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○災害救助法による日本赤十字社の活動に関する件

(昭和二三年六月二三日)

(社乙発第九四号)

(各都道府県知事あて厚生省社会局長通知)

標記の件に関しては法律が総括的規定を設けているのみで具体的事項については種々疑義があつたことと存ずるが、今般別紙のとおり日本赤十字社と当省との間に協定をなしたから協定の各項を十分御了知の上貴県日赤支部と御協議のうえ委託事項の取り決めをなされたい。

なお委託事項の取り決めに当つては、救護班五箇班以上を編成させなければならないものであるからこの点特に遺漏のないよう配意ありたい。

別紙

1 災害救助法による救助は、国の責任において行われるものであるから、救助の実施については都道府県知事が責任を負うのであつて、日本赤十字社はこれに協力するという建前である。法第二十一条第一項の規定は災害救助法による救助に対する日本赤十字社の協力義務を総括的宣言的に述べたものである。

2 法第三十二条の規定による委託事項は、差し当つて医療、助産及び死体の処理(一時保存を除く。)で都道府県知事が委託を適当と認める範囲のものとする。委託については左の各項による。

(1) 委託の範囲について、都道府県知事は、日本赤十字社と協議して予め定めておき、厚生大臣の承認を得なければならないこと。

(2) 都道府県知事から委託をうけた医療及び助産を行うため、日本赤十字社都道府県支部長は、日本赤十字社職員又は契約による医師等から成る救護班を五箇班以上編成しなければならないこと。

日本赤十字社職員が不足するため日本赤十字社職員以外の医師を契約により右の救護班に加える必要がある場合は、日本赤十字社職員と看做して差し支えないこと。

(3) 日本赤十字社は、市(六大都市では特別区又は区とする。以下同じ。)町村の区域毎に、医療関係者等を以て医療班を編成すること。

(4) 日本赤十字社は、市町村の区域毎に、日本赤十字社奉仕団を編成し、第一救護に当る篤志救助員を設置すること。

(5) 都道府県知事は、法第三十一条の規定に基づく主任大臣の命令を実施するため必要があると認めたときは、救護班の活動について日本赤十字社都道府県支部長に対し命令することが出来ること。この際日本赤十字社社長及び日本赤十字社都道府県支部長は、緊密なる連絡に努めなければならないこと。

3 日本赤十字社には、地方公共団体以外の団体又は個人と同等の位置で救助に関し協力をなす立場と、これらの協力の連絡調整を行う立場とがあるが、日本赤十字社が政府の指揮監督の下に救助に関し地方公共団体以外の団体又は個人がなす協力に方向づけを与える立場は、法第二十一条第二項によつて日本赤十字社だけに認められたものである。

なお連絡調整については、左の各項による。

(1) 日本赤十字社は連絡調整を行うため、委員会に諮問して必要な計画を作成し、都道府県知事の認可を受けなければならないこと。

(2) 都道府県知事は、日本赤十字社の行う連絡調整に関する前項の計画に基いて日本赤十字社に対し必要な指揮監督を行い、民間の団体及び個人のなす協力活動の効果を収めることに努めなければならないこと。

(3) 連絡調整事項は、例えば救助金品の募集、労力奉仕班の編成派遣、医療及び助産等であること。

4 別図は、日本赤十字社都道府県支部を中心とした業務表であるが、都道府県災害救助隊協力部の業務表はこれを基準して作成しなければならない。