添付一覧
○戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の施行に伴う事務処理について
(昭和四〇年六月一日)
(援発第五九二号)
(各都道府県知事・那覇日本政府南方連絡事務所長あて厚生省援護局長通知)
戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の施行については、本日、厚生省発援第三九号通達「戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の施行について(依命通達)」及び援発第五九一号通達「戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の施行について(施行通達)」をもつて通達されたところであるが、これが事務処理については、左記事項を御了知のうえ、遺憾のないようにされたく、通達する。
記
第一 請求手続の指導に関する事項
1 特別弔慰金請求書(以下「請求書」という。)及び添付書類は、正確な文字で明りように記載するとともに、請求者の居住地及び氏名については、請求書、戸籍抄本又は特別弔慰金国庫債券印鑑等届出書(以下「印鑑票」という。)との間にそごを来たさないよう請求者を指導すること。
2 請求書の各欄の記載に当つては、請求書裏面の「記載上の注意」に示されているほか、次の点に留意するよう請求者を指導すること。
(1) 「国債受領希望取扱店名」の欄
日本銀行の本店、支店又は代理店のうち、請求者が希望する一つの取扱店名(沖繩地域の居住者については、「日本銀行本店」とする。)を記載すること。
なお、日本銀行の国債代理店においては、国債を受領することはできないので注意すること。
(2) 「国債の受領を市町村長に委任した場合はその市町村長名」の欄
国債の受領を請求者の居住地の市町村長(特別区にあつては、区長。以下同じ。)に委任した場合は、その市町村長名(沖繩地域の居住者については「総理府特別地域連絡局長」とする。)を記載すること。
なお、市町村長が委任を受けた場合は、この欄に担当者が押印すること。
(3) 「国債の償還金の希望支払場所」の欄
国債の償還金の支払場所として、郵便局を希望する者はその局名を記載し、銀行を希望する者は、日本銀行の本店、支店、代理店又は国債代理店のうち請求者が希望する一つの店名を記載すること。
第二 請求書類の受付等に関する事項
1 請求者の居住地の都道府県知事(那覇日本政府南方連絡事務所長を含む。以下同じ。)は、市町村長(琉球政府の関係当局を含む。)から請求書類の送付を受けたときは、次の措置をとること。
(1) 特別弔慰金請求書受付処理簿(以下「受付処理簿」という。)に遅滞なく登載すること。
(2) 請求書類が整備されているかどうかを点検し、不備があるときは、すみやかに補正させること。
(3) 請求書類に添付された印鑑票は、裁定機関から特別弔慰金裁定通知書(以下「裁定通知書」という。)又は特別弔慰金却下通知書(以下「却下通知書」という。)の送付があるまでは、整理して保管しておくこと。
2 裁定機関は、請求者の居住地の都道府県知事から請求書類の送付を受けたときは、次の措置をとること。
(1) 受付処理簿に遅滞なく登載すること。
(2) 請求書類が整備されているかどうかを点検し、不備があるときは補正させるために、請求者の居住地の都道府県知事に返送すること。
第三 裁定に関する事項
特別弔慰金の受給権を有するかどうかについては、次により審査のうえ裁定すること。
1 「戦没者等の遺族」であることの確認
(1) 請求者(相続人が請求するときは被相続人をいう。以下(2)において同じ。)の戸籍の抄本について、戸籍の編製年月日が昭和四十年四月一日前であること及びその認証年月日が同日以後であることを確認するとともに、戦没者の遺族の現況等についての申立書(以下「現況申立書」という。)及び戸籍書類により昭和四十年四月一日において離縁により戦没者との親族関係が終了していないことを確認すること。
(2) 請求者が、弔慰金の受給権を取得した者であること又は弔慰金の受給権を取得した者とみなされたものであることを、都道府県が保管している弔慰金の裁定状況を記載してある資料、提出された戸籍書類及び現況申立書並びに配偶者については住民票の謄本を総合的に審査して、次の各号により確認すること。
