アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○青少年に有害な出版物、映画等対策の推進について

(昭和三〇年七月二一日)

(児発第三九四号)

(各都道府県知事あて厚生省児童局長通知)

青少年に有害な出版物、映画等の対策に関しては、さきに、昭和二十九年十一月二十六日中央児童福祉審議会において、「児童に有害な映画及び出版物の悪影響防止方策に関する決議」がなされ、次いで、昭和三十年五月中央青少年問題協議会においては、「青少年に有害な出版物、映画等の対策」の決定を見たところであるが、今回右の対策に基く当省関係の実施内容を別記の通り定め、その推進を図ることとしたので、御了知の上、強力な実施方をお願いする。

なお、これが実施に当つては、貴都道府県においてそれぞれその実情に即した活動を展開されるよう配意されることは勿論、貴管下関係機関が緊密な連絡提けい・・の下に成果を挙げ得るよう御指導願いたく、又特に児童委員については、この分野における第一線の推進機関として、極めて重要であるので、この点留意の上、格段の指導督励方をお願いする。

なお、貴都道府県社会福祉協議会に対しては、別途全国社会福祉協議会より通知される筈であるが、地方社会福祉協議会が、本活動に重要な役割を担う点に鑑み、御連絡の上、活溌な推進に遺憾なきを期せられたい。

青少年に有害な出版物、映画等対策の推進について

一 青少年に有害な出版物、映画等を青少年から排除する国民的運動の展開及び啓蒙宣伝の方途について

1 都道府県

(1) 中央児童福祉審議会及び都道府県児童福祉審議会の行つた勧告等の周知徹底につとめること。

(2) 都道府県児童福祉審議会は、学校教育関係者、警察等の積極的な連絡及び協力を得て、有害な出版物、映画等についての勧告を強化励行すること。

(3) 青少年保護育成に関する条例の施行されている都道府県においては、当該条例に基き、有害な出版物、映画等の排除等に一段と努力すること。

(4) 青少年保護育成に関する条例の施行されている都道府県が、当該条例に基き、有害な出版物、映画等の指定等を行つたときには、この旨を他の都道府県にも連絡してその周知徹底を期すること。

(5) 関係各業界、各団体の行う自主的審査の結果について、その周知徹底方に協力すること。

(6) 都道府県社会福祉審議会等の児童福祉関係団体と随時連絡をとり、情報を交換し、資料を提供する等により、これらの団体の行う運動に協力すること。

(7) 児童委員に対して随時この運動推進のための研修講習等を行うこと。

2 市町村

(1) 中央及び都道府県児童福祉審議会の行つた勧告等の周知徹底につとめること。

(2) 関係各業界、各団体の行う自主的審査の結果の周知徹底方に協力すること。

(3) 児童委員協議会、市町村社会福祉協議会等の児童福祉関係団体、教育団体、青少年団体、婦人団体、防犯団体等と随時連絡をとり、情報を交換し、資料を提供する等により、これらの団体が、地域的、組織的に運動を展開できるよう協力すること。

3 児童委員

(1) 市町村の児童委員協議会は、その地域内の児童福祉関係団体、教育団体、青少年団体、婦人団体、防犯団体等と緊密な連絡をとり、相互に協力して運動を展開すること。

(2) 児童委員は、その担当地域において、母親クラブ、児童指導班、子供クラブ、子供会等児童福祉地域組織の指導者等と協力して児童及び保護者に対し、児童が有害な出版物、映画等になじまないよう指導啓発するとともに、健全なレクリエーシヨンの実施等環境の向上に関する指導を行うこと。

4 母親クラブ、児童指導班、子供クラブ、子供会等の児童福祉地域組織

母親クラブ、児童指導班、子供クラブ、子供会等の児童福祉地域組織にあつては、児童が有害な出版物、映画等になじまないよう、児童を指導育成し、且つ相互に啓発するとともに、健全なレクリエーシヨンの実施等によつて児童の環境の向上につとめること。

