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○健康保険組合の事業運営について

(昭和三四年一月三〇日)

(保発第七号の二各都道府県知事あて厚生省保険局長通知)

標記のことについて、昭和三十四年一月三十日保発第七号をもつて、別添のとおり当局の監督する健康保険組合に対し通知したので、貴職の監督するものに対しても同様に通知のうえ、指導の万全を期されたい。

〔別添〕

健康保険組合の事業運営について

(昭和三四年一月三〇日 保発第七号)

(各健康保険組合理事長あて 厚生省保険局長通知)

健康保険組合(以下「組合」という。)の事業運営については、従来当局から示した方針にそい、組合設立の目的を達成するため、鋭意努力を払われているところであるが、組合制度が社会保障制度に占める重要性にかんがみ、本制度の趣旨を改めて認識し、事業内容の健全化と充実をはかるため、左記事項に留意のうえ積極的な運営を期されたい。

一 一般事項について

1 組合は、法律上公法人として特別の権能を与えられ、国の行う健康保険事業を代行しているものであるから、その事業運営にあたつては、健康保険事業の本旨にそつて、自主的運営をはかるよう努められたいこと。

2 組合は、事業主及びその事業所に使用せられる被保険者によつて構成され、事業主及び被保険者との関係は密接不可分であるから、組合は、つねにこれらとの連絡を密にし、その協調と理解を得るよう努め、さらに円滑な事業運営を行うよう留意されたいこと。

二 保険料額の負担割合について

組合は、相扶共済の精神に基き、被保険者とその家族の生活の安定をはかるため、事業主と被保険者とが、その事業主に要する費用を負担することにより、これが民主的運営をはからなければならないものであるが、事業主の保険料額負担割合が極度に増大しているため、ややもすれば、事業主の福祉施設と混同されるに至るおそれを生じているのもあり、かくては、この制度の趣旨を逸脱することともなるから、昭和三十二年以来その負担割合の是正を強く要望してきたところである。幸い事業主と被保険者との協調により、自主的解決がはかられ、次第に改善されつつあるが、なお一部の組合にあつては、いぜん著しく均衡を失しているものも見受けられるので、この趣旨を組合員に徹底させ、すみやかに適正な負担割合とするよう努められたいこと。

三 組合財政について

組合財政については、それぞれ有効な手段を講じ、健全な財政保持に努められているところであるが、保険給付費の動向、特に医療費のすう勢を注視し、事業内容の推移をは握することにより、適切にして計画性ある施策を講じ、財政の安定を維持するため努力されたいこと。

四 組合会について

組合会は、組合の議決機関であつて、重要事項はすべてこの機関により決定され、組合運営の中核となるべきものであるが、個々の実情をみるに、必ずしもその機能を充分に発揮しているものとは認められないものがあるので、組合会議員に対し、本制度の啓蒙をはかつて認識を深めるよう努められるとともに、組合会の機能を遺憾なく発揮させるよう配慮されたいこと。

特に、組合会固有の権限である検査については、しばしば注意を喚起してきたところであるが、その検査がいまだに形式的に流れるむきもあり、また従たる事務所について実施しない組合もあるので、今後は検査規程を整備し、厳正に実施されたいこと。

五 組合の役職員について

理事は、組合事務の執行機関であつて、その事務執行の適正いかんは、事業運営を左右するところ極めて大なるものがあることにかんがみ、特に代表者である理事長は、事業の内容に精通するとともに積極的に事業運営の衝にあたられたいこと。また、常務理事は、権限の委任を受けた事務執行責任者であるからその職責を自覚し、適正なる事務執行について特段の配意をされたいこと。

事務職員については、事務量に応じ、努めて有能な職員の配置に心掛けるとともに法令通ちよう等を研さんさせ、事務処理の的確を期されたいこと。

六 保健施設について

保健施設については、従来の通ちように示した方針に従い、活発に実施されているところであるが、今後もさらに積極的に実施するため、予算の枠を拡大することができるように別途予算編成基準を示したので、直接に傷病予防を目的とするもので、これら施設を実施することにより、保険給付費の減少することが期待されるものに重点を置き、積極的に実施するとともにその効果を検討するよう努力されたいこと。