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○毒物及び劇物取締法の施行について
(昭和三二年六月一日)
(医第三三〇号)
(厚生省薬務局長あて千葉県知事照会)
右のことについて左記のとおり疑義を生じたので貴局の御意見を承りたく照会します。
なお、差しせまつた事情もあるので至急文書により御回答方御願いします。
記
三共株式会社製品殺鼠剤フラトールは、モノフルオール酢酸ナトリウムを含有する製剤で毒物及び劇物取締法断定の「特定毒物」であるが、これを
1 ふかしたさつま芋一貫目、米糖、魚粉にフラトール一○○瓦を混入して製した野鼠駆除用の毒えさ(一個の毒えさに含有するモノフルオール酢酸の量は三ミリグラム以下)は特定毒物と認むべきか。
2 右の毒えさを特定毒物と認めないとすれば、毒物劇物営業者、特定毒物研究者又は特定毒物使用者でない者の右毒えさの譲渡、譲受、所持は、同法第三条の二、第六項及び第十項に該当する違反行為と認められないと解してよいか。
3 法第十六条第二項第一号の条文の解釈に当つて、昭和三十二年版毒物及び劇物取締法解説(厚生事務官正田泰央著)は、「特定毒物が附着している物又は特定毒物を含有している物(毒えさ)は「特定毒物と解し得ない。」と解釈しているので、この解釈に従えば、例えば指定団体が野そ駆除用の毒えさをもつて、駆除を終了し、残余のものは措置したるも、たまたま駆除に使用中、協同防除従事者又はその他の者が、この毒えさの一部を隠とくしたるもの等については、特定毒物と認め得ないので、今後の指導取締に万全を期し得ないものと思料されるが如何。
(昭和三二年六月二七日 薬収第五九九号)
(千葉県知事あて厚生省薬務局長回答)
六月一日医第三三○号をもつて照会のあつた標記につき、左記のとおり回答する。
記
照会にかかる野鼠駆除用えさは、単にモノフルオール酢酸ナトリウムを含有するにすぎない物ではなく、その作用によつて野鼠を殺すことを目的とするものであるからモノフルオール酢酸ナトリウムの製剤であり、従つて当該毒えさは特定毒物と認められる。