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○生活保護特別指導監査の実施について
(昭和五八年三月一七日)
(社監第三八号)
(各都道府県・各指定都市民生主管部(局)長あて厚生省社会局監査指導課長通知)
生活保護法施行事務監査の実施については平素格別の御配意を煩わしているところであるが、近年、多様化しつつある被保護世帯の実態に対応して、適正な保護の実施を確保するためには、ケース処遇の充実及びこれに対する指導監査の一層の充実が必要である。
このため、昭和五十八年度から新たに生活保護特別指導監査を実施することとし、別紙のとおり実施要領を定めたので、左記事項に留意の上、効果的な実施に努められたい。
記
1 この監査は単に対象ケースの自立の促進、問題点の解消を図るにとどまらず、その実施の過程を通じて、福祉事務所の抱える問題点を分析し、適切な対応策を確立するとともに、併せて今後の指導監査のあるべき方向を見出すことをねらいとしているので、このような観点に立つた実施に配意すること。
2 この監査において確立されたケースの効果的な取扱い方策又は新たな指導監査手法については、その後の指導監査等の機会を通じて他の福祉事務所にも波及させることにより、全体的な実施水準の向上を図るように努めること。
3 この監査を実施するに当たつては、対象福祉事務所にその趣旨を十分徹底し、実情に応じた実施に努めることにより、円滑な運営を図ること。
4 この事業に要する所要経費については生活保護指導監査委託費で対応することとしているので、別途指示するところにより、交付申請を行うこと。
別紙
生活保護特別指導監査実施要領
1 目的
生活保護特別指導監査(以下「特別指導監査」という。)は、資産及び収入の的確な把握その他の保護の適格性の確保及び世帯の自立を促進する上で所要の措置を講じる必要があると認められるケースについての継続的な指導監査を通じて福祉事務所の抱える問題点の分析と適切な対応策の検討を行い、併せて新たな指導監査手法を確立することにより、保護の適正実施と実施水準の一層の向上を図ることを目的とする。
2 対象福祉事務所の選定
都道府県・指定都市は、これまでの監査結果及び保護動向等からみて、前記1の目的達成に適当であると考えられる福祉事務所一か所以上を選定するものとする。
3 特別指導監査の内容
特別指導監査は、①一般指導監査、②特別指導、③確認監査からなり、これらを有機的に関連させて実施することにより、問題点の把握、分析から対応策の確立に至るまでの深みのある指導監査とする。
4 実施方法等
(1) 一般指導監査
ア ケース検討数は、全ケース数の概ね二割を目途に実施すること。
したがつて、監査の要員はできるだけ多数かつ長期に派遣し、その指揮は本庁主管課の幹部が当たるものとすること。
イ 対象ケースは原則として稼働年齢層の者のいるケースとし、抽出に当たつては自立助長が期待されるケースを重点に行うものとすること。
なお、福祉事務所が自立助長選定ケースとしているもの及び暴力団関係者等関連ケースは全ケース検討すること。
ウ ケース検討の結果、①是正改善を要するケース及び②自立助長が期待されるケースについては、改善事項及び今後の処遇方針を「ケース指導台帳(別添様式)」に記入し保管しておくこと。
この場合、自立、助長が期待されるケースについての今後の処遇方針は、現業員等と十分協議の上、具体的に明確にしておくこと。
エ 前記アからウ以外の事項については、「一般監査」の例により行うこと。
オ 一般指導監査終了後ケース指導台帳に登載したケース及びその他の事項別問題点については速やかに文書をもつて通知すること。
(2) 特別指導
一般指導監査終了後福祉事務所の問題事項にかかる対応状況の把握及び指導のため、ヒアリング、巡回指導等の特別指導を実施すること。
(3) 確認監査
確認監査は、ケース指導台帳に登載したケース及びその他の事項別問題点の是正状況等の確認を行うため、一般指導監査終了後概ね六か月後に実施すること。
この場合、是正点の改善状況は一般指導監査の是正結果報告を確認監査実施前に徴し、これに基づき実施すること。
なお、確認監査後においても必要があれば、再度特別指導を行うこと。
5 報告
特別指導監査の実施計画及び実施結果報告については、別途通知に基づく様式により報告すること。
6 その他
(1) この監査を行う福祉事務所については、「一般監査」は実施しないこととして差し支えないこと。
(2) 特別指導監査は、原則として当該年度中に完了するよう計画し、実施すること。
別添様式