添付一覧
○歯科衛生士養成所教授要綱の改正について
(昭和五八年一二月二〇日)
(医発第一二一六号)
(各都道府県知事あて厚生省医務局長通知)
歯科衛生士養成所の指定及び運営に関する指導については、種々御配慮を煩わしているところであるが、今般、歯科衛生士学校養成所指定規則の一部改正(以下「省令改正」という。)に伴い、歯科衛生士養成所教授要綱を別紙のとおり改正したので通知する。
なお、省令改正前に既に指定を受けた養成所については、昭和六十三年三月三十一日までの間は、なお従前の教授要綱によることができるものであるので申し添える。
(別紙)
歯科衛生士養成所教授要綱
この歯科衛生士養成所教授要綱は、歯科衛生士学校養成所指定規則第四条別表に掲げる教育内容(以下「別表」という)中、専門科目の各科目及び時間数に基づいて教育を行うに指針となる内容及び項目、時間配分、実施時期等についての方針を示したものである。
1 教授要綱の基本方針
(1) 専門科目は歯科衛生士の主要な業務である歯科予防処置、歯科診療補助及び保健指導についての十分な知識、技能を与えるとともに公衆衛生活動に参画する能力をも習得させるものである。
(2) 別表の各科目はそれぞれ一つの体系をもっているものであっても、この教授要綱では歯科衛生士の業務の遂行のために必要な主要項目を各科目から抽出している。
(3) 各科目ごとの内容及び項目はおおよその枠を示すものであって、教育実施上の標準となるものである。
(4) 各項目における教育の深度は、その時間数で示されている。
2 教育課程の編成について
(1) この教授要綱に準拠して各養成機関は、それぞれの実情に応じて、必要な教育内容と時間数をもって編成する。
(2) 本要綱に示した各科目の教育実施時期は一つの目安を示すものである。
3 教育の実施について
(1) 講義を中心とする科目であっても、なるべく示説などを取り入れて理解を深める。
(2) 関連科目間の調整に当たっては、特に配慮する。
(3) 各科目担当者相互の連絡は十分に行うようにする。
(4) 適切な教材・教具を整備し、その活用を図る。
第一 歯科衛生士概論
1 目的
歯科衛生士の意義について十分理解させることを目的とする。
2 方法
講義
3 時期及び時間
第一学年前期 一五時間
4 内容及び項目
ア 歯科保健と歯科医療の意義 (三時間)
イ 歯科保健医療に携わる人 (三時間)
ウ 歯科衛生士の役割 (三時間)
エ 歯科衛生士の略史……………………………………(四時間)
オ 歯科衛生士に期待されるもの (三時間)
カ 歯科衛生士の基本姿勢 (三時間)
キ 歯科衛生士の持つべき知識及び技能………………(三時間)
ク 歯科衛生士の業務の展開……………………………(二時間)
5 留意事項
① 本教育は、歯科衛生士教育開始の当初に行う。
② 歯科保健医療の概念を会得させるとともに歯科衛生士としての心構えを持たせる。
第二 解剖学
A 解剖学
1 目的
人体の構造を理解させることを目的とする。
2 方法
講義及び示説
3 時期及び時間
第一学年前期 三○時間
4 内容及び項目
ア 解剖学の意義 (七時間)
イ 人体の構造 (七時間)
ウ 骨格系とその連結 (七時間)
(ア) 骨の発生と成長 (七時間)
(イ) 骨の連結 (七時間)
(ウ) 人体各部の骨格 (七時間)
エ 筋系 (七時間)
(ア) 筋の構造と形状 (七時間)
(イ) 筋の補助装置 (七時間)
(ウ) 筋の機能作用 (七時間)
