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○児童手当関係法令上の疑義について

(昭和五八年二月一〇日)

(児手第三二号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省児童家庭局児童手当課長通知)

行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律(昭和五十六年法律第九十三号。以下「行革関連特例法」という。)第十一条第一項の給付(以下「特例給付」という。)に係る取扱いについては、昭和五十七年三月二十四日児手第一二号をもつて通知したところであるが、今般、別添のとおり、特例給付に係る疑義に対する取扱いを定めるとともに、最近において照会の多い児童手当法上の疑義について新たにその取扱いを示すこととしたので、御了知のうえ、管下市町村(長)に対する周知、徹底を図られたく、通知する。

なお、昭和四十六年十二月八日児手第四○号本職通知の問9、問13及び問21は廃止する。

〔別添〕

(問1) 特例給付の受給権者(被用者)が勤めていた会社を退職した場合には、特例給付の受給権は消滅するのか。

(答)1 特例給付は、児童手当法第十八条第一項に規定する被用者又は同法第十七条第一項に規定する公務員に対し支給されるので(行革関連特例法第十一条第一項)、特例給付の受給権者が被用者又は公務員でなくなつたときには、特例給付の受給権は消滅する。

2 「被用者でなくなつたとき」とは、児童手当法第二十条第一項各号に掲げる者(以下「一般事業主」という。)が保険料又は掛金を負担し、又は納付する義務を負う被保険者、組合員又は団体共済組合員(以下「被保険者等」という。)がその資格を喪失したとき(一般事業主に使用されなくなつた日の翌日)をいうものである。

ただし、退職又は転勤等により被保険者等の資格の喪失があつても、同月内に再び被保険者等の資格を取得する場合等、継続していずれかの一般事業主がその者の保険料又は掛金について負担し、又は納付する義務を負う場合については、「被用者でなくなつたとき」に当たらないものである。

(問2) 特例給付の受給権者(被用者)が次に掲げる事例(いずれも住所変更による認定権者の変更はない)に該当した場合の特例給付の支給如何。

(ア)

 

10/5

10/15

 

 

 

 

 

 

 

 

(イ)

 

A会社を退職

10/15

B会社に再就職

11/10

 

 

 

 

 

 

 

 

(ウ)

 

A会社を退職

B会社に再就職

 

 

 

 

10/31

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公務員を退職

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(公務員を退職)

(注) A会社及びB会社はいずれも厚生年金保険の適用事業所である。

(答)  (ア)については、特例給付の受給権は消滅せず、特例給付は継続して支給される。

(イ)については、特例給付の受給権は十月十六日(退職した日の翌日)をもつて消滅し、特例給付は十月分まで支給される。なお、十一月十日以降改めて認定請求を行えば、十二月分から特例給付が支給される。

(ウ)については、公務員に対する特例給付の受給権は公務員の身分が失われたとき(十月三十一日)に消滅するので、特例給付は十月分まで支給される。

(問3) 特例給付の受給者が昭和五十八年六月に同年度分の現況届を提出してきたところ、その前年の十月十五日にいつたん会社を退職し(翌日に厚生年金保険の被保険者の資格を喪失)、三か月後の昭和五十八年一月十日より別の会社に再就職(当日に厚生年金保険の被保険者の資格を再取得)していた(昭和五十七年十月十六日から昭和五十八年一月九日までの間は失業)事実が判明した。この場合、特例給付の受給権は昭和五十七年十月十六日をもつて消滅し、同年十一月以降に支払われた特例給付は返還させることとなるのか。

(答)  お見込みのとおりである。

なお、昭和五十八年六月の現況届以降改めて特例給付の認定請求が行われ、特例給付が支給される場合には、行革関連特例法第十一条第二項において準用する児童手当法第十三条に規定する内払調整を行うことができる。

(問4) 特例給付の受給権者である公務員が、引き続いてA公団に使用される者となるため退職した場合には、A公団の職員である期間(ただし、転出の日から五年以内)は引き続き転出の際に所属していた共済組合の組合員とされ、厚生年金保険の被保険者とはされないこととなつている。また、この者は公務員でもないため、児童手当法第十八条第二項に規定する「被用者等でない者」となり、A公団の職員として共済組合の組合員とされる期間、この者に特例給付は支給されないと解してよいか。

