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○健康保険組合の財政調整事業にかかる交付金交付事業実施規程について

(昭和五六年三月三〇日)

(保険発第一九号)

(各都道府県民生主管部(局)保険課(部)長あて厚生省保険局保険課長通知)

健康保険法施行令(以下「健保令」という。)第八十一条第三項及び第八十二条第二項の規定により健康保険組合連合会が定める交付金の交付に関する細目及び拠出金の拠出に関する事項については、健保令第八十四条の規定に基づき、昭和五十六年三月二十八日付けをもつて、別添「交付金交付事業実施規程」のとおり厚生大臣の承認がなされ、昭和五十六年度から財政調整事業が実施されることとなつたので通知する。

〔別添〕

健康保険法附則第八条に規定する交付金交付事業実施規程

(昭和五八年三月二九日承認)

第一章 総則

(目的)

第一条 この規程は、健康保険組合連合会(以下「連合会」という。)が健康保険法附則第八条の規定に基づいて行う交付金の交付の事業(以下「交付金交付事業」という。)の実施について規定することを目的とする。

(事業)

第二条 連合会は、次の各号のいずれかに該当する健康保険組合(以下「組合」という。)に対して交付金の交付を行う。

(1) 財政が窮迫している組合であつて、その財政の負担を軽減することが必要と認められるもの。

(2) 高額な医療給付の発生した組合であつて、その影響を緩和することが必要と認められるもの。

第二章 健康保険法施行令第八十三条第三項に規定する修正率

(修正率)

第三条 健康保険法施行令第八十三条第三項に規定する修正率は、各組合につき、次の算式により算定した率とする。

1+(全組合の平均の見込所要保険料率-個別組合の調整見込所要保険料率)/全組合の平均の見込所要保険料率

2 前項算式中の見込所要保険料率の算定の際に事業主医療機関において診療費の割引が行われている場合には、当該割引額を法定の医療給付費に加算して算定するものとする。

3 第一項算式中の個別組合の調整見込所要保険料率は、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれに定める率とする。

(1) 当該組合の見込所要保険料率が全組合の平均の見込所要保険料率の値に対して、±X/1,000の範囲内にある場合、全組合の平均の見込所要保険料率

(2) 当該組合の見込所要保険料率が〔全組合の平均の見込所要保険料率+X/1,000〕より大きい場合、当該組合の見込所要保険料率からX/1,000を控除して得た率

(3) 当該組合の見込所要保険料率が〔全組合の平均の見込所要保険料率-X/1,000〕より小さい場合、当該組合の見込所要保険料率にX/1,000を加算して得た率

4 前項のXの値は、〔全組合のうちおおむね半数の組合の見込所要保険料率-X/1,000〕から〔全組合の平均の見込所要保険料率+X/1,000〕までの範囲内となるように定めるものとし、毎年度理事会で決定する。

5 前四項の見込所要保険料率の算定には、前々年度の決算実績を用いるものとする。

6 前項の規定にかかわらず、前々年度の決算実績により難い組合の修正率は、健康保険法附則第八条に規定する交付金交付事業実施規程施行細則(以下「細則」という。)で定める。

第三章 拠出

(拠出)

第四条 組合は、各年度につき、次の二回に分けて拠出金を連合会に拠出するものとする。

(1) 四月から九月までに徴収すべき調整保険料に相当する拠出金十月末日

(2) 十月から翌年三月までに徴収すべき調整保険料に相当する拠出金 翌年三月末日

2 拠出金の納付方法その他拠出に関して必要な事項は、細則で定める。

第四章 交付

第一節 第二条第一号の組合(財政窮迫組合)にかかる交付金の交付

(交付基準)

第五条 前年度の決算実績による法定の給付費及び老人保健拠出金の納付に要する費用に要する保険料率が千分の八十四を超え、かつ前年度末の保険料率が千分の八十九以上の組合について、次の基準により交付金を交付する。

(1) 法定の給付費及び老人保健拠出金の納付に要する費用に要する保険料率が千分の八十四を超え千分の八十九までの部分については、千分の八十四を超え千分の八十九までの部分に相当する法定の給付費及び老人保健拠出金の納付に要する費用の二分の一の額