ア 請求者が配偶者及び子以外の者である場合
(ア) 請求者が弔慰金裁定通知書の名義人(以下「名義人」という。)と同一人であるかどうかを確認すること。
(イ) 請求者が名義人と異なる場合は、請求者が名義人と同順位であつたかどうかを確認すること。
a (イ)の同順位であつたかどうかを認定するに当つては、父母、兄弟姉妹、伯叔父母等親等を同じくする場合にあつても、弔慰金について必らずしも同順位でないから注意すること。たとえば、兄弟姉妹は通常第六順位であるが、遺族以外の者の養子となつている兄弟姉妹は第九順位であり、また、伯叔父母のうち葬祭を行なつた者は第一一順位であるが、その他の伯叔父母は第一二順位である(前記の順位については、戦傷病者戦没者遺族等援護法(以下「遺族援護法」という。)第三十六条第一項第六号、第九号、第十一号及び第十二号を参照のこと。)
b (イ)の同順位であるかどうかの認定をする時点は、弔慰金の受給権を取得したときであることに注意すること。たとえば、弔慰金の受給権を取得した後において、遺族以外の者の養子となつた兄弟姉妹は、依然として六順位である。
イ 請求者が子である場合
(ア) 請求者が弔慰金の受給権を取得した者である場合の確認については、前記アに準ずるものであること。
(イ) 請求者が弔慰金の受給権を取得した者でない場合は、請求者が戦没者の子であることを確認したうえで、弔慰金の受給権を取得した者が、次のいずれかに該当することを確認すること。
a 昭和四十年四月一日において、死亡していること。
b 昭和四十年四月一日において、日本の国籍を有していないこと。
c 昭和四十年四月一日において、離縁によつて戦没者との親族関係が終了していること。
d 弔慰金の受給権を取得した者が配偶者である場合において、次のウの(イ)のa又はbに該当すること。
ウ 請求者が配偶者である場合
(ア) 請求人が名義人であることを確認すること。
(イ) 請求者が次のいずれにも該当しないことを確認すること。
a 弔慰金の受給権の取得時までに遺族以外の者と事実婚をした場合で、弔慰金の受給権を取得した当時、戦没者の子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹のいずれかがあつた場合
b 弔慰金の受給権を取得した後、遺族以外の者と昭和四十年四月一日前に、事実婚又は氏を改めた法律婚をした場合
前記の場合において遺族とは、兄弟姉妹のほかに、これらの者以外の三親等内の親族を含むものであるから注意すること。
2 公務扶助料等の受給権者がないことの確認
(1) 都道府県の保管している公務扶助料等の請求、裁定、受給状況を記載してある資料及び現況申立書並びに戸籍書類により公務扶助料等の受給状況を確認すること。
(2) (1)により昭和四十年四月一日における公務扶助料等の受給権者がないことの心証が得られない場合においては、請求者へ必要資料の提出を求め又は市町村等に対し所要事項の照会を行なう等により、公務扶助料等の受給権者がないことを確認すること。
(3) 公務扶助料等の受給権者がないことの確認に当つては、累次の法改正により、当初弔慰金の受給権のみが裁定された後において、公務扶助料等の受給権が発生している場合があるから注意すること。
このような法改正の主なものは、公務傷病の範囲の拡大、遺族範囲の拡大(父母及び祖父母の氏を改めない婚姻、配偶者、子及び孫の養子縁組解消、入夫婚姻による妻の父母並びに再婚解消妻)等であるが、特に、昭和三十九年法律第百五十九号による公務傷病の範囲の拡大及び再婚解消妻等については、遺族年金等の受給権は発生しているが、未だ権利の裁定がなされていないものが殆んどであるので審査に慎重を期すること。
3(1) 1により「戦没者等の遺族」であることが確認され、2により公務扶助料等の受給権者がないことが確認されたときは、請求者は特別弔慰金の受給権を有するものと裁定すること。
(2) 1又は2のいずれかの確認がなされないときは、請求者は特別弔慰金の受給権を有しないものと裁定すること
(3) (1)又は(2)により裁定したときは、その旨を適当と認める保管資料に確実に記載し、じ後の重複裁定の防止に努めること
