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○生活保護法による保護施設における収容者の取扱の疑義について
(昭和三〇年七月一二日)
(十社第一七三九号)
(厚生省社会局長あて京都府知事照会)
生活保護法による保護施設のうち、養老施設及び厚生施設に収容されている被保護者の取扱について、左記の点について疑義がありますので、何分の御回答をお願いします。
記
1 保護施設に収容されている被保護者が、その施設の管理規程を守らず規律をみだし、保護施設の長の再三の指導指示にもかかわらず改しゆんの余地なく、施設全体の福祉を害すると認めたときは、保護施設の長は、保護の実施機関に対して、法第四十八条第四項による届出をなし、保護の実施機関においてこれに対応した措置がなされないときは、保護のための委託を解除してよろしいか。
2 前記の措置が適法にできるものとすれば、保護施設の長は被保護者本人に対して、保護施設からの退去通告をなし、その退去命令に従わないときは、刑法第百三十条による不退去罪を構成し、民法上は妨害物排除請求権を行使し得るものと思料されるがその見解如何。
(昭和三○年九月一四日 社発第六八八号)
(京都府知事あて厚生省社会局長回答)
標記について、七月十二日付十社第一七三九号をもつて照会があつたが、左のとおり回答する。
記
1 保護施設に収容委託されている被保護者が施設の管理規程、施設長の指導に従わないため、施設長が行政上の措置が必要であるとして実施機関にその旨連絡した場合において、客観的にもかかる措置が必要と認められるときは、実施機関としてはすみやかに必要な行政上の措置を講ずべきであり、これが適正になされない場合には、貴官において然るべく措置願いたいこと。
2 保護施設の管理規程に違反したこと等の理由により、実施機関より保護の停止、廃止等の行政処分を受けた者については、施設長は退所を命じ得るが、この退所命令に応じない場合は、直ちに不退去罪を構成するものとして、施設長が強制処分をとり得ることについて疑義があり、目下法務省側と検討中であること。