(2) 法定の給付費及び老人保健拠出金の納付に要する費用に要する保険料率が千分の八十九を超え千分の九十四までの部分については、千分の八十九を超え千分の九十四までの部分に相当する法定の給付費及び老人保健拠出金の納付に要する費用の三分の二の額

(3) 法定の給付費及び老人保健拠出金の納付に要する費用に要する保険料率が千分の九十四を超える部分については、千分の九十四を超える部分に相当する法定の給付費及び老人保健拠出金の納付に要する費用の額

2 前項の前年度末の保険料率は、特別保険料を徴収している組合については、前年度の特別保険料の総額を前年度の標準報酬年総額で除して得た値を加算するものとする。

3 前二項の規定により交付金の交付を受ける組合であつても、資産を有する等の特殊な事情があり、同項の規定どおり交付金を交付することが適当でないと認められる場合には、交付金額を変更し、又は交付しないことができるものとする。

4 第一項及び第二項の規定により交付を受けることのできない組合であつても、災害その他特殊な事情により財政が窮迫しており、その財政負担を軽減する必要があると認められるものについては、交付金を交付することができるものとする。

(保険給付費臨時補助金との調整)

第六条 前条の規定による交付金の交付を受ける組合が、当該年度において国の保険給付費臨時補助金を受けた場合には、当該補助金相当額を前条の規定により算定した交付金額から控除する。

(財源が不足する場合の措置)

第七条 第五条及び前条の規定により算定した交付金の交付財源に不足が生じる場合には、理事会が定める基準によつて、第五条及び前条の規定により算定した交付金額を減額することができる。

(交付の条件及び指導)

第八条 第五条の規定による交付金の交付を行うにあたつては、当該組合に対し、その財政及び事業運営の改善のため必要と認められる措置の実施を条件として付することができるほか、当該組合の財政再建のために必要とする指導を行うことができるものとする。

(特例交付)

第九条 第五条の規定による交付のほか、前年度の決算実績による法定の給付費及び老人保健拠出金の納付に要する費用に要する保険料率が千分の八十四を超え、かつ前年度末の保険料率が千分の八十四以上の組合については、費用の負担の軽減を図るため細則に定めるところにより交付金を交付することができるものとする。

2 第五条第二項の規定は、前項の前年度末の保険料率について準用する。

(交付対象組合等の決定機関)

第十条 交付対象組合及び交付額の決定は、第十六条に規定する財政窮迫組合対策委員会の議を経て理事会が行う。

(交付の決定及び通知等)

第十一条 連合会は、組合からの申請に基づいて翌年三月末日までに交付に関する決定を行い、その結果を組合に通知するものとする。

2 交付金の交付の方法については、細則で定める。

第二節 第二条第二号の組合にかかる交付金(高額医療給付に関する交付金)の交付

(交付対象)

第十二条 高額医療給付に関する交付金の交付は、毎年度前年の十二月診療分から当該年の十一月診療分までの給付費を対象として行う。

(交付基準)

第十三条 被保険者(継続給付受給者を含む。)にかかる療養の給付費と高額療養費との合算額若しくは療養費と高額療養費との合算額、又は被扶養者(継続給付受給者を含む。)にかかる家族療養費と家族高額療養費との合算額が七十五万円を超える場合には、その超える分相当額(以下「交付対象額」という。)を当該給付を行つた組合に対して交付する。ただし、一事業年度において交付対象額の総額が第二条第二号にかかる交付金の交付財源を超える場合には、交付対象額の総額とその交付財源との割合を基準として定める交付率を交付対象額に乗じて得た額を交付することができる。

2 前項の療養の給付費と高額療養費との合算額若しくは療養費と高額療養費との合算額、又は家族療養費と家族高額療養費との合算額はこれらの給付が第三者の行為により生じた事故にかかる場合には、当該第三者に対する求償権の行使により取得した額を控除した残額とする。

3 第一項の療養の給付費と高額療養費との合算額若しくは療養費と高額療養費との合算額、又は家族療養費と家族高額療養費との合算額は、診療報酬請求明細書一件あたり、又は支給決定一件あたりで算定する。

(交付金の決定及び通知等)

第十四条 連合会は、組合からの毎月の支払い実績に基づく申請により、十一月と翌年三月との二回に分けて交付金の決定を行い、その結果を組合に通知するものとする。

2 交付金の交付の方法については、細則で定める。

(交付の一時差止)

