アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬の定時決定及び随時改定の取扱いについて

(昭和三七年六月二八日)

(保険発第七一号)

(各都道府県民生部(局)保険課(部)長あて厚生省健康保険・厚生年金保険課長連名通知)

健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬の定時決定に際し保険者において算定する場合の取扱い及び標準報酬の随時改定の取扱いについては、昭和三十六年一月二十六日保発第四号厚生省保険局長通達(以下単に「局長通達」という。)並びに昭和三十六年一月二十六日保険発第七号厚生省保険局健康保険課長及び厚生年金保険課長通達(以下単に「課長通達」という。)の示す基準により取り扱われてきたところであるが、これらの通達の運用に関してこれまで疑義照会のあつた事項については、次に示すところにより取り扱うこととするので、近く昭和三十七年度における標準報酬の定時決定の事務をひかえ、遺憾のないようお取り扱い願いたい。

おつて、貴管下健康保険組合に対しては、貴職からこの旨御示達のうえよろしく御指導願いたい。

1 定時決定の保険者算定について

(疑義一) 五、六、七月のいずれかの月において低額の休職給を受けた場合、局長通達1の(2)により定時決定の保険者算定を行なうものとされているが、「低額の休職給」とはどの程度の休職給をさすものか、例えば休職期間中基本給は全額支給されるが、諸手当が支給されないような休職給は、低額の休職給に該当するか。

(回答) 局長通達にいう「低額の休職給」とは、休職しなかつた場合に被保険者が通常受けうべき報酬の額に比べて低額である報酬をさすものである。

なお、休職給とは、通常受ける報酬とは別個に休職という事由に対して設定された給与として支給されるものをさし、日、時間、稼高等稼働実績に比例して報酬が定められている場合において、病気休業中稼働が減じたため給与が減じた場合におけるその給与は、休職給に該当しない。

(疑義二) 課長通達1の(2)にいう「十月以降において受けるべき報酬月額」とは、具体的にはどのように算定すればよいか。

(回答) 十月以降において受けるべき報酬月額は、定時決定時現在における可能な範囲の推定額、すなわち、五、六、七月のうち四月分以前の給料の遅配分、遡り昇給の差額分もしくは低額の休職給の支給されなかつた、又はストライキによる賃金カットを受けなかつた一か月ないし二か月に受けた報酬額の実績により推定するものであり、通常の場合は、当該一か月ないし二か月の実績を用いて算定することとなる。

(疑義三) 五、六、七月の三か月間において四月分以前の給料の遅配分を受けたときは、局長通達の1の(1)により定時決定の保険者算定が行なわれるが、五、六、七月の全部またはいずれかの月の給与の一部の支払が遅配となり八月以降に支払われることとなつたような場合保険者算定にして差し支えないか。

(回答) 定時決定に際し保険者において算定する場合として取り扱つて差し支えない。

なお、この場合、保険者において算定する報酬月額は課長通達1の(2)の「その他の場合」の取扱いと同様とすること。

(疑義四) 五、六、七月の三か月間のうちに三か月定期券の支給があつた場合は、当該月の報酬支払基礎日数が二〇日未満であるとき等事例によつては保険者において算定する場合として取り扱つて差し支えないか。

(回答) 健康保険法第三条第二項及び厚生年金保険法第二十一条第一項の規定により算定した額が御例示のように著しく不当と認められるような場合には、保険者において算定する取扱いとして差し支えない。なお、保険者において算定することとした場合における報酬月額は、十月以降において受けるべき報酬月額とすること。

(疑義五) 五、六、七月の三か月のうちにおいて、賞与(年四回以上支給され、昭和三十六年一月二十六日保発第五号厚生省保険局長通達により報酬の範囲に含まれるものとする。)の支給があつた場合、事例によつては定時決定に際し保険者において算定する場合として差し支えないか。

(回答) 疑義四の場合に準じて取り扱われたいこと。

(疑義六) 年間を通じ四回以上支給されない通勤費(六か月ごとに支給される定期券等)も報酬に含まれるものと解して差し支えないか。もし、報酬に含まれるものとすれば、五、六、七月のうちの三か月間においてこれが支給された場合における定時決定の取扱い如何。

(回答) 通勤費についてその数か月分を一括して現金又は定期券等により支給するのは、単に支払上の便宜によるものとみられるから、設問の年四回以上支給されない通勤費(六か月ごとに支給される定期券等)は、報酬の範囲に含まれるものと解される。なお、五、六、七月の三か月間のうちにおいて当該通勤費が支給されたときの定時決定の取扱いについては疑義四の場合と同様とする。

(疑義七) 次の設例の場合、定時決定に際しては、保険者において算定する場合として取り扱い十月以降において受けるべき報酬月額(標準報酬等級第一八級月額三万円)で決定して差し支えないか。

もし保険者算定を行なわないとすれば、取得時においては標準報酬等級第一八級で決定され、定時決定においては、報酬月額二万五〇〇〇円(六、七月の二か月の報酬の算術平均額)、標準報酬等級第一六級で決定することになる。

(設例)

六月十一日資格取得 月給三万円

六月分給与 二万円(二〇日分の日割計算)

七月分給与 三万円

(回答) 設例の場合、お見込みのとおり標準報酬等級第十八級三万円で決定して差し支えない。

2 削除