(エ) 人体各部の筋 (七時間)
オ 内臓 (一○時間)
(ア) 内臓器官の全般構造 (一○時間)
(イ) 消化器系 (一○時間)
(ウ) 呼吸器系 (一○時間)
(エ) 泌尿器系 (一○時間)
(オ) 生殖器系 (一○時間)
(カ) 内分泌腺 (一○時間)
カ 脈管系 (一三時間)
(ア) 血管系 (一三時間)
(イ) リンパ系 (一三時間)
キ 神経系 (一三時間)
(ア) 脳、脊髄及び髄膜 (一三時間)
(イ) 中枢神経系 (一三時間)
(ウ) 末梢神経系 (一三時間)
ク 感覚器系 (一三時間)
(ア) 視覚器 (一三時間)
(イ) 平衡聴覚器 (一三時間)
(ウ) 味覚器 (一三時間)
(エ) 嗅覚器 (一三時間)
(オ) 外皮 (一三時間)
5 留意事項
① 第三 生理学等の関連科目と連係をとって行う。
② 頭蓋骨の実物や模型、人体内臓模型等を常時自由に観察できるように準備して理解を深めさせる。
B 組織・発生学
1 目的
組織・発生学の概要を教え、歯の発生、歯の組織等について十分理解させることを目的とする。
2 方法
講義及び示説
3 時期及び時間
第一学年前期 一五時間
内容及び項目
(1) 組織…………………………………………………六時間
ア 意義
イ 細胞
ウ 皮膚と粘膜
エ その他の組織
(ア) 軟骨組織
(イ) 骨組織
(ウ) 筋組織
(エ) 神経組織
(オ) 脈管
(2) 発生…………………………………………………四時間
ア 胎児の発育
(ア) 受精と着床
(イ) 胚葉の形成
イ 顔面と口腔の発生
ウ 歯の発生
(ア) 歯胚の形成
(イ) エナメル質と象牙質の形成
(ウ) 歯根の形成
(3) 口腔の組織…………………………………………五時間
(ア) 歯の構造
(イ) 歯の組織
(ウ) 歯肉及び歯の萌出
(エ) 口腔の粘膜
(オ) 唾液腺
(カ) 舌
5 留意事項
歯及び口腔に関する事項は、C 口腔解剖学と連係をとって行う。
C 口腔解剖学
1 目的
口腔の構造の概要、歯及び歯周組織の形態、口腔の隣接組織の構造等について十分理解させることを目的とする。
2 方法
講義、示説及び実習
3 時期及び時間
第一学年前期 四五時間
4 内容及び項目
ア 口腔解剖学の意義 (一○時間)
イ 骨
(ア) 頭蓋骨 (一○時間)
(イ) 顔面頭蓋 (一○時間)
(ウ) 側頭下顎関節 (一○時間)
ウ 筋
(ア) 口腔とその附近の筋 (一○時間)
(イ) 咀嚼筋 (一○時間)
エ 脈管
(ア) 口腔とその附近の動脈 (一○時間)
(イ) 口腔とその附近の静脈 (一○時間)
(ウ) 口腔とその附近のリンパ (一○時間)
オ 神経
(ア) 口腔附近に分布する脳神経 (一○時間)
(イ) 口腔附近に分布する自律神経 (一○時間)
カ 口腔
(ア) 固有口腔 (三五時間)
(イ) 口腔前庭 (三五時間)
(ウ) 口腔粘膜 (三五時間)
(エ) 舌 (三五時間)
(オ) 口腔腺 (三五時間)
(カ) 咽頭 (三五時間)
キ 歯
(ア) 歯の形態 (三五時間)
(イ) 歯の萌出 (三五時間)
(ウ) 歯の機能 (三五時間)
ク 歯周組織 (三五時間)
(ア) 歯周組織の概要 (三五時間)
(イ) 歯肉 (三五時間)
(ウ) 歯根膜 (三五時間)
(エ) 歯槽骨 (三五時間)
5 留意事項
① 示説の時間を多くして理解を深めさせるようにする。
② 第三 生理学と緊密な連係をとって行う。
③ 「キ 歯」の教育に当たっては、歯の計測、歯の写生、歯型彫刻等の実習を行う。