二 優良な出版物、映画等の選奨の方策について

1 都道府県

(1) 都道府県児童福祉審議会の推薦の機能を強化するとともに、推薦した出版物、映画等の周知徹底につとめること。

(2) 民間団体が行う選奨の事業に協力するとともに、選奨されたものの周知徹底に協力すること。

(3) 全国社会福祉協議会又は都道府県社会福祉協議会等の児童福祉関係団体と随時連絡をとり、情報を交換し、資料を提供する等により、これら団体が関係者に対して行う優良な出版物、映画等の周知徹底に協力すること。

(4) 優良な出版物、映画等が児童福祉地域組織、児童福祉施設等において広く利用されるよう巡回又は貸出等の方途を講ずること。

2 市町村

(1) 児童福祉審議会又は民間団体が推薦又は選奨した出版物、映画等の周知徹底に協力すること。

(2) 市町村児童委員協議会、市町村社会福祉協議会等の児童福祉関係団体と随時連絡をとり、情報を交換し、資料を提供する等により、これらの団体が関係者に対して行う優良な出版物、映画等の周知徹底に協力すること。

(3) 優良な出版物、映画等が、児童福祉地域組織、児童福祉施設等において広く利用されるよう巡回又は貸出等の方途を講ずること。

3 児童委員

(1) 市町村の児童委員協議会は、その地域内の児童福祉関係団体、教育団体、青少年団体、婦人団体等と緊密な連絡をとり、相互に協力して、その地域の児童が優良な出版物、映画等に親しむよう運動の展開に努めること。

(2) 児童委員は、その担当地域において、母親クラブ、児童指導班、子供クラブ、子供会等の児童福祉地域組織の指導者等と協力して、児童及び保護者に対して、児童が優良な出版物、映画等に親しむよう指導啓発に当ること。

4 母親クラブ、児童指導班、子供クラブ、子供会等の児童福祉地域組織

子供文庫の設置、映写会の開催、常設映画館における団体観覧等により、優良な出版物、映画等の利用普及につとめること。

三 関係業者の自粛方の方策について

1 都道府県

(1) 業者団体(書籍小売業組合、興業組合、紙芝居業組合等)と協力し、その自粛活動を援助すること。

(2) 青少年の保護育成に関する条例が施行されている都道府県においては、当該条例に基き、関係業者に対する自粛方の促進に一段と努力するとともに、他の都道府県にも具体的措置等を連絡して自粛の促進をはかること。

(3) 紙芝居業者の行う自主的な台本審査或は選択、演出、販売菓子の種類、菓子販売の方法等に関する自粛、健康管理の自主的励行等を勧奨すること。なお、紙芝居に関する条例の施行されている地域においては、当該条例に基き、業者の向上につとめること。

(4) 紙芝居業者の販売菓子、玩具店の玩具菓子等の製造販売について食品衛生監視員をして十分な指導監視を行わせるとともに警察の行う取締に対して積極的に協力させること。

2 市町村

(1) 書籍小売店、駅売店、街頭売店、貸本店等に対して、その自粛を勧奨すること。

(2) 劇場、映画館その他の興行場の興行及びその宣伝等について自粛を勧奨すること。

(3) 風俗営業に関する広告宣伝等について自粛を勧奨すること。

(4) 紙芝居に関する条例の施行されている地域については、当該条例に基き十分な指導監督を行うこと。

3 児童委員

(1) 市町村の児童委員協議会は、その地域内の児童福祉関係団体、教育団体、青少年団体、婦人団体、防犯団体等と緊密な連絡をとり、相互に協力して地域内の関係業者の自粛を勧奨し、その実行を援助すること。

(2) 児童委員は、その担当地域内の関係業者と連絡をとり、その自粛の実行に協力するとともに、これら業者と母親クラブ、児童指導班等の児童福祉地域組織との座談会、懇談会等を主催する等の方法によつて積極的に業者の自粛を促進せしめるようつとめること。