アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○戦傷病者特別援護法に基づく請求を却下する場合の取扱いについて

(昭和四一年八月九日)

(庶務第三二二号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省援護局庶務課長通知)

昭和三十七年十月一日から行政不服審査法が施行されて、国民に対して広く行政庁に対する不服申立ての途が開かれたことは、同年十月二十二日厚生省発総第五八号各都道府県知事あて厚生事務次官通知「行政不服審査法の施行について」で、すでにご承知のとおりである。

戦傷病者特別援護法に基づいて行なう戦傷病者手帳の交付、療養の給付、補装具の支給などの処分は、行政不服審査法にいう不服申立てができる処分であり、しかも、戦傷病者特別援護法には、不服申立てについて特別の定めがもうけられていないから、行政不服審査法第一条第二項の規定により、戦傷病者特別援護法に基づく行政庁の処分についての不服申立ては、全面的に行政不服審査法の適用を受けるものである。

ところが、最近、都道府県において戦傷病者特別援護法に基づく各種の請求を却下する場合に、行政不服審査法第五十七条第一項による教示を行なわない例が見受けられるので、今後、戦傷病者特別援護法に基づく各種の請求を却下する場合には、かならず別記様式により、請求者に通知ねがいたい。その際、「理由」欄は、別紙「戦傷病者特別援護法の規定による戦傷病者手帳交付請求等に関する却下処分理由の代表例」にかかげた例にならつて記入ねがいたい。

なお、戦傷病者手帳の交付、療養の給付、補装具の支給などの処分の権限は、戦傷病者特別援護法施行令第十三条第一項の規定により、沖繩地域に居住する者に関するものを除き都道府県知事にあるのであるから、処分は、かならず都道府県知事名をもつて行なわれなければならないものであることを申し添える。

別記様式

(別紙)

戦傷病者特別援護法の規定による戦傷病者手帳交付請求等に関する却下処分理由の代表例

1 戦傷病者手帳関係

(1) 身分

「原傷病(左膝関節骨折)の受傷時の身分は、法第二条第二項に規定する軍人とは認められない。」

(2) 公務性

「現症(肺結核)は、法第二条第二項に規定する公務上の傷病とは認められない。」

(3) 障害の程度及び療養の必要性

「現症(右胸部砲弾破片創)は、法第二条第二項の規定による公務上の傷病と認められるが、その障害は法第四条第二項に規定する程度(旧第二目症)に達しない。また同条第一項第二号に規定する療養の必要があると認められない。」

(4) 合併症

「現症のうち、(左大腿部砲弾破片創)は、法第二条第二項の規定による公務上の傷病と認められるが、法第四条第二項に規定する程度(旧第二目症)に達しなく、かつ同条第一項第二号に規定する療養の給付の必要があると認められない。また、その他の傷病(肺結核)は、同法第二条第二項に規定する公務上の傷病とは認められない。」

2 療養の給付関係

「現症(虫様突起炎)は、公務上の傷病(肺結核)から当然に起るものではないので、現症と公務上の傷病とは直接因果関係があるものとは認められない。」

3 補装具の支給関係

「公務上の傷病(左示指骨折)の障害の程度は、令別表に定められた程度に達しているとは認められない。」

(注)

1 「法」とは、戦傷病者特別援護法をいう。

2 「令」とは、戦傷病者特別援護法施行令をいう。