平成四年四月の診療報酬点数表の改正及び薬価基準の改正が平成四年三月から実施されたとした場合の比率)を乗じて得た額に「平成四年から同年九月までの診療・調剤報酬分の実績総額」を加えた額を「平均被保険者数」で除して得た額を記入すること。

エ 「(d)十月~二月分金額」欄には、「平成四年十月から平成五年二月までの診療・調剤報酬分の実績総額」を「平均被保険者数」で除して得た額を記入すること。

オ 「(e)三月~九月分金額」欄には、「平成五年三月から同年九月までの診療・調剤報酬分の実績総額」を「平均被保険者数」で除して得た額を記入すること。

カ 「(f)十月~二月分金額」欄には、「平成五年十月から平成六年二月までの診療・調剤報酬分の実績総額」を「平均被保険者数」で除して得た額を記入すること。

キ 「(i)三月~九月分金額」欄には、「平成六年三月の診療・調剤報酬分の実績総額」に「一・〇一二」(平成六年四月の診療報酬点数表の改定及び薬価基準の改正が平成六年三月から実施されたとした場合の比率)を乗じて得た額に「平成六年四月から同年九月までの診療・調剤報酬分の実績総額」を加えた額を「平均被保険者数」で除して得た額を記入すること。

ク 「(g)比率」欄(以下「(g)」欄という。)の記入に当たって、平成三年度の実績のない組合にあっては、平成四年度と平成五年度の二年度分の比率を記入すること。

なお、平成四年四月一日以降に設立した組合にあっては、「(g)」欄に次の比率を記入すること。

(ア) 一般診療「〇・七二九」(本人)「〇・七一七」(家族)

(イ) 歯科診療「〇・七〇八」(本人)「〇・六四六」(家族)

(ウ) 薬剤支給「〇・七五八」(本人)「〇・七五〇」(家族)

ケ 「(c)十月~二月分金額」欄には、「(g)」欄の比率を「(i)三月~九月分金額」欄の金額に乗じて得た額に「一・〇一五」(平成六年十月の診療報酬点数表の改定が実施された比率)を乗じて得た額を記入すること。

② 入院時食事療養費について

ア 「(a)三月~九月分金額」欄から「(f)十月~二月分金額」欄については記入を省略すること。

イ 「(i)三月~九月分金額」欄には、「平成六年三月から同年九月までの診療報酬分の給食料の実績総額」を「平均被保険者数」で除して得た額から、平成六年三月から同年九月までの入院延日数」を「平均被保険者数」で除して得た額に「入院時における標準負担額」を乗じて得た額を差し引いた額を記入することとなるが、この実績総額等の集計については、平成六年三月から同年九月分までの診療報酬明細書により、入院時の給食料等について調査を実施すること。

ただし、調査が困難な場合は、最低一か月分以上について調査を実施し、これを基礎として平成六年三月から同年九月までの七か月分を推計すること。

また、すでに調査済の数値がある場合は当該数値を使用しても差し支えないこと。

ウ 「(g)」欄には次の比率を記入すること。

入院時食事療養費 「〇・七一四」 (本人)

エ 「(j)十月~二月分金額」欄には、「(g)」欄の比率を「(i)三月~九月分金額」欄の金額に乗じて得た額を記入すること。

③ 訪問看護療養費及び家族訪問看護療養費について

訪問看護療養費及び家族訪問看護療養費については、組合の実情に応じて推計すること。

④ 現金給付費について

ア 本人高額療養費、合算高額療養費及び家族高額療養費については、組合の実情に応じて推計すること。

イ 「(g)」欄の記入に当たって、平成三年度の実績のない組合にあっては、平成四年度と平成五年度の二年度分の比率を記入すること。

なお、平成四年五月一日以降に設立した組合にあっては、「g」欄に「〇・七五九」(「(i)4月 月分金額」欄に七か月分の金額を記入する場合の比率)を記入すること。

(2) 法定給付費実績及び増減見込表(予算編成基準の別添(3)の別表(5))について

① 療養給付費及び家族療養費について

ア 「(C)前年度分金額」欄には、法定給付費推計表の「(k)計」欄の額に「一・〇〇六」(平成六年十月の診療報酬点数表の改定が平成六年三月から実施されたとした場合の比率)を乗じて得た額を記入すること。