第四 裁定通知書及び却下通知書に関する事項
1 裁定通知書の各欄の記載に当つては、次の点に留意すること。
(1) 「記号及び番号」の欄
ア 「弔」の次に、裁定機関の別により定めた次の表の記号を記載すること。
区分 |
記号 |
区分 |
記号 |
北海道知事 |
北 |
青森県知事 |
青 |
岩手県知事 |
岩 |
宮城県知事 |
城 |
秋田県知事 |
秋 |
山形県知事 |
形 |
福島県知事 |
島 |
茨城県知事 |
茨 |
栃木県知事 |
栃 |
群馬県知事 |
群 |
埼玉県知事 |
玉 |
千葉県知事 |
千 |
東京都知事 |
東 |
神奈川県知事 |
神 |
山梨県知事 |
梨 |
長野県知事 |
長 |
新潟県知事 |
新 |
富山県知事 |
富 |
石川県知事 |
石 |
福井県知事 |
井 |
静岡県知事 |
静 |
愛知県知事 |
愛 |
岐阜県知事 |
岐 |
三重県知事 |
三 |
滋賀県知事 |
滋 |
京都府知事 |
京 |
奈良県知事 |
奈 |
和歌山県知事 |
和 |
大阪府知事 |
阪 |
兵庫県知事 |
兵 |
鳥取県知事 |
鳥 |
島根県知事 |
根 |
岡山県知事 |
岡 |
広島県知事 |
広 |
山口県知事 |
山 |
徳島県知事 |
徳 |
香川県知事 |
香 |
愛媛県知事 |
媛 |
高知県知事 |
高 |
福岡県知事 |
福 |
佐賀県知事 |
佐 |
長崎県知事 |
崎 |
熊本県知事 |
熊 |
大分県知事 |
分 |
宮崎県知事 |
宮 |
鹿児島県知事 |
鹿 |
那覇日本政府南方連絡事務所長 |
沖 |
厚生大臣 |
厚 |
イ 番号は一連とすること。
(2) 「受給者」の「氏名」の欄
戦没者の遺族の相続人につき裁定した場合は、たとえば「戦没者の遺族(甲野花子)の相続人甲野太郎」のように記載すること。この場合、相続人が未成年者等であるときは、相続人の法定代理人の氏名を、たとえば、
「戦没者の遺族(甲野花子)の相続人
親権者 甲 野 正 男
甲 野 太 郎」
のように記載すること。
(3) 「受給者」の「居住地」の欄
戦没者の遺族の相続人につき裁定した場合は、相続人の居住地を記載するものであること。
この場合、相続人が未成年者等であるときは、相続人の居住地の記載を省略し、法定代理人の居住地を記載するものであること。
2 却下通知書の各欄の記載に当つては、次の点に留意すること。
(1) 「記号及び番号」の欄
1の(1)と同じ。
(2) 「請求者」の「氏名」の欄
1の(2)と同じ。
(3) 「却下の理由」の欄
たとえば、「戦没者の遺族とは認められない。」「戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法に該当しない。」のように簡略にすることなく、次の例のように具体的に記載すること。
ア 「あなたは、山川一郎殿の死亡に関して、弔慰金を受給していませんので、特別弔慰金を受ける権利を有しません。」
イ 「山川一郎殿の死亡に関し、山川キヨ殿が昭和四十年四月一日において公務扶助料を受ける権利を有していますので、あなたは、特別弔慰金を受ける権利を有しません。」
3 裁定通知書及び却下通知書は、請求者の居住地の都道府県知事と裁定機関とが同一であるときは、正本一部及び写一部を、請求者の居住地の都道府県知事と裁定機関とが異なるときは、正本一部及び写二部をそれぞれ作成すること。
4 裁定通知書の写及び却下通知書の写は、それぞれ番号順に編綴して保管すること。
第五 印鑑票の処理に関する事項
1 請求者の居住地の都道府県知事は、裁定機関から裁定通知書又は却下通知書の送付を受けたときは、第二の1の(3)により保管している印鑑票を、可決の裁定をされたものについては、その者の居住地を管轄する財務局長又は財務部長(沖繩地域の居住者については、関東財務局長。)あてに、却下の裁定をされたものについては、当該裁定機関へ送付すること。
2 1により却下の裁定をされた者に係る印鑑票の送付を受けた裁定機関は、それをその者の請求書類に編綴して保管すること。
第六 帳簿類に関する事項
1 受付処理簿の記載に当つては、次の点に留意すること。
