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○戦傷病者戦没者遺族等援護法第三十四条第二項に規定するもとの陸軍又は海軍の要請に基いて戦闘に参加した者に関する弔慰金請求手続等について
(昭和二八年四月一六日)
(援護第二六〇号)
(各都道府県知事・地方復員残務処理部長あて引揚援護庁援護局長通知)
標記の件については、左記により取り扱われたい。
記
一 戦傷病者戦没者遺族等援護法第三十四条第二項に規定するもとの陸軍又は海軍の要請に基いて戦闘に参加した者(昭和二十年三月二十二日の閣議決定国民義勇隊組織に関する件に基いて組織された国民義勇隊の隊員となつた者を除く。)として同項の規定の適用を受けるべきものは、次に掲げるものであること。
(一) もとの陸軍又は海軍より戦闘に参加することの要請又は指示を受けて戦闘に参加し、これにより戦死、戦傷死又は戦病死した者
(二) もとの陸軍は海軍より作戦任務を課せられ、その任務遂行中敵又は敵対行為を行う者と交戦(自衛のための交戦を含む。)し、これにより戦死又は戦傷死した者
二 前項に該当する者は、次のものであること。
(一) もとの陸軍又は海軍の部隊の長の要請又は指示を受けて軍事行動に参加し、これにより戦死、戦傷死又は戦病死した者であつて死亡の日に遡つて有給軍属に採用されたもの
(二) 前記(一)に掲げるものの外、特殊漁船乗組員並びに日本航空株式会社、南満洲鉄道株式会社、華北交通株式会社、華中鉄道株式会社、満洲航空株式会社、中華航空株式会社、満洲電信電話株式会社、日魯漁業株式会社及び南方進出企業の従業員で、もとの陸軍又は海軍より作戦任務を課せられ、その任務遂行中敵又は敵対行為を行う者と交戦(自衛のための交戦を含む。)し、これにより戦死又は戦傷死したもの
「註」
一 特殊漁船とは、もとの海軍より燃料を附与され、かつ、兵器を貸与されて防空及び洋上監視等の軍事任務を兼ねた漁船をいう。
二 南方進出企業とは、もとの陸軍又は海軍の要請により南方の陸軍又は海軍の軍政地域に進出し、戦時重要資源の開発及び現地部隊の糧食補給等の任務に当つた企業をいう。(企業の名称一覧表別添(一)のとおり。)
(三) 満洲開拓民(開拓女塾生を含む。)たる満十七才以上の男女及び青少年義勇隊員たる満十四才以上の者で、開拓地又は開拓地から、収容所に移動する途中において敵又は敵対行為をするものと交戦(自衛のための交戦を含む。)し、これにより戦死又は戦傷死したもの(自決を余儀なくされた者を含む。)
(四) 左の表に掲げる地域及び時期において、軍より作戦任務を課せられ、その任務遂行中敵と戦闘し、又は軍の戦闘行為をほう助し、これにより戦死又は戦傷死したもの(自決を余儀なくされた者を含む。)
地域 |
時期 |
ニユーギニヤ |
昭和十八年一月以降 |
タララ島、マキン島 |
昭和十八年十一月以降 |
クエゼリン島、ルオツト島、マロエラツプ島、ブラウン島、ウオツゼ島 |
昭和十九年一月以降 |
ビアク島 |
昭和十九年四月以降 |
サイパン島及びビルマ(中国地域内におけるビルマ国境地域を含む。) |
昭和十九年六月以降 |
テニヤン島、グワム島 |
昭和十九年七月以降 |
モロタイ島、ペリリユー島 アンガウル島 |
昭和十九年九月以降 |
比島 |
昭和十九年十月以降、但し、ミンダナオ島については、昭和二十年三月以降 |
蘭領ボルネオ |
昭和二十年二月以降 |
慶良間諸島及び沖縄本島 |
昭和二十年三月以降 |
タラカン島 |
昭和二十年四月以降 |
満洲 |
昭和二十年八月以降 |
(五) その他別途指示するもの
三 二の者に係る弔慰金請求書に添附すべき書類のうち、法施行規則第三十六条第二項第二号及び第四号の書類は、次に掲げるものとすること。
(一) 二の(一)に掲げる者については、死亡公報又はその写。但し、これらの書類を滅失し、又はふん失した場合においては(二)に掲げる申立書を添えるものとすること。
(二) 二の(一)に掲げる者以外の者については、別紙様式による戦闘参加者についての申立書及び当該申立事項についての事実を認めることができる現認証明書、死亡報告書又は通信文書(やむを得ない場合においては、これらの書類に代えて、原本と相違ない旨の市町村長の奥書証明を附したこれらの書類の写を提出して差し支えないこと。)とすること。
四 本通ちようによる請求書等の経由は、次のとおりであること。
(一) 弔慰金請求書は、請求者の住所地を管轄する市町村長、都道府県知事、死亡者の除籍時における本籍地を管轄する都道府県知事(死亡者がもとの海軍に属していたものであつて、その者の身分に関する書類が戸籍書類により地方復員残務処理部に保管されていることが明らかなものについては、請求者の住所地を管轄する市町村長、都道府県知事、死亡者の除籍時の本籍地を管轄する都道府県知事及び当該地方復員残務処理部長とする。)を順次経由して裁定機関に送付すること。この場合における裁定機関の事務は、次の区分によつて行なうものであること。
審査第一課・審査第二課・審査第三課 |
審査第四課 |
一 陸軍軍属となつているもの |
一 海軍軍属となつているもの |
二 陸軍の部隊長より戦闘参加の要請のあつたもの |
二 海軍の部隊長より戦闘参加の要請のあつたもの |
三 戦闘参加の要請をした部隊が陸軍又は海軍のいずれであるか不明のもので受傷り病の場所が次の地域であるもの満洲、関東州、中国本土、仏領印度支那、ビルマ、タイ、マレー、印度、フイリピン、南西諸島、スマトラ、ジヤワ、英領ボルネオ、その他下欄の地域以外の地域 |
三 同上の場所が左の地域であるもの北太平洋上の島しよ(樺太、千島を含む。)、中部太平洋上の島しよ、ニユーギニヤ、蘭領東印度諸島(ジヤワ、スマトラを除く。)、太平洋及び印度洋、海南島 |
註 審査第一課、審査第二課及び審査第三課の担任区分は、死亡者の除籍時の本籍地都道府県の区分により一般軍人軍属の例によるものとする。 |
(二) 弔慰金裁定通知書は、請求者の住所地を管轄する都道府県知事、市町村長を順次経由して請求者に交付すること。
なお、弔慰金裁定通知書の写を死亡者の除籍時における本籍地を管轄する都道府県知事に送付すること。
別紙様式 略