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○児童及び老人の交通事故防止対策の推進について

(昭和五七年六月七日)

(社老第六一号・児育第一三号・児福第一七号)

(各都道府県・各指定都市民生主管部(局)長あて厚生省社会局老人福祉・児童家庭局育成・母子福祉課長連名通知)

最近、交通事故による死者数が著しく増加する傾向にあることにかんがみ、本日付けをもつて、交通対策本部(本部長 総理府総務長官)において、別添のとおり「交通事故防止に関する当面の緊急対策について」の本部決定が行われ、交通事故防止対策を更に強力に推進することとされたところであります。

ついては、この本部決定の趣旨を踏まえ、次の事項について、関係各位に対し徹底方よろしく御指導をお願いします。

1 保育所、児童館の入所(利用)児童に対し、道路の歩行と横断の仕方等について指導の徹底を図るとともに、これら児童の保護者及び母親クラブ等の児童の健全育成のための地域組織に対する指導を通じ児童の交通事故の防止になお一層努めること。

2 老人クラブ、老人ホーム等において交通安全教室を開催すること等を通じて老人に対する交通安全思想の普及に努めるとともに、警察当局の推進している老人交通安全部会及び老人交通指導員の設置等について協力するように努めること。

(別添)

交通事故防止に関する当面の緊急対策について

(昭和五七年六月七日)

(交通対策本部決定)

最近、交通事故による死者数が著しく増加する傾向にあり、本年も五月末現在で三四四九人と、昨年同期に比べて二三〇人(七・一%)の増加となつており、極めて憂慮すべき情勢にある。

最近の交通事故による死者について見ると、幼児・高齢者の歩行中の事故、自動二輪車・原動機付自転車乗車中の事故、交差点、カーブ等における事故を中心に増加している点に特徴がある。

このような増加傾向に的確に対処し、今後交通事故による死者数を着実に減少させるためには、従来の諸施策を更に効果的に推進しなければならないが、当面、関係機関、地方公共団体及び関係団体の緊密な連携の下に、交通事故の実態に即し、次の交通事故防止対策を緊急かつ強力に推進し、交通事故防止効果の早期実現を図るものとする。

1 交通安全広報の推進

地方公共団体、関係団体及び報道機関との緊密な連携の下に、自動二輪車・原動機付自転車の交通事故防止、幼児・高齢者の保護を始めとする交通安全広報を推進する。

2 自動二輪車・原動機付自転車の運転者に対する指導の強化

(1) 自動二輪車教習、特に、安全運転知識に関する教習を強化するとともに、原動機付自転車の免許取得者に対し技能講習の受講の徹底を図る。

(2) 自動二輪車・原動機付自転車の利用については、家庭、学校、職域等における交通安全指導の徹底を図る。

3 幼児・高齢者に対する交通安全指導の推進

(1) 幼児に対しては、幼稚園、保育所、児童館、母親組織等において、道路の歩行と横断の仕方等について指導の徹底を図る。

(2) 高齢者に対しては、老人クラブ、老人ホーム、高齢者教室等における交通安全指導により、特に、正しい横断の仕方、自転車の安全利用について徹底を図る。

4 道路交通環境の重点的整備

交通事故多発の路線、区間及び地点について、関係機関及び地方公共団体が協力して道路交通環境の調査、点検等を行い、交通安全を確保するために必要な交通安全施設等の整備、交通規制等を重点的に実施する。

5 交通指導取締りの推進

交通事故の発生状況に応じて、時間、場所及び対象の重点を設定し、次により効果的な指導取締りを推進する。

ア 飲酒運転、著しい速度超過等重大事故に直結するおそれのある悪質、危険な違反の取締りを強化する。

イ 出合い頭事故、歩行者横断中の事故を防止するため、交差点、横断歩道等における交通監視活動を強化する。

ウ 高速道路においては、速度超過、路肩走行、車間距離不保持等の違反の取締りを強化する。

6 事業活動における安全運転の推進

企業等の事業活動に伴う交通事故を防止するため、関係業界団体及び各事業所に対し、安全運転管理・運行管理の徹底、労働時間管理の適正化等の自主的な対策を積極的に推進することにより、速度超過、過積載、過労運転等の違法運行の防止を図るよう指導を強化する。

7 シートベルト着用の推進

シートベルトの着用とその効果について周知させ、着用率の向上を図るため、その着用について更に啓もう指導を行うこととし、特に、本年八月に、別紙要綱により、シートベルト着用推進運動を実施する。