第十五条 前条の規定にかかわらず、正当の理由がなく、拠出金の納入を怠り、又は交付の決定に関する第十六条に規定する高額医療交付金交付委員会の調査に応じない組合については、細則で定めるところにより交付金の全部又は一部の交付を一時差し止めることができるものとする。

第五章 運営

第一節 委員会

(委員会)

第十六条 健康保険組合連合会規約第十七条の三の規定に基づき、連合会に次の委員会を置く。

(1) 財政窮迫組合対策委員会

(2) 高額医療交付金交付委員会

(財政窮迫組合対策委員会の業務)

第十七条 財政窮迫組合対策委員会は、第二条第一号に規定する組合にかかる交付金の交付申請についての審査を行う。

2 財政窮迫組合対策委員会は、組合に対し、交付申請についての審査に関し必要があると認めるときは、当該組合の財政及び事業運営の状態等につき資料の提出を求め、又は調査を行うことができるものとする。

(高額医療交付金交付委員会の業務)

第十八条 高額医療交付金交付委員会は、第二条第二号に規定する組合にかかる交付金の交付対象組合及び交付額の決定を行う。

2 高額医療交付金交付委員会は、組合に対し交付に関する必要な事項の報告、又は資料の提出を求めることができるものとする。

第十九条 第十六条に規定する委員会の組織、運営等については、別に定める。

第二節 再審査

(再審査)

第二十条 組合は、交付金に関する決定に不服があるときは、連合会に対し、別に定めるところにより再審査の請求を行うことができる。

第六章 その他

第一節 特別会計

(特別会計)

第二十一条 この事業の経理を行うため、別に定めるところにより特別会計を設ける。

第二節 適用上の特例

(新設組合)

第二十二条 新たに設立された組合(分割により新たに設立された組合を含み、合併により新たに設立された組合を除く。)については、設立の日の属する年度の翌々年度からこの規程による拠出金の拠出及び交付金の交付を行うものとする。

(年度中途解散組合)

第二十三条 年度中途において解散した組合(合併により消滅した組合を除く。)については、交付金は交付しないものとする。ただし、解散前にすでに交付した交付金については、このかぎりでない。

(合併した組合)

第二十四条 合併により新たに設立された組合、又は合併後存続する組合は、合併により消滅した組合の拠出金及び第二条第二号の規定にかかる交付金に関する権利義務を承継するものとする。

(細則)

第二十五条 この規程に定めるもののほか本事業の実施、運営に関する事項は、細則で定める。

附 則

(施行期日)

第一条 この規程は、厚生大臣の承認を受けた日から施行し、昭和五十八年度から適用する。

(昭和五十五年度設立組合の特例)

第二条 昭和五十五年度に設立された組合(合併により新たに設立された組合を除く。)については、昭和五十七年度からこの規程による拠出金の拠出及び交付金の交付を行うものとする。

(昭和五十八年度における保険料率条件の特例)

第三条 第五条第二項及び第九条第二項に規定する前年度末の保険料率は、昭和五十八年度の事業については健康保険法附則第八条第四項に規定する調整保険料率を加算するものとする。

(旧規程の廃止)

第四条 財政窮迫組合助成事業実施規程及び高額医療給付費共同負担事業実施規程(以下「旧両規程」という。)は廃止する。

(経過措置)

第五条 この規程の施行前に旧両規程に基づいて請求した拠出金で、この規程の施行の際に納付されていないものについては、なお従前の例による。

2 この規程の施行前に旧高額医療給付費共同負担事業実施規程に基づいて交付の申請が行われ、この規程の施行の際に交付を受けていない交付金については、なお従前の例による。

3 五十五年十一月診療分以前の給付費にかかる交付金で、この規程の施行前に交付の申請が行われていないものについては、なお従前の例による。

4 この規程の施行前に旧両規程に基づいて交付をした交付金について過誤等があり、調整の必要があるものについては、なお従前の例による。

第六条 前条第一項の規定に基づいて収納する拠出金は、この規程による事業の財源にあてるものとし、また前条第二項又は第三項の規定に基づいて交付する交付金は、この規程による事業の財源により負担するものとする。

第七条 旧両規程に基づく両事業の決算残金は、この規程による事業の財源にあてるものとする。