第三 生理学
1 目的
生理学の概要を教え、歯及び口腔の生理について理解させることを目的とする。
2 方法
講義、示説及び実習
3 時期及び時間
第一学年前期 三○時間
4 内容及び項目
(1) 人体の生理の概要…………………………………一四時間
ア 生理学の意義
(ア) 生理学の意義 (六時間)
(イ) 生物と生命現象 (六時間)
イ 細胞
(ア) 細胞の構造 (六時間)
(イ) 細胞の基本機能 (六時間)
ウ 血液
(ア) 血液の組成 (六時間)
(イ) 血液の機能 (六時間)
(ウ) 血液の凝固 (六時間)
(エ) 血液型と輸血 (六時間)
エ 循環
(ア) 血液循環 (六時間)
(イ) 心臓 (六時間)
(ウ) 血圧 (六時間)
(エ) リンパ循環 (六時間)
オ 呼吸
(ア) 呼吸運動 (六時間)
(イ) 肺容量と換気量 (六時間)
(ウ) 呼吸ガスと血液ガス (六時間)
カ 筋
(ア) 筋の種類と機能 (四時間)
(イ) 筋電図 (四時間)
キ 神経
(ア) 神経系の種類 (四時間)
(イ) 神経線維 (四時間)
(ウ) 神経伝導 (四時間)
ク 感覚 (四時間)
(ア) 感覚の基本的性質 (四時間)
(イ) 体性感覚 (四時間)
ケ 消化と吸収
(ア) 消化と吸収の意味 (四時間)
(イ) 消化腺の種類 (四時間)
(ウ) 消化器官の運動 (四時間)
コ 排泄 (四時間)
(ア) 排便 (四時間)
(イ) 発汗 (四時間)
(ウ) 腎臓からの排泄 (四時間)
サ 体温
(ア) 体温の産生 (四時間)
(イ) 体温の調節 (四時間)
(ウ) 体温の変動 (四時間)
シ 内分泌
(ア) ホルモンの種類とその作用 (四時間)
(イ) ホルモンとストレス (四時間)
ス 生殖
(ア) 受精と妊娠 (四時間)
(イ) 月経周期 (四時間)
(ウ) 排卵 (四時間)
(2) 口腔生理の概要……………………………………一六時間
ア 歯及び歯周組織の生理 (八時間)
イ 咬合と咀嚼
(ア) 正常咬合と不正咬合 (八時間)
(イ) 下顎位 (八時間)
(ウ) 下顎運動 (八時間)
(エ) 咀嚼運動 (八時間)
(オ) 咬合力(圧) (八時間)
(カ) 咀嚼能率 (八時間)
ウ 嚥下及び嘔吐 (八時間)
エ 歯及び口腔の感覚
(ア) 歯の感覚 (五時間)
(イ) 歯痛 (五時間)
(ウ) 歯周組織(歯根膜)の感覚 (五時間)
(エ) 口腔粘膜の感覚 (五時間)
(オ) 味覚 (五時間)
オ 唾液分泌
(ア) 分泌機構 (五時間)
(イ) 唾液の性状と成分 (五時間)
(ウ) 唾液の機能 (五時間)
カ 発声………………………………………………(三時間)
(ア) 発声器官
(イ) 発声機構
(ウ) 歯と発音
5 留意事項
① 第二 解剖学及び生物学等の関連科目と連係をとって行う。
② 第一八 歯科診療補助の臨床検査に関する実習との緊密な連係をとって行う。
③ 臨床に関する科目との連係をとりながらできるだけ示説の形をとる方がよい。
④ 実習は、必要に応じて適宜行う。
第四 病理学
1 目的
病理学の概要を教え、歯及び口腔の病理について十分理解させることを目的とする。
2 方法
講義、示説及び実習
3 時期及び時間
第一学年前期 三○時間
4 内容及び項目
(1) 病理…………………………………………………一二時間
ア 病理学の意義 (二時間)
イ 病因論 (二時間)
(ア) 内因 (二時間)
(イ) 外因 (二時間)
