添付一覧
○「公害健康被害補償法による各種補償給付の取扱いについて」の一部改正について
(昭和五一年五月一二日)
(社保第八〇号)
(各都道府県・各指定都市民生主管部(局)長あて厚生省社会局保護課長通知)
今般、公害健康被害補償法(昭和四十八年法律第百十一号)による療養の給付又は医療費及び葬祭料の支給を受けられる者に対し、生活保護法による医療扶助及び葬祭扶助を適用した場合における公害健康被害補償法第十四条第二項の規定に基づく求償手続きを定めるため、昭和四十九年十一月二十七日社保第二一三号本職通知「公害健康被害補償法による各種補償給付の取扱いについて」を左記〔略〕のとおり一部改正をすることとしたので、了知のうえ貴管下実施機関に対する指導方よろしく御配意願いたい。
なお、この取扱いについては環境庁企画調整局環境保健部と協議済であるので、念のため申し添える。
おつて、同部より本件につき別添のとおり各関係都道府県知事(政令市長)あて事務連絡されているので参考とされたい。
別添
公害健康被害補償法による補償給付と他の法律による給付等との調整について
(昭和五〇年一二月一日 事務連絡)
(各都道府県・各政令市(区)公害健康被害補償法主管部)
((局)長あて環境庁企画調整局環境保健部保健業務課)
公害健康被害補償法による補償給付と他の法律による給付等との調整については、現在、別紙の案で関係省庁と折衝を行つているところですが、関係法令が二八(例によるもの、準用するものを含めれば三〇余)にも及ぶため、すべての省庁と完全な了解に達するには、なお、若干の日時を要するものと考えております。
しかしながら他制度からの求償行為が現実に行われている県、市(区)もあるかと思いますので求償行為があつた場合には、追つて正式な通知がなされるまでの間は、別紙案の定めるところにより支払等の手続が行われますようお願いいたします。
(案)
公害健康被害補償法による補償給付と他の法律による給付等との調整について
(昭和 年 月 日 環保業第 号)
(各都道府県・各政令市(区)公害健康被害補償法主管部)
((局)長あて環境庁企画調整局環境保健部保健業務課長)
(通知)
公害健康被害補償法(昭和四十八年法律第百十一号。以下「法」という。)及び公害健康被害補償法施行令(昭和四十九年政令第二百九十五号。以下単に「令」という。)は、昭和四十九年九月一日から全面的に施行されたところである。法においては、法による補償給付と健康保険法等他の法律による補償給付とについて同一人に対する二重給付を避ける趣旨から調整規定が設けられているが、その具体的な取扱いについては、次の事項に留意のうえ、遺憾のないよう配慮されたい。
なお、本通知については、他の法律を所管する関係省庁とも、協議済であるので、念のため申し添える。
記
第一 法における調整規定の趣旨及び内容
1 公害健康被害補償制度の補償給付(以下単に「補償給付」という。)の支給がなされた場合においては、健康保険法等令第七条で定める法律の規定により、同一の事由について本制度の補償給付に相当する給付等を支給すべき保険者等は、その支給された補償給付の価格の限度で当該補償給付に相当する健康保険法等による給付等を支給する義務を免れること(法第十四条第一項及び令第七条第一項)。
2 逆に、健康保険法等他の法律から同一の事由について本制度の補償給付に相当する給付等が先に支給された場合には、本制度はその価額の限度で支給義務を免れるが、この場合、他の法律の保険者等は本制度の補償給付の支給を免れた価額の限度で本制度に対して求償することができるものとされていること(法第十四条第二項及び令第七条第一項)。
3 2の場合において、本制度がその支給義務を免れる補償給付の価額には、令第七条各号に掲げる法令の規定により補償給付に相当する給付等の支給を受ける者その他の者にその費用の一部を負担させることとしている場合(すなわち自己負担分がある場合)における当該一部負担金は含まれないものとされていること。これは、他の法律において自己負担分がある場合に本制度がその価額の限度で補償給付の支給を免れることとなると被認定者が自己負担分を最終的に負担する結果となつて本制度の趣旨にそぐわなくなるので、このような措置をとることとしたものであること。
4 本制度の補償給付と健康保険法等他の法律による給付等に相当する補償給付との対応関係は別表第1の第一欄に掲げる他の法律の種類に応じそれぞれ第二欄に掲げるとおりであること。
第二 具体的調整の方法
1 法による被認定者に係る通知
本制度の補償給付の対象となる被認定者(健康保険法等他の法律による受給資格がある者に限る。)について都道府県知事又は政令市の長は、別表第1の第一欄に掲げる他の法律の種類に応じそれぞれ第二欄に掲げるところに対し、次により通知されたいこと。
(1) 通知の時期
通知は次の場合に行うこと。ただし、すでに認定されている者についての通知はできるだけ速やかに行うようにされたいこと。
① 他の法律による受給資格者等が本制度の指定疾病にかかつていると認定したとき。
② 他の法律による受給資格者等で本制度の指定疾病にかかつているとしたものの効力が失われ、又は認定が取り消されたとき。
(2) 通知すべき事項
通知すべき事項は、次のとおりであること。
① 他の法律の規定により給付等を行う者(○○市○○組合)
② 他の法律の規定による記号番号
③ 指定疾病にかかつていると認定された者の氏名
④ 指定疾病の種類
⑤ 公害医療手帳の記号番号
⑥ (1)①の場合においては、認定の申請年月日及び認定年月日
⑦ (1)②の場合においては、その事由及び事由に該当した年月日
