添付一覧
○老齢者の所得税法上の取扱いについて
(昭和四五年六月一〇日)
(社老第六九号)
(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省社会局長通知)
改正 昭和四六年七月五日社老第七七号
昭和四十五年法律第三十六号による所得税法の一部改正及び昭和四十五年政令第百五号による所得税法施行令の一部改正により、所得税法による扶養控除及び障害者控除の対象となる者の範囲等が次のように改められたので、貴職においても左記に留意のうえ、関係各方面に対する指導等及び対象となる老齢者に対する趣旨徹底に遺憾なきよう格段の配慮を煩わしたい。
なお、本通知の内容については、国税庁当局の了解ずみであるので申し添える。
記
第一 障害者控除の範囲拡大について
従来、障害者控除の対象となる者は、精神衛生鑑定医等の判定により精神薄弱者とされた者、身体障害者手帳を有する者等に限られ、老齢により精神又は身体に障害のある者であつても、これらの者に該当しない限り、控除の対象とならなかつたものであるが、このたび障害者控除の対象となる者の範囲が次のように拡大されたこと。
1 「障害者」の範囲に、精神又は身体に障害のある年齢六五歳以上の者で、その障害の程度が、所得税法施行令第十条第一項第一号に定める精神薄弱者等又は、第二号に定める身体障害者に準ずるものとして福祉事務所の長の認定を受けている者が加えられたこと。
なお、控除額は年額一〇万円(昭和四十五年分は、九万七五〇〇円)であること。
2 「特別障害者」の範囲に、精神又は身体に障害のある年齢六五歳以上の者で、その障害の程度が、所得税法施行令第十条第二項第一号に定める重度の精神薄弱者等又は、第二号に定める一級又は二級の身体障害者に準ずるものとして福祉事務所の長の認定をうけている者が加えられたこと。
なお、控除額は年額一四万円(昭和四十五年分は、一三万七五〇〇円)であること。
3 障害者及び特別障害者であることの認定は、福祉事務所の長が、嘱託医、民生委員等の協力の下に、前記基準に基づき、別紙認定書を交付することにより行なうものとすること。
なお、六か月程度以上臥床し、食事・排便等の日常生活に支障のあるいわゆるねたきり老人は、従来から特別障害者とされており、前記の認定をまつまでもなく特別障害者控除の対象となるものであるが、該当者から認定の申請があつた場合には、前記に準じて認定書を交付してさしつかえないものであること。
4 福祉事務所の長は、認定書を交付したのち、当該認定書の写し及び判断の基礎となるところの事実の記録を、その有効期間保存するものであること。
認定書の有効期間は、当該障害者控除の対象となる者の障害事由の存続期間であること。
第二 扶養控除について
扶養親族の範囲に、老人福祉法第十一条第一項第四号の規定により、同号に規定する養護受託者に委託された老人(老人福祉法第十一条第二項の規定による場合も含む。)でその居住者と生計を一にする者のうち、合計所得金額が一定額以下の者が加えられたこと。
なお、控除額は年額一二万円(昭和四十五年分は、一一万五〇〇〇円)であること。
第三 老年者控除について
控除額が、年額九万円から一〇万円(昭和四十五年分は、九万七五〇〇円)に引き上げられたこと。
第四 施行期日
このたびの所得税法及び所得税法施行令の改正は、本年五月一日より施行され、本年分からその適用が受けられるものであること。
別紙