添付一覧
○生活保護法の一部を改正する法律の施行について(依命通知)
(昭和二六年九月一三日)
(厚生省発社第八〇号)
(各都道府県知事あて厚生事務次官通知)
「生活保護法の一部を改正する法律」は、昭和二十六年五月三十一日法律第百六十八号をもつて公布され、これに伴う「生活保護法施行令の一部を改正する政令」(昭和二十六年九月十三日政令第二百九十六号)及び「生活保護法施行規則の一部を改正する省令」(昭和二十六年九月十三日厚生省令第三十八号)も公布され、それぞれ本年十月一日から施行されることとなつているが、今回の改正中最も重要な点は、福祉事務所制度によつて本法のより合理的な運営を企図しているものであり、従つて、今後の本法の運営の適否は一にかかつて福祉事務所の活動の如何に存するものであるから、福祉事務所の人員、機構の整備に万全を期し、その機能の活用に関し、十分意を用い、保護の適正を欠き、濫救、漏救のごとき弊を招来することがないよう、更に、本法施行後当分の間は、福祉事務所設置の進捗状況にもかんがみ、保護事務の渋滞或いは混乱を来すことがあることもおそれられるので、変更前の保護の実施機関と十分に連絡を密にし、その積極的なる協力を求めることによつて、保護の実施に支障ないよう配意するとともに、特に、左記事項に留意し、改正法律の所期の目的の達成に特段の努力をわずらわしたく、命によつて通知する。
なお、この通知においては、今回改正された生活保護法、同施行令及び同施行規則を「改正法」、「改正施行令」及び「改正施行規則」と、従前の生活保護法、同施行令及び同施行規則を「旧法」、「旧施行令」及び「旧施行規則」とそれぞれ略称する。
記
第一 法律一部改正の要点
今回の改正は、社会福祉事業法の制定に対応して本法の実施、運営上変更すべき最小限の事項について改正が行われたものであり、改正の主なる点は、福祉事務所の設置に伴う保護の実施機関の変更、福祉事務所を設置しない町村の長の協力義務、社会福祉法人の創設による保護施設の設置主体の変更並びに保護費等の支弁主体及びその負担区分の変更であること。
第二 保護の実施機関に関する事項
1 従来、保護の実施機関は、市町村長と定められていたが、社会福祉事業法の制定に伴い、本法の施行に関する現業事務は、福祉事務所においてこれを掌ることとなつたので、改正法第十九条第一項において保護の実施機関は、福祉事務所を設置しなければならない地方公共団体の長、即ち、都道府県知事及び市長並びに福祉事務所を管理する町村長と改められたものであること。
2 被保護者を収容保護する場合の保護の実施機関のことについては、従来、旧施行規則第二十一条第一項に費用の負担関係を規律する居住期間の例外として間接的に規定されていたのであるが、改正法第十九条第三項の規定において、今回、これと同趣旨のことを保護の実施機関の面から直接的に規定し、収容保護の場合の実施機関は、その者の収容前の居住地又は現在地により定められるものであることが明確にされたこと。而して、医療扶助の入院の場合のことについても、従来、右と同様旧施行規則第二十一条第一項に規定されていたが、これについては、今回、改正法以下に何等特別に規定されていないのであるが、これは入院という事実のみによつて入院患者の居住地が直ちに変動すると解されず、且つ、一般に入院療養という特殊性よりしてそこに居住地が設定されるものでないことにかんがみ、特に規定されなかつたものに過ぎないのであるから、この場合の保護の実施機関は、従来の取扱と同様、入院前の居住関係によつて定められるものであることに留意すること。
3 保護の実施機関は、法律上は前述したように、福祉事務所を管理するところの都道府県知事、市長及び町村長であるが、保護事務を迅速に実施する必要上、その職権を福祉事務所長、支庁長又は地方事務所長に委任して行わせることが適当であることにかんがみ、これが委任について改正法第十九条第四項において明確に規定されたものであること。而して、本項によつて委任を受けた福祉事務所長等は、その委任事項の範囲内においては、自己の責任と名において保護を決定し、且つ、実施するものであること。
4 委任については、なお、次の点に留意されたい。