ウ 先天異常 (二時間)
(ア) 遺伝と疾患 (二時間)
(イ) 奇形 (二時間)
エ 循環障害 (四時間)
オ 退行性病変 (四時間)
カ 進行性病変 (四時間)
キ 炎症 (六時間)
ク 免疫 (六時間)
ケ 腫瘍 (六時間)
(2) 口腔病理……………………………………………一八時間
ア 歯の発育異常 (四時間)
イ 歯の機械的及び化学的損傷 (四時間)
ウ 歯の沈着物と着色 (四時間)
エ 齲蝕 (四時間)
オ 象牙質とセメント質の増殖並びに歯髄と歯 (四時間)
根膜の石灰化 (四時間)
カ 歯髄炎 (四時間)
キ 根尖性歯周炎 (四時間)
ク 歯周組織の病変 (四時間)
ケ 口腔粘膜及び抜髄創の治癒過程 (四時間)
コ 口腔粘膜の病変 (四時間)
サ エプーリス (四時間)
シ 口腔領域の奇形 (四時間)
ス 顎骨の病変 (四時間)
セ 顎骨に発生する嚢胞 (四時間)
ソ 歯に由来する腫瘍 (二時間)
タ 歯に由来しない腫瘍 (二時間)
5 留意事項
① 顕微鏡で標本をみせるようなことは示説として行う。
② 臨床に関する科目との連係を十分にとって行う。
③ 実習は、必要に応じて適宜行う。
第五 微生物学
1 目的
微生物学の概要を教え、歯及び口腔に常在する微生物について十分理解させることを目的とする。
2 方法
講義、示説及び実習
3 時期及び時間
第一学年前期 三○時間
4 内容及び項目
(1) 微生物学……………………………………………一四時間
ア 微生物学の意義 (六時間)
イ 微生物の取扱い方と観察方法 (六時間)
ウ 微生物の一般性状 (六時間)
微生物の分類 (六時間)
エ 感染 (八時間)
(ア) 病原体の病原性 (八時間)
(イ) 宿主の抵抗性 (八時間)
(ウ) 感染症の経過 (八時間)
オ 生体の免疫反応 (八時間)
カ 化学療法 (八時間)
キ 主な病原微生物 (八時間)
(ア) グラム陽性球菌 (八時間)
(イ) ナイセリア (八時間)
(ウ) 抗酸菌 (八時間)
(エ) 嫌気性グラム陽性桿菌 (八時間)
(オ) ビブリオ (八時間)
(カ) スピロヘータ (八時間)
(キ) 放線菌類 (八時間)
(ク) クラミジア (八時間)
(ケ) ウイルス (八時間)
(コ) 真菌 (八時間)
(サ) 原虫 (八時間)
ク 正常細菌叢 (八時間)
(2) 口腔微生物学………………………………………一六時間
ア 口腔微生物
(ア) 口腔微生物叢の由来と定着 (一○時間)
(イ) 口腔微生物の種類 (一○時間)
(ウ) 口腔微生物の分付 (一○時間)
イ 歯垢と唾液 (一○時間)
ウ 口腔疾患と微生物(口腔感染症) (一○時間)
エ 消毒と滅菌 (六時間)
(ア) 定義と目的 (六時間)
(イ) 消毒及び滅菌の方法 (六時間)
(ウ) 無菌操作法 (六時間)
(エ) 歯科臨床における無菌法 (六時間)
5 留意事項
① 臨床に関する科目との連係を十分にとって行う。
② 第一八 歯科診療補助の臨床検査に関する実習との緊密な連係をとって行う。
③ 実習は、必要に応じて適宜行う。
第六 薬理学
1 目的
薬理学の概要を教え、歯科薬理学について十分理解させることを目的とする。
2 方法
講義
3 時期及び時間
第一学年前期 三○時間
4 内容及び項目
(1) 薬理学の概要………………………………………一五時間
ア 薬理学の意義 (六時間)
イ 薬理作用の基本形式 (六時間)
ウ 薬物の効果に影響を与える因子
(ア) 用量 (六時間)
