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○災害救助法施行に関し日本赤十字社の育成協力に関する件

(昭和二二年一〇月二五日)

(社乙発第一三一号)

(各都道府県知事あて厚生省社会・医務局長連名通知)

今回実施された災害救助法において日本赤十字社は、政府に協力して救助活動に全幅の努力を傾注することになつているが、この赤十字の活動は既に欧米の諸国家において行われている所であつて今後の災害救助の在り方としては極めて適切なものと思われる。

よつて政府は救助又は応援の実施に際して日赤機構の充実強化に伴つて出来るだけ広範囲に各種の業務を委託してゆく方針を持つており、日本赤十字社においても終戦後、戦時救護から平時救護に事業の転換を行い定款の改正、機構の整備等に努めて内容の充実を図り、政府の期待に応ずるように努力しているが、日なお浅く未だ充分その成果を挙げるまでに達していない。

然しこれの育成強化の問題は直接災害救助に至大の関係を有する極めて肝要な事柄であるから特に左記事項について救助するよう御配意ありたい。

1 民間団体及び個人の救助活動に関する連絡調整、法第二十一条第二項の連絡調整に関しては、その関係する団体の種類並びに数も多く、従つてこれとの円滑なる連絡を図り適正なる調整を行うことは相当困難を伴うものと思われるから、これに関する日赤支部の計画樹立並びに関係団体との協議等について特別の援助を願いたい。

2 奉仕団の結成、日赤は救助活動の現地機関として市区町村或は学校、工場、会社等に日赤社員より成る奉仕団を結成してこれを第一線の救助機関とするために目下日赤支部を通じて市区町村に勧奨中であるからこれが可及的速かなる結成に協力願いたい。

3 医師、看護婦、助産婦、薬剤師等の医療並びに助産機関との協定、日赤は罹災傷病者並びに妊産婦の医療、助産を迅速に行うために市区町村に開業する医師、助産婦、薬剤師等の協力を得て災害地に日赤応急救護班を編成し、前項奉仕団員と共に現地救護の完きを期しようとしているので医療団体、助産団体をして協力せしめられたい。

4 医療救護資材の整備、医療器具、医薬品その他の救護資材を常時整備しておくことは迅速なる応急救助に必要不可欠の事柄であるからこれが整備に援助願いたい。

5 災害資金の造成、日赤は災害救助資金の造成を図り救助活動に要する経費の備蓄に努めているからこれが目的達成に協力願いたい。

6 その他各種団体との連絡に関する事項、物資の生産、保管、配給、輸送等の諸団体とは緊密なる連絡を保ち救助活動の円滑を期する必要があるので、これ等の団体と日赤支部との連絡に協力願いたい。