(1) 改正法第十九条第四項の規定により、福祉事務所長、支庁長又は地方事務所長(以下「福祉事務所長等」という。)に対し委任しうる事務は、保護の決定、実施に関する事務、即ち、法第二十四条から第二十八条まで、第三十条から第三十七条まで、第四十八条、第六十二条、第六十三条、第六十四条第二項、第七十六条、第七十七条及び第八十条並びに第八十一条に規定する事項であること。
(2) 福祉事務所長が都道府県知事又は市長より委任をうけて行政庁として保護を決定、実施することによつて福祉事務所の機能が真に発揮されることになるのであるから、都道府県知事にあつては都道府県の福祉事務所長又は支庁長、地方事務所長に対して、又市にあつては五大市に限らず、すべての市長は市の福祉事務所長に対して、それぞれ保護の決定、実施に関する権限を委任することとし、且つ、委任は、福祉事務所長等が本法の事務の処理、執行を一貫して円滑になしうるよう、保護の決定、実施に関する事務は、原則としてこれを委任し、事務執行の簡素、迅速化を期すること。
(3) 都道府県において、福祉事務所が独立して設置される場合には、福祉事務所長に対して都道府県知事が委任するものであることは勿論であるが、ただ、都道府県が社会福祉事業法附則第七項の規定によつて独立の福祉事務所を設置しないで支庁又は地方事務所内に現業事務を掌る組織を置く場合においては、その組織の長に対してではなくして、その組織を統轄する支庁長又は地方事務所長に対して都道府県知事が委任するものであること。
(4) 地方自治法第百五十三条第二項において「都道府県知事は、その権限に属する事務の一部をその管理に属する行政庁又は市町村長に委任することができる。」ものとされているのであるが、改正法第十九条第四項は、この規定の内容を制限し、市町村長に対しては勿論、特別区長にはこれをなしえないものであること。
5 法第二十条第二項に規定する都道府県知事の指揮、監督に関する職権の一部の委任については、客年七月六日社乙発第九八号「生活保護法第二十条第二項の取扱に関する件」において指示したところであるが、福祉事務所長等は、本来、保護の決定、実施に関する所謂現業機関たる性格を有するものであるから、これら現業事務に専念出来るよう右の通知において支庁長又は地方事務所長に委任することを適当とした事項についても、向後はなるべく都道府県知事自身において行うものとすること。特に、家屋補修費、完全給食、完全看護の承認の如き事項は、必ず都道府県知事に保留すべきであること。
6 保護の決定及び実施に関する事務の委託については、概ね旧法と同様であるが、施行規則第一条の規定により、保護の実施機関はこの事務の委託を行い、又は委託を受けたときは、その旨を告示しなければならないのであるが、今回、改正施行規則において同条に第二項を附加して、保護の実施機関は右の告示をしたときは、すみやかに、当該委託に関する書類の写を添えてこれを厚生大臣に届け出なければならないものとされたこと。而して、この場合は委託、受託の当事者双方の保護の実施機関が連名で届け出ることとされたいこと。
7 改正法第十九条第七項、第二十二条、第二十九条及び第六十一条において福祉事務所長の権限が別個に規定されているが、これは現業事務の機関として本法の実施上必要とされている事項を示したものであつて、都道府県知事よりの委任をまつまでもなく、福祉事務所長が独立してなしうる事務であること。而して、改正法附則第三項の規定により福祉事務所長とみなされるところの組織の長は、右の事項についてのみ独自の権限を有するものであつて、独立の福祉事務所長の場合と異り、都道府県知事等より保護の決定及び実施に関する事務の委任をうけうるものでないことは、前述した通りであること。
第三 保護の実施に関する事項
1 従来、市町村相互間にとかく保護の厚薄不均衡の嫌いがないでもなかつたが、爾今福祉事務所における取扱に際しては、このようなことが是正されるように努めると共に、更に福祉事務所の機能を真に効果あらしめるため、査察指導に当るべき職員の指導監督についても十分意を用いられたいこと。
