アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○薬事法上の疑義について

(昭和四九年八月二六日)

(薬第六〇一号)

(厚生省薬務局長あて大阪府知事照会)

最近、薬局や医薬品販売業者において医師等の「処方せん」か又は「指示書」かどちらにも解せる書面でもつて要指示医薬品を販売している事例が見受けられ、これが指導取締上、左記につき疑義が生じたので御回答願います。

1 医療機関から発行された「処方せん」と印刷された用紙に、医薬品の名称及びその数量、医療機関の名称及び所在地等が単に記載されただけの書面により要指示医薬品を求められた場合、薬局及び医薬品販売業者はたとえ処方せんと記載してあつても広義の指示書と解して販売して差し支えないものか。

(医薬品製造業者等が医師等に対し、サービスとして処方せん用紙を配布しており、これが使用されるものと考えられる。)

2 「不備なる処方せん」と見なす場合、これを正規の処方せん(医師法施行規則第二十一条等に適合するもの)とした後、一般販売業者又は薬種商販売業者が、これにより要指示医薬品を販売又は授与してもよいか。

3 一般販売業者又は薬種商販売業者が処方せんにより要指示医薬品を販売又は授与できないとすれば薬事法第四十九条第一項に規定する「処方せんによる要指示医薬品の販売又は授与」とはいかなることを意味するのか。

4 薬局開設者が正規の処方せんにより、市販の要指示医薬品を包装のまま交付する場合、これは調剤になるのか販売になるのか、いずれと解すべきか。

(昭和四九年一二月二日 薬発第一一〇〇号)

(大阪府知事あて厚生省薬務局長回答)

昭和四十九年八月二十六日薬第六〇一号をもつて照会のあつた標記について左記のとおり回答する。

1 照会事項1について

照会に係る文書は、医師等が特定の医薬品販売又は授与しても差し支えない旨を単に指示する趣旨で発行したと解し得るものと考えられるので指示書として取り扱つて差し支えない。なお、真実の処方せんと混同を招くおそれがあるのでかかる場合においては、処方せんなる記載は抹消するよう医療機関に対し、指導されたい。

2 照会事項2について

処方せんは医師等が特定人(患者)の特定の疾病に対する薬剤による処置方法に関する意見を述べた文書であり、調剤行為を前提として発せられるものである。したがつて、処方せんにより要指示医薬品を販売又は授与する行為は調剤行為を含む行為を行つているものと思料されるので調剤業務を行えない一般販売業者又は薬種商販売業者は、かかる行為を行うことはできないものと解する。

3 照会事項3について

「処方せんによる要指示医薬品の販売又は授与」とは、薬局において薬剤師が医師等の処方せんにより調剤し、その調剤された薬剤を販売又は授与することをいうものである。

4 照会事項4について

照会の事例のように処方せんによつて薬剤を交付する行為は、それが封を施された容器、被包のまま交付するものであつても調剤行為を含む行為に該当するものと思料される。

しかしながら、この場合においても、交付される薬剤は処方せんの内容に従つたものでなければならず(薬剤師法第二十三条第二項参照)、また、当該薬剤の容器又は被包に薬剤師法第二十五条の規定により定められた事項を記載することが必要である。