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○地方公共団体の設置した生活保護法による保護施設の事務の委託について

(昭和三二年四月五日)

(社発第二八六号)

(各都道府県知事・五大市長あて厚生省社会局長通知)

従来一部の地方公共団体においては、その設置した生活保護法による保護施設の経営を社会福祉法人に委託しているものもあるが、これは生活保護法及び地方自治法の主旨に照らして望ましくないので、今後は原則としてかかる委託は認めないこととし、現に委託の行われているものについては、すみやかに完全公営又は完全民営の措置をとるよう指導されたい。

なお、諸般の事情にかんがみ、やむを得ずかかる措置をとることのできないものについては、当分の間当該地方公共団体があくまで経営の主体となり、唯その事務の一部を委託するものとし、その委託の方法、内容等については左記事項に留意の上委託契約の改善の措置を講ずる等、その実施に遺憾のないようにされたい。

(例外として委託できる場合)

第一 保護施設の事務の委託は、その保護施設を設置した地方公共団体が、真にやむを得ない事情により、自ら実施することが困難となつた場合において、その事務を委託するのに適した者に委託することにより、被保護者の保護が適正に行われると認められるときに限ること。

(受託者の資格)

第二 保護施設の事務の受託者は、社会福祉法人に限ること。

(管理規程の制定及び使用料等の徴収)

第三 保護施設の事務を委託した場合においても、生活保護法第四十六条第一項の規定による管理規程は、その保護施設を設置した地方公共団体が定めなければならないこと。また、保護施設の利用者からの使用料等の徴収に関しても同じく地方公共団体が定めなければならないこと。

(受託者の義務)

第四 保護施設の事務の受託者は、保護施設に関する諸法令、通知及び管理規程等をよく理解し、遵守しなければならないこと。

(増改築等に関する費用の支弁)

第五 保護施設の事務を委託した場合における保護施設の増改築修理等については、その施設を設置した地方公共団体がその費用を支弁すること。

(受託者の予算)

第六 受託者は、受託事務に関する一切の収入を歳入とし、一切の支出を歳出とする予算を編成し、これによつて経理を行うこと。予算の編成にあたつては、あらかじめ委託者の承認を得ること。

(目的外使用の禁止)

第七 受託者は、受託事務に関して交付を受けた金品及び当該保護施設の建物を目的外に使用してはならないこと。

(幹部職員の任免)

第八 保護施設の事務の受託者が、保護施設の長その他の幹部職員を任免しようとするときは委託者の承認を受けること。

(報告)

第九 保護施設の事務を委託した地方公共団体は、当該保護施設に関し、受託者に対し利用者の状況、経理状況、管理状況等を報告させること。

(要式契約)

第十 保護施設の事務の委託は、前各号の趣旨に従い、当事者間において必ず文書によつて契約すること。

(改善措置)

第十一 前各号に適合しない委託契約については、昭和三十三年三月末日までに必ずこの通達に適合するような改善措置を講ずること。

(委託者のなすべき協議)

第十二 保護施設の設置者が当該保護施設の事務を委託しようとするときは、昭和三十年五月二十四日社発第三九一号厚生省社会局長通知「生活保護法による保護施設に係る協議及び報告について」の記1の(2)及び2の(4)によつて当省に協議すること。