2 福祉事務所等においては、毎月の被保護世帯の訪問調査に当つても被保護世帯の類型の区分を行い、それぞれの類型に適した訪問調査及び指導を計画的に行い、もつて合理的且つ能率的な事務の執行に工夫をこらし実効を挙げるよう意を用いること。
3 都道府県知事の管理する福祉事務所における本法事務の取扱については、次の点に留意すること。
(1) 福祉事務所を設置しない町村の長は、生活保護法の実施について保護の決定、実施に直接たづさわらないこととなつたのであるが、町村長として管内住民の福祉について関心あるべきは当然のことであり、又保護の実施機関の側からしても町村長の協力を得て始めて本法の円滑な実施運営を期することが出来ると考えられるので、これらの点を十分斟酌して両者が常に密接に連絡、提携して本法の円滑な運用を図るよう努められたいこと。
(2) 町村長は改正法第十九条第七項第二号により保護の申請を受けた場合は、自己の判断で却下することはできないから、必ず福祉事務所長等に通達しなければならないものであり、口頭で申請があつた場合においても所定の申請書を作成せしめ、而して、この場合は町村長は単なる経由機関として福祉事務所長等にそのまま申請書を進達するようなことなく、その申請書に記載されている事実の真否等保護の要否に関する参考書類をそえて進達させること。
なお、この場合保護の開始又は変更に関する申請は福祉事務所長が受理したときが法定上の受理の日になるものであること。
(3) 町村長から送付された保護開始又は変更に関する申請に対しては、町村長の調査書類によつてそのまま保護の決定を行うとか、又は書面審査のみによつて保護の決定を行うようなことなく、訪問員をして実地調査を行わしめたる後、決定、実施を行うようにすること。
(4) 町村長の協力については、あらかじめ調査報告すべき事項、調査方法、程度等を具体的に連絡しておいて迅速、適確に協力を求めるようにすることが適当であること。
(5) 福祉事務所長等が保護の開始又は変更に関する決定を行つた場合においては、それぞれ理由を附して直接本人に通知しなければならないことはいうまでもないが、それらに関する決定の内容は、協力すべき町村長においても承知しうるよう措置すること。
なお、医療券の交付は福祉事務所長等において直接行うべきであることは勿論であるが、初診券の発行については、地理的事情より要保護者と福祉事務所長との連絡至難の場合等必要に応じ町村長にも交付させて差し支えないものであること。
(6) 福祉事務所長等が被保護者に対して保護金品を交付するにあたつては、なるべく近隣の区域については直接福祉事務所において交付することが望ましいが、直接交付することができないような事情にある場合は、改正法第十九条第七項第三号により町村長をして交付せしめることができること。この具体的な取扱は、勿論それぞれの地域によつて適切な方法を定めるべきであるが、いずれの方法による場合も保護金品が被保護者に迅速、確実に交付され、且つ、不正が生じないことが慎重に考慮されるべきである。而して、一般的に考えられることは、地方自治法施行令第百五十条第二項、第百五十三条の規定により町村長又は町村の収入役などの職員に資金前渡して、これをして福祉事務所長等から被保護者本人に直接発行する扶助費支払通知書と引き換えに被保護者に保護金品を交付し、その領収書を確実に徴し、直ちに精算を行うこととすることが最も適当な方法であると考えられること。
なお、被保護者以外のものに対する費用の支払について、例えば、保護施設等に収容保護しているものに対する保護費、保護施設事務費及び委託事務費又は指定医療機関に対する診療報酬等については、保護施設等に対して、福祉事務所長等から直接に金券送付の方法により行うことが適当であること。
4 改正法第十九条第六項において町村長が必要な保護を行うものとされているところの特に急迫した事由により放置しがたいような場合とは、例えば、突発的な傷痍、疾病等によつて生命が危殆に瀕しているような場合で、本来の保護の実施機関に連絡して保護の決定を受ける余裕のないような場合を意味するものであつて、このような場合においてのみ病院等への移送等の如き応急的処置が認められるのである。而して、改正法第十九条第六項の規定の趣旨は、この事項については町村長の責任においてなすべきものであることを規定したものであつて、福祉事務所長等によりその要保護者に対して適当な処置がとられるまでは一種の保護の実施機関の機能を営むものであること。