(1) 都道府県知事は、原則として請求者の居住地により市町村別及び他の都道府県別に受付処理簿の記載を行なうこと。
(2) 都道府県知事は、請求書類を受け付けたとき、請求書類を裁定機関へ送付したとき、請求書類につき特別弔慰金の受給権を裁定したとき、厚生省へ報告したとき、裁定機関から裁定通知書又は却下通知書を受けたとき等には、その都度所要事項をそれぞれの欄に記載すること。また、請求書類の取下げのあつたとき、請求書類の補正を求めたとき、裁定を保留したとき等には、備考欄に、その都度所要事項を正確に記載すること。
2 特別弔慰金審査請求書(異議申立書)受付送付簿の記載に当つては、次の点に留意すること。
都道府県知事は、審査請求書又は異議申立書を受け付けたときは、受付順に記載し審査請求書又は異議申立書を裁定機関又は厚生大臣に送付したとき、裁決書又は決定書の送付を受けたとき等には、その都度所要事項をそれぞれの欄に記載すること。
第七 統計報告に関する事項
1 都道府県知事は、毎月の末日現在をもつて、別表による「特別弔慰金裁定状況等報告書」(以下「報告書」という。)を作成し、翌月十日までに本職あてに提出すること。
2 報告書の「受付裁定状況」の欄の記載に当つては、次の点に留意すること。
(1) 「管内本籍」の「管内居住」の欄
請求者の居住地の都道府県知事と裁定機関とが同一であるものの数を計上すること。
(2) 「管内本籍」の「管外居住」の欄
請求者の居住地の都道府県知事と裁定機関とが異なる場合のうち、裁定機関からみた数を計上すること。
(3) 「管外本籍管内居住」の欄
請求者の居住地の都道府県知事と裁定機関とが異なる場合のうち、居住地の都道府県知事からみた数を計上すること。
(4) 「受付」の欄
初度に受け付けたものを計上することとし、書類不備のため補正したものを再受け付けしたときは、計上しないこと。ただし、「取下げ」の欄に計上した後、再び受け付けた場合は新たに受け付けたものとして計上すること。
(5) 「他の都道府県へ送付」の欄
「管外本籍管内居住」のものについて、請求書類をはじめて送付したものを計上し、書類不備のため補正したものを再送付するときは計上しないこと。
(6) 「取下げ」の欄
取下げのあつたものを計上し、補正のため返送したものは計上しないこと。
(7) 「前記のうち補正のため返送しているもの」の欄
「本月末未処理」の欄に計上したもののうち、補正のため請求書を返送しているものを計上すること。
なお、裁定機関へ送付後、裁定機関から補正のため返送を受けたものは計上しないこと。
3 報告書の「裁定区分」の欄の記載に当つては、次の点に留意すること。
(1) 「戦没者の身分別」の欄
三万円の弔慰金の受給権を取得した者については、「準軍属」の欄に、二万円の弔慰金の受給権を取得した者については「軍属」の欄に計上すること。
同一の戦没者について三万円の弔慰金と二万円の弔慰金の受給権を取得した者については、「軍属」の欄に計上すること。
(2) 「遺族の身分別等」の欄
ア 「配偶者」の欄
(ア) 弔慰金の受給権を取得したときの状態により計上すること。
(イ) 「弔慰金の10順位等」の欄
遺族援護法第三十六条第一項第十号該当者として弔慰金の受給権を取得したもの及び遺族以外の者と事実婚したことにより同条同項第一号括弧中ただし書に該当する者として弔慰金の受給権を取得したもので、その権利を取得した当時同項第十号該当者として弔慰金の受給権を取得したものと同様の状態にあつたものを計上すること。
(ウ) 「再婚していなかつた」の欄
弔慰金の受給権を取得した当時は、再婚していなかつたが、その後昭和四十年四月一日前に遺族と婚姻した者、氏を改めない法律婚をした者又は遺族以外の者と養子縁組した者を計上すること。
イ 「子」の欄
名義人ではなかつたが名義人の同順位者として弔慰金の受給権を取得した者については、「弔慰金を受けた者」の欄に計上すること。
ウ 「伯叔父母等」を欄
伯叔父母、甥姪及び三親等内の姻族について計上すること。
(3) 「却下」の欄
「その他」の欄は、請求者が昭和四十年四月一日前に死亡しているもの、国籍を失なつているもの及び離縁によつて戦没者との親族関係が終了しているもの等「弔慰金の受給権のないもの」及び「公務扶助料等の受給権者のあるもの」以外の理由のものについて計上すること。
別表 略
