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○警察庁と厚生省との麻薬・覚せい剤に関する犯罪の捜査に関する協定について

(昭和四八年一〇月二六日)

(薬発第一〇七一号)

(各都道府県知事・各地区麻薬取締官事務所長あて厚生省薬務局長通知)

標記については、昭和三十二年三月二十七日厚生省薬発第三四号「警察庁と厚生省との麻薬に関する犯罪の捜査に関する協定について」により麻薬犯罪の捜査について実施してきたところであるが、最近の覚せい剤犯罪の情勢にかんがみ、同犯罪についても麻薬犯罪と同様に捜査についての相互協力、捜査の調整等を行う必要があるところから、現行の協定を廃し、覚せい剤犯罪の捜査に関する事項を加えた新たな協定が今回別添のとおり警察庁との間に結ばれたので、現地関係機関と緊密に連絡され、必要がある場合には細目の取りきめを行う等その運用に遺憾のないようにされたい。

なお、細目について取りきめを行つた場合は、そのつど報告されたい。

別添

警察庁と厚生省との麻薬・覚せい剤に関する犯罪の捜査に関する協定

警察庁次長

厚生事務次官

麻薬・覚せい剤に関する犯罪の捜査に関し、次のように協定する。

昭和四十八年十月二十五日

この協定は、麻薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)、大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)、あへん法(昭和二十九年法律第七十一号)若しくは覚せい・・剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)に違反する罪、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二編第十四章に定める罪又は麻薬、あへん若しくは覚せい剤の中毒により犯された罪(以下「麻薬・覚せい剤に関する犯罪」という。)の捜査を能率的に行うため、警察官と麻薬取締官又は麻薬取締員(以下「麻薬取締職員」という。)との相互協力及び捜査の調整を図ることを目的とする。

第一 相互協力

1 警察官と麻薬取締職員とは、相互に、常時緊密な連絡を保持し、麻薬・覚せい剤に関する犯罪についての情報の交換に努めるとともに、捜査に必要な資料、器材等の利用についてできるだけ便宜を供与するものとする。

2 警察官が職務の執行に当たつて麻薬取締法、あへん法若しくは覚せい・・剤取締法に規定する過料に処せられるべき事案若しくは麻薬取扱者、大麻取扱者、けし栽培者若しくは覚せい・・剤取締法で指定を受けた者若しくは指定を受けないで覚せい剤原料を業務のため取扱う者(以下「麻薬・覚せい剤取扱者等」という。)について行政上特別の措置を要すると認める事実を知つたとき、又は麻薬取締職員が職務の執行に当たつて麻薬・覚せい剤に関する犯罪以外の犯罪若しくはその容疑事実を知つたときは、相互に速やかに通報するものとする。

3 警察官又は麻薬取締職員が麻薬・覚せい剤に関する犯罪の捜査を行うに当たつては、相互に協力の要請ができるものとし、要請のあつたときは、被疑者の手配、逮捕その他捜査の実施についてできるだけ協力するものとする。

4 警察官又は麻薬取締職員が麻薬・覚せい剤に関する犯罪の捜査を行う場合において必要があるときは、相互に施設の利用を要請することができるものとし、要請のあつたときは、できるだけ便宜を供与するものとする。

5 麻薬取締職員が4に規定する施設のうち留置場を利用しようとするときは、次によるものとする。

(1) 利用しようとする留置場の管理者にあらかじめ連絡することとし、この場合において、看守上注意を要する事項を併せて連絡すること。

(2) 被疑者の留置については、留置場の管理者の指示に従うこと。

(3) 留置場を勾留場所として利用しようとするときは、留置場の管理者と協議すること。

6 麻薬・覚せい剤に関する犯罪の取締りについての相互協力の要請又は通報は、原則としてその管轄区域に応じ、警視総監又は道府県警察本部長と都道府県知事又は地区麻薬取締官事務所長との間において行うものとする。

7 1、3及び4の規定によりとつた措置について特に要した費用は、依頼した側の負担とする。

第二 捜査の調整

1(1) 警察官が麻薬・覚せい剤に関する犯罪の捜査を行うに当たつて、事犯が麻薬・覚せい剤取扱者等に係るもの等で麻薬取締職員において捜査するのが適当であると認めた場合、又は麻薬取締職員が麻薬・覚せい剤に関する犯罪の捜査を行うに当たつて、事犯が麻薬・覚せい剤に関する犯罪以外の犯罪と関連する等警察官において捜査するのが適当であると認めた場合は、協議のうえ相互に引き継ぐものとし、事件の引継ぎを行うに当たつては、事後の捜査に支障を来さないように必要な措置をとり、その時機を失しないようにするものとする。

(2) 事件の引継ぎを行つた後において、その犯罪の証拠を発見した場合においては必要な措置をとり速やかに引き継ぐものとし、またその犯罪の捜査について必要と認められる資料、情報等を入手したときは、直ちに通報するものとする。

2 警察官と麻薬取締職員との間において麻薬・覚せい剤に関する犯罪の捜査が競合し、又は既に捜査に着手した事犯について競合の虞がある場合は、協議のうえ捜査の便宜その他について総合的に勘案し、そのいずれが捜査すべきかを決定するものとする。

3 麻薬・覚せい剤に関する犯罪の捜査について1又は2により難い事情があるときは、協議のうえ特別の措置をとることができる。

4 麻薬・覚せい剤に関する犯罪の捜査についての協議は、その犯罪の捜査又は引継ぎの当事者である警視総監又は道府県警察本部長と都道府県知事又は地区麻薬取締官事務所長との間において行うものとする。

第三 事件処理通報

警視総監又は道府県警察本部長は、その管轄する都道府県の知事を経由して地区麻薬取締官事務所長に対し、都道府県知事又は地区麻薬取締官事務所長は警視総監又は道府県警察本部長に対し、それぞれ取り扱つた麻薬・覚せい剤に関する犯罪を別記様式により三月に一回通報するものとする。ただし、犯罪の性格、規模、範囲等からみて特に重要と認められるものについては、その都度通報するものとする。

第四 細目についての委任

この協定を実施するため必要がある場合は、その管轄区域に応じ、管区警察局長又は警視総監若しくは道府県警察本部長と都道府県知事又は地区麻薬取締官事務所長との間において細目について取決めを行うことができるものとする。

附 則

この協定は、昭和四十八年十一月一日から施行する。

別記様式

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