町村長が右によつて応急的措置を実施する場合においては、よく本法の趣旨及び一般の取扱方針に準拠して実施することは勿論、事の大小を問わず、速やかに、本来の保護の実施機関に連絡をとらしめ、保護の実施に遺憾のないよう配意すること。而して、町村長の応急的措置として行う保護は、法第八条第二項及び第五十二条に規定する基準に従う本法上の保護であるので、その基準額又は診療方針に必ずよるべきものであること。
第四 保護施設の設置主体に関する事項
1 社会福祉事業法によつて社会福祉事業経営主体につき社会福祉法人たる特別法人を定めた趣旨に対応して、改正法第四十一条第一項において本法による保護施設の設置主体も都道府県、市町村の外は、社会福祉法人でなければ設置できないこととされたものであること。
2 本年六月一日現在において、現に生活保護法による保護施設として認可されているものについては、改正法の附則第四項に規定しているように、そのものが引き続き保護施設として存続するためには、社会福祉事業法附則第十一項及び第十二項の規定による社会福祉法人切替の手続の外に、昭和二十七年五月三十一日までに本法による保護施設としての都道府県知事の認可を更めて行うべきものであるから特に留意して遺漏なきを期すること。
なお、この場合において、客年五月二十日厚生省発社第四六号「生活保護法の施行に関する件」左記第七の2において示した当省への承認の協議は、社会福祉法人の設立によつての厚生大臣の認可があつたものは、特にこれを省略することとし、認可後は、すみやかにこの旨を当省に報告されたいこと。
第五 不服申立に関する事項
1 改正法第六十四条の規定にもとづく都道府県知事に対する不服の申立は、市に関する分を除いては、法律上再審請求の性質を有するものであるが、多くの場合、都道府県知事は改正法第十九条第四項の規定により福祉事務所長等に保護の決定及び実施に関する事項を委任することになるから、事項上は福祉事務所長等が処分庁、経由庁となり、第一審機関として都道府県知事が従来と同様、不服申立に対する決定を行なうことになること。
2 市の場合にあつては、福祉事務所長が市長から保護の決定、実施についての権限を委任されている場合は、その福祉事務所長が処分庁となるのであるが、福祉事務所長から市長を経由することとして取り扱うように指導されたいこと。但し、この場合、一○日間の法定経由期間は、福祉事務所長及び市長の経由期間を通算して計算すべきものであることに特に留意すること。
3 改正法第十九条第六項に規定されている町村長は、保護の実施機関でないから町村長の応急的処置として行う保護については、不服の申立をすることができないものであること。
4 町村の福祉事務所の設置又は廃止により保護の実施機関が変更する場合において、不服申立書の経由、移送の手続を従来通りにすることは、極めて煩雑であり、且つ、齟齬を来す結果ともなるので、今回、旧施行令第四条を改正するとともに、第四条の二の一条を追加して、これが簡便化を図つたものであること。
第六 費用に関する事項
1 従来、保護費、保護施設事務費及び委託事務費(以下「保護費等」という。)については、市町村が支弁した費用について、国、都道府県及び市町村がそれぞれ八・一・一の割合で負担していたのであるが、改正法第七十条及び第七十一条の規定により都道府県も市町村と並んで保護費等の支弁を行うこととなり、且つ、その負担関係も改正法第七十三条の規定により保護費等を支弁した都道府県、市町村がその保護費の二割を負担し、残余の八割は従来通り国が負担することとなつたものであること。
2 従来、都道府県の市町村に対する保護費の負担関係について、市町村における居住期間一年未満の被保護者については、市町村は全く負担せず、都道府県が二割を負担していたのであるが、改正法においてはこの居住期間による負担率の差を撤廃し、たとえ居住期間が一年未満の極めて短期間のものであつても、居住地が明確な場合においては、それぞれ都道府県、市町村がともにその支弁額の二割を負担することにしたのであること。
