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○児童福祉法の運用に関する疑義及びこれが解答について(その一〇)

(昭和二四年一一月三〇日)

(児発第五六号)

(各都道府県民生部長あて厚生省児童局企画課長通知)

標記の件に関し、別紙甲号福島県の照会に対し、別紙乙号の通り回答したから、了知せられたい。

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(別紙甲号)

児童福祉施設に於ける宗教行事について

(昭和二四年一〇月一三日 二四婦児  )

(児童局養護課長あて福島県民生部長照会)

児童福祉施設に収容中の児童に対し、左記の宗教行事を行うことは、憲法第二十条に該当するものと解され、且つ、教育機関に非ざるも昭和二十三年九月二日付「教護院に於ける宗教の取扱方について」及び昭和二十年十二月十五日G・H・Q指令第四四八号の精神を尊重して保育又は養護すべきものと思われるが、これが正否について至急的確なる御指示を賜わりたい。

1 特定宗教家の経営する児童福祉施設(保育所)に於て保育時間内全児童に対し、一様に特定宗教に関するお話をするとか、又は礼拝せしめる行為

2 特定宗教家の経営する養護施設に於て日常収容児童に対し、一様に特定宗教の説教とか礼拝を為さしめる行為

(別紙乙号)

(昭和二四年一一月三〇日 児企第五五号)

(福島県民生部長あて児童局企画課長回答)

昭和二十四年十月十三日付二四婦児をもつて照会された標記の件について、左記の通り回答する。

1 法第二十四条に規定する市町村長の保育所への入所の措置は、保護者にその監護すべき児童を保育所に入所させる義務を負わせるものでなく、保護者が反対の意思表示をすれば、保育所へ入所させることを強制できないものと解する。従つて、宗教団体の経営する保育所への入所の措置がとられた児童の保護者は、その監護すべき児童がその保育所へ入所することを承認したことになる。

而してその保育所としては、特定の宗教団体が経営していることを理由として、その宗教上の行為、儀式に入所している児童を自由に参加させることがあると思われるが、その宗教団体の宗旨とする宗教上の行為、儀式を入所している児童に強制すべきではないことはいうまでもない。

故に右のような保育所に児童を置くことを肯んじない保護者はその監護すべき児童を退所させることができ、市町村長はその児童について措置の変更を為して他の保育所へ入所せしめるか、或いは又法第二十四条但書の規定により、(附近に適当な保育所がない場合と考えて)昼間里親の制度を活用する一方、隣保保育等の簡易保育を行うようにして、監護に欠ける児童に対して積極的に保護の途を講ずることが最も望ましいと考える。

2 養護施設についても保育所に準じて取り扱われたい。