(イ) 感受性 (六時間)
エ 薬物の投与
(ア) 薬物吸収、生体内分布及び排泄 (六時間)
(イ) 薬物の連用と併用 (六時間)
オ 薬物の副作用 (六時間)
カ 医薬品と調剤
(ア) 日本薬局方及び局方薬 (六時間)
(イ) 調剤と配合禁忌 (六時間)
(ウ) 処方箋 (六時間)
(エ) 医薬品の取扱い方及び保存法 (六時間)
キ 中枢神経に作用する薬…………………………(四時間)
(ア) 中枢神経抑制薬
(イ) 全身麻酔薬
(ウ) 催眠薬
(エ) 抗精神病薬と抗不安薬
(オ) 鎮痛薬
(カ) 麻酔
(キ) 中枢神経興奮薬
ク 末梢神経系に作用する薬 (五時間)
(ア) 局所麻酔薬 (五時間)
(イ) 自律神経作用薬 (五時間)
ケ 心・循環器系に作用する薬 (五時間)
(2) 歯科薬理学…………………………………………一五時間
ア 出血と止血薬
(ア) 血液凝固機構 (五時間)
(イ) 止血薬 (五時間)
イ 炎症と抗炎症薬
(ア) 炎症 (五時間)
(イ) 抗原抗体反応と炎症 (五時間)
(ウ) 抗炎症薬 (五時間)
ウ ビタミン、ホルモン (五時間)
エ 病原微生物に作用する薬 (四時間)
(ア) 消毒薬 (四時間)
(イ) 化学療法薬 (四時間)
オ 悪性腫瘍の治療に使用する薬 (四時間)
カ 腐蝕薬、収斂薬 (六時間)
キ 歯内療法に使用する薬 (六時間)
ク 歯周療法に使用する薬 (六時間)
ケ 口腔用薬 (六時間)
コ 齲蝕の予防に使用する薬 (六時間)
5 留意事項
臨床に関する科目との連係をとって行う。
第七 口腔衛生学
1 目的
口腔衛生学を十分理解させるとともに、歯科における公衆衛生活動の実際についての知識及び技能を習得させることを目的とする。
2 方法
講議、示説及び実習
3 時期及び時間
第一学年前期~第二学年前期 九○時間
4 内容及び項目
(1) 口腔衛生学…………………………………………六四時間
ア 口腔衛生学の意義…………………………………(二時間)
イ 歯口の健康と機能…………………………………(六時間)
(ア) 発育
(イ) 遺伝
(ウ) 栄養
(エ) 全身との関係
ウ 歯口の清潔 (八時間)
エ 歯垢及び歯の沈着物 (八時間)
オ 口臭 (八時間)
カ 齲蝕の知識 (一二時間)
キ 齲蝕とフッ素 (一二時間)
ク 齲蝕の予防法 (一二時間)
ケ 歯周疾患の知識 (一二時間)
コ 歯周疾患の予防法 (一二時間)
サ 不正咬合(咬合異常) (六時間)
シ その他の疾病異常 (六時間)
(ア) 先天異常 (六時間)
(イ) 口内炎 (六時間)
(ウ) 歯性病巣感染 (六時間)
ス 歯科予防処置の概要 (六時間)
セ 歯口清掃指導法
(ア) ブラッシング指導 (六時間)
(イ) フロッシング指導 (六時間)
ソ 公衆歯科衛生の概要 (六時間)
タ 歯科疾患の疫学 (六時間)
チ 保健所歯科活動 (一四時間)
ツ 保育所、幼稚園及び学校歯科保健 (一四時間)
テ 産業歯科保健 (一四時間)
ト 地域歯科保健活動………………………………(四時間)
(ア) 地方公共団体
(イ) 関係団体
(ウ) 地区組織等
(2) 歯科衛生統計及び歯科衛生教育…………………二六時間
ア 歯科集団検診 (二四時間)
イ 歯科保健調査 (二四時間)
ウ 歯科衛生統計分析 (二四時間)
エ 歯科衛生教育………………………………………(二時間)
5 留意事項
① 歯科予防処置に関する実習は、第一七 歯科予防処置で行う。