3 然しながら、居住地がないか、又は明らかでない被保護者に対する場合の保護費については、今回の改正においても従来と同様、都道府県がその保護費等の二割を負担するものとしたこと。
なお、これと同様の取扱が、宿所提供施設又は児童福祉法による母子寮にある被保護者に関してもとられていること。即ち、従来このような施設にある被保護者に関して居住期間の特例の取扱が旧施行規則第二十一条第二項に規定されていたが、今回の改正に当つては、これを法律事項として前段の事項とともに、改正法第七十三条第一号及び第二号に規定し、右の二つの施設にある被保護者については(それらの施設を利用するに至る前から、その施設の所在する市町村の区域内に居住地を有しているものはこれを除く。)、それらの施設の所在地を包括する都道府県が保護費等の二割を負担することにしたこと。但し、この場合において、保護の実施機関はそれらの施設の所在地を管轄する保護の実施機関であること。
4 従来、公益法人(改正法においては社会福祉法人)の設置する保護施設の修理、改造、拡張、又は整備に要する費用に対し、法第七十四条の規定により、都道府県が補助した費用に対して、法第七十五条の規定により国がその三分の二を負担すべきものとして規定されたのであるが、今回、これを法第七十四条における都道府県の補助規定に対応して国の負担規定も補助規定に改めたが、このことは実質的には従来と異なるものではないから留意されたいこと。
5 今回の費用の負担区分の変更に伴つて都道府県及び市町村の保護費等の負担額に変更を来すので、これらに伴う財政需要の点については法律改正の線に沿つて平衡交付金の算定基礎を検討、是正されるから保護費等所要経費の予算措置に遺憾のないよう致されたいこと。
6 本法の施行上、特にその適正を期するために本年度から新たに行政事務費を国から補助することについては、既にその詳細につき指示したところであるが、特に、その経費の使途については遺憾のないよう配意されたいこと。
7 保護費等の市町村に対する国庫負担金の概算交付については従来のとおり都道府県知事を通じて行うものであるから留意されたいこと。
8 指定医療機関に対する診療報酬の支払の方法、時期及び特に会計年度区分については、従来ややもすると誤つた取扱がなされ、そのため経理上の統一がとれなかつたので、今回、この点について改正施行規則第十七条において明確にされたものであること。
第七 その他の事項
1 町村における福祉事務所の設置又は廃止によつて保護の実施機関が町村長を都道府県知事又は一部事務組合の長との間において自動的に変更される場合があるが、この場合、被保護者は同一人であり、行われる保護も継続的に行われるものが多いのであるから、この間において保護の手続上の不備のため事務に齟齬を来すような事は厳に戒むべきことであるので、改正法第八十三条において便宜的に経過措置を定めたものであること。
2 改正法第八十三条の規定は、改正法附則第二項の規定により改正法律の施行に伴う保護の実施機関の変更の場合にも準用されることになつているので、福祉事務所を設置しない町村においては、従来の都道府県知事に保護の実施機関が自動的に変更されることとなる。即ち、本年九月三十日以前において、右の町村長が受理した保護の開始又は変更の申請について都道府県知事が引き継ぎをうけた場合において、都道府県知事は自らが申請を受けたものとして取り扱い、保護の実施機関となつた十月一日からでなく、以前の実施機関が申請を受けた日から起算して法定期日内に保護に関する処分が行われなければならないものであり、又町村長が九月三十日以前に決定、実施していた保護は、都道府県知事があらためてその変更の決定を行わない限り、十月一日以降も引き続き従来通り実施しなければならないことを意味するものであること。
3 右の二つの場合における費用の支弁及び負担関係については、変更前の実施機関が支弁又は負担すべきものとして取り扱うべきものは、たとえ変更後の保護の実施機関が決定した保護に関する費用であつても、従前の実施機関の統轄する地方公共団体が支弁又は負担すべきものであることに留意して遺憾なきを期すること。