(答)  お見込みのとおりである。

なお、御質問にある公団等への転出職員の取扱いについては、昭和五十五年四月十四日児発第二七三号児童家庭局長通知を参照されたい。

(問5) 特例給付の受給者が次のような場合に該当するときは、給付額は月額七○○○円となると解してよいか。

(ア) 譲渡所得を有する場合で、当該譲渡所得につき特別控除が適用される結果、課税所得の合計が市町村民税所得割非課税限度額を下回ることとなる場合

(イ) 市町村民税の賦課期日(一月一日)現在において、生活保護法の規定による生活扶助を受けていたため、その年度の市町村民税(均等割及び所得割)を課せられない場合

(ウ) 年度当初において免除の適用を受けたため年度当初の課税台帳において「非課税(免除)」とされている場合

(答)  お見込みのとおりである。

(問6) 児童手当の受給者(被用者)が民間会社を三月三十一日付で退職し、四月一日付で公務員となつた場合の取扱いはどのようになるか。

また、特例給付の受給者が同様に三月三十一日会社を退職し、翌日公務員となつた場合はどうか。

(答)  児童手当の受給権は、被用者が公務員となつて児童手当の認定権者が住所地の市町村長から公務員の勤務先の長へと変わる四月一日に削減するので、四月分までは市町村において支給し、公務員の勤務先では五月分から支給することとなる。

また、特例給付の場合についても同様である。

なお、御質問の事例とは逆に、公務員を退職した者が翌日民間会社に就職し、被用者となつた場合については、昭和四十六年十二月八日児手第四○号児童手当課長通知の問44のとおりである。

(問7) 父母がともに児童を監護し、かつ、生計を同じくする場合であつて、母から児童手当の認定の請求があつた場合、母を受給権者として認定してよいか。

(答)1 父母が共に監護及び生計要件に該当する場合については、昭和四十六年九月四日児発第四九五号児童家庭局長通知「児童手当法等の施行について(施行通達)」の第二の二に規定するとおり、通常は父が児童の生計を維持する程度が高い者として受給権者となるものであるが、母を受給権者とする認定請求があり、諸般の事情を考慮した結果、母を家計の主宰者とみるのが社会通念上妥当と考えられる場合には、母を受給権者としても差し支えないものである。

2 具体的にどのような場合に、母を家計の主宰者とみることができるかについては、一律の判断基準を示すことは困難であり、認定権者である市町村長が諸般の事情を勘案のうえ個々のケースに即して判断するほかないが、その際に留意すべき事項としては以下のようなものがあり、これらの事項に該当する場合には母を家計の主宰者として認めるのが妥当であると考えられる。

① 父の収入が比較的低く、かつ、母の収入が父の収入を恒常的に上回つていること。

② 児童に係る家族給が母の勤務先から支給されていること。

③ 所得税等の児童扶養控除が、母の所得について行われていること。

④ 児童が母の加入する健康保険等の被扶養者とされていること。

(問8) 児童手当法第五条第一項に規定する「扶養親族等でない児童」とは、仮にその児童が養育者本人の親族又は里子(児童福祉法の規定により里親である養育者に委託された児童)であつたならば、当然に養育者本人の前年又は前々年の所得についての扶養控除の対象となつたはずの児童をいうものであり、したがつて次のような児童はこれに当たらないものと解してよいか。

(ア) 養育者の配偶者又はその他の者の所得税法上の扶養親族となつていた児童

(イ) 養育者の親族である児童であつても、その児童自身の所得税法に規定する合計所得金額が二九万円をこえているため、養育者の所得税法上の扶養親族になれなかつた児童

(答)  お見込みのとおりである。

(問9) 民法の規定によれば、期間が日、週、月又は年をもつて定められている場合の当該期間の計算については、その期間が午前零時から始まる場合を除き、初日は算入しないこととされているので、児童手当法第八条第三項に規定する「やむを得ない理由がやんだ後一五日以内」の一五日間という期間の起算日は、やむを得ない理由がやんだ日の翌日と解してよいか。