② 公衆衛生活動については、他の関係職種との協調性を重視する。
③ 歯科衛生統計に関する教育に当たっては、実際に資料の処理ができるよう適宜実習も行う。
第八 衛生学・公衆衛生学
1 目的
衛生学・公衆衛生学の概要を教え、公衆衛生活動の基礎的な知識について理解させることを目的とする。
2 方法
講義
3 時期及び時間
第一学年後期 三○時間
4 内容及び項目
ア 総論
(ア) 衛生及び公衆衛生の定義 (二時間)
(イ) 健康 (二時間)
(ウ) 健康を守る手段 (二時間)
イ 人口
(ア) 人口動態統計 (二時間)
(イ) 生命表 (二時間)
(ウ) 優生学 (二時間)
ウ 環境衛生……………………………………………(六時間)
(ア) 定義
(イ) 環境に対する生体の反応
(ウ) 温熱環境
(エ) 空気
(オ) 水
(カ) 騒音
(キ) 放射線
(ク) し尿処理
(ケ) 塵埃
(コ) 暖房と冷房
(サ) 衣服
(シ) 気候
(ス) 公害
エ 疫学…………………………………………………(四時間)
(ア) 疫学の定義
(イ) 疫病の発生要因
(ウ) 疫学調査の方法論
(エ) 感染症の疫学
オ 国民栄養と食品衛生………………………………(二時間)
(ア) 国民栄養
(イ) 食品衛生(食品添加物を含む)
カ 母子保健 (八時間)
キ 学校保健 (八時間)
ク 成人及び老人保健 (八時間)
ケ 地域保健……………………………………………(四時間)
(ア) 地域社会の概念
(イ) 地域保健活動の組織
(ウ) 地域保健事業
コ 産業保健 (四時間)
(ア) 意義 (四時間)
(イ) 産業保健活動の内容 (四時間)
(ウ) 労働環境と職業性疾患 (四時間)
サ 精神衛生 (四時間)
(ア) 意義 (四時間)
(イ) 精神障害の原因と特徴 (四時間)
5 留意事項
「カ 母子保健」、「キ 学校保健」及び「ク 成人及び老人保健」については、その関係法規を理解させ、また具体的な活動についても触れる。
第九 栄養指導
1 目的
栄養学及び生化学等の概要を教え、歯科保健指導及び歯科衛生教育を適切に行うのに必要な栄養並びに食事指導について十分理解させることを目的とする。
2 方法
講義及び実習
3 時期及び時間
第一学年前期~後期 六○時間
4 内容及び項目
ア 生命活動の概要……………………………………(一二時間)
(ア) 生体維持に必要な要素
(イ) 生体における代謝
イ 口腔に関連の深い生化学…………………………(八時間)
(ア) 歯と骨の組成
(イ) 石灰化の仕組み
(ウ) 歯の脱灰と溶解
(エ) 結合組織の組成
(オ) 唾液の組成と役割
ウ 栄養学の概要………………………………………(一八時間)
(ア) 栄養素の知識
(イ) 栄養所要量
(ウ) 食品と栄養
(エ) 食生活の知識
エ 栄養指導の概要……………………………………(四時間)
(ア) 栄養指導と食事指導
(イ) 食品分析
(ウ) 嗜好調査
オ 歯科保健のための食生活の基礎…………………(八時間)
(ア) 食品の性状と齲蝕誘発性
(イ) 食生活と歯周疾患
(ウ) 咀嚼と食品
カ 歯科保健のための食生活指導の実際……………(一○時間)
(ア) 一般的な原則
(イ) 歯の萌出前の栄養
(ウ) 歯の萌出後の食生活
(エ) 歯の喪失後の食生活
(オ) 心身障害(児)者、唇顎口蓋裂児等
5 留意事項
① 教育は、第一学年前期後半から行う。
② 実習は、第一九 保健指導と連係をとって行う。
第一○ 衛生行政・社会福祉