(3) 通知の方法
通知は、各月分をまとめて行うようにされたいこと。
2 他制度からの求償に対する支払
他制度から法第十四条第二項の規定に基づき求償を受けた場合には、次により支払いを行うようにされたいこと。
(1) 他制度からの求償に応ずることが出来る場合は、同一事由についてしかも相当する給付に対応する部分のみであるから、これに該当するか否かについては求償者と連絡を密にし、十分に確認するようにされたいこと。従つて実質的に両者で額について合意された後に求償を受けるようにされたいこと。
(2) とくに医療費について保険者等から求償があつた場合には、本制度における医療は指定疾病に関連したもののみを対象としているので、これに対応する医療費のみが求償の対象となるものであること。なお、これを確認するための書類(レセプトの写し等)を求償者に要求すること。この場合、必要に応じて診療報酬審査委員会の意見をきくこと。
(3) 障害補償費及び児童補償手当並びに療養手当は指定疾病による障害の程度が一定程度以上の場合に支給されるものであること。遺族補償費、遺族補償一時金及び葬祭料については指定疾病に起因して死亡した場合にその旨の認定がなされたうえ支給されるものであることから都道府県知事又は政令市の長のこれからの補償給付に関する支給決定がなされないうちは求償に応ずる必要はないものであること。したがつて、被認定者であつても補償給付の請求がなされていない者についての求償関係は生じないものであること。
なお、同一事由によつて受けたものであることを示す書類を求償者に求めること。
(4) 保険者等からの求償の様式は別紙によつてなされることになつていること。
(5) 本制度から先に補償給付の支給を行つた場合には、求償ということはないものであること。
(6) 同一事由、相当給付の確認や求償に対する具体的な支払いに関する手続等については、都道府県又は政令市と保険者等との間で意志の疎通が図られるようにしておくことが必要であるので常に連絡を密にされたいこと。
別紙
別表第1
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第一欄 |
第二欄 |
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補償給付 |
療養の給付療養費 |
障害補償費 |
遺族補償費 |
遺族補償一時金 |
児童補償手当 |
療養手当 |
葬祭料 |
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法律名 |
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5 雇用保険法 |
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傷病手当(37) |
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6 児童福祉法 |
育成療養(20) |
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療育医療(21の9) |
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7 身体障害者福祉法 |
厚生医療(19) |
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8 生活保護法 |
医療扶助(15) |
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葬祭扶助(18) |
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9 国家公務員災害補償法 |
療養補償(10) |
休業補償(12) |
遺族補償年金(16) |
遺族補償一時金(17の4) |
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障害補償(13) |
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10 警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律 |
療養給付(5) |
障害給付(5) |
遺族給付(5) |
遺族給付(5) |
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葬祭給付(5) |
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休業給付(5) |
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11 海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律 |
療養の給付(5) |
休業給付(5) |
遺族給付(5) |
遺族給付(5) |
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葬祭給付(5) |
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障害給付(5) |
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