イ 「(B)Cに対応する前年度分金額」欄には、「平成五年三月から平成六年二月までの診療・調剤報酬分の実績総額」を「平均被保険者数」で除して得た額に「一・〇二七」(平成六年四月の診療報酬点数表の改定及び薬価基準の改正並びに平成六年十月の診療報酬点数表の改定が平成五年三月から実施されたとした場合の比率)を乗じて得た額を記入すること。

ウ 「(A)Bに対応する前年度分金額」欄には、「平成四年三月から平成五年二月までの診療・調剤報酬分の実績総額」を「平均被保険者数」で除して得た額に「一・〇二九(平成四年四月の診療報酬点数表の改定及び薬価基準の改正、平成六年四月の診療報酬点数表の改定及び薬価基準の改正並びに平成六年十月の診療報酬点数表の改定が平成四年三月から実施されたとした場合の比率)を乗じて得た額を記入すること。

エ 「(D)増減比率」欄の記入に当たって、平成四年四月一日以降に設立した組合にあっては、次の比率を記入すること。

(ア) 一般診療「一・〇四四」(本人)「一・〇一五」(家族)

(イ) 歯科診療「一・〇三七」(本人)「〇・九九五」(家族)

(ウ) 薬剤支給「一・一五五」(本人)「一・一四二」(家族)

オ 「(D)増減比率」欄の比率が適当でない場合には、組合の実情に応じて修正し、修正後の比率を「(D′)Dの修正後の比率」欄に記入すること。

カ 療養給付費の「一般診療」欄の「(E)法律改正及び医療費改定が実施されたことに伴う影響率」欄には、法定給付費推計表の療養給付費の「一般診療」欄の「(K)計」欄の額を療養給付費の「一般診療」欄の「K計」欄の額と「入院時食事療養費」欄の「(K)計」欄の額の合計額で除して得た率を記入すること。

② 入院時食事療養費について

ア 「(C)前年度分金額」欄には、法定給付費推計表の「(K)計」欄の額を記入すること。

イ 「(B)Cに対応する前年度分金額」欄及び「(A)Bに対応する前年度分金額」欄については記入を省略すること。

ウ 「(D)増減比率」欄には、次の比率を記入すること。

入院時食事療養費 「一・〇四五」 (本人)

エ 「(D)増減比率」欄の比率が適当でない場合には、組合の実情に応じて修正し、修正後の比率を「(D´)Dの修正後の比率」欄に記入すること。

③ 訪問看護療養費及び家族訪問看護療養費について

訪問看護療養費及び家族訪問看護療養費については、組合の実情に応じて推計すること。

④ 現金給付費について

ア 本人高額療養費、合算高額療養費及び家族高額療養費については、組合の実情に応じて推計すること。

イ 「(C)前年度分金額」欄には、法定給付費推計表「(K)計」欄の額を記入すること。ただし、療養費及び第二家族療養費については、前記(2)の(1)のアに準じて算出した額を記入すること。

ウ 「(B)Cに対応する前年度分金額」欄には、「平成五年度実績総額」を「平均被保険者数」で除して得た額を記入すること。ただし、療養費及び第二家族療養費については、前記(2)の(1)のイに準じて算出した額を記入すること。

エ 「(A)Bに対応する前年度分金額」欄には、「平成四年度実績総額」を「平均被保険者数」で除して得た額を記入すること。ただし、療養費及び第二家族療養費については、前記(2)の(1)のウに準じて算出した額を記入すること。

オ 「(D)増減比率」欄には、平成四年五月一日以降に設立した組合にあっては、「一・〇五五」の比率を記入すること。

カ 「(D)増減比率」欄の比率が適当でない場合は、組合の実情に応じて修正し、修正後の比率を「(D´)Dの修正後の比率」欄に記入すること。

(3) 附加給付費推計表(予算編成基準の別添(3)の別表(6)―1)及び附加給付費実績及び増減見込表(予算編成基準の別添(3)の別表(6))について

附加給付費については、組合の実情に応じて計上すること。

4 老人保健拠出金

老人保健拠出金については、社会保険診療報酬支払基金からの通知時期が当該年度の当初であることから、予算編成時においては見込額を算出し計上すること。この場合の拠出金見込額は、別表1「平成七年度老人保健拠出金(見込)の計算表」に基づき算出した額とすること。

なお、拠出金見込額の算出に必要な諸率については、別途連絡するものであること。

5 退職者給付拠出金

退職者給付拠出金については、社会保険診療報酬支払基金からの通知時期が当該年度の当初であることから、予算編成時においては見込額を算出し計上すること。この場合の拠出金見込額は、別表2「平成七年度退職者給付拠出金(見込)の計算表」に基づき算出した額とすること。

