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○保険給付費用償還請求権の消滅時効について

(昭和三六年四月二七日)

(保険発第三三号の二各都道府県民生部(局)保険課(部)長・各社会保険出張所長(下京を除く)あて厚生省保険局健康保険課長通知)

標題のことについて、下京社会保険出張所長から別紙(1)の照会があり、これに対して別紙(2)のとおり回答したからお知らせする。

おつて、本件に関しては、今後はこれにより処理されたい。

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(別紙(1))

(昭和三五年一一月四日 三五下社給発第一三号)

(厚生省保険局健康保険課長あて 下京社会保険出張所長)

(照会)

標記のことについては従来民法第百六十七条第一項の規定を適用すべく解していたのであるが、(昭和四年二月十九日保理第九二号による)健康保険法解釈と運用一二九頁(六)(七)によれば保険者が政府の場合は会計法第三十条を適用すべしとあり、この場合左記のように甲、乙、両説併立すると思われますので、いずれを適用して取扱うべきか、何分の御回答を願います。

(甲説) 法律上の原因なく誤つて保険給付をなしたる場合は、一応行政行為の結果としてそのまま効力を生じ、受けたる給付に対し受給者は私権の保護を受けるものにして、これが消滅時効についても民法第百六十七条第一項の規定を適用すべきである。(昭和四年二月十九日保理第九二号の主旨と解する。)

(乙説) 保険給付費用還付請求権は保険者が政府である場合は公法上の債権として会計法第三十条を適用すべきである。(健康保険法解釈と運用一二九頁(六)(七)の主旨と解する)

(別紙(2))

(昭和三六年四月二七日 保険発第三三号)

(下京社会保険出張所長あて 厚生省保険局健康保険課長)

(回答)

昭和三十五年十一月四日三五下社給発第一三号をもつて照会のあつた標題のことについて左記のとおり回答する。

保険給付請求権を全く有しない者に対し、誤つて保険給付が行なわれた場合又は正当な保険給付請求権の範囲をこえて保険給付が行なわれた場合(保険給付の受給が、詐欺その他不正の行為にもとづくものであつて、健康保険法第六十七条ノ二の規定の適用を受けるべき場合を除く。)における当該過誤払に係る保険給付費用の返還請求権は、保険者が政府である場合においては、金銭の給付を目的とする国の公法上の請求権と解せられ、その消滅時効については、法令に特段の定めがないから、会計法第三十条の規定の適用があるものである。

おつて、昭和四年二月十九日保理第九二号旧内務省社会局保険部長通知による取扱いは、保険者が政府である場合には適用がないものとするから了承されたい。