添付一覧
○収税官吏の書類閲覧について
(昭和二六年一一月二六日)
(保文発第一八七号)
(社会保険診療報酬支払基金理事長あて厚生省保険局長通知)
昭和二十六年一月九日付基業発第一七号を以て御照会になつた標記の件につき次のとおりお答えする。
社会保険診療報酬支払基金は、各保険者から診療報酬の支払を委託された限度に於ては、診療担当者に支払の義務があるから、所得税法(昭和二十二年三月三十一日法律第二十七号)第六十三条の適用を受けるものと考えられるが、政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和二十四年十二月十二日法律第二百五十六号)の適用については、客年三月二十九日付保発第十四号を以て通牒したとおり、政府が同基金に対して支払う事務費についてのみ適用されるものとして了解せられたい。
収税官吏の書類閲覧について
(昭和二六年一月九日 基業発第一七号)
(厚生省保険局長あて 社会保険診療報酬支払基金理事長照会)
旧臘来当期基金岡山支部、岡山県医師会及び岡山税務署との間において標題に関し接衝中の処今般その経緯につき別紙の通り報告して参りましたが、本問題の帰趨は基金業務に及ぼす影響は至大であり、又一面支払遅延防止法にも関連するとの見解は如何とも思考せられますので別紙写を添附の上御報告申し上げると共に何分の御指示を賜るよう御願い申し上げます。
(別紙一)
収税官吏の書類閲覧について
(昭和二五年一二月二六日 岡基発第一二〇〇号)
(社会保険診療報酬支払基金理事長あて 岡山県社会保険診療報酬支払金幹事長照会)
標記について八月十八日付を以て所轄税務署より診療報酬支払明細書の提示方に付依頼がありましたので、十一月七日第十四回幹事会にはかりました処、診療担当者代表たる両医師会の幹事は即答をさけ両医師会の意見を纒めることとなり、後日医師会より一部抽出公開には異議はなく、歯科医師会は医師会に同調する旨の申出がありましたので、以来医師会並びに税務署とも数回に亙り慎重審議を重ね双方円満なる了解のもとに之を公開することが最も望ましいと考え、併せて諸般の情勢をも考慮し、極力円満なる妥協を図つて参つたのでありますが、十二月二十五日県医師会並びに岡山税務署より左記の通り申出がありましたので、御多端の砌誠に恐縮乍ら、折返し何分の御指示を賜りますよう御願い申し上げます。
記
一 県榊原医師会長より申出事項(日本医師会が国税庁及び法務府と折衝したものであります。)
国税庁の見解としては、基金は支払義務者とみなして税務署の照会に対しては所得税法第六十三条の適用を受け、回答を拒否することは出来ないとの解釈のもとに全面的公開せられたいとの意見であります。
一 法務府の見解
曩の通牒通り社会保険診療報酬の支払は、健康保険法の保険者と基金との間の契約には事務費のみ適用されるが、右政府と保険医との間の法律関係には適用がないこととなつて居りますが、基金が国税庁の見解通り支払義務者となり所得税法第六十三条の適用を受ける場合は、支払遅延防止法により契約不履行の場合における延滞利子を支払うべきこととなり、曩の通牒と相違するので法務府としては現実に則し更に検討して速やかに回答するとのことであります。
一 岡山税務署の申出事項
基金は、支払義務者であるという見解の下に、数回にわたり全面的協力を強硬に申し出らる。
追つて、本件については、本県榊原会長の言によれば過般日本医師会の丸山代議士が大橋法務総裁に直接面談の上、基金が支払義務者となるか否かについて目下研究中なる旨仄聞致して居りますが、税務署よりは十二月三十一日迄に何れか回答せられたい旨の強い申出でありますので、本部におかれて至急法務府及び国税庁の見解並びに意向を御確め下さいまして差し迫つておりますので、何分の御指示を賜ります様御願い申し上げます。
(別紙二)
(昭和二六年一月六日 岡基発第六号)
(社会保険診療報酬支払基金庶務部長あて 岡山県会社保険診療報酬支払基金幹事長照会)
標記については、客年十二月二十七日付岡基発第一二〇○号を以て当支部の状況を御報告旁々国税庁並びに法務府の見解に基く疑義事項を併せて御照会申上げました次第でありますが、一方榊原県医師会長も同日付を以て日本医師会宛左記国税庁並びに法務府の見解の相違点を電報にて照会中でありました処、左記の通り電報にて回答がありましたので追報申し上げます。
記
一 国税庁の見解
曩に御報告申し上げました通り、基金は支払義務者と見做して税務署の照会に対しては、所得税第六十三条の適用を受け回答を拒否することは出来ないとの解釈の下に、全国的に公開せられたいとの意見であります。
一 法務府の見解
過般日本医師会の丸山代議士の申出により、法務府は基金が国税庁の見解通り支払義務者となるか否か、又はなるとすれば所得税法第六十三条の適用を受けることとなり、一方支払遅延防止法を適用し契約不履行の場合に於ける延滞利子を支払うべきであるとの見解のもとに鋭意検討中でありましたが、漸く旧臘二十九日日本医師会より榊原会長宛法務府も国税庁の見解通り基金を支払義務者と見做し法第六十三条を適用することに意見の一致をみた旨入電がありましたので、両医師会も本件については円満に之を了承し両会長の諒解を得ましたので、基金としましては来る一月六日より税務署の閲覧に供する運びと致し、一応の解決を見ましたから御報告申し上げます。
おつて、支払遅延防止法の適用については、昭和二十五年四月四日基業発第七六号通牒通り政府の支払う事務費のみ適用すべきものと愚考致されますので、御多端の砌誠に恐縮乍ら関係当局の御意向を今一度御確めの上何分の御回答賜り度く御願い申し上げます。