なお、拠出金見込額の算出に必要な諸率については、別途連絡するものであること。

6 日雇拠出金

日雇拠出金については、社会保険庁からの通知時期が当該年度の九月及び三月であることから、予算編成時においては見込額を算出し計上すること。この場合の拠出金見込額については、別表3「平成七年度日雇拠出金(見込)の計算表」に基づき算出した額とすること。

なお、拠出金見込額の算出に必要な諸率については、別途連絡するものであること。

7 特定健康保険組合における特例退職被保険者に係る予算の積算

特定健康保険組合における特例退職被保険者に係る予算の積算は、予算編成基準及びこの通知によるほか、昭和六十年三月十六日付保文発第一四九号通知を参考として、組合の実情に応じて推計すること。

第三 予算編成の特例措置について

1 予算編成の方法

(1) 保険料率の設定に当たっては、組合の財政状況等を勘案し、保険料率の設定の計算基礎となっている予備費に相当する額を限度として、保険料収入に代えて別途積立金及び準備金限度外部分繰入をもって充てることとしても差し支えないこと。

(2) 予算編成に当たり財源が不足する場合は、保険料率の引上げに代えて繰越金、別途積立金繰入及び準備金限度外部分繰入により、財源の確保を行うこととして差し支えないこと。

なお、この方法により財源の確保ができない組合にあっては、組合の実情等を勘案し、準備金限度内部分の一部を繰り入れて予算編成を行うこととして差し支えないこと。

(3) 繰越金を財源として予算を編成する場合は、保険料率の引下げは適当でないこと。

(4) 過年度に属する収入又は支出が見込まれる場合の予算計上については予算編成基準で示されているところであるが、過年度に属する支出を計上することによって、財源が確保できず、収入予算の不足が見込まれる組合は、別表4「財政再建計画書」の返済計画に基づく平成七年度の額を支出予算に計上することとして差し支えないこと。この場合、計上額は該当欄に括弧を附して再掲すること。

なお、別表4「財政再建計画書」は、予算認可申請書に添付すること。

2 保健事業費及び予備費の予算計上額

保健事業費の予算計上額については予算編成基準に示されているが、事業主等の行う福利厚生事業の内容及びその実施状況等を勘案し、組合における事業計画の内容が適切であると認められる場合は、その額を下回っても差し支えないこと。

また、前記1の(4)に該当する組合については、保健事業費及び予備費の予算計上額が予算編成基準に示された額を下回っても差し支えないこと。

第四 中期財政運営を導入する組合あるいは既に導入している組合の予算の積算について

中期財政運営を導入する組合あるいは既に導入している組合にあっては、第三にかかわらず平成四年十二月二日付保文発第八〇四号通知を踏まえ予算の積算等を行うこと。

第五 中期財政運営の見通しの作成について

予算編成基準に定める「中期財政運営見通し」の作成に当たっての全組合の平均の基礎数(伸び率)は、別途連絡するものであること。

第六 その他

1 収入支出予算概要表(予算編成基準の別添(2))は、予算認可申請書に添付するほか、都道府県民生主管部(局)保険主管課(部)へ平成七年二月末日までに三部提出すること。

なお、直営の病院、診療所を有する組合にあっては、病院診療所収入支出見込表(予算編成基準の別添(3)の別表(10))の(写)を収入支出予算概要表に添付して提出すること。

2 保険料率(変更)認可申請書の添付書類については、昭和六十年三月十六日付保険発第二三号によって通知しているところであるが、調整保険料率の変更による保険料率変更の認可申請(一般保険料率と調整保険料率を合算した率が変わらない場合に限る。)である場合には、同通知の別添の「3保険料率内訳」及び「計算基礎算出内訳表」については、「料率変更に関する計算基礎資料については、予算認可申請書に添付した資料と同じ」旨同申請書の下部余白に記述し、省略しても差し支えないこと。

また、これに伴う認可申請については、それぞれの認可申請書を統合して行っても差し支えないこと。

3 中期財政運営を導入した二度目以降の予算認可申請に当たっては、健康保険法施行規則第三十四条様式第七号の前年度予算額欄に決算見込額を附記し提出すること。

(別表1)略

(別表2)略

